洋服解読所
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KURT THUNE (FINLAND) Professional Shooting JKT
¥36,000
カート・トゥーン。 1983年創設、フィンランドの射撃装備レーベルです。 採寸を伴う完全オーダー方式でのみ販売されるシューティングジャケット。 これを見た後だと、ハンティングジャケットとかがお遊びに見える。 精々ファッションじゃないか、そんなの。って。 いやまぁ実際ハンティングはレジャーだから四捨五入すればファッションなんですけど。 あまりに本格的。 レザーのライダースと、プロテクター入りのレーシングジャケットが違うように、ハンティングジャケットとシューティングジャケットもまた違うのでしょう。 直立姿勢からしゃがみ撃ち、伏せ撃ち姿勢までの3パターンに対応して、全くそれらだけのために徹底的にシェイプを固定した製図。 いや製図だけじゃない。 製図から素材選びまでの全てが用途に即した、用の美の極北みたいなデザイン。 アシンメトリーなカッティングは序の口。 右と左で生地すら違う。 ポケットの有無もそうだけど、1番面白いのは後ろ肩部分。 何かに使うであろうハーネスが2セット生えてる。 そして左肩には、スナイパーライフルに接続固定するためのスリングを迎えるハーネスベルト。 これが滅茶苦茶カッコ良い。 銃を構えた時の姿勢だけを執拗に追い求めた袖のシェイプは、其々の可動域から違う。 過激な内巻き&前振りは共通しているものの、可動が許される領域がそもそも別。 左手は銃身に添えられるように、右手はトリガーの位置に。 つまり肘部分のカーブの強さも違う。 いやはや、ここまで「右利き用」が極まった服は見たことが無い。 硬化加工されたコットンキャンバスをメインに仕立てられた身頃は直立の“気を付け”の姿勢になれないぐらい硬い。 しかしこのジャケットの強制する体勢になって着てみると不思議、もう全くストレス無し。 もはや矯正器具とも言えそうなジャケット。 信じられないくらいカッコ良いけど、信じたくないくらい難しい。 何とどう合わせるのか。 荷物はどうするのか。 何より、いつ着るのか。 ファッションデザイナーの方くらいしかこんなの買わないだろうと心の何処かで思っていますが、この天秤を壊せる人に刺さりますように。 Made in FINLAND サイズ50 肩幅:45 身幅:50 着丈:70 袖丈:67 全体的にぼちぼち汚れています。 毛羽立ちや、腹部には人工スエードの擦り切れ(小)なども。 が、臭いや加水分解などの深刻な劣化は無し。 あくまでクールなヴィンテージジャケットとしてファッションに使える範疇ではあります。
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2000-Fall NIKE Asymmetry Cutting Technical SW
¥27,000
NIKEがそのカテゴリを変えた年。 ここから数年間のプロダクトは、スポーツウェアってよりもデザイナーズウェア。 又は、その両方。 そして、これはそのトップレンジ。 前見頃の左半分以上を覆い隠さんばかりの大きなアシンメトリーポケット。 用途に基づいて一枚で製図されたラグランスリーブは、ラグラン化する際に消失する袖山線をピンタックで再現。 ラグラン構成シームの一つをボタン明きにしているのですが、他のシームでは縫代押さえステッチを明き止まり位置に揃えてストップ。 全シームに執拗なまでの統一感を持たせています。 さぁ、ネックラインに仕込まれたアイデアが凄まじい。 ボディの共布と、普通にネックラインに使うようなリブニットの合わせ仕立てに注目、ここでのキセ分量操作によってフロントのみ緩やかにロールネックを形成。 とんでもないアイデア。 服作る人全員に見てほしい。 なんて面白い服なのか。 25年前の服だけど、まだ新しい。 これは実店舗まで来ずとも、勘でゲットして問題無い服だと思います。 必ず想像以上です。 サイズだけ、一応チェックお願いします。 Made in CHINA サイズ表記S 肩幅:(54) 身幅:54 着丈:67 袖丈:(58) 裄丈:86
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1980's M&FG Choral-Pink Wool Gabardine Bomber JKT
¥32,500
SOLD OUT
ジルボー原理主義のきらいがある私ですが、それでも完全にそうなり切らないのは、こういう服が出て来るせい(おかげ)。 80年代の日本製M&FG。 淡いコーラルピンクのウールギャバジンで仕立てられたボマージャケット。 強いピンクじゃなくこのソフトカラーを選ぶ辺り、本当にセンスが良い。 ボディ全体に張り巡らされたジッパーポケット。 これらは全部表地の内側へ隠し込まれています。 つまり表からはファスナー以外見えないけれど、ボディに7ポケット、左袖に2ポケットの合計9ポケットデザイン。 フロントの4つは分かるけど、前身と後身を跨ぐサイドパートにも2つ入れて、背中にも大きいポケットを設計しています。 いよいよ鞄要らなくなりそうですね。 さて、それらが悪目立ちすることなく、しかし静かに存在感を放っているのはポケットそのものの仕様選定の妙。 袋布を裏に隠すけど、その袋布をステッチで表地に縫い留める仕様。 これでポケットは見えないけど、ポケットのアウトラインはステッチで可視化されています。 タクティカルムードに感じるワクワクと、瀟洒な色選び&生地選び、全てを的確に組み合わせたデザイン。 個人的に刺さってるのは、裾リブの範囲設定です。 普通のMA-1よりも、リブが始まる地点が外にズレていますよね。 細かいところですが作り手の眼の光を感じて嬉しくなります。 もはやタグが一切付いていなくても同じ熱量で仕入れてたであろうスペシャル。 しかもコンディションもとても良いです。 Made in - (JP) サイズ表記M 肩幅:51 身幅:62 着丈:56 袖丈:58 裄丈:85
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SO BY A.V.SLOBBE Crazy-Collar-Cut Horse Patch Coat
¥36,000
弊店でも一度紹介したことのあるコートです。 特殊な組織に織られたデザイン・ファブリックでの変形コート。 台襟を延長してタブストラップにするディテールはよくありますが、それを皮肉るような意匠。 羽襟と台襟を(更に身返しまで!)地続きで製図。 無意味に延ばした台襟、これらは倒すとヒトデみたいな見え方になりますね。 袖口には意味不明なカフス構成。 鉤の字に延びたカフス同士を重ねて端だけを縫い止め。 これは背面ベントでたまに見られるフックベントの拝み合せみたいな構造。 これがどういう意図なのか? 僕にはさっぱり分かりません。 こんな風に意味や合理をすり抜けた面白い服、とってもワクワクします。 この人の服、合理っぽく見せての前フリがあるからカオスが更に引き立つんです。 そして胸に鎮座するレザーのホースモチーフ、これも触れなければ。 これ前回の個体にはありませんでした。 多分リメイクなんじゃないか……?と訝しんでいますが、どちらとも断定出来ない段階。 (裏面にステッチは出てきますがこの刺繍がある位置には裏地が無く、後入れか判断出来ない) このホースはS,McCARTNEYがChloe時代から多用していたモチーフを彷彿とさせます。 リメイクだったとして、このコートにこれを入れる感覚、とっても面白いですよね。 前回も「よく分かんない服だ」みたいに書きましたが、今も感想は大体同じ。 結局よく分かんない。 なんなら、更に分からなくなってしまった。 所々微細な汚れが残っていますが、プロクリーニング済みなのでこれ以上酷くなることはないはずです。 Made in JAPAN サイズ表記48 肩幅:45 身幅:57 着丈:99 袖丈:68 ちなみに裏面のポケット袋布はマチを増設して大振りな内ポケットとして転用されています。 ここもまた最高にニクい。
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1980's ANN TJIAN for KENAR Ethnic_Patch_Work Wide Bomber JKT
¥32,500
70年代末から90年代末までの約20年間のみ存在していたアメリカのレーベル、KENAR。 この企画に参加しているANN TJIANは上海人。 このボマージャケットの製造はインドネシア。 アメリカ・上海・インドネシア……なんともインターナショナルな背景を持ちながら、最終的なビジュアルはコスモポリタンと真逆の、土着的で野暮ったいエスニック・パッチワーク。 素朴でありながらも鮮やかで美しい柄デザインのジャワ更紗を沢山パッチワークしたデザイン。 (レーヨンだから生地は多分オリジナル) この形式は、実はインドネシアのオールドピースでは散見されるデザインフォーマットでして、ETRAKが偏愛するKOMODOの最初期のコレクションにも、こんなのが存在するんです。 (それは残念ながら仕入れられませんでしたが……) さてそんな中、そうした土着的なフォーマットに西洋の美意識(モードの記号とでも言いましょう)を捩じ込んだのがこのジャケットです。 それが如実に表れているのがボディバランス。 80'sらしい横長ボディの…… って長過ぎるでしょう、あまりに。 肩幅も身幅も、85cmもある。 着丈53に対して約1.6倍の横幅。 ファッションへの無関心から生まれるルーズシルエットではなく、流行に根差して意図された過激なオーバーフィット。 肩パッドがこの文脈を決定付けてくれます。 この時代にしては薄め/柔らかめ、およそ1.0cm程の肩パッドが入っているんです。 しかも、肩線の途中に。 肩幅が85cmあると申しましたが、肩パッドが設置されている位置は肩幅48cmの位置。 大前提としてのドロップショルダー。 本当に面白いことしてる。 KOMODOとはまた違った角度からのエスニックの昇華。 クールなストリートファッションにインポートするのがKOMODOだとすれば、モードの文脈にブラッシュアップしたのがこのジャケットです。 ちなみにこんな服を作るレーベルではありません。 そもそもがマイナー過ぎて参照も殆ど叶わないとは思いますが、良くも悪くもNYっぽい服が多い印象。 そんな中でバグみたいに生まれた、インドネシアに関係無い人間が作るインドネシアのスペシャル。 強烈に面白い背景があります。 しかし最も大きなポイントは「ジャワ更紗」の美しさ、それらをこんなに多く目に出来る贅沢なパッチワークデザインの妙であると思います。 Made in INDONESIA サイズ表記M 肩幅:85(48) 身幅:85 着丈:53 袖丈:44 裄丈:89
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1980-90's XIPAYA Color_Blocking Switched Anorak
¥25,500
ドイツのアクティブウェアレーベル 【OFF THE LIP】のブランチ(?)ライン、【XIPAYA】。 これはブラジルの先住民族の名前です。 正確にはアマゾンの熱帯雨林、ブラジルとペルーの国境付近に暮らすシパヤ族。 現政権のジェノサイドにより、彼らの居場所は日に日に破壊されています。 この服が作られた頃から警鐘は鳴り続けていて、それは時も国も人種をも超えて、今日の私に届きました。 「ストリートウェアの名前として冠すること」 これだけで後世に残り、“なんかカッコ良い”と感じた誰かが検索するのです。 このボトルレターには、「カッコよく作らなきゃダメ」という大前提があります。 じゃないと誰も興味を持っちゃくれない。 その点、このアノラックのデザイナーは仕事をしたと言えます。 オフホワイトとブラックのボディにアッシュブルーとスモーキーピンクのカラーブロッキング。 モンドリアンを思わせるユニークなスイッチラインは、縫い代を叩き縫うジグザグステッチによって更に強調。 前身の右側にだけ配置されたアシンメトリーポケットは特大。 雑誌こそ入りませんが、両ポケットとジーンズのポケットに振り分ける手回り品は全て収納出来るサイズ感。 閉じるジッパーはオリジナルの極めてユニークなプルトップがデザインされています。 フィラメントみたいな渦巻きワイヤー。 ファスナートップもドローコードも、コードストッパーに至るまで全パーツがユニーク。 オリジナルかまでは断定出来ませんが、一先ず簡単には手に入らない。 被りで着用する完全プルオーバーのアノラックです。 いやフードが無いからアノラックではないのか? でも一旦、暫定的にそう呼ばせてください。相応しい語が見当たらない。 柔らかいフリースのガゼットが組み込まれたハイネックはジッパーで開閉出来るんですが、これがネックラインまでしか開かない。 着脱のためにネックラインを広くしよう、なんて思いやりは無し。 (とりあえず頭は普通に通るサイズのネックラインなので問題は無いのですが、ちょっとヒヤッとします。) 何というか、背負おうとしてる事はあったかいけど、服作りの雰囲気としてはストリートらしい無愛想な空気感ですね。 今何処をどう探してもなかなか出会えない、変則的なルーツを持つ洋服。 ドイツで作られた服なのに名前はブラジル。 このイレギュラー感、色使いに表れている気がします。 Made in - (Germany) サイズ表記M 肩幅:67 身幅:78 着丈:73 袖丈:52 裄丈:87
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c1980's INDONESIA MADE Acid Colors All-Cotton Racing JKT
¥22,000
SOLD OUT
インドネシアのクレイジーピース。 バキバキに尖った色使いと、ケミカルの香りすらしない素朴なコットンオンリーの素材選びのギャップが素晴らしい。 外から持ち込まれる素材を使わず、現地にある物だけでバイカージャケットを目指したような趣があります。 それも、ライダースとかじゃないガチのレーシングウェア。 本格的なプロテクターを入れる構造を参照したような肩周りのデザイン。 肩部分と胸部分のファスナーが作る空間はそれぞれ中で繋がっていて、ヨーク部分全部が一応ポケットと言えなくもない。 それとは別に、綺麗にパイピングされた丸襟も二重に仕立てられており、ネックラインで縫い合わされるのかと思いきや、そこでは縫合せず「ふらし」。 つまり、部分的に身頃が二重になっています。 ここに前述したファスナーによる謎空間も重なってくるので構造はもう滅茶苦茶。 ヨーク部分、薄いコットンとは言え布が3枚重なっている計算になります。 色が示す通り、いやそれ以上のアシッドデザイン。 これはヨーロッパや日本からはなかなか出て来ない。 出て来る想像が全く付かない。 強いて言えば未来の若きロンドンデザイナーが作りそうな服だけれど、でもどうせその人もインドネシアとかの地域出身なんだと思う。 Made in - サイズ表記L 肩幅:55 身幅:57 着丈:65 袖丈:59
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1980-90's EURO VINTAGE Tribal Pattern Jacquard Knitting Tee
¥12,500
ヨーロッパで流行したトライバル/エスニックの流れ。 最初はオートクチュールなどのハイファッションで珍しがられていた異国情緒が、ストリートに降りて来た時代です。 カラフルだけどビビッドに跳ね過ぎないカラーリング、そしてグレーというメインカラー。 とても合わせやすい。 色んな服と噛み合う、良い総柄。 この手の総柄って「セーター」で多いんですよ。 これは共通認識としてあるでしょう。 最近は総柄のジャンパー(セーター)にも注目が集まっていますよね。 よくあるカテゴリだからこそ、その使い方に筋が通っているOxbowなんかは殊更特別感があります。 あのノリ、インナーで使いたくないですか。 こんな猛暑の時代に分厚いアクリルセーターなんて待ってられないし、着れるのも真冬の2-3か月だけ。 アレをTシャツの規模感で見事に成立させているのがこの個体。 今から着れるし、軽いジャケットも無理なく重ねられる。 服としての良さ/珍しさもありますが、ファッションとしての良さ/使い易さにて 強いアドバンテージがあります。 こっちはかなり珍しいジャカードTee。 総柄が丁寧に編み成されたボディだけでなく、無地グレーの袖部分もジャカード組織で作られているのがポイント。 グレーの奥にノイジーなマルチカラーが眠っていて奥ゆかしい。 Made in Portugal サイズ表記XL 肩幅:64 身幅:64 着丈:72 袖丈:26
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1980-90's EURO VINTAGE Tribal Taste Border Pattern Tee
¥11,000
ヨーロッパで流行したトライバル/エスニックの流れ。 最初はオートクチュールなどのハイファッションで珍しがられていた異国情緒が、ストリートに降りて来た時代です。 カラフルだけどビビッドに跳ね過ぎないカラーリング、そしてグレーというメインカラー。 とても合わせやすい。 色んな服と噛み合う、良い総柄。 この手の総柄って「セーター」で多いんですよ。 これは共通認識としてあるでしょう。 最近は総柄のジャンパー(セーター)にも注目が集まっていますよね。 よくあるカテゴリだからこそ、その使い方に筋が通っているOxbowなんかは殊更特別感があります。 あのノリ、インナーで使いたくないですか。 こんな猛暑の時代に分厚いアクリルセーターなんて待ってられないし、着れるのも真冬の2-3か月だけ。 アレをTシャツの規模感で見事に成立させているのがこの個体。 今から着れるし、軽いジャケットも無理なく重ねられる。 服としての良さ/珍しさもありますが、ファッションとしての良さ/使い易さにて 強いアドバンテージがあります。 こっちの個体はシンプルなカットソー素材。 ユーロ圏のライトアウターと、まぁ相性の良いこと良いこと……。 内タグは全て無くなっています。 多分コットン100 サイズ感はLくらい。 Made in - サイズ表記- 肩幅:50 身幅:55 着丈:76 袖丈:23
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c80's CONVERSE (EURO) Arch-Logo Design Wide-Body Tee
¥9,000
誰もが知るレーベルの 殆ど誰も触れていない個体 コンバースのオールドユーロです。 グレーとネイビーの太巾ボーダーパターン。 ついでに身巾もやっぱり広め。 とっても使いやすいこうした条件群は、最早カジュアルウェアの王道とも言える風格。 ボーダーのグレーとネイビー、その両方が奥行きのあるメランジ糸で編み立てられています。 アクリルが20%入ってて、言われてみれば普通のTシャツよりも若干ふっくらしてるような……? でもスウェットっぽいと感じるかというと明確にNo。 Tシャツから半歩の半歩、スウェットに向かおうとしてる、くらいのバランス。 いなたくって、でもこういうカテゴリの服にしか無い独特の風情があって良い感じ。 ぶっちゃけ、こんなのありふれたTシャツです。 でも要所要所で少し違う。 この少しの違いが嬉しいんだけれど、それを遠回しに伝えるかのような、超王道のアーチロゴがまたニクい……。 定番のビジュアルをしていながら、なんてシニカルなのだろう。 「これユーロのコンバースやねん」なんて口にすることなく、当たり前のようにベタな着方で。 今回、秋口におけるインナー役としての活躍見込みを重視して柄物のTシャツを纏めました。 ボーダーをメインに、少しトライバル風味も混ぜつつ、ユーロの珍しいTシャツにて3着。 1枚でドン! じゃなく、シャツやライトアウターの中からチラッと見えた時に完璧な映え方をする個体を厳選しています。 スタイルサンプルで、少しでもその輝きが伝わるといいのですが。 Made in ITALY サイズ表記L 肩幅:54 身幅:58 着丈:66 袖丈:25
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1990's NIKE Loose Body Tanktop
¥8,000
ドンと広い身巾から、肩に掛けて思い切りカットインした(深く刳り貫いた)型紙。 肩に合わせて着ると身巾はブカブカになり、身巾に合わせて着るとAVIREXみたいなマッスルタンクが成立します。 いや、ちょっと違うかも。 AVIREXなんかのマッスルタンクは、ボディをピチッと身体に沿わせる事が大前提にあるから伸縮性の高い素材で、そこまで身巾を広げずに仕立てるんです。 素材のストレッチで身体に沿わせる感覚。 でも今回のこのタンクトップは普通のTシャツに使われているような天竺。 このカッティングと素材の合わせはかなり珍しいと思います。 デカいタンクトップをダルっと、なんて着方もファッション的でとてもカッコ良いですし、ガッチリ鍛えてる方にもお薦め。 カッコ良いバックプリントは、背中を見える時にも映えてくれましょう。 原子構造模型みたいなグラフィック。 健康的でスポーティな印象をまだ前面に押し出していた90年代のNIKEからはちょっと意外なテクノロジカル・モチーフ。 後者の着方を想定するなら、こうしたクールなグラフィックのバックプリントってとても大きなアドバンテージになりますよね。 Made in USA サイズ表記L 身幅:57 着丈:61
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c80's J.C.de CASTELBAJAC Handwriting Graphic Pure-Silk Scarf
¥18,000
SOLD OUT
プリント それはポップであればあるほど 安い生地に乗っているものです。 統計がある訳ではなく、ただの偏見。 でもこれは私だけの偏見ではないでしょう。 バジャックが得意とした手描きグラフィック。 軽快な色使いとコクトーみたいなミニマルなタッチで作られる、自由で軽やかな彼だけの世界。 シルクスカーフよりも絵本なんかに相応しい、非写実的なグラフィックです。 これはそんな前提があって尚、ハイエンドなシルクスカーフをキャンバスとした特級作品。 当然の如くユーロ個体、生地端を「よりぐけ」で美しく始末した極上の一枚。 またも当たり前ですが、限り無くしなやかで美しいテクスチャ。 厳かな馬具の羅列やオリエンタルな曼荼羅紋様、記号的にさえ伝わる「ハイエンドっぽい」モチーフ、それらを一切使わず真逆のテイストで振り切ったデザインです。 彼は今も色んな所に、一目で誰のものか分かるグラフィックを描き続けています。(Instagram参照) バジャックの精神性に倣い、自由にお楽しみください。 タグ無し 80×83
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1980-90's REPLAY (IT) American Back Print Design Western SH
¥19,000
オーバーオールに殴り倒されるグラフィック。 ウィットに富みすぎだろう。 「イタリアで作られるアメリカ服」 様々なレーベルをこの文脈でフックアップしてきましたが、このリプレイもまた同じ情熱のもとスタートしたレーベルです。 1978年、当時21歳という若さでREPLAYを始めたのが創業者のClaudio Buziol 氏。 サッカー中継を観ている時に画面に映し出された「REPLAY」の文字は、1950年代のアメリカに憧れていた同氏の衝動を言い表すのにピッタリでした。 このレーベルは、彼の初期衝動のリプレイなのです。 至ってイタリアらしいオールピンク。 この色で仕立てられたウエスタンシャツ、これはアメリカでは作られそうにありませんが、まるでタフガイに着せたような着古し加工によって全く新しい美しさを獲得しています。 ピンクのシャツ、軟派な服ですよ。 しかしこれをラギッドに巧く取り纏めてバランスを取ったデザイン。 前情報無しに文字で聞く「ピンクのシャツ」はなかなか着られるイメージが湧きませんが、これなら話は違いましょう。 バックにはTHE・AMERICAという趣のグラフィックプリント。 明確にアメカジであるのに、明確にイタカジである。 このジャンルの服はどちらもを冠するのです。ここに矛盾はありそうで無い。 ここが面白い。 面白いだけじゃなく、その日のコーディネートに自然な崩しを纏わせてくれる。 ありそうで無い、でもあって欲しい、そんな服。 コテコテを嫌い、数多あるジャンルの間をすり抜け、オリジナルを探す人にとっての希望です。 一枚で着たって多いにサマになる。 むしろ羽織ものとしてシャツが活躍するような時期から早々に楽しめます。 スタイルへの愛情と、自然な歪みの面白さ。 それが明確に宿るこんな個体から是非。 Made in ITALY サイズ表記48 肩幅:52 身幅:62 着丈:81 袖丈:63
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1980-90's REPLAY (IT) Gazette Design Half-Zip Polo
¥15,000
SOLD OUT
「イタリアで作られるアメリカ服」 様々なレーベルをこの文脈でフックアップしてきましたが、このリプレイもまた同じ情熱のもとスタートしたレーベルです。 1978年、当時21歳という若さでREPLAYを始めたのが創業者のClaudio Buziol 氏。 サッカー中継を観ている時に画面に映し出された「REPLAY」の文字は、1950年代のアメリカに憧れていた同氏の衝動を言い表すのにピッタリでした。 このレーベルは、彼の初期衝動のリプレイなのです。 これはポロシャツを独自のツイストで仕上げたユニークピース。 フロントジップの内側にマチを設置しています。 片方の端をボタン開閉にして、-普通のスキッパーの顔/変則的なアシンメトリーフロント/カウルネック搭載のポロカラー -の三通りを演出。 僕は断然カウルネック一押し。 現代的な感覚のディテールデザインですよね。 今見ても普通に新しい。 このカテゴリの服に共通するのは「捻じれた懐かしさ」という名の“新しさ”ですが、この服に関してはシンプルな新鮮味もあります。 しかしやっぱり決め手は色味でしょうか。 このクリーミーで軟派なグリーン、この時代のイタリアからこそ生まれ来る享楽の化身です。 一枚しか着られない季節でも、ちゃんとユニークなディテール、そして堂々主役を張ってくれる存在感。 Made in ITALY サイズ表記XL 肩幅:51 身幅:62 着丈:81 袖丈:26
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80-90's GRASS MEN'S Crazy-Yole Cutting S/S SH
¥17,500
斎藤純デザイナー本人期のグラス・メンズ。 彼の入社後、GRASSにて分枝設立されたGRASSのメンズラインです。 日本のファッションに最も勢いのあった時代、デザイナー達の才能の総量はメディアのキャパシティを大きく上回っていたと感じます。 そうして現代にまで強く伝説されなかったレーベルのひとつ、GRASS MEN'S、個人的な好みを含むなら、前提として斎藤デザイナー本人期。 そろそろETRAK内で JUN SAITO と検索してみても面白いかも。 前回のリネンシャツ同様、コーディネートし易いベーシックアイテムに対して研ぎ澄まされたウィットを突き刺すデザイン。 このシャツの場合は、背中のヨークがアームホールを追い越して袖まで覆い被さってくるカット。 このヨークは、本来のヨークのように身頃と切り替えしで縫い合わされている訳ではなく、既にヨーク無しで完結しているシャツの背中に「ふらし」で重ねられている仕様です。 基本やフォーマットが決まりきっているメンズファッションの風潮を皮肉るようなデザイン。 「ヨークね、地の目を横にして、はい、これでいいかい」 ってな雰囲気。 わざわざシェリーライン調子のストライプを使ってこれをやってるのも、また底意地が悪くて素敵です。 この「ふらし」によって絶妙にズレるストライプ。 そうして遠回しに伝えてくる。 Tシャツ一枚での生活を余儀無くされる現代の真夏。 そこから辛うじて一枚羽織れる日差しの合間用、ここぞとばかりに構造遊びの楽しさを詰め込んだ半袖シャツ。 Made in JAPAN サイズ表記S 肩幅:56 身幅:65 着丈:76 袖丈:22 Sなのに大きいでしょう。 ヨークのギミックは、Sサイズを着る方がこれくらい大きめに着る事で最も強く発動するからです。 ヨウジやイッセイとは違う、非常にロジカルな見え方をするドレープ構築。
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c90's SOVIET (IT) CG Printed Design OP-Collar SH
¥14,500
SOLD OUT
イタリアのデザイナーズ・カジュアルの中でも一際異端の立ち位置、SOVIETという名前のレーベルです。 後にUrban Tribe Wearの冠の付くレーベル、その要素をソヴィエト連邦に見出すセンス、大分尖ってます。 プリントの位置が変。 左袖にウエイト割き過ぎ。 このプリントの密度のせいで左袖だけ接着芯を貼ったようなハリ感があります。 コンピュータグラフィックが世に普及してきた頃特有の、ローファイ・テクノの情緒。 過去にそんなルートを辿ってきたような気がする、PCにまだ色んなスロットがゴチャゴチャ付いていた時代、その用途に見当も付かなかった頃のPC教室の乾いたファンの音……。 でも多分通ってないんですよね。キリル文字なんて大人になってもなかなか触れる機会無いし。 架空の過去を懐かしみながら、新しさを享受していきましょう。 コンピュータグラフィックのサイバー感とは相反して、土っぽいカラーリングと素朴なコットンポプリン。 オーバーサイズでサラッと着てこそサマになる普通のオープンカラーシャツにこのビジュアルメイクを炸裂させるというヘンテコなバランス感覚。 誰かの言う定番とは大きく異なる、自分だけのパーソナル・サマーウェアになってくれるはず。 「夏と言えば」って問いに自分だけの答えがある人へ。 Made in ITALY サイズ表記L 肩幅:63 身幅:73 着丈:79 袖丈:28 夏といえば 瓶すら貫通する結露 「ここが胃だよ」と語るビール
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80's AMERICAN SYSTEM Psychedelic Full_Pattern Oversized Tee
¥15,000
チカチカするくらいアシッドなカラーリングで組まれた、エスニックモチーフの総柄。 前回の入荷でポロシャツをご紹介したレーベル、AMERICAN SYSTEMのTシャツです。 70年代末、イタリア人デザイナーOlmes Carrettiが始めたアメリカン・カジュアルの新しいリミックスデザイン。 彼独自の色彩感覚とダイナミズムで織り成されたそれらは当時のイタリアで数多のフォロワーを生み出し、そのムーブメントはパニナロと呼ばれ、当時を生きた洒落者達の-又は埃に塗れた古雑誌の-片隅、色褪せた1ページとして記憶されたり、記録されたりしています。 彼は80年代前半にBEST COMPANYというレーベルを立ち上げ、その少し後にこのAMERICAN SYSTEMを立ち上げました。 このデザイナーの作品が好きで、微力ながら細々と集めてきましたが、後発のASでは、BCではやらないような、アクの強いデザインやチャレンジングなデザインが若干多いように感じています。 BCは世界観を煮詰める場所、ASは世界観を応用する場所、というのが個人的な見解。 このTシャツのアメカジっぽい部分というのは、左胸のプリントです。 スポーツチームっぽい、アクティブなロゴグラフィック。 ここだけ。 普通〜のアメカジっぽい胸プリントが 全然アメカジっぽくないTeeに乗っています。 アメカジ風味は2割くらいで、あとはOlmes氏の実験場。 様々な図版を粉々に砕いてランダム配置したようなグラフィックは、アメリカでもイタリアでもない非欧米のアートからの引用。 このアクの強い柄だからこそ、胸の素朴なアメカジ風プリントが沁みる……。 ネックラインのリブ使いはOlmes氏のお家芸、切り替えやステッチを混ぜた複雑な作り込みが炸裂しています。 これは総柄なので視認しづらいですが、BCやAS、またその草案となる初期レーベルBY-AMERICANでも使われたシグネチャーディテール。 真夏に一枚、普段掛けないサングラスを掛けてバカンス使いするのも良いですけれど、この上から一枚羽織れるような気温の時期にも良い感じ。 無地のシャツやライトアウターの裾からなら、こんなスーパーサイケデリックも怖くありません。 Made in ITALY サイズ表記XXL 肩幅:55 身幅:62 着丈:75 袖丈:28
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c00's KIM JONES White × White Printed Concept Tee
¥13,000
SUPREMEと同じくらいに偉大なストリートウェアのデザイナーです。 モードのトップたるDiorとストリートのトップたるStussyを引き合わせた立役者。 シーンに蔓延こそしていたムードを、実際のコラボレーションで決定付けた偉業。 そんな彼の昔のシグネチャーレーベルです。 これカメラを通した方がプリントが見え易いですね。 ホワイトとグレーの間みたいな、極めて朧げなソフトトーンのボディに、真っ白のインクでグラフィックプリント。 このインク、真っ白っというか洗濯で弱ったリフレクターインク、又は同じく弱った蓄光インク、みたいな趣き。 自然光や蛍光灯で眺めると、もはや無地のようにも見えます。 しかし少し暗い所でフラッシュ焚いて撮ると、インクだけが白く強調されてバッチリグラフィックが見えてきます。 内容は、Kim Jones氏がグラフィックアイテムで多用したコンセプト 「EDGE OF THE LOOKING GLASS」。 直訳すると「鏡の縁」で、本人達曰く「虫眼鏡の端」との訳。 これはKim Jonesを日本で広めたショップ「ELIMINATOR」の三階にて、Kim氏と共同で開かれたアートスペースの名前です。 それが2005年のことですから、このTeeはそれ以降のプロダクト。 このTeeに限らず、同じテキストを取り入れたグラフィックが存在します。 無地TeeともグラフィックTeeとも断言し難い、絶妙なポジションのアイテム。 ちなみに「EDGE OF ……」のテキストは、比喩的な意味合いで「現実と非現実の境界線」「不安定な状況」などを指すことがあります。 微妙な色選びや意地悪なプリントコントラストの使い方は、まさしくこの表現に基づいたものでありましょう。 良い白(?)Teeです。 大きな汚れやダメージはありませんが、全体的に結構着古されています。 Made in JAPAN サイズ表記M 肩幅:48 身幅:52 着丈:62 袖丈:20 3-4枚目は部屋を暗くしてフラッシュで撮った写真。 5枚目は光に透かした写真。
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80-90's CORNICHE (Fr?) Hard Broke Out Denim Shorts
¥15,500
ただでさえ奇天烈なカッティングが炸裂した80年代ユーロのデニムパンツ。 CORNICHEというヨーロッパのカジュアルレーベルです。 出自自体はフランスですが、イタリアとかで作らず、人件費の安い外国で作ってたタイプ。 こういうのの方が探す手掛かりが無かったり、出会えても出自を知ってないとスルーしちゃったり……。 さて、これを作ったのはジルボーが広げた「デザイナーズ・デニム」の風呂敷に乗っかった、数多の才能の1人でしょう。 フロントにあり得ないポケットの増やし方してる。 一撃で惚れました。 そのアイデアは出ないよ。 ペットボトルも文庫本も余裕で入ります。 ここに何か大きい物入れるなら、ベルトはギュッと強めに締めておきましょう。 さてこのデニムの中途半端にのっぺり褪せた色味もまた乙ですね。 日本人には出来ない。 前腿部分だけ地のインディゴが濃く残ってるでしょう、これは多分ダブルニーの当て布を引き剥がしてる。 そこに別パーツでハンマーループをアレンジ…いや、ハンマーループと繋がってる部分だけ切り落とさずに残したのか。 勿体無いリメイクだなぁと思いつつ、同時に「じゃあフルレングスでも買ってたか?」という声が聞こえる。 これ、フルレングスなら買ってないかも。 これはショーツだからこそ、前述した「デザイナーズ・デニム」の潮流、その勢いが色濃く可視化されてるけど、フルレングスでダブルニーで存在してたら、多分別カテゴリの人に向けた服になっちゃってたと思う。 うちに今置きたい服ではなくなる。 ユーロのアイデアパワーがあって、この色で、この変態的なショート、だからこその服。 ウエストめちゃくちゃ大きいです。 多少大柄な人でも、ちょい緩めの調子良いサイジングでお楽しみいただけると思います。 Made in HONGKONG サイズ表記40 ウエスト:100 ワタリ:41 股上:34 股下:19 裾幅:36
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A-POC Full Knitting Design Monster Hoodie
¥66,000
ISSEY MIYAKE社が生み出したA-POCのデザインは「編み物」という技術の極致だと思います。 途轍も無い深度のコンピュータニッティングにより一枚のニットテキスタイルの中に洋服の構造線を全部内含させる洋服。 裁断によって発生する布屑をギリギリまで減らすこの画期的なデザインは、別にやり方を確立したところで、このフォーマット前提で様々な洋服を作れるだけのデザインスキルが無いとアドバンテージにはなりませんから、「発明したから後は楽だよね」とならないんですよね。 そんな中こんなモンスターピースを生み出せるA-POC、流石にヤバい! ベースはスリムフィットのニットフーディです。 顔を大きく覆うフード部分には局所的な透かし編みを自由自在に配置し、目や口の位置はシースルーメッシュ。 さながらガスマスクみたいなビジュアルイメージ。 ボディにも様々な構造線が編み地の濃淡で見事に描かれており、存在しないアームホールシームまで可視化されています。 トロンプルイユで描く夢幻、それを技術力で無理やり叶えにいってるような。 どう着ようか、なんて考えるのも野暮ったい。 まず着て感動に身を預けて、そこからでいいです。 (着る時は装飾品を全て外してください) Made in - サイズ表記- 肩幅:41 身幅:39 着丈:68 袖丈:65 内タグが無いので組成不明。 ニットウェアなのである程度は伸びますが、不安なく推奨出来るのはメンズのSくらいまで。 Mサイズ基準くらいの方になると、フィット感の好みとか骨格とかによります。
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90's GIULIANO FUJIWARA Orange Stripe Pattern Green S/S SH
¥12,000
若菜色のベースにオレンジとモスグリーンのミックス・ストライプ。 色はファンキーだけど、線が細いから小綺麗。 完全に色組みで個性を確立したシャツです。 Giuliano Fujiwara なんて名前ですから、日本のブランドなのかどうなのか、初見では惑ってしまいます。 これは日本人デザイナー藤原喜章(よしあき)氏がイタリアで設立したレーベル、というのが実態。 故に本品のようにイタリア本国で製造したユーロオリジナルと、日本で製造された個体とが入り混じっています。 独立前はヴァンヂャケットで勤務されていたデザイナーですから、日本でのオペレーションも容易だったことでしょう。 故に日本レンジを所謂ライセンス品、と一蹴出来ないのがこのレーベル。 2001年に54歳という若さでこの世を去った早逝のデザイナーによるクリエイションは、メンズにおける「デザイナーズファッション」が花開いた1980年代の残り香を骨組みに、ユニークな色彩感覚や素材使いの妙、カッティングエッジが固有の魅力です。 「味付け」の部分は様々な作り手に多種多様な個性があり、どれも面白いですよね。 このレーベルに感じる魔力は、骨組みの部分。 ユーロ企画の個体なんて特にそうですが、土台は完全に80年代のイタリア紳士服なのです。 享楽的で、贅沢で、勢いがあって、そしてそれら全てを適切に律するエレガントがある。 ちょっと大きめの襟、ダブル仕立ての袖口、そして若干小さめに作られたポケット&ポケットフラップ。 インナーとして使うってよりは一枚でサラッと着る想定、ボディの裾は直線断ちのボックスヘム。 着てみると(正確には身体に乗せると)分かる、優しい新しさ。 過激に価値観を揺るがすような服ではなく、じわじわと ベーシックに色を混ぜるような違和感。 一言に纏めるなら「バランス感覚」って言葉になるのでしょうけれど、その内容と品質こそ多種多様ですよ。 Made in ITALY サイズ表記39/S 肩幅:44 身幅:53 着丈:68 袖丈:19
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80's ERMENEGILDO ZEGNA Ex_Wide Body Indigo-Linen Blouson
¥36,000
SOLD OUT
スーパーワイド。 海みたいに深いインディゴのピュアリネンを、その中を泳ぐように纏うブルゾン。 完全に夏仕様、背中のヨーク内部は完全貫通仕様。 ヨークの下から突っ込んだ手が袖口から出て来ます。 さてこの服の特筆点は、ドカンと広く取られた身幅から裾に掛けてギュギュッとテーパードするシルエットメイク。 ボマージャケットでのボディテーパーって、まぁ十中八九が裾のリブニットによるキックバックでしょう。 しかしこの個体はサイドウエストのベルトアジャスターで引き絞る仕様。 そしてアジャスターで引き絞ると同時に、そのウエストにもタックが畳まれ、その陰影部分に重ねるようにポケットが製図されています。 ピンと来ますでしょうか、これはウエストタックを畳むスラックスの腰回りみたいな感じ。 アレを上下反転させて作るウエストライン。 凄く凝ってる。 リブに任せりゃ楽なのに。 (まぁリブより締め付けは軽いけど) アメカジがイタリアのファッションシーンを席巻した80年代、それに迎合せずストイックな仕様を新しくデザインし続ける姿勢は、ゼニアの矜持をビシビシ感じますね。 リブ襟じゃなくて羽襟を選んでるのも、そこに同じ理由があるようにお見受けします。 あとは寸法で、そのヤバさが伝わればいいなと思います。 試しに来れる距離の方は、是非現場でご体感くださいね。 (そこでこの服の本懐、テキスタイル自体のクオリティにも触れていただこうという魂胆です。) Made in ITALY riri_Zip サイズ表記48 身幅:73 着丈:61 裄丈:87
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VIKTOR&ROLF Real Layered System White JKTs
¥39,000
SOLD OUT
Viktor&Rolfのメンズラインより、楽しい構造のレイヤードジャケット。 【レイヤード】って技法はこのレーベルが使った重要なアイコニックなデザインコードのひとつ。 超コンセプチュアルに作られるレディースコレクションはさて置き、メンズコレクションでこれくらいトバしたアイデアが炸裂しているピースって多くありませんから殊更魅力的に映ります。 メンズはやっぱりどうしても、多かれ少なかれリアリティに比重が割かれますからね。 これは白シャツ×白ジャケット、なんて生やさしいものじゃない。 “白ジャケット”ד白ジャケット”です。 どっちもアウター。 まさかの複数形。ジャケッツ。 外のジャケットはショート丈。 内のジャケットはセミロング。 内のジャケットはカバーオールくらいの丈感/ポケット配置なんですが、ここの腰に付くポケットに対して外のジャケットの裾がポケットフラップみたいな顔して丁度良く被さるのが面白い。 ちなみにこのジャケットは、「フェイクレイヤードデザイン」ではなく本当の「レイヤードデザイン」。 外のジャケットの裾や袖口にはスナップボタンが配され、それらを溜めたり溜めなかったりして遊ぶのです。 そして試しに一度全部外して、2着のジャケットへと分解してみると面白さの本懐は見えてくる。 どうも、内のジャケットは部分的に極薄のコットンローンで切り替えられている。 これはレイヤードをする上で生地の重なりが邪魔になる箇所や熱の籠り過ぎる箇所の軽量化。 このラインメイクを見るとまた気づく。 これは裏地のライン設計と同じ思考回路で成されている。 裏地もインサイドアウトも使っていないのに、レイヤードというセンテンスを切掛に、服作りにおける【用の美】を見事に表出させるアプローチ。 彼らの作る細縁の眼鏡でも掛けて、インテリやアーティストを気取って着こなしたい。 もうこちら側も振り切ってしまおうと思わせてくれるだけの完成度です。 Made in ITALY サイズ表記48 肩幅:45 身幅:55 着丈:72 袖丈:72
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1989S/S CdG Actionable Cutting W_Breast Sheer JKT
¥35,000
89年の春夏、モノトーン以外にもソフトカラーやパステルカラー、ポップな雰囲気の柄が多用されたコレクションでした。 淡いトーンと深いトーンを果敢に合わせたり、シースルー素材同士を多層的にレイヤリングしたり、可憐でありながら唯一無二の浮遊感を作り上げたシーズン。 こちらはランウェイにも登場した、変則カットのシースルー・テーラード。 腕を真上に真っ直ぐ上げた時に平面になるような袖です。 であると同時に、腕を斜め下に下げた時に平面になるような袖です。 ……?? そう、これは複数パターンの「平面」を1つの袖に無理矢理搭載して立体性の限界を拡張するカッティング。 ギリギリ キュビズムと言えなくもないか。 いや流石に無理か。 スポーツウェアで、鎌底にマチを嵌め込んで運動量を拡張する「ピボットスリーブ」という製図概念があります。 お好きな方多いでしょ。 あれの最大値がこれだと思います。 どれだけ腕を上げようが、頭上でXを作ろうが、シームに負担が掛かる心配なんて皆無。 何処まででも動けます。 で、これのヤバいところは 「袖製図に細腹を巻き込んでるところ」。 製図の捻りは、袖部分だけで完結しないんです。 テーラードジャケットにおける細腹部分(サイドパート)で行うマニュピレーションも、この袖製図で一緒にやってる。 袖と身頃の境界を侵食する、奇妙で鮮烈なカッティングエッジ。 極めて本格的なテーラードジャケットの製図でありながら、ギャルソンらしい既存の枠組みを破壊する痛快なアイデアです。 アイデア先行にならず、テーラードジャケットとしても極めて美しいってところも感激。 そう、こういう根本的な作りの良さはもっと評価されて欲しいポイント。 メンズも細身なら、着れる人がもしかしたらいるかもしれないけれど、大前提としてレディースです。 軽さがありながらもドレッシー。 唯一無二のコンパクトなショートテーラード。 いろんな合わせでお楽しみください。 Made in JAPAN サイズ表記M 肩幅:42 身幅:50 着丈:41 袖丈:60 袖口巾:9.5
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