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80-e90's ALLEGRI (Lic.) Y-Flap Design Bal-Collar CO

¥21,000 税込

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社名ではなく企業コード時代
96年以前の三陽商会ライセンス個体。

ユーロオリジナルのアレグリには大体不可能な魔力にも似た魅力がありますが、ライセンスにもそこに肉薄するユニークピースが散在します。


これはそう。



土台はクラシックなバルカラーコート。
時代に色があるなら、この色は「昭和の色」。

ブラウン管TVの中からタバコ臭い横丁まで、様々な紳士の背中を飾ってきたスモーキーカーキ。


それらの大体が2枚袖ラグランで作られていたこの時代に珍しいセットインスリーブ。

しかも肩先に殆ど角度を付けない、袖山低めの製図。

1枚袖ラグランとも、2枚袖ラグランとも、スーツみたいな鋭角なセットインとも違う、絶妙な力の抜き方。




そして正面を飾り、他の有象無象とこのコートを明確に差別化するディテールデザイン、《Yフラップ》です。

前立てからそのまま地続きで伸び、フロントネックラインを覆い隠すカバーデザイン。

何これ?
と思うと同時に、一件だけ心当たりがありました。

これ80年代のジルボーがダスターコートのデザインで似たことをしてました。

(画質荒過ぎますが、大昔に取り扱った個体の写真を最後に載せておきます)

80年代にはジルボー提携のオリジナルラインも作っていましたし、恐らくその企画の影響はあるんじゃないかな……。




これは言ってしまえば、コートの前立てからY字のフラップを伸ばしてデコルテのレイヤード感とマスク感を仄めかすデザイン。


でもおかしいんです。




「………コートに前立て??」


そう、この手のコートに前立てなんて別にありませんよ。

比翼仕立てでボタンこそ隠しますが、別にそれは前立てを使う足し算のデザインではなく、内に一段、ボタンホール用の部屋を増設する引き算的なディテールデザイン。


だから普通、前見頃の前端はフラットなのです。



しかしこのコートのデザイナーはそこに目を付けた。

通常ステッチでだけ縁取られるボタンホール用スペースのアウトライン。

そのアウトラインに准えて同型の前立てをプラス!


こうすることで前立てのパターン遊びが可能になってるという理屈。


このディテールの肝は、
「Y字のフラップが新しくてカッコ良いでしょ」
じゃなくて
「トロンプルイユ感覚での前立て遊び」、並びにその可能性の示唆にあります。



コンサバと見せ掛けて
かなり攻めてるコート。

攻め方がとっても上品。




裏地は表と同じコットンギャバ。

ふらし仕立てにしてるのですが、裾部分でのドッキングにも面白いアイデアが使われていますよ。

太巾の共生地テープ。ここ是非見て欲しい。


-

どうでしょう、ここまで見てもまだライセンスは必ず劣っていましょうか。

なんて感じの反撃ピース。

めちゃくちゃ良いです。



無くなりがちなベルトも残ってます。
金具にわざわざオリジナルの刻印を入れてるやつ。


Made in -
サイズ表記-

肩幅:56
身幅:63
着丈:115
袖丈:56

・ベントボタン根本に裂けがあったので丁寧にリペア済み

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