洋服解読所
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c1990's PRL Reverse_Fabric Short Raglan SW
¥22,000
オレンジのスウェット。 しかもラルフローレン。 ポップ過ぎる。 なかなか着れないよ、こういうの。 という声は割とある気がします。 被害妄想とか言わないでくださいね、実際僕もそういう気持ちまぁまぁ分かりますから。 それって本当にビジュアルのポップさに起因している場合と、本当はその「印象」に起因している場合とがあります。 端的に書くと 「オレンジのスウェットが嫌」なのでは無く、「オレンジのスウェットを選ぶ自分」が嫌だったりするのです。 “嫌”とまで極端な言葉ではないにせよ、年甲斐も無くポップ振ろうとするのに引け目を感じる〜とか、もっと大人っぽい服が着たい〜、とか。 そういうパターンを全部じゃないけど一部ひっくり返せるギミックがこのスウェットにはあります。 それが生地の反転。 いや文字通りひっくり返ってんのかい。 これが本当のリバースウィ これスウェット生地が裏表逆で作られています。 パイルが表に出てる。 スウェット生地の実用的なメリットは全部無くなります。 -でも、もういいでしょう? もうみんなファッションとして着てるんだし。 実際その名の通りに汗を吸わせるために運動着として着てる人いないでしょう。 じゃあもういいんです。 その由来さえキッチリ分かっていれば、そこから先どんなルートを辿るかは我々の自由です。- と、そう言ってくれているようなデザイン。 この大胆な裏切りは、ポップ過ぎる雛形全部を呼び水に変えてくれる。 全部この裏切りのための壮大な前振り。 ステッチ仕様のチョイスも完璧of完璧。 インサイドアウトとギリギリ明言しない、崖っぷちまで攻めるオーバーロック。 もうそこまで言うんやったら告ったらええのに! これ非公式からリメイクとして出るのは超つまんないんですけれど、ちゃんとラルフから、しかもオールドレンジから公式で出て来ると滅茶苦茶良い。 なんなんでしょうね、この感覚。 とりあえず天邪鬼な我々のための (若干わざとらしい)裏切りデザインです。 ベタに、しかしこのスウェットのデザイン感覚に倣って、青いデニムとか合わせるのも良いんじゃないですか。 Made in PERU サイズ表記XXL 身幅:68 着丈:71 裄丈:56 ちなみに、裏毛のボリュームはかなり控えめの、比較的軽い生地です。
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1980's CHEVIOT HILLS Pile_Embroidery Green Sweat Cardigan
¥16,500
SOLD OUT
ありそうでない服-スウェット素材のカーディガン。 80年代イタリアのポップムード。 アメリカのカジュアルをイメージソースに引用して、特有の色彩感覚でリミックス。 解釈過程で誇張された記号的なルーズサイジング。 そして時たま入る非アメリカ的なユニークアイデア。 -このスウェットカーディガンの個人的推しポイントはズバリ、前身頃のプリント部分。 レーベル名から一部拾って 「CHEVIOT LEAGUES」と表記されているのですが、この部分がタオルみたいなパイル起毛でデザインされています。 フロッキーや部分ベロアなんて可愛いもんじゃない(いや可愛いんだけど)、ここのプリント部分だけは表も裏もスウェット裏毛みたいなループテクスチャ。 これフロッキーみたいにプリント時に毛を接着してるのか?-はたまた織りの段階で組み込めるのか? なんて面喰らいながら裏面を覗くと、どうもどちらも違いそう。 これは刺繍の一種だと思います。 裏面ではチェーンステッチみたいな見た目。その糸目が表に出る時に大きくループ/ゆとりを置くように縫い進めるテクニックですね。 普通に大変な手間が掛かっていそう。 この時代のイタリアン・カジュアルってこうですよね。 能天気なアメリカンムード迎合の二番煎じの三枚目を装ってるけど、やってる事にはイタリアならではのテクニックが隠れてる。 あとはこの素晴らしいミルキーグリーンを楽しく活かせるような、相性の良い配色を探すのみです。 この探索行程もまた本当に楽しいですよ。 ほんとはお迎えいただく前に先入観とかも入れたくないんですが、少しだけサンプル載せておきますね。我慢出来ません。 Made in ITALY サイズ表記XL 肩幅:73 身幅:65 着丈:73 袖丈:55
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1980's SPARK'S Carrot Orange Sweat Cardigan
¥16,500
目の覚めるキャロットオレンジとミルキーグリーンのコンビネーション。 前立てのグレーが効いてます。 (このグレーでバランスが成立してる) フロントにはCLUBとデカデカ入れられた筆記体刺繍と、多分架空の何かの大会をモチーフにしたエンブレム刺繍。 BLUE RIBBON / CARIBS CUP カリブ海のセーリング系がリファレンスかなと推測しています。 カリブ海の陽気なイメージと、イタリアの陽気なイメージ、二つの陽気が掛け合わさってとっても陽気な服の完成です。 なんだかとっても楽しそう!! ……イージーというか、チープになりがちな色彩だからこそ、こういう珍しい背景が産んでくれる特別感って大切です。 日々に疲れた人にお薦めしたい服です。 仕立ての良いシャツは背筋が伸びるけど疲れるでしょう。 これは気持ちがフッと上を向く気がします。 なんか、ふわっとした紹介文になっちゃってすみません。 Made in ITALY サイズ表記- 肩幅:59 身幅:64 着丈:71 袖丈:56
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1980's ST.MORITZ Milk-White Sweat Cardigan
¥24,000
この名前で検索してみてもらうと、スイスの高級リゾート地サンモリッツが出てきますでしょう。 またはS.MORITZというイタリアのニットウェアメーカーも出てきますでしょう。 後者の方では設立初期にOlmes Carrettiがデザイナーを勤めていたこともあり、チェックされている方もいらっしゃるでしょう。 このスウェットカーディガンは、(おそらく)そのどちらとも違う企画です。 アメリカの大学やチームを引用したり もじったり して架空の所属デザインを作ったりする80年代のイタリアン・カジュアルが 珍しくスイスまでも標的にした一例です。 実は殆ど見かけることの無いデザイン。 実はOlmesのデザインで、S.MORITZをあえてスペルミスしてST.MORITZにしてお得意の可愛い刺繍グラフィックを作った……なんてパターンも無くはないのでしょうけれど、Olmesが手掛けていた時期のMORITZは意外とシック、元のS.MORITZのイメージとさして変わらないのです。 組成表記以外のブランドタグも付いていませんし真相を確かめる術は現場ありませんから、あくまで出自不明のアンノウンとしてのご紹介です。 このご機嫌な刺繍デザイン、絶妙なニュアンスのついたクリームホワイト、そしてゆるっと可愛いサイズ感。 攻めたカラーミックスの中に一つ挟むと、スタイルの空気を崩さないまま完璧なクッション材になってくれますよ。 着脱の簡単なライトアウター枠としても、とても気に入っているカテゴリです。 Made in ITALY サイズ表記2 肩幅:61 身幅:58 着丈:70 袖丈:60 袖部分に微細な汚れあり
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1980's DRIVER Baseball-Motif Milky-Navy Sw. Cardigan
¥16,500
これぞイタリア!って感じの色です。 それって黄色とか緑とかピンクとか、もっと分かりやすいゴキゲンカラーじゃないの?とも思われましょうか。 いや、もちろん それもそうなんですけどね。 僕は「ネイビー」という、特段大人っぽくて真面目な色をもミルキーに濁らせて可愛く仕上げるところにこそ、時代と国の態度を感じるのです。 しかもここに野球道具ですからね。 ヨーロッパ古着で野球モチーフって殆ど無い。 そしてこのモチーフ刺繍とか前端のリブ部分に巧みに散りばめられたアクセントカラー。 これらが、スタイリング目線で見た時に滅茶苦茶良い仕事をしてくれます。 ここで使ってる色のどれを合わせても異様な統一感が出てくれる。 細かい色合わせ(色拾い)のまぁし易いこと。 80'sイタリアン・パニナロにおけるカルチャーの面白さ、モノとしての面白さ、そんなのを全部押さえて「合わせやすさ」が最前列に出てくる個体。 無闇にレイヤードして無邪気にワクワクするような、オシャレの原点を思い出させてくれる服です。 Made in ITALY サイズ表記XL 肩幅:59 身幅:63 着丈:74 袖丈:60
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1980's VAGABOND Marine-Motif Navy Sweat Cardigan
¥16,500
今回纏めてご紹介している80年代イタリアのスウェット・カーディガン。 その中で1番大人しい個体。 落ち着いた普通のダークネイビーをベースに、リブ部分はホワイトラインのみ。 カラーリングの効いたアクセントはと言えば胸に入ったニワトリ&エンブレムのグラフィック刺繍のみ。 (ここオレンジなの良いですね) そして、左腕にのみ腕章感覚でホワイトラインが入ります。 お察しの通り、割とストレートなマリンテイスト・デザイン。 悪目立ちせず着心地の良いベースウェアって感じなんですが、このマリンテイストは同時代の花形であるセーリングジャケット類とも頗る相性が良いですね。 弊店にも幾つか用意している同界隈のジャケットと合わせれば、抜群に安定感のある綺麗なイタリアン・レトロの完成です。 いきなり主張の強い色物はハードル高いよな、という気持ちも一応持ち合わせていますので、気になる方はこんなのからトライしてみてください。 Made in ITALY サイズ表記XL 肩幅:66 身幅:68 着丈:69 袖丈:60
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1980-e90's DIESEL Loose Body Sweat Zip Vest
¥19,000
目付軽めのスウェットベスト。 既存のスウェットシャツから、袖とか、ネックラインとか、裾リブとか、様々なディテールを切り落としたような趣。 ネックラインから前端を通って裾まで、全部一直線に共生地テープでトリミングしたデザイン。 全然ミニマルな印象の無い生地を使ってギリギリまで削ぎ落としたビジュアル。 とても新鮮です。ありそうで無い服。 フロントはオリジナルのチェーンジップ。 これはLAMPO社製。 細かいところまで妥協無し。 で、背中にはポップなグラフィックプリント。 完全にはモードに振り切らない。 簡素っちゃ簡素なんだけど、作り込めば服が新鮮になる訳では無いという例。 こんな手数の少なさもまたミニマリスムに通ずる浪漫があります。 ルーズなボディバランスなので色んな服に重ねてみてください。 シャツは勿論、Teeとかテーラードとか、コートも良いと思います。 単品で新鮮な個体ですからどう合わせてもきっと面白いですよ。 ネックラインの左右にボタンループのようなものがあります。 恐らく何かしらメインアウターがあって、そのライニング的なポジションで存在した個体かと推察します。 Made in ITALY LAMPO_Zip サイズ表記L 肩幅:(44) 身幅:56 着丈:60
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2000-Fall NIKE Asymmetry Cutting Technical SW
¥27,000
NIKEがそのカテゴリを変えた年。 ここから数年間のプロダクトは、スポーツウェアってよりもデザイナーズウェア。 又は、その両方。 そして、これはそのトップレンジ。 前見頃の左半分以上を覆い隠さんばかりの大きなアシンメトリーポケット。 用途に基づいて一枚で製図されたラグランスリーブは、ラグラン化する際に消失する袖山線をピンタックで再現。 ラグラン構成シームの一つをボタン明きにしているのですが、他のシームでは縫代押さえステッチを明き止まり位置に揃えてストップ。 全シームに執拗なまでの統一感を持たせています。 さぁ、ネックラインに仕込まれたアイデアが凄まじい。 ボディの共布と、普通にネックラインに使うようなリブニットの合わせ仕立てに注目、ここでのキセ分量操作によってフロントのみ緩やかにロールネックを形成。 とんでもないアイデア。 服作る人全員に見てほしい。 なんて面白い服なのか。 25年前の服だけど、まだ新しい。 これは実店舗まで来ずとも、勘でゲットして問題無い服だと思います。 必ず想像以上です。 サイズだけ、一応チェックお願いします。 Made in CHINA サイズ表記S 肩幅:(54) 身幅:54 着丈:67 袖丈:(58) 裄丈:86
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2003 NIKE Neo Revers_Weave Design Sunny Orange SW
¥24,000
20年前のNIKE。 2000年を契機に一気にアナトミカルに進化したこのレーベルのテクニカルカッティングは、こんな【普通のスウェット】にまで巧みに染み渡っています。 この時期のNIKEはやっぱり凄い。 さあ、スウェットと言えばやっぱり 「リバースウィーブ」という金字塔が存在しますよね。 当時から今の今まで、ずっと定番。 それをミニマルな手数で更にアクショナブルにアップデートしたデザイン。 身頃側面、細リブのサイドパートは元ネタを踏襲したディテールですね。 そのサイドパートが脇下/釜底で終わらない。 袖を上にめくって見てみると…… なんとこのサイドパートが袖部分まで侵食してる。 「袖」というパーツにおける人体運動量を大きく左右するこの位置にこのデザイン。 そう、ピボットスリーブの応用。 これは100年前のハンティングウェアから生まれた(とされている)、腕を上げやすくするための画期的なカッティングです。 これにより「サイドパート」が「ピボットガゼット」の意味合いも兼任することになります。 ただ既存のサイドパートを上に少し延長するだけの僅かな手数で、その何倍もの効果を生み出す非常にクレバーなカッティングアイデアです。 袖口まで伸ばさずデクレシェンドさせて途中で終わってるのもニクい。 ネオ・リバースウィーブ なんて大層に銘打ちましたけれど、その名に恥じない素晴らしい発明だと思います。 そして この服のデザインとして1番素晴らしいのは 【スウェットシャツ】というアイテムの役割を微塵も崩さないまま、最も適切なカッティングを当て嵌めているところ。 つまり、下手に身体に沿わせること無く【スウェットシャツ】のままの姿でアップデートしているところです。 ピタピタにフィットさせて人体工学を落とし込むだけなら何の面白味もありませんからね。 膨大なアイデアボキャブラリの中から 適切なものを【選んで】応用するセンス。 これが凄いんです。 このデザインクオリティは、このレーベルにおいてもこの時期だけに見られる特筆点だと私は感じています。 【スウェットシャツ】ってアイテムのルーツにも綺麗に合致していますしね。 サイズ表記L 身幅:59 着丈:69 裄丈:91
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e2000's DUFFER (Eu) Various-Wappens Design Sweat Zip JKT
¥20,000
2000年初頭くらいのユーロオリジナル個体。 80-90'sのヴィンテージサンプリング&ツイストから、グラフィック感覚でのツイストにデザインの比重を移しつつある時期。 定番のスウェットジャケット。 今回2種入れました。 こちらはレーベルの歩みと共にあったキーディテール“ワッペン”を大量に貼り並べたデザイン。 アワードジャケットから引用したイニシャルワッペン。 カレッジスウェットから引用したフラタニティワッペン。 スポーツウェアから引用したナンバリングワッペン。 元ネタであるアメリカン・カジュアルのマスターピース群から気に入った部分を切り抜いて収集するような感覚。 軽微な汚れが散っていたり、襟のリブがヨレてきてたり、そこそこに使用感/経年感のある個体です。 古さのせいにもしたいところですが、こんなのもリアルな風合いとしてご愛着ください。 Made in Portugal サイズ表記S 肩幅:48 身幅:53 着丈:67 袖丈:66
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e2000's DUFFER (Eu) Plain Gray Sweat Zip JKT
¥16,000
SOLD OUT
2000年初頭くらいのユーロオリジナル個体。 80-90'sのヴィンテージサンプリング&ツイストから、グラフィック感覚でのツイストにデザインの比重を移しつつある時期。 定番のスウェットジャケット。 今回2種入れました。 こちらは左胸にイニシャルろご、背面にアーチロゴを配したのみの比較的シンプルなビジュアル。 超普通〜なグレー、これは正に「スウェットシャツ」を象徴する色味。 スポーツウェア由来の、長閑でのんびりした空気感を存分に楽しめるのがこのサイズ感。 ワッペンで埋められていないからこそ の間延び感。 この辺りの余裕をストリートウェアに持ち込むセンス、痺れます。 どうしても盛りたくなっちゃうところ、物足りないくらいで止めるバランス。 中々出来ない事です。 軽微な汚れが散っていたり、襟のリブがヨレてきてたり、そこそこに使用感/経年感のある個体です。 古さのせいにもしたいところですが、こんなのもリアルな風合いとしてご愛着ください。 Made in Portugal サイズ表記L 肩幅:50 身幅:56 着丈:68 袖丈:72
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L90-e00's A.P.C. V-Neck Design Reverse-Weave SW
¥18,000
SOLD OUT
このレーベルのクリティカルってこういう服。 リバースウィーブのサンプリングは、割とよくやるレーベルです。 ルーズで野暮ったい元ネタをスリムにモディファイしたり、素材を変えたり、オリジナルのグラフィックプロダクトの叩き台にしたり。 あとは本当に生地の表裏をリバースしてみたり、型紙をラグランにしてみたり……まぁ色々。 そんな中でも白眉はこの「Vネック改変」。 してまぁ小聡明くも優しいセーターみたいなソフトベージュの色味で。 これパッと見ではセーターに見えて、近くで見るとスウェット、それもリバースウィーブ……という混乱系デザイン。 (ちゃんと地の目も横使い) 涼しいでしょう。 生地感じゃなくて、態度が。 皆んながアメカジのマスターピースをホクホク顔で着込む中、1人しれっと存在しないVネックを着てる。 アメカジ好きからもモード好きからも、「それはなに」待った無し、天邪鬼ツイスト。 リバースウィーブを着るのが鉄板であろうスタイリングにこのVを差し込んでも美味しいし、Vネックセーターの映えるタイドアップスタイルで挿げ替えるのも堪らなく楽しい。 この時代ならではの遊びのテンション。 2000年前後の、比較的古い個体。 しかしサイズ感はかなり大きめ。 オーバーサイズで……ってより、ちゃんと身体大きいメンズがマイサイズで、って方が似合うと思います。 Made in FRANCE サイズ表記1 肩幅:55 身幅:61 着丈:68 袖丈:60
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L90's The DUFFER of ST.GEORGE Fake Classic Sweat
¥27,000
SOLD OUT
色んな「定番」をツイストするデザイナー(ズ)です。 この個体はアメカジのマスターピース、両Vスウェットの編集。 前後のネックラインにガゼットを嵌め込み、両脇にもリバースウィーブ宜しくガゼットを嵌め込んだ機能的/合理的なスポーツウェア。 元ネタは皆様ご存知でしょう。 それを全部ニットで作り替えたデザイン。 (まあスウェットも厳密に言えば「ニット」なんだけど この個体は更にセーター然とした生地にて) そして、とぼけたように胸にはイニシャルワッペンをドン。 このとぼけ顔が僕とっても好きです。 「やったったで!」感を執拗に隠す感じ。 古着好きに刺さる服作りをしていたのがオールドレンジのDufferですが、私が問題にしたいのは、それをやるのがあまりに早過ぎたということ。 この感覚って現代だとまあまあ見慣れたものです。 色んな先人が使ったアプローチですから。 その先人達の最初にいるのがこのレーベル。 80年代半ばにスタートし、誰も記号遊びなんてしていない時代にとっくに始めていた天邪鬼集団。 昨今の「ストリートファッションのモード化」。 ビジュアル面じゃなくって、コードで遊んで再編集……という文脈においてのストリートファッションというのを前提にそこを取沙汰するのであれば最も初めに再注目されるべきレーベル。 Made in サイズ表記S 肩幅:46 身幅:56 着丈:64 袖丈:56 内タグの文字が消えるくらいの着古し。 軽度ながらネックラインに頑固な黒ずみあり。(一度クリーニング試行済)
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c80's EURO VTG Red×Gray Ex_Wide Body Henry_Neck SW
¥17,000
80年代のユーロカジュアル。 中々出てこないけど、それでも面白いモノが本当に沢山ある。 これはスウェットの中にコットンブロードでヘンリーネックのデコルテをねじ込んだデザイン。 横に滅茶苦茶長いボディ、このレンジならではのお気楽な可愛さがある中に、デコルテのブロード部分では武骨なシームパッカリングや生地のアタリがキラキラ。 ボタンのチョイスも的確。 なかなかどうして、目を見張る完成度。 それらのラギッドエッセンスは調子良く例えると、同時代のCPやSIのアウターウェアに宿やされていたような情緒。 それを完璧ではないにせよ、自分達のクリエイションに巧みに取り入れてオリジナルの立ち位置を作った素敵なデザイン。 凄くセンスの良い服ですが、あくまで親しみやすいストリートカジュアルとして作ってるのがまた好きです。 絶対イタリア製だろ、と思ってたらポルトガル製。 Made in Portugal サイズ表記54 肩幅:80 身幅:69 着丈:66 袖丈:47 裄丈:88
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c80's BEST COMPANY by O.CARRETTI Crazy Edge Design Pink Cardigan
¥25,500
お馴染みベストカンパニー。 状態良い個体です。 このレンジ特有のアイテムカテゴリって感じでしょうか、《スウェットカーディガン》。 Olmes氏お得意のスウェットを、よりコンフォータブルに。 コットンに9%だけレーヨンを入れてるので、気持ち柔らかいような。プラシーボかな。 左胸には繊細な刺繍ロゴが入ってて、襟ぐりのトリミングに面白い一癖。 これ一癖どころか、かなり面倒臭いことしてるんじゃないかな? 前端を同色の細巾テープで包んでるんですが、それを何回もリピートしてるのがこのカーディガン。 前端は合計5本ものテープがリピートされてて、そうして増えた巾分をボタンの打合せとして転用。 テープをリピートする所まではただの面白アイデアでしたけど、そうして耐久性が上がった所をボタン/ボタンホールの土台に転用? 凄いな。 ビジュアルの捻りが実践的なプロダクトクオリティに繋がってる、素晴らしいデザイン。 まっピンクでヘラヘラしてると思いきやその実、憎らしいほどに計算高い。 今回はスラッシャー着てるような少年がベスカンを重ねてたら滅茶苦茶素敵じゃない?という思い付きから全然涼しくないレイヤードでサンプル作ってますが、これからはTシャツが楽しい季節。 Tシャツの上ちょっと何か重ねようか、なんて時のライトアウター枠の筆頭として一軍入りしてくれるでしょう。 Made in ITALY サイズ表記L 身幅:60 着丈:64 裄丈:84
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80's F.SCOZZESE Chenille Wappens Logo Design SW
¥16,000
シニールワッペンを贅沢に使って作るおもちゃ箱みたいなビジュアル。 80年代のイタリアン・カジュアルの渦中にあったレーベルSCOZZESEより、ややキッチュなスウェット。 横長ボディ、ミルキーなグリーン。 ここまではいいんだけど ワッペンのデザイン、下過ぎない? あと 裾の絞り、弱過ぎない? 「ここはこうだよね」って、刷り込まれてる常識バランスを微妙にズラしてくるデザイン。 このレーベルが本格的にメインストリームのパニナロカジュアルに迎合する前は、もっとパンキッシュなクラフト感がありました。 その時代からの過渡期くらいの香りを感じる個体。 どうせなら思いっきりキッチュに振ってしまうのも気分です。 強いアクセサリーをガンガン足して、ショーツとかミニスカートでバランス取ってみてください。 Made in ITALY サイズ表記16 肩幅:60 身幅:64 着丈:61 袖丈:54 裄丈:85
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80's ITALY VTG Fictional American Vision Design SW
¥12,500
いつか出した古いイタリア古着。 その色違い個体。 ただでさえ数の少ないカテゴリで、こんなことが起きるなんて。 前回は発色の良いブルーでしたが、今回は間の抜けたゆるゆるブラック。 --- 80sユーロのフィクションアメカジ。 へにゃっとした生地。 タグ殆ど消えてるけど、コットンとアクリルのミックス。 このレンジで多用される柔い生地。 書いてるテキストも、全部絶妙に「ふわっと」してる。 これ。 これには 「聴いてないバンドのTシャツ着れるか問題」 に繋がる糸口がある気がする。 アメリカのスウェットは その多くが何かに際して、何かに基いて作られるでしょう。 大学とかチームみたいな 何らかの「所属」とか イベントとか動物みたいに 「実際にあるモノ/コト」とか。 言っちゃえばオーセンティック。本物。 だから、「そうじゃない」人が着ると 「「そうじゃない」人」にはなる。 例えば聴いたことないニルヴァーナのTシャツを着るとそうなる。 ユーロカジュアルがアメカジに憧れて作るスウェットは違う。 「そう」か「そうじゃない」かの姿無き審判がいない。 最初から架空だから。 これが 私がこのレンジに感じてる魅力の一つ。 (他にも色々あるけれど) ある意味で自由。 Made in ITALY サイズ表記54 肩幅:61 身幅:58 着丈:62 袖丈:54 裄丈:85
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80's BEST COMPANY by OLMES CARRETTI Raglan&Pivot Sleeve Cutting Classic SW
¥18,000
今や知名度もぼちぼち……でしょうか。 OLMES CARRETTI氏による “BEST COMPANY”というレーベル。 【ヨーロッパに吹いたアメリカの風】 を真っ直ぐに追いかけたファッションデザイナー筆頭として今回重点的に取り扱うエッセンスのひとつです。 パキッとしたミドルグリーン。 普通に子供っぽい。 身巾と着丈がほぼ同寸の、 ワイドでルーズなボディバランス。 一般論、大人が着るもんじゃない。 フロントにはアーチロゴ。 ワッペンには BEST COMPANY YACHT CLUB BOSTON MASSACHUSETTS なんてテキストが。 いやもう完全にアメリカ。 アメリカの定番フォーマットをサンプリングして、ここをイタリアの地名で置き換えて……なんてことはしない。 完全に まるっと踏襲しちゃう。 タグが無けりゃコレと分からない、 ただのUS古着として叩き売りされそうな出立ち。 “レプリカブランド”なんて称されるかもしれない。 でもこの人のデザインの要点は “レプリカか否か?”ではない。 【ともすればレプリカと称されるくらいに忠実に元ネタを再現したデザインが、ちゃんとメインストリームとしてストリートを席巻したこと】 これです。 今の日本でこうはならない。 他の国でも、もうこんな現象は起きない。 プレインターネット時代の 「流行の仕方」ってものを観測出来るのがコレをアーカイブする意味だと思います。 だから、そのまま極論まで言うと 1着だけ持ってることが なんなら 自分が所有することが 大きな価値を持つものではないのかもしれない。 背景ごとまるっと“見て楽しむ”古着みたいな、そんな立ち位置に感じています。 で、そのまた先にやっと 「じゃあどう着こなそうかな」 があると思う。 ややこしい事を汚く書き並べちゃいましたが、“これ”はインスタントな“現代オシャレ”を悉く無視し切るサイレント・パンクだと思います。 世捨て人のカジュアル。 Made in ITALY サイズ表記M 身幅:58 着丈:60 裄丈:77 袖に一部、小穴があります。
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80's AMERICAN SYSTEM by OLMES CARRETTI 2-Tone Pink Switched S/S SW
¥16,000
Olmes Carrettiが描いたアメリカンビジョン、その一端を担ったレーベル。 前後にアイコニックなロゴと架空の高校を名乗ったグラフィックをプリント。 ハイスクール物を騙るのに何の躊躇も無い。 清々しいフェイク高校生です。 メンズのLですが、明るいピンクのツートンカラー。 ちょっと着る人選ぶけど、このテイストならばいけるんじゃなかろうか……? いけたら最高なんで頑張ってください。 各所リブをミルキーホワイトでフレーミングして、その縫製の中に細いイエローラインをレイヤード。 耽美なスイーツテイストの中にレモンピールを効かせるような秀逸なバランス感覚。 配色のセンスが天元突破してるのもそうなんですが、この人はリブ周りで異様に凝りますよね。 この人のスウェットはロゴが無くても大体リブで分かる。 ユーロレトロカジュアルの定型にも勿論完璧のフィット感をみせてくれます。 でも折角の半袖スウェットですから、普段は袖周りにストレスを感じるテーラードジャケットとのレイヤードなんかも視野に入れてみては。 Made in ITALY サイズ表記L 身幅:61 着丈:63 裄丈:49
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80's BEST COMPANY by OLMES CARRETTI Abstract Pattern Design Classic SW
¥32,500
同時代に大流行した総柄ニット。 あのアブストラクトパターンをスウェットで!? ってのがこの服の趣旨。 皮肉が効いてるんだけど、その皮肉感を微塵も感じさせない爽やかなカラーパレット。 あまりに素晴らしいデザインバランス。 これをもって「完成形」だなんて曰うつもりは無い。無いけれど………最高である事は疑いようがない。 誰にでもウケる訳ではない、ヴィランになり切れない天邪鬼のためのやさしいパンク。 目立たない位置に保護色みたいに刺繍されたネームロゴがこの竜の目玉。 このレーベルのスウェットシャツの中でも 指折りのスペシャルピースだと思います。 Made in (ITALY) サイズ表記XL 肩幅:- 身幅:68 着丈:60 裄丈:78 XL表記だけど大き過ぎないってのも嬉しい。
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80's AMERICAN SYSTEM by OLMES CARRETTI Airy_Yellow 1/2 Sleeves SW
¥15,000
アメリカのクラシックな半袖スウェットを手本取ったモデル。 レプリカと呼んでも良いかもしれませんが、これは明確にデザイナーズカジュアルでもあります。 Best Company創設者Olmes Carretti氏によるアザーライン、アメリカンシステム。 元ネタの再現に拘らず、プロセス中で発生するオリジナリティや、そこから生じる歪みをスパイスとして使いこなしたデザイン。 40-50'sのスウェットでよく見る色味ですね。 優しいひよこイエロー。 奇しくも、同氏が牽引した80年代のイタリアン・アメリカン・カジュアルにおいても遜色無く輝く色味。 ふわふわしたカラーリングですが、状態はボチボチ。 所々、変な汚れ方してます。 ボロの美しさともまた違う、中途半端な着古し。 レストランに着て行く服ではないよな。 と思うと同時に、いやその構図を壊したいのだけれど……なんて、気持ちも。 流石に難しいけれど。 あと、オリジナルで全くと言っていい程出て来ないサイズ感であるのも個人的には嬉しいポイント。 大きい分には工夫が効きますが、小さいとどうしようもありませんからね……。 このサイズ感で半袖(文字通りに5部袖って感じ)でありますから、裄丈もかなり半端。 グローブとの合わせで一気に化けるレングスですね。 間にシャツなんて挟んで敢えてメリハリを崩すのも乙かも。 ちなみにサンプルで合わせてるオーバーオールも 似たような立ち位置のフランス服です。 そちらもご興味あれば是非。 このスウェット好きなら絶対お好きですよ。 1着で楽しく使いまわせるタイプの服ではありませんからハードル高いかもですが、是非パーマ掛けてカーリーヘア、又は野暮ったいヘッドギアなんて合わせてトータルで楽しむ喜び、感じてみてください。 飛び込んでみると滅茶苦茶良い感じですよ。 (体験談) Made in ITALY サイズ表記XL 身幅:62 着丈:64 裄丈:54
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BY AMERICAN by OLMES CARRETTI Pale_Mint_Green Short_Sleeve SW
¥16,000
BEST COMPANYの草案として存在した小さなレーベル。 その名も バイアメリカン。 【アメリカ人によって】 だなんて 大きく出ましたね OLMES CARETTI氏………? でもそう銘打つだけあって、本当にクラシックなアメカジが再現されています。 淡いペールミントの色味が映すこの国の開放感。 このアイテムに無くてはならないワイドなファットバランス。 着丈よりも長い身巾。 半袖のラグランスウェットって雛型も、 もうそれだけで最高。 フロントのグラフィックプリントも、 サラッとしてるけどパッと見良い趣味ですね。 パッと見ね。 たった2行のテキストで3種類のフォント使ってるカオスだけは、アメカジじゃなくてOlmesの悪戯心ですね……。 几帳面なデザイナー達が悶える様が目に浮かびます。 デザイナーじゃないけど私もムズムズします。 レーベル名の BY AMERICAN で BY と AMERICAN のフォント変えるって 正気の沙汰じゃなくないですか??? 本当に変な服。 Made in ITALY サイズ表記S 身幅:61 着丈:59 裄丈:49 釜底からの袖丈:17
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1980's BEST COMPANY by O.CARRETTI Logo Embroidery Worn_Out SW
¥18,000
SOLD OUT
これ滅茶苦茶面白いやつです。 弊店は以前からBCを始め、Olmes Carretti氏のクリエイションを縁ある限りご紹介してきましたが(&私個人も愛用していますが)、これは立ち位置が特異です。 一言で言っちゃえば 【ベスカンっぽくない】 そうなんです、このレーベルっていうのは アメカジの輝きをイタリア風に再現する際に発生する美しい捻れにこそ愛おしさがある-つまり俗に言う“ヘタウマ”に通ずる良さがあるのですが、この個体はどうもその“再現”が上手く行き過ぎてる。 底抜けにリアルなんです。 タグ見るまで、絶対ありふれたアメリカ古着だと思っていました。 なんなら、アメリカ企画ではあるけど工賃安い国に投げて作ったよ、みたいな80'sスウェット(よくあるでしょう)なんだろうな、くらいに。 北部っぽい針葉樹のネイチャービジュアルとか、若干ディズニーっぽいフォントとか、テンション低めのカラーパレットとか……。 他のハッピーレンジとは明確に違う、極めて写実的な再現仕事です。 タグ見てから「言われてみれば……?」と気づくのは、ボディのネイビーに、若干の紫味が混じってるくらいの違和感。 だからと言ってベスカン感は全然出ていないんですけれどね。 また、コンディションも絶妙。 些細な汚れが散ってたり、リブに軽い擦り切れがあったりします。 こうした全体的に着古された雰囲気も相まって、本当にナチュラルに仕上がっています。 アルマーニのカジュアルレンジなんかを製造していたMISURAの製造です。 自分なりにツイストした、天邪鬼なカジュアルスタイルにお使いください。 Made in ITALY (MISURA) サイズ表記L 肩幅:54 身幅:61 着丈:68 袖丈:58.5
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80's AMERICAN SYSTEM by OLMES CARRETTI Soft_Contrasted Color Wide-Body SW
¥16,000
イタリアのレトロ・カジュアルを軸とした今季の浮世離れしたカジュアル。 その骨組みとして無くてはならないOlmes Carretti氏のクリエイション。 そろそろ耳タコでしょうから、沿革は端折りますね。 こちらは推理の材料になり得る装飾を減らして、極限までアメリカ古着に擬態させたフィクション・ビジョン。 杢糸のライトグレーに、淡いひよこイエローの色組み。 締まりの無いゆるいムード。 でも、申し訳程度のホワイトラインが、申し訳程度であると言うのになかなかどうして良いアクセントになってる。 そして生地もスウェットのくせに随分華奢で弱々しい。 案の定、袖口なんかは少し擦り切れも見られますね。 80-90年代のボディメーカーが作ったタフなUSスウェットとは全く違うテクスチャ。 アメリカ古着のタフな印象をイタリア流に柔らかくモディファイしたデザイン。 であると同時に、同氏らが影響を受けた40-50'sのUSスウェットにも近いのかなと感じます。 あの辺りも異様に柔らかいですからね。 さて、横に長いゆるゆるの型紙も然ることながら、袖付けもまたユニークです。 スウェットシャツってのは運動着ですから、極限まで動き易くしたカジュアルな袖付けが基本です。 Tシャツみたいな感じ。 袖山に傾斜を殆ど設けない、平面的な袖製図。 その文脈を踏まえて見てみると、このスウェットはそのカジュアリズムを更に過激に増強しているように見えます。 どう言うことかって、垂直を超えてるんですよ。 「T」どころか、「Y」に近付こうとするような、最早ちょっと上向に着いた袖。 テーラードジャケットなんかのフォーマルな服は袖が下向くように付きましょう。 それの真逆です。 コレを分厚くて硬い生地で作ってたら着心地悪いだろうな……弱々しいスウェットだからこそ許されるオーバー・カジュアル。 是非ハイコンテクストな遊び感覚でお楽しみください。 ハイコンテクストであるくせに、見た目は普通なので色んな服と普通に合います。 Made in ITALY サイズ表記- 肩幅:55 身幅:63 着丈:59 袖丈:52 裄丈:80
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