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80's HENRI LLOYD by OLMES CARRETTI Worn Out Oiled JKT
¥55,000
溜息級……。 Best Companyや○○○○、△△△△、◇◇◇◇など数々のレーベルでデザイン指揮をとってきたレジェンド、Olmes Carretti氏。 同氏はなんとヘンリーロイドもやってます。 1985年に一度目、そして2012年に二度目。 こちらは一度目の凄く古い個体。 どっちも中々見つかりませんからこの両項の比較ももうあまり意義の無いものですが、それでもやっぱり特別感は半端じゃない。 1番有名なのはやはりBest Company(以下ベスカン)での仕事でしょうか。 燦然と輝いた黄金期のアメリカンカジュアルをイタリアにインポート*した革命的なデザイン。 徹底的にアメリカンテイストを踏襲したカジュアルスタイルにおいて、ボディバランスや配色の妙でどうしたって出るイタリア風味が独特の魔力を持っていました。 そのベスカンは、80年代のイタリアンユースの心を串刺しにし、[パニナロ]なるファッションカテゴリを形成する一助を担います。 さてそのパニナロ達に愛用されたブランドってのはそのベスカンを筆頭にストーンアイランドやモンクレール、ラコステなんか。 アイスウォッシュのリーバイスも。 それに習って同時代のアルマーニなんかもアイスウォッシュが多く出ましたね。 で、その中にいるんです。 このヘンリーロイドも。 他のパニナロに同じくビビッドで浮かれたカラーリングが多かったんですが、この個体はもはやバブアーって感じのカラーリング&素材チョイス。 パニナロ受けは微妙だったんじゃないですか。 この時期にこれを選んでたヤツがいたとして、もの凄く渋い。 オイルドコットン×チェック柄のフランネルライナーです。 いやバブアーやん……。 ヘンリーロイドも英国のブランドですからベクトルが被るのもまあ分からんでもない、しかしライニングのタータンチェックまでほぼほぼ一緒。 オリジナルにはギリギリ無いカラーリング。 ちょっと丈短くしたMoorlandみたいな感じですが、ひとつポイントがあるとすれば、明確に襟が違いますね。 こっちは丸襟です。 イタリア風に柔らかくモディファイされた感じですね。 加えてもうひとつ、細かい部分ですがフロントジップ部分での二重前立て。 これもバブアーとの差別化ポイント。 防風性が強化されています。 セーリングウェアブランドならではのプラスデザイン。 さあこのパニナロ。 現代から想像されるユースカルチャーとはひとつ明確に違う点があります。 そのルーツが反骨精神じゃないという点。 ざっくり噛み砕いて言うと金持ち息子達のフレックスなんです。 貧困に喘いでいない。 世の停滞を憂いていない。 反戦を謳っているわけでもない。 故に市民権なんて得なかった。 故に後世にまで共感者が続かなかった。 数年前より強めにフックアップされているカルチャー(というより現象?)ですが、それでも尚知名度が高くないのはそういう背景もあるかなと思います。 バブルの裏で同時並行していたユースのストリートステージ。 このレンジならではの浮かれ具合が絶妙に混ざったクールでキュートなオイルドジャケット、これは似合う方多いと思います。 ポケットはフラップ&マチ付き3D構成。 フロントはダブルジップ。 (下のジップがちょっと固い) 両サイドにはボタンベンツ。 そのベンツに、は実はポケットが隠されています。ニクいね。 内側にはライナーウェアが取り付けられるようなボタン配置が。 しかし残念ながらそちらは付属せず。 袖口ベルクロは一部解れていたので裏地貫通で縫い直しています。ご容赦ください。 また、フロントの前立ては他部分に比べて強めの色褪せが認められます。 以上、経年相応の程々に使い込まれたコンディションですが、勿論まだまだ活躍してくれる一着です。 riri_zips (W) サイズ表記S 身幅:60 着丈:74 裄丈:77
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c90's ALLEGRI (EURO) Shiny_Coppar Nylon Hooded CO
¥27,000
ALLEGRIのDrop Back。 あんまり情報が無くてスミマセン。 90年代前後のユーロアレグリで稀に見られるラインです。 メンズ/レディースどちらも存在するみたいです。 こちらはレディースのショートコート。 金属感マシマシのパリッとしたシャイニーポプリン。 金属糸なんかが実際使われているのかと思いきやポリエステル100%の表記。 本当か? まるで綺麗に磨き上げた10円玉みたいな美しいテキスタイルです。 例えば、極限まで薄く叩き延ばした金箔を食品に乗せたりしますけれど、アレに近しいような独特の質感。 こんな生地で洋服を………… の前に、こんな生地が作れるのか……… って気持ちが先に来るくらい面白い生地。 で、そんな生地なのにウエストギャザーを唆すディテールデザインの乱打。 ガンガン強めに動かします。 フードエッジとウエストにドローコードを入れて、その両端には重厚なメタルアジャスター。 ギャザー寄せてなくてもこの金具の重みで軽くギャザーが出来ちゃう。 意外とルーズに設計されたボディも、ドレープによって更に動きを加えます。 無機的なテキスタイルを前フリに、それが有機的な動きの中で見せる情緒を捉えたビジュアルデザイン。 2025年の春に見てもまだちゃんと新しい。 ランウェイにありそうですもの。 DRIESとか。 そして各所ディテールの丁寧かつ気の利いた作り込みも流石。 ユーロアレグリならではの完璧なクオリティ。 ゆるい服なのでメンズも普通にトライ出来ます。 裄丈だけ要注意。 Made in ITALY LAMPO_Zips サイズ表記44 肩幅:54 身幅:70 着丈:91 袖丈:54 裄丈:83
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80's SHIN HOSOKAWA A-Line Silhouette Classic Stand Collar CO
¥35,000
細川紳デザイナーによる80年代のPASHU。 IT'S A PASHUというラインです。 弊店でも昔一回、フーディを取り扱いましたね。 殆ど角度をつけないセットインスリーブから ドカンと豪快に広げたオーバーボディ。 そして広めに、尚且つ美しく設計された襟周り。 良いコートです。 生地選びから鑑みるに、パッと見のビジュアルは定番のステンカラーコートを狙っているとは思います。 しかしその第一印象の裏で、その堅苦しい枠組みを静かに破壊する豪快なシルエットメイク。 66もある身巾は、非常に高い位置からスタートした背面のインバーテッドプリーツで更に大きく靡きます。 袖もゆるゆる、ネックラインもゆるゆる。 同時代のルーズなニットウェアを重ねたって、どこも破綻しない設計。 バルスター型のジャケットだって心配要らない。 定番品の記号をわざと持ち出して、そこに新鮮なリラクシングディテールを畳み掛けるデザイン。 肩の仕様選定も上手いなぁと感激しました。 この手のコートだとラグランスリーブが多いんです。 一枚袖/二枚袖に関わらず。 しかし本品はセットインスリーブ。 テーラード風に真面目に2枚袖構成、しかし袖山は低め。 つまり オーバーサイズでの落ち感、そのドロリ垂れ落ちていくドレープをこそ意図しているということ。 しかしその落ち感の中で、袖の綺麗な前振りだけはさり気無く仕込んでる。 着た時に「なんか良いな」とその進化を体感できるタイプですが その “なんか” の部分を丁寧にデザインされたコート。 証拠? 証拠は ベルトもベルトループも無しで作られている点と これでSサイズであるという点。 Made in JAPAN サイズ表記S 肩幅:55 身幅:66 着丈:114 裄丈:57 後ろ裾に数ミリの軽微な汚れあり
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JIPIJAPA One_Part Constructed Cutting Duffle CO
¥90,000
JIPIJAPA、JはHの発音で、【ヒピハパ】と読みます。 日本をハポンと呼ぶのと同じ。 スペイン語ですが、日本のレーベルです。 未だ現役、加賀清一デザイナーの作るウィット、その深さと面白さは並大抵の水準に無い。 このコートは、全パーツに分割無しの【一枚生地】で設計されています。 フードから袖、 袖から身頃、 身頃からポケット、 その全てが地続き。 地続きにした上で、身頃セクションと袖セクションを分離させてる。 分離させてからそれらを重ねるようにフェイクレイヤード。 故に、このコートは袖の無いベストみたいなボディに、スーパーショートのボレロ的袖パーツがくっ付いてる感じ。 紛れも無く ぶっ飛んでる。 製図マニアの琴線をジャカジャカに弾き飛ばす究極のパターンマジック。 イタリアにも、この一枚生地での総合設計を《Dead-End》と称して打ち出したアルチザン・レーベルがありますね。 JIPIJAPAの作るそれは極めてアルチザン的な-つまり職人的な-追求の果てにあるものですが、現代に形骸化した“アルチザン・レーベル”的なシリアスな空気を一切放棄している。 可愛さにも似た「洒落」が根底に流れているのが明確な差異。 一枚布由来の必然的なボクシーシルエット。 ここを起点に、“キメ過ぎない”手仕事の質感を残すエッセンスチョイス。 要所要所を留めるステッチ、それらは全てステッチで事足りるのに、態々紐を結んでステッチの役割を重ねたり- -そしてそこから韻を踏むように、紐を使うからこそ成り立つようなダッフルコートのトグル&ロープの雛型を引用してみたり- -では、ダッフルコートならフードも付くだろうと、前述の紐留ディテールが映えるようなセパレートフードを持ってきたり-ああ、このチョイスも勿論、一枚布での地続き製図が活きるようにという意味合いが兼ねられている。 加賀デザイナーは縫製仕様書までご自分で書かれるが、そこには洋服の平面展開図も添えられているそう。 取り分けこのコートに関して、とかでなく、恐らくほとんど全てに。 平面展開図って分かりますかね。 サイコロを展開すると、一辺だけが長い十字架みたいな形になるでしょう、あれです。 洋服でそれをやるとなると中々手間ですが、それが常習化しているとあれば、こんな奇想天外も生まれて来ましょう。 このスペシャルアイテムにこそ特段の情熱が……と言うより、当たり前に出来ることのレベルを只管上げ続けての自然な着地という趣。 型紙だけでなく、アイテムに宿る記号性までも展開して設計の前段階でドッキングしてデザインしてしまうのだから、感服する他ない。 生地はガサっと野暮ったいグレーのウール生地。 これは一般的なフランネルやメルトンってよりも、もう幾分粗野で未洗練な質感。 原毛の太さや長さが均等に慣らされていない、ワイルドな感じ。 安っぽいってよりは、あえて野趣を生み出そうとする総意的なテキスタイル・デザイン。 そこにロープワークを彩るレザーパーツやトグルのアクセント。 勿論このコートは構造設計こそが超奇天烈に面白いのだけれど、そんなの知らずに第一印象だけでも好きになれるであろうビジュアル完成度。 構造的に裏地は無し。 重い生地を一枚でドロっと着る感じ。 そんな訳で、案外長い期間楽しめます。 着ずに見ているだけでもあまりに楽しいですよ。 ヤバい衣服に打ちのめされたい数寄者諸賢へ。 Made in JAPAN サイズ表記 1 身幅:57 着丈:74 裄丈:87 いやはや言語化の難しい服。 全部は説明し切れていません。 ここから先は次のオーナーだけのお楽しみ。
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80-e90's KENZO (JP) Ethnically Taste Open_Collar Coat
¥21,000
DVNがモードシーンに躍り出るまでは、そのポジションはKENZOのものでした。 特にメンズファッションのシーンにおいては、強くそう思います。 サンローランやウンガロがレディースファッションの領域で展開したフォークロア/エスニックの世界。 それを趣味良くメンズファッションにインポートしたのがKENZO。 化繊を少し混ぜた軽やかなウールフラノに、地味な色彩ながらも豊かに精緻に織り映されたネイティブ・アメリカンの世界観。 ここで色彩を派手にし過ぎないバランス感が、当時のメンズファッションシーン攻略の鍵でしょう。 今よりずっと閉鎖的、言ってしまえばコンサバティブな世界を軽快にアップデートしゆく仕事。 それらは一度にパキッと、スイッチを切り替えるように変わるものではありません。 全てはグラデーションであり、その途中を具に観測する事こそ未来での再現性に繋がるのだと思います。 さぁ、そうした表面的なビジュアルの中身、骨組みのデザインにも当時の美意識が流れていますね。 程良い厚みの肩パッドで作られた構築的なショルダーデザインに始まる、ボクシーなボディバランス。 このアメトラを過激にしたようなバランスは同時代のギャルソンやヨウジが作っていたフォーマット。 しかしそれをミドルレングスのコートに引用しているのが面白い。 この奇妙なバランス感は、チェスターコートみたいなオープンカラーによって完成します。 極めて浅いVゾーンは、チェスターコートやテーラードジャケットのラペルってよりも、アロハシャツ類に見られるようなオープンカラーの趣。 胸ポケットには、テーラードジャケットの内側(裏面)に使うような玉縁×ボタンループの仕様のポケットを使ってますね。 ここも見逃せない小技。 小さな小さな、インサイドアウトの示唆。 どう見てもコートではあるのだけれど、随所に散らされた違和感。 この違和感は普段見慣れている「ジャケット」のフォーマット、その構成要素。 ただ当時に新鮮な要素を取り込むだけじゃない、それが無くとも既に面白い完成度まで組み上げたデザインに、更にジェンガの如く巧みに積み上げるのがこのレーベルの素晴らしいところ。 冒頭に書いたように、現代で言うところのDVNとか着る青年に似合う服です。 キザったらしくなく、朴訥で、でも垢抜けてて、「なんとなく良いヤツそう」。 そんな男性像のデザイン。 このコートを着こなす時も、その印象がそのままガイドライン。 自分を本来以上に飾る事なく、目立つことなく、しれっとユニーク。 そんな感じ。 Made in JAPAN サイズ表記3 肩幅:52 身幅:57 着丈:80 袖丈:61
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c90's GIULIANO FUJIWARA (EURO) Full Knit Design Soft Duffle Coat
¥32,500
藤原デザイナーがまだ御存命でいらした90年代のユーロ個体。 デザイナーも創設者も日本人ですが、イタリアのレーベルです。 KENZOみたいな感じ。 だから何となく違和感がありますが、強いて言えばこのレンジがオリジナル。 (日本製造の物も本人が指揮取っていたかもしれませんけれどね) 全部ニットで作った柔らかいダッフルコート。 フードが付いた大きなカーディガンにトグルを付けただけじゃない、と言われてしまえば否定が出来ませんが、まぁ厳格なカテゴライズは不要でしょう。 ジュリアーノ・フジワラにしてはベーシックな服。 ダッフルコートなんてのは 元より完全に防寒防風のためのミリタリーウェアでしたから、お洒落着として街に出回るようになってからも、その重苦しい印象ってのは固定されていました。 「そういうもん」だったんです。 それを、丸っとニットで作り替えてしまった。 ともすればコートの中でも最重量級のコートが、あわやカーディガンでは、というボリュームに。 こうした固定概念を打ち崩す動きは70-80年代のプレタポルテの隆興につれて大きくなりました。 アルマーニがやりそうなソフィスティケートですね。 そうでなければイッセイミヤケが、PLANTATIONで出しそうな雰囲気。 ダッフルコートの優しい雰囲気はしっかり残しつつ、実際室内でもストレス無く着回せるようデザイン。 厳寒地ではもう一枚アウターが欲しいところですが、アウターの中からトグルが覗くというバグみたいな遊びも面白いですよ。 そしてその分、楽しめる季節も幅広い。 ドロリ重たいニットが綺麗に落ちてくれますから、華奢な方がオーバーサイズで着たって美しい。 Made in ITALY サイズ表記50 肩幅:63 身幅:66 着丈:80 袖丈:56 裄丈:90
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1998A/W GIULIANO FUJIWARA High Neck Collar Technological Tex CO
¥39,000
イタリアにて、日本人デザイナー藤原章喜 氏が設立したレーベル、ジュリアーノ・フジワラ。 御本人が夭逝される少し前、98年秋冬の作品です。 半分アクリルを混ぜてネオプレンみたく独特の張り感をデザインしたウールテキスタイル。 miucciaのそれとはまた違った、オリジナリティを感じるテクノロジカル。 これで仕立てられるのは異様なハイネックを構えたミドルレングスのブラックコート。 このハイネックがまた変な形してますね……。 ボディの前端から襟までファスナーが伸びる。 ここは良い。これは普通。 問題はそのファスナーの終わるタイミング。 ハイネックの途中で終わる。 そしてファスナーが終わった途端、羽襟みたいに段差を作るカットライン。 立てればスタンドカラーの上にもう一段スタンドカラー。 倒せば襟の先にもう一回襟。 ミニマムな手数ながら、生まれるビジュアルはまだ世に無い未踏の独創。 顎先まで覆う匿名性の高いハイネックは現代特需によってまぁまぁよく見かけるようになりましたが、そこから更にもうひとフック伸びてくる、面白いデザインです。 全体的なシルエットは世紀末のソリッドなミニマリスムを意識したロング&リーン。 M.MATSUSHIMAとか、C.NATIONALみたいな空気感。 80年代から90年代前半の作風とはまた違っているでしょう。 今回はその変遷が少しですが可視化出来るよう、時代の違う3着を纏めてご紹介します。 お気に召しますと幸いです。 Made in ITALY サイズ表記50 肩幅:49 身幅:58 着丈:86 袖丈:68
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c80's RAMOWEAR by A.M.B. Ribbons_Front Wide Body Overcoat
¥67,000
Paris6の一人、A.M.BERETTAがデザイナーを勤めていたコート専業レーベル、RAMOWEARのフランスオリジナル。 推定80年代の個体。 このレンジのタグには、フランス製を前提として、ベレッタ氏の名がそのまま入っているものと、そうでないものが入り混じっています。 本品は後者。 女史が関わっているのか、正確なリファレンスは取れていませんが、同レーベルの作風の遷移を見る限り、十中八九女史によるデザインと推定しています。 その特徴は、重たい生地でも惜しみなく特大分量で使うドレープ感覚と、新しいカッティングの追求にあります。 ミドルウエイトのウール生地は、フラノとするかメルトンとするか微妙なところ。 それをドカンと、70オーバーの身幅で設計。 前は打ち合わせの深いダブルブレストですが、それを留めるのは首元のリボン2本のみ。 つまり豪放なまでに広く設計されたルーズボディは、人の歩くまま、風の吹くまま、大きく優雅にドロリドロリと靡き踊るわけです。 そして、この手のパリっぽさを強調したオーバーコートには必ずフードがあって欲しい。 被る被らないじゃない。 記号として、様式として、あって欲しい。 華やかなシルクスカーフとレイヤードなんかして。 基本的には淑女に向けた最高の洋服。 しかしサイズと雰囲気が合えば、男性でも美しく御着用いただけます。 Made in FRANCE サイズ表記2 肩幅:52 身幅:75 着丈:101 袖丈:56 裄丈:84
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'86-88s HIPPOLYTE Ex_Soft Lamb Leather Hooded Coat
¥90,000
レザー/LEATHER/CUIR この素材がラグジュアリーの代名詞として認知されて久しい。 最初はその耐候性と堅牢性から極限環境での身体保護に始まり、実用を旨とした素材として重宝されてきました。 そこから先、素材としての伸び代、展開力のままに更に突き抜けたクオリティを持つ素材へと昇華されてきました。 その行き着く先のひとつ、究極のひとつが、フランス-パリはセーヌ川の分枝、サンマルタン運河に並行するヴァルミー通りのレザーカンパニー。 今やご周知も少なくないでしょう、《SERAPHIN》です。 HERMESの皮革製造を請け負っていた、世界指折りの至高。 今回ご紹介するのは、同社が80年代に展開していたレーベルの一つ、《HIPPOLYTE》。 これまで、このレーベルとセラファン社の関係は噂程度、弊店のこれまでのご紹介でも関係を断言し切れませんでしたが、今回のページをもって断言を致します。噂は終わり。 さぁ、関係性を否定する方が無理という程に突き詰められたバターみたいな革質。 これだよこれ。 何だよこれ。 80年代後半、バブル経済の勢いのまま、今よりずっと制約無くやりたいようにやれた時代。 この後ろめたいまでの贅沢。 これでもかと柔らかく鞣されたそれは、だからと言って厚みまでもを削り切っている訳ではなく、レザーとしての、ひいては外套としての頼もしさを毀損しない厚みを持っています。 つまり“薄さに依拠しない柔らかさ”であります。 このレーベルのコートは、その特長を誇示するようにドロップショルダーの設計が多くリリースされています。 そんな素晴らしい生産背景のもと作られた本品。 面白いのは、ラグジュアリーだからといって別にフォーマルではない、という点。 狭幅のダブルブレストに、奇妙なフォーマットの大型パッチポケット。 敢えて正円に成型していない楕円形のボタンチョイス。 これは角の持つ有機的な形状をそのまま使ったものか、はたまたそれを引用して作られたものでしょう。 そしてそのボタン剥き出しの着脱式フード。 まあどこを見たって、デザイン自体は至ってカジュアル。 どこぞのパーティや会合に華を添えるのではない、寒風吹き荒ぶパリの街路をカッコよく歩く紳士のための外套。 寒い寒い、と冗談半分で肩を窄めながら。 なんなら、布みたいに柔らかなギャザーが寄せられるフードをパサっと被りながら。 そんな大人の余裕をデザインした服。 私を含め、20代の若造ではなかなか……。 Made in FRANCE (SERAPHIN) サイズ表記50 肩幅:59 身幅:63 着丈:85 袖丈:56 裄丈:89
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S.T.DUPONT White_Lamb Leather Half_Coat
¥96,000
ハイ・ソサエティではあるけれど モードシステムには参加しないレーベルですから、他のハイメゾンとは違って、ファッションを取っ掛かりにこの名を知る事は少ないでしょう。 S.T.Dupont / エステーデュポン 150年以上の歴史を持つフランスのラグジュアリーレーベルです。 そのスタートは、他のメゾンと似ています。 革製品やトランクケースの製造。 世界大戦に伴って、生産規模は縮小。 代わりに着手したのがライター産業。 素晴らしい品質のライターはエクスクルーシブ達の心を見事に掴み、大統領婦人からのオーダーをきっかけに、高級筆記具のビジネスへも手を広げていきます。 万年筆やライターでこの名を知る方が殆どでしょう。 洋服は? そうなんです、このレーベルにおいて洋服というのはかなり奥の方にあるのです。 ペンやライター、革小物の更に奥、本当に僅かな数だけがこっそりと、特に広告されること無く展開されます。 前述した高級品で既にビジネスが成り立っているレーベルでありますから、恐らく洋服が無くとも大丈夫なんでしょう。 そんな中でペンに数万円、数十万円を払える人々に向けたレザーコートがどういったクオリティで作られるのか。 (直近のCasablancaコラボの万年筆は¥233,000-) 太くも細くもない中庸なボディバランスのミドルレングス。 (こういう服のシルエット決定ってすごく難しいだろうな……) フロントはボタンとジッパー。 当たり前のように極細玉縁の革ボタンホール。 当たり前のようにキラキラのriri社製ダブルジップ。 要所要所にカシミヤミックスの太巾リブ。 革は羊革だそうです。 凄まじい品質ですよ。 そうですね、例えるなら…… 焼く前のパンみたいな質感。 例えとして上手くなさ過ぎるか? 手触りも、ズッシリとした重厚感も、結構的を得てる気がするのだけれど……。 フードは取り外し可能で、縁取りに使われているのはラクーンファー。 裏地はウール/カシミヤの50:50フランネル。 袖裏はちゃんとキュプラ。 特に奇抜な素材使いやらビジュアルメイクをしている訳ではない。 しかし、どうしたって圧倒的にラグジュアリー過ぎる。 品質というものは静かにそこにあるだけなのに、斯くも雄弁に語る。 コーディネートに困る。 “着るだけで完成”感はある。 私は常々、ラグジュアリーな品物を合わせの妙で新天地に連れて行くのが楽しくって、それを目指して試行錯誤するのですが、これは中々……。 ほんのちょっと気後れしちゃうくらいにはド迫力。 大体90~2000'sの推定。 当時の物価でも上代は途方も無い数字でしょうね。 これと言って瑕疵の無い美品ですが、一点だけ右袖の手首付近に軽微な汚れがありますから、一応柔らかめのプライス設定にしています。 美しいものがお好きな皆様へ。 Made in ITALY サイズ表記52 肩幅:53 身幅:65 着丈:97 袖丈:65
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c90's BELFE&BELFE Abstract_Full_Pattern Reversible JKT
¥25,000
80's ITALYにて興ったパニナロ・ムーブメント。 100年以上の歴史を持つイタリアの古豪 BELFEも、このムーブメント参加していました。 どうも、“巻き込まれていました”なんて言い方のほうが存外正しかったりするのかもしれませんが……。 レインウェアから始まり、スポーツウェアやミリタリーウェア、更にはGiorgio Armaniのレザーウェアまでをも手掛けてきたBELFE社の品質水準にて作られた、リバーシブルのアクティブコート。 片や 鮮やかな朱色のナイロンオックス。 フードにはadidasみたいな三本線。 片や 輪郭の掴めない抽象的なランダムパターンに、手書き風オルテガ柄のレイヤード。 生地は繊細なナイロンポプリン。 私は後者が断然ワクワクします。 ・ハイブランドがなかなかやってくれないエネルギッシュな夢幻ビジュアル。 ・カジュアルレーベルじゃ成し得ないハイクオリティな服作り。 これらを我儘にも両立させたのがこの時代のハイカジュアルです。 BELFE社はどっちをA面と想定したのでしょう。 見た感じ、サッパリ分かりません。 これくらいの作り手になるとどっちの面にも粗がありませんから、両A面を狙って作られていた場合、本当に両A面として成立するだけのクオリティなのです。 ただオレンジの面の首周りに少し汚れが残っていますから、前オーナーも抽象柄の方を好んで着用されたのでしょうね。 私もそれに賛成です。 着膨れし過ぎない程度の塩梅で仕込まれた中綿、色々挟めるルーズなボディバランス。 そんな感じの、どう見てもゆっくり時間が流れるのんびり休日系アウターに、手書きのような温もりに満ちた総柄サイケデリック。 奇跡的なバランスです。 Made in ITALY riri_Zips サイズ表記50 肩幅:51 身幅:64 着丈:78 袖丈:62
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c90's LOWRIDER (U.K.) Faded_Black Moleskin Hooded JKT
¥55,000
1980年代に渡英し、英国で初の日本人DJとなった人物。94年にはイギリスのマルコム・マクラーレンを文脈とするダンスミュージック&ストリートカルチャーシーンを紹介するショップを裏原宿にオープン。 Judy BlameやMalcolm McLaren、Hussein Chalayanなど、後世でクールブリタニアとして崇められるスター達を日本に輸入。 これが【LOWRIDER】を立ち上げた DJ Marbo氏の略歴。 88年の【セカンド・サマーオブラブ】をオンタイムで実体験した彼(とDJ Harvey氏)らの作るオリジナルレーベル。 必然、アンダーグラウンドなミュージックシーンをクリエイションソースとしたクールな洋服が展開されましたが、今回のようなアーリーピースは後年のピースとは濃度が違う。 UKメイドのオリジナルレンジ。 今回3着追加で入荷します。 これは彩色無し、完全なる黒のモールスキン個体。 以前ご紹介したことがあるパープル個体との生地違いです。 ボタンフロント、デカいフードとデカいポケット。 必要以上に奇を衒うことはないけれど、他に無い独特のフォーマットがデザインされています。 ゴツい生地とカジュアルなイメージメイクの割にそこまでオーバーサイズではない。 ベーシックというか、常識的なサイジング。 タフな服をジャストで、又はコンパクトめに着こなすカッコ良さがあります。 アシッドで軽薄な(良い意味でね)、スピード感溢れるレイヴウェアが乱立した時代、そこへもカウンターとして作用しているように感じます。 ワードローブには服が溢れてて、毎夜毎夜ゴキゲンに着飾って……ってのとはどうも違う、硬派なストリートウェア。 この色だと、特にそう思います。 Made in ENGLAND サイズ表記M 肩幅:49 身幅:60 着丈:74 袖丈:60
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c90's LOWRIDER (U.K.) Midnight_Navy Moleskin Hooded JKT
¥55,000
1980年代に渡英し、英国で初の日本人DJとなった人物。94年にはイギリスのマルコム・マクラーレンを文脈とするダンスミュージック&ストリートカルチャーシーンを紹介するショップを裏原宿にオープン。 Judy BlameやMalcolm McLaren、Hussein Chalayanなど、後世でクールブリタニアとして崇められるスター達を日本に輸入。 これが【LOWRIDER】を立ち上げた DJ Marbo氏の略歴。 88年の【セカンド・サマーオブラブ】をオンタイムで実体験した彼(とDJ Harvey氏)らの作るオリジナルレーベル。 必然、アンダーグラウンドなミュージックシーンをクリエイションソースとしたクールな洋服が展開されましたが、今回のようなアーリーピースは後年のピースとは濃度が違う。 UKメイドのオリジナルレンジ。 今回2着追加で入荷します。 これは夜の海みたいなダークネイビーのモールスキン個体。 以前ご紹介したことがあるパープル個体との生地違いです。 そのパープルは製品染めでタグまで染め上げられていたのですが、このネイビーはそういう訳ではなさそう。 トコトン暗い、重苦しいネイビー。 生地もドッシリ重たいモールスキン。 鬱屈としたUKのアンダーグラウンドシーンを写したようなムードメイク。 この出品をもって、弊店では殆ど同型のモデルだけで3着あることになります。 モデル違いを含めるとジャケットで6着。 こうも並ぶと、イメージの割にオーセンティックなフィッティングバランスも手伝ってストリートのユニフォームとしてのカッコ良さが垣間見えてくる。 Made in England サイズ表記L 肩幅:51 身幅:62 着丈:75 袖丈:61
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c90's LOWRIDER (U.K.) Faded Red Garment-Dye Riders Coat
¥55,000
前回一度ご紹介したことのある、トライアルマスター型のジャケット(又はショートコート)です。 こちらは真っ赤なガーメントダイの非常に珍しい個体。 今回ボトムスでも奇抜な色味のカーゴパンツを用意していますが、レーベル内である程度雛型を決めてるくせに、時たま色味でドカンとちゃぶ台をひっくり返してくる。 斜めに傾いた左胸ポケットが面白い。 斜めに傾けた分、フラップの傍に雨や埃の入り込む隙間が生まれるでしょう。 そこを執拗にシャットアウトする細かなガゼットが設計されているんです。 この神経質な作り込み、気持ち悪い(気持ち良い)ですね。堪りません。 バブアーやベルスタッフのようなパターンでありながら、印象を根本から揺るがす大胆不敵なツイストとミクロ視点の機転。 肩や背中には有機的なサンフェードがナチュラルに入っています。 今後の着古しもどんどん映えましょう。 モノトーンに一点入れてアクセントってよりは、果敢に色物と合わせてみてください。 この枯れた風合いが色のぶつかり合いを円やかに仕上げてくれますよ。 Made in BRITAIN riri_Zips サイズ表記M 肩幅:53 身幅:63 着丈:78 袖丈:63 右袖ジャンパーホック(ボタン)にリペアあり
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1990's DUFFER of ST.GEORGE Minimal Cut Hooded Coat
¥45,000
ユーロオリジナルのオールドダファー。 オールドの中でもこのピースはかなり珍しいと思います。 何の装飾も無い ミニマルな黒のフーデッド・コート。 このコートの面白いところは 削ぎ落としの塩梅。 フロントのジップは隠して ポケットはフラップこそあるものの、ボタン無し。 これと言って何も特徴は無い。 これでオールブラック。 ここまで来ると 誰もが 細く/又は太く してしまう。 しかしDufferはその中間を選んでいます。 スリムに削ることも無ければ、ドレープで魅せてやろうと必要以上に型紙を展開することも無い。 パターンの変形も一切無い。 マテリアルにカシミヤやヤクなんかのハイエンドを選ぶことも無い。 究極のニュートラル。 これぞMサイズ、という感じのバランス感覚。 XMというサイズがあるとすればこれがそうだ。 そして、そんなの簡単に真似出来そうじゃないですか。 ここまでを聞くと、わざわざDufferでなくても良さそう。 でも違う。真似は出来ない。 代替が難し過ぎる。 骨組みから違う。 「黒のニュートラルなコートを作ろう」 ではなく 「普通のコートを黒にしよう」 の回路だから。 これを示すのは背中に入るカジュアルなヨーク。 アメリカ古着の、なんて事ないデイリーなカジュアルコートでやるような背中。 ハイブランド、乃至ハイブランドを指向するディレクション からは出てこない仕様選定。 古着のリミックスを得意としたDufferだからこそ生まれた、「削ぎ落とし」ではなく「色替え」で作る匿名性。 これは古着が好きな人にこそ 見て欲しい服です。 Dufferのオールドレンジはみんなそうか。 Made in - riri_Zip サイズ表記M 肩幅:48 身幅:58 着丈:91 袖丈:65
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CROMBIE (VTG) Full Cshmere Tailored Coat
¥65,000
コートの王様 と書くと、まぁ色々な作り手がありましょう。 一つに断ずるのはなかなか難しいとは思います。 けれどその一角には必ずこの名があることでしょう。 クロンビー。 チェスターフィールド・コート というのがあります。 チェスターフィールド伯爵が着たから チェスターフィード・コート。 そして伯爵が着ていたコートというのが このクロンビー社のコート。 同社はテキスタイルメーカーです。 普通、○○のコート、なんて呼び方をする時はテキスタイルメーカーじゃなく、それを仕立てた作り手の名前がそこに入るでしょう。 例えばゼニアの生地を使ったコートでも「ゼニアのコート」とは言いません。 「○○のコート。で、生地がゼニア」 となります。 クロンビーの凄いのは、それを突き破ってるところ。 「クロンビーの生地で仕立てられたチェスターフィールド・コート」は「クロンビーコート」と呼ばれるのです。 スキンズやスエードヘッズの文脈からこの名を知った人もいるでしょう。 フィービー期のCELINEからこの名を知った人もいるでしょう。 クロンビー社のピュアカシミヤで仕立てられた最上品をここにリリースします。 仕立ては魔都香港のシャーマンズ。 何処を見ても凝った手仕事満載、恐ろしいクオリティ。 サイズもかなり良いレンジじゃありませんか。 一生モノかどうかは知りませんが、一生大切にしてください。 Tailored in HONG KONG サイズ表記- 肩幅:46 身幅:55 着丈:101 袖丈:58.5 大体60~80'sの個体です。 推定ガバくて申し訳無い。 綺麗なコンディションですが、裏地ベントの根本に軽微な解れあり。
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1993A/W PRADA Beaver_Fur Collar Nylon Riders Coat
¥110,000
2024年-といってももう暮れですが-の今もモードの最先端を先導する存在でありながら 100年以上の歴史を持つ老舗メゾンでもある。 イタリア王室御用達レザーメーカーとしての歴史 ミウッチャ・プラダのナイロン革命の歴史 このメゾンに宿るレガシーを結晶させたプロダクトです。 ハードなナイロンマテリアルで仕立てたダブルブレストのライダースビジュアル。 上襟とラペル、そして外から見えない見返しにのみ高品質なレザーを配し、黒一色でありながら豊かなマテリアルコントラストが作られています。 そして私、ここに付け襟を被せるセンスが大好き。 折角コントラストを付けた上衿とラペル、その両方をまるっと覆い隠すリアルファーの付け襟。 ああ、何かこう、勿体無さのようなものも感じてしまいますが、それを微塵も感じていない、寧ろメゾンのアティテュードを示す格好の装置にでも転換してしまっているのがPRADA。 だってそうでしょう、豪華な付け襟で隠れる箇所にも手を抜かないスタンス、そのものが美しいじゃありませんか。 ファーの襟を外した次にこの美しいブラックレザーが顔を覗かせる喜びたるや。 全部をナイロンで統一せずPRADAらしい皮革を織り交ぜる仕事。 レーベルとしての出自、ルーツを蔑ろにしないプライドが美しい。 ちなみにこのファー、何の毛皮かお分かりになりますでしょうか。 ウサギやクマなど、様々な御推測を頂戴しましたが、正解はビーバー。 北米、今はカナダのケベックを中心に貿易のために乱獲され、17-19世紀のヨーロッパにて莫大な人気と富を築いた毛皮です。 (現代では正しく保護法が制定されています) 一見ラビットファーにも見えるこの柔らかなテクスチャは、一般に想像されるビーバーの硬い毛を取り除いた先、身体の保護とは別に身体を温める目的で生えている柔らかで密な毛をファーに鞣したもの。 西洋人の極地航海を守る、本当に重要なコートとして大切にされてきた素材です。 (後に贅沢品としても広く流通しますけれど) 素材が良いのかPRADA社の取り扱いが素晴らしいのか、途轍も無く良好なコンディション。 着脱可能な仕様ですが、これを外す日は来るのでしょうか……。 レーベルが設立された時代から、定番のレザー以外に今ではエキゾチックレザーと括られる様々なレザーを視野広く取り扱ったレーベルならではのクオリティ。 素晴らしいマテリアルクオリティに加え、ファスナーは全てPRADA刻印入りのriri別注、スナップボタンはFIOCCHI社製です。 全セクション抜かり無し。 ニールバレットがPRADAに来る前、90年代前半の貴重なアーリーピース。 ベルト、ライナー、付け襟、全て揃った完品にてご紹介致します。 これは中々に奇跡的なことです。 一目でそれと分かるアイコニックな素材使い、品格に反してキャッチーなウエストベルトデザイン、また現代のPRADAとミックスしてお楽しみいただきたいスペシャル。 メンズもいけるサイズ感ではありますが、先ずはカルテを御愛顧くださっているレディの皆様へ。 Made in ITALY サイズ表記S 肩幅:53 身幅:50 着丈:75 袖丈:53 裄丈:83 ウエスト:38 (平置きで計測した値/ここからゴムバンドで伸びるし、ベルトで更に締められもします)
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c90's FERRE JEANS Radical Border Pattern Hooded Chamois JKT
¥32,500
今回3着ほど纏めてご紹介することとなったFERRE JEANSより、1番ビジュアルインパクトのあるパワーピース。 このラインの特徴としては、大体がアメカジをリファレンスに巧みなツイストで新しい感覚を作るデザイン。 インディゴリネンでカバーオールを作り直したり、薄〜いポプリンでBDのチェックシャツを作り直したり。 80年代に流行したアメカジのユーロ流ツイストの流れに乗っかったディレクションですね。 フェレぐらいの豪傑がそれをやると、大体なんでも出来ちゃうので見てて面白いんです……。 しかしこの個体はどうも元ネタが分かりません。 こんなキレキレの柄は何処かにあったのかな。 ベタ藍とイエローのコントラスト・ボーダーに、赤黒のタータンチェックやギザギザ模様のミックス。 後者に関しては、バッファローチェックで使うようなカラーパレットで別ジャンルを、という遊びが垣間見えますね。素敵。 鬼のパンツみたいなラディカルパターン。 フード周りのカオスなんて素晴らしいじゃないですか。 生地はアクリルとナイロンを混ぜたカジュアルなウールシャモア。 背中にデカデカと入ったブランドタグには 【ICE WORLD】とありますから、この温かみのあるふわっとしたテクスチャも合点がいくところ。 【ウィンターシーンでの派手な柄作り】 ってのはゲレンデウェアの文脈として同時代のアクティブレーベルで密かに流行したのですが、そんな感じのインパクトをも取り込んで融合させた感じがします。 替えの効かないスペシャルコート。 Made in ITALY サイズ表記40 肩幅:60 身幅:67 着丈:71 袖丈:56 裄丈:88
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c90's ST.GERMAIN Heavy Mohair Knitting Hooded Coat
¥36,000
St.Germain / サンジェルマン 私の大好きなリキュールの名前ですね。 そして、パリのサンジェルマン通りの名前にもなっています。 なるほど、そういうレーベルなのかな。 なんて思ってたらサンジェルマンって滅茶苦茶よくある地名らしいですね。 ふんわりさせたまんま、服の方を見ていきましょう。 柔らかながらも目の詰まったボリューミーなメランジ・ニットファブリック。 編み地はシャギーな毛足に紛れてよく見えませんが、ヘリンボーンっぽい模様が見えます。 普通に編んだらそうなるんだったっけ。 そして見えづらいと思ったら、編み地自体が結構細かい。 思いの外ハイゲージで編み立てられてる。 組成タグなんて見なくとも分かる。 退廃の美になんて目もくれない、破茶滅茶にエネルギッシュなモヘヤです。 タグ見ずとも……とは言え、 Super Kid Mohair 70%と来れば嬉しい誤算。 今と昔じゃ相場も違いますが、それ差し引いても恐ろしく豪勢な素材選定じゃないですか。 これで仕立てるのが、 前端を大きく延長したフーデッドコート。 言っちゃえばダブルブレスト相当の深い打ち合わせのまんま、フードに繋げた製図。 必然、弩級に優美なドレープビジュアル。 何処かエスニックな空気になるかな。 それを暗に伝えるのがフロントの注連縄みたいなトグル&コードのフロントシステム。 エッジトリムに使われたトライバルテイストのニットテープも最高の仕事をしています。 (色も滅茶苦茶良い…!) これは本当にポップアップ現地で御体感いただきたいのですけれど、モヘヤなのに結構重いんです、このコート。 この単語に付随する「軽い」イメージを強烈に払拭する、ガンガンに目を詰めて編まれた、しかしそれでいて尚優美に靡くモヘヤという素材の魔力。 Made in ITALY サイズ表記40 肩幅:61 身幅:63 着丈:78 袖丈:52 裄丈:83
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80's J.C.DE CASTELBAJAC Kitsch-Graphic Separated-Hood Coat
¥55,000
Jean Charles de Castelbajac の80's個体。 この時期のコートは素晴らしいものばかりです。 和服のような平面的な型紙。 肩山に傾斜を付けない垂直な袖付け。 そうした平面性とは対照的な、立体感に満ちたボリューミーなテキスタイルデザイン。 裏地として使ったボアファブリックが表に迫り出すように設計された各所のトリミング。 そしてそれに縁取られるのは、このクリエイターの最もアイコニックなデザインコードである、ユーモラスな手書き風グラフィック。 コクトーとヘリングを融合させたようなミニマルでキッチュなタッチは、洋服に乗っかっている限り、どこでどう見かけたとしてもブランドロゴの代わりを果たす。 故に、ロゴが無くとも常に全身をアピールが埋め尽くしているようなもの。 これを上手く着こなす難しさを思うと、これまでの洋服なんて如何に簡単で、如何に沢山の正解が用意されたものであったか知れない。 圧倒的な可愛さに比例して、なかなかコーディネートの難しい服です。 こういうのがお好きな数寄者諸賢は勿論、今一度正解に迷う青い感覚を思い出したいアダルトへも強くお薦めいたします。 バジャックの得意としたフード周りの遊び、最高。 セーラーカラーにして大きく靡かせても良し。 分厚いテープをリングベルトに通して、大きなフードにしても良し。 自由にお楽しみください。 フロントは一切留め具無しのフリーオープンです。 Made in FRANCE サイズ表記1 肩幅:65 身幅:64 着丈:86 袖丈:50 裄丈:83
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'04A/W CHLOE by P.PHILO Leather_Fringed Heavy Knit Cape
¥55,000
フィービーフィロが手掛けたChloeでの作品。 大判の平面ニットケープです。 最高品質のエクストラファインメリノをベースに、ベビーキャメルを4割入れたバルキーニット。 キャメル。 駱駝さんですね。 駱駝に毛?とはなりましょう。分かります。 暑い砂漠にいるあのラクダじゃないです。 ラクダには2種類います。 ヒトコブとフタコブ。 前者はアフリカとか西アジアの暑い乾燥帯にいますが、後者は中国北部からモンゴルあたりの寒い地域に生息しています。 キャメルヘアに使われるのはこっち。 滅茶苦茶希少です。 生後半年以内のベビーキャメルの毛は更に希少です。 実際の獣毛段階での材料を触った事がありませんが、兎に角ふわっっっふわらしいです。 以上、駱駝の話。 そんな柔らかな獣毛をたっぷり、本当にたっぷり使った大判のニットアイテムです。 端にはリアルレザーのフリンジフレーミング入り。 これらは、その自重でタプタプと跳ねるように靡きます。 他のどんなアイテムでも体感出来ない新世界。 シルクで出来たドレスも、カシミヤで出来たコートも、こうはならない。 こんな重い素材で一枚ケープをやるからこその、極めてユニークな着用感。 ドレーピーな洋服を振り回すようにフリフリしたくなる時がありますけれど、これなんてその極地。 この洋服は前提としてユニークであるけれど、同時にそれ以上に飛び切りラグジュアリー。 ボヘミアンエッセンスを最高の生産水準で刷新するこのデザインは、正にChloeの本懐。 言わずもがな ではありますが、このレーベルは世界最高峰のトップメゾンです。 Made in ITALY サイズ表記 UNI 一枚平置きで 横126×縦146 (→着丈で約73) +中心にスリット
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c2000's AIGNER (EU) Ex_Soft_Suède Unique Cutting JKT
¥21,000
ドイツのエグゼクティブレンジ、AIGNERのレザージャケット。 底抜けに柔らかい、極上のマテリアル。 金持ち向けのハイエンドって感じの水準です。 メンズも入る人はいるだろうけどレディースの企画。 本国サイズで36だから、イタリアサイズで40。 フロントはジップなので、何方にもお薦め。 ムッシュ・サンローランがハイファッションの世界へ持ち込んだサファリジャケットが土台。 両胸と両腰にポケットがあるヤツね。 このジャケットでは、胸の方のポケットで面白い遊びを入れてます。 元のデザインは狩猟用のジャケットですから、ポケット一つとっても沢山物が入れられるように工夫を凝らします。 プリーツを畳んで容量を増やしたり、端にマチを増やしたり。 サファリジャケット類での胸ポケットは、ポケットの中心にインバーテッドプリーツを畳んで容量を増やすのが一般的ですね。 プリーツの畳み分キャパシティは拡張されるけれど、物が入っていない時はミニマルに見えるという仕組み。 で、AIGNERはこのプリーツに着目した。 この縦方向のプリーツ線にジップを入れ込んで、そのままポケットの入り口に作り替えちゃった。 そして元の胸ポケットは、フラップを残したまま廃止。 てな訳で、側から見たら(ある程度)普通のサファリジャケットだけれど、実際はあり得ない位置にあり得ないポケットが組まれてる、という着地。 あんまり収納力はありませんが、位置的にマフポケットみたいな感覚で使えて良い感じ。 ※腰ポケットは割と深いので、多少の手周り品は入ります。 エグゼクティブレンジならではの超高水準での素材選定と、それに負けない上品な文脈遊び。 テロテロの革質を活かして、付属のベルトでギュッと縛って、美しいギャザードレープをお楽しみください。 Made in GERMANY サイズ表記40 肩幅:46 身幅:56 着丈:76 袖丈:59
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T.A.T.A. Fake-Authentic Design Lightweight Nylon Coat
¥19,000
これもまた 「よくある服」 の “よくある”性 を逆手に取ったアイロニカルデザイン。 遠くから見た時と 触れるほどの距離で見た時とで 印象が反転するコートです。 - 前者視点では ヴィンテージのハンティングコート。 襟だけレザーやコーデュロイで切り替えられた、4つポケットのカジュアルなコートです。 まあ濁す意味も無いか。 Barbourですね。 Beaufortか、なんならBorderくらいのロングレングス。 - さて、後者視点です。 前述したそれらをフリにして全く違うテイストのケミカルファブリックで作り替えたデザイナーズ・クロージング。 地厚なオイルドコットンで仕立てられたコットンボディはライトウェイトのナイロンシェルで置換。 温かみのあるコーデュロイで切り替えられた襟は、鹿の子ニットにも似た個性的な織地で仕立てられた薄手のケミカルファブリックに変身。 元ネタに宿ったタフネスや温みは一切排除された、冷たく無機質なタッチのブラウン。 最初は優しい印象の服であるだけに、この裏切りが作るインパクトは特大。 パッと見て「あーはいはいアレね」 と判断出来る速度が速ければ速いほど刺さるんじゃないでしょうか。 袖は一枚袖ラグランの仕立て。 ナチュラルで控えめなショルダーラインを作ってくれます。 バランス的にはそこまで大きくない寸法設計ですので、この軽いコートの上から何かしら重ねて遊んだりってのも楽しめます。 加えてフロントのボタン前立ての中にはダブルジップ。 裾だけ軽やかに捌けさせたりってのも自由自在です。 ここも、全部Barbourに倣って上だけリングのダブルジップ。 ニヤニヤ。 まあ総括、とっても天邪鬼な服です。 元ネタがバレてくれなきゃ意味が無い、会う相手を試すような服。 先ずはウエストコートのインサイドアウトから是非。 Made in JAPAN サイズ表記3 身幅:57 着丈:93 裄丈:88 腰のウェルトポケットの端が少し解れてます。
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c90's DUFFER OF ST.GEORGE Club_Check Full Pattern Tailored Coat
¥42,500
1984年の設立から2007年に日本の某商社でライセンスが始まるまでの、おおよそ20年間に作られた作品群より。 ブリティッシュトラッドのカジュアルエリアの中から 巧みなリミックスを繰り返しながら徐々に派生し現代のカジュアルウェアの原型作りにて片棒を担ったデザイナーズレーベル。 意外と重要な英国ファッション史の一部。 これも勿論オリジナルのオールドレンジ。 恐らく90年代くらい。 イタリア製のスプリングコート。 アクアスキュータムみたいなビジュアルのクラブチェック。 随分トラッドに振ってますね。 アクアスのそれはベージュ×ネイビーですが、本品は限り無く彩度を落としたブラックネイビー。 エレガント→ラギッドに ほんの僅かですがイメージチェンジ。 仕立てとしては 表地と共布での半裏仕立てに袖裏にのみツルツルの化繊ライニングという、スプリングコートにおける理論値みたいな丁寧な仕立て。 外も内も、ポケットの存在が捕捉出来ない程正確に仕上げられた柄合わせがお見事です。 でもこのコートにおける魅力というか、デザインポイントってそういうディテールじゃない気がします。 【このチェック柄を全面に堂々と配置する感覚】そのものが特異点なんじゃないかな。 同国同時代のトラディショナルレーベルにとって、チェック柄ってのは内に隠すものなんです。 裏地とか、衿裏とか、カフス裏とかポケット裏とか。 チラッと見えて、おや、粋だね! って。 [そういうもの]なんです。 現代でこそ、バーバリーもその感覚を裏返してノバチェックの総柄でコートを発表しますけれど、それをこの時にもうやってたんです。 トラッドに振ってる? 違う、真逆。 これはトラッドの記号を使って執り行うトラッドへの反攻。 コンサバティブな連中からは顰蹙を買ったでしょう。 そうした意味では、このレーベルのアティテュードをかなり強烈に宿した一着かなと。 ラグランじゃなくセットインスリーブなのも良い。 Made in ITALY サイズ表記M 肩幅:46 身幅:55 着丈:97 袖丈:65 非常に綺麗なコンディションです。
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