洋服解読所
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1990's KRIZIA UOMO / Ms. DEANNA Unique_Knitting Organic Jumper
¥27,500
SOLD OUT
メンズラインのSサイズ。 あまり大きくダボって着る訳ではなく、ある程度クリーンなサイジングで着用出来るニットです。 で、そういうクリーンなサイジングのニットってのは往々にして編み地や配色までクリーンでしょう。 ミニマルだったり、クールだったり、マニッシュなスタイリングに調和するような方向性でデザインされる。 そんな前提を視野に入れると、このニットはかなり特異なポジションに見えてきます。 先ずサイズ感以外のデザインセクション、例えば編み地、例えば配色、例えば素材選び………、そんなのは至ってKRIZIAらしい、オーガニックで手の込んだ、ハイエンド・ナチュラルという趣。 コットンベースに、リネンとヴィスコースを混ぜて作る、自然派テクスチャ。 配色も、オフホワイトを中心に、ベージュやブラウン、アクセントとしてスモークグリーン。 そして編み地でランダムなミックスが炸裂し、1着の中に工業的な切り替え無しに、様々な編み柄がグラデーションで共存するという着地。 ナチュラルで優しい雰囲気だけど、やってる事はかなりの熱量。 そしてこのテクニック面で最も素晴らしいのは、リブエッジ。 ネックラインと裾です。 表編みと裏編みを交互に繰り返して伸縮性を持たせるリブ編み、その繰り返しピッチを大きく拡げ、過剰なまでに長閑で牧歌的に仕上げたニッティング。 この終着点に注目。 表編みと裏編みはどちらも逆方向へロールしようとします。 その結果、型紙上の小細工無しでエッジラインに可憐な波線が形成されているのです。 鋏を使わず、編み物の特性のみを駆使して作られる、メンズウェアでのフェミニンディテール。 職人技だなぁと感嘆してしまいます。 実現させるのも凄いけど、ここまでの全体完成度を含めて思い付けるのが凄い。 ここからちょっとドレッシーなジャケットを着たり、黒いスラックスを合わせたり、そんな中で色彩差によって浮き彫りになる各エッジの可愛い波線。 【デザイナーズニット】かくあるべき。 裏で手を引いていたのは勿論MISS DEANNA。 Made in ITALY サイズ表記S 肩幅:47 身幅:48 着丈:66 袖丈:57 裄丈:82
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1980-90's DUFFER of St.GEORGE Short_Sleeve Cotton Cable KN
¥22,000
ペールブルーのセンターにベージュの好配色。 境界線にはケーブルニット宛ら、網目紋様のニッティング。 スコットランドやアイルランドのクラシックなアランニットの名残を感じます。 大体のそれがオーセンティックで温かい、キチンとした(?)ウールで作られるところ、元ネタの完成度なんて気にも留めずコットンで軽やかに作り直したサンプリングデザイン。 各パーツを繋ぐのも、オーセンティックなセーターみたいに編み繋ぐのではなく、普通の布帛と同じ感覚でミシン縫製。 いわゆるニットソーです。 ネックリブの切替シームとか見てると、なんか違和感がじわじわ来ませんか。 ぱっと見セーターっぽいけど、奥の縫代押さえてないからシームの傾きがグラグラしてたり、どこかTシャツっぽい空気があります。 そして半袖というチョイスがそれを決定付ける。 【ありそうで無い】 今でこそ共通欲求として世に広まっているこの感覚をおよそ最速で世に打ち出した作り手として差し支えないでしょう。 ストリートの服だけど、これは明確にデザイナーズです。 先ずは1枚でTee感覚で、次は長袖シャツとのレイヤードもお楽しみください。 Made in ENGLAND サイズ表記M 肩幅:43 身幅:52 着丈:69 袖丈:31
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L80-e90's HOMME DE NUIT Marine Taste Oversized Cotton Jumper
¥25,000
トキオクマガイのHDNより、らしさ全開のコットンジャンパー。 設立後僅かな期間でご本人はご逝去されましたので、このラインは基本的にチーフデザイナーとして引き継がれた永澤陽一氏、又はごく一部が松島正樹氏による仕事です。 パリっぽいマリンテイストと、当時のジャパニーズレーベルらしいルーズなボディバランスの融合。 取り分けドラスティックな融合ではありませんが、ヨウジやギャルソンみたいに西洋への真っ向勝負、という感じではないのがキーセンテンス。 パリっぽさに強く反目する訳ではなく要素を軽妙に取り込んで昇華しているデザインです。 この辺りは御本人のセンスが強烈に残っていると思います。 ネイビーのボディに、ウエスト辺りで入るクリーム色のスイッチライン。 そして左肩線をボタン明きにする仕様。 しつこくないマリンテイスト、良いですね。 全面をボーダーに纏め切っちゃうんじゃなく、ボーダーが持つマリンエッセンスを、その風味が無くならないギリギリまで希釈して香りとして成立させています。 こうなるとたちまちデザイナーズです。 丁度ブラウジングしてタプっと膨らむ辺りにホワイトラインが来るようになっているんですよ。 なんとも粋ですね。 日本っぽいけどTHE BLACK!みたいな圧の無い優しいムード。 良いニットお探しの方は是非。 Made in JAPAN サイズ表記46 肩幅:56 身幅:55 着丈:66 袖丈:62
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1996S/S Y'S FOR MEN White Cotton Chunky Knit VE
¥23,500
SOLD OUT
めちゃくちゃ身幅の広いニットベスト。 「ヨウジっぽい服」ってのは、サイズバランスとか生地感で伝わると思うんですが、このニットは前者だけが「そう」。 肩幅は普通、身幅でドカンと広げるルーズフィット。 ポケットもデカくてゆるゆる。 まぁこんなニットベストのポケット使うシーンもあんまり無いけど、大事な物は入れない方が良いですよね。 で、生地が全然ヨウジっぽくない。 ふわふわの有機的なコットン100%。 太くて野暮ったい糸のチャンキーニット。 あたたかくも素っ気ない。温度感のあるミニマルって感じのニット。 言われてみれば、この色味自体はヨウジの白シャツでよく見る色かも。 何に重ねても良い感じの雰囲気に仕上がるデザインであるだけに、何と合わせるか迷いますよね。 僕的には……みたいな先入観無しで、果敢に色々合わせてみてください。 ヨウジ以外も色々着るぞ!って方に楽しんで欲しい服です。 Made in JAPAN サイズ表記- 肩幅:(35) 身幅:56 着丈:48
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c2000's N.HOOLYWOOD Fuchsia_Pink Hand_Protect KN
¥18,000
Nハリウッドのユニークなニット。 ミリタリーっぽい手首のデザイン。 手の甲だけを軽く覆う手甲に、2つのフィンガーホール。親指と小指を想定してるはず。 手甲部分にはさり気無く補強も入ってて、中々オーセンティック。 軍物サンプリングかとは思うんですが、ボディはミリタリー感ゼロ。 強すぎるリブとかを使わない、プレーンなセミルーズフィット。 普段使いしやすいバランスです。 で、それがまさかのフューシャピンク。 ビックリするくらい難しいカラーリング。 物としてはめちゃくちゃ可愛いけどスタイリングは簡単ではありません。 我こそは、という方へ。 インダストリアルなのに色がヤバい。 こんなのが装備品として大量に作られていたなら浪漫があるのになぁ。(色含め) Made in JAPAN サイズ表記S 肩幅:43 身幅:44 着丈:67 袖丈:58/67 (手甲含めると67)
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e1990's JOHN SMEDLEY Chain_Zip Knit VS
¥25,000
96年以前、少し古めのスメドレーより大変珍しいレアピース。 ベースのニットはスメドレらしい薄手のハイゲージ。 丁寧に細く梳き抜いた、超しなやかで軽やかな皆様の思うアレ。 この生地のプルオーバーはよく見ます。 よく見るというか、そもそも定番中の定番だから「よく見る」とかそういう話では最早ない。 しかしそれのフロントジップ仕様ってのは殆ど出回っていません。 ご存知無い方の方が多いはず。 しかもriri社のスネークチェーントップ。 別注なのか?このファスナーだけでも極めて珍しい。 なんか、スメドレーってよりもPRADAっぽさの方が強いような。 日本の厳しい残暑の中でも楽しめる最軽量の羽織もの……という意味でも最高なのですが、最も嵩張らず、しかもシワにもなりにくい過冷房対策としても優秀。 袖の細いカーディガンじゃ成立しない、リラクシングで軽やかなニットベスト・スタイル。 しかも完全なブラック。(嬉しいですよね) 傷の無い美品です。 Made in ENGLAND サイズ表記M 肩幅:(33) 身幅:48 着丈:71
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e2000's JILSANDER Minimal Orange W_Zips Knit VS
¥18,000
SOLD OUT
サイズ表記に対して細身のボディバランス。 アームホールも細い。 裾でテーパードを掛けたりもしない。 オールドユーロのエグゼクティブレンジやアメリカントラッドが作るセーターとは完全に真逆、ソリッドに削ぎ落としたニットベスト。 そこにこの色が乗っかるってのが素晴らしい。 目の覚めるような鮮やかなスカーレット。 ネックラインとヘムラインはソフトベージュの縁取り。 フロントには完全特注のユニークなririジップを配置。 機能性、もとい機動性までを想起させる程に軽やかなダブルジップがデザインのサビかな。 ジルサンダーが80年代ハイファッションのメインストリームに翻した反旗を強く表すような、新時代のミニマル。 フロントのダブルジップ、ファスナーテープの片方だけを表出させていますね。 ここでテープの色を見せることでエッジフレームとの色合わせを構築しつつ、ミニマルなアシンメトリービジュアルも兼ねる意匠。 で、僕が最も唸ったのはその先。 アシンメトリーに表出“させていない方”。 基本通り内に隠したテープは内からは見えない。 なんとこのテープを隠すためだけに、表地ニットと同じ細巾ニットテープを作ってテープに被せて処理しています。 完璧主義者の服という感じ。 この時期はご本人の手を離れていますが、その強烈な美学はこういうポイントに宿っています。 コンパクトなボディバランスですから、細身のテーラードのインナーに差し色として差し込むのが1番綺麗な使い方なのかな、なんて思います。 シャツの上からこのベストを重ねる時は、同じ時代/又は同じ美学のもとに作られた 袖の細いシャツがお薦め。 ファスナー下端のテープに軽い傷があります。 普通に使用出来ますが、開閉に少しコツが要ります。 なるたけ丁寧にお取り扱いください。 Made in ITALY riri_Zips サイズ表記46 肩幅:(36) 身幅:46 着丈:59
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1980-e90's EMPORIO ARMANI Earth Color Border Knit VS
¥15,500
コットン75%とリネン25%のオーガニックなテクスチャ。 そんなアーシーな素材にこそ相応しい、徹底的にアーシーな配色でデザインされています。 クリーム、モスグリーン、ネイビー、ブラウン。 それぞれが少しずつ混ざり合うようなボーダー柄の作り方。 フラットに分断する均一的なボーダーではなくグラデーションを意識したニッティングですね。 また、アームホールやヘムラインなど、服のフレーミング箇所に目敏くネイビーを持ってきて印象を引き締めるのも流石アルマーニと痛感させられるポイント。 ネックラインやアームホールの裏面は細巾の共布ニットテープを見返しにして処理するミニマムな仕様選定。 こんなソリッドな仕様が私は大好きなんですが、こんな牧歌的な服にこの仕様をブチ込むセンス……となると更に光って見えます。 皆様が夏場に楽しんだリネンシャツ、こういうグラデーションピースがあると更に楽しめますよ。 この個体は80年代セーターのルーズなボディバランスのまま作られていますから、インナーがルーズでも大丈夫。 一気にAWのアウターに目を遣るのも勿論楽しいですが、丁寧に目の前の季節を慈しんでいくのもまた贅沢だと思うんです。 Made in JAPAN サイズ表記L 肩幅:(54) 身幅:58 着丈:66
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A-POC Full Knitting Design Monster Hoodie
¥66,000
ISSEY MIYAKE社が生み出したA-POCのデザインは「編み物」という技術の極致だと思います。 途轍も無い深度のコンピュータニッティングにより一枚のニットテキスタイルの中に洋服の構造線を全部内含させる洋服。 裁断によって発生する布屑をギリギリまで減らすこの画期的なデザインは、別にやり方を確立したところで、このフォーマット前提で様々な洋服を作れるだけのデザインスキルが無いとアドバンテージにはなりませんから、「発明したから後は楽だよね」とならないんですよね。 そんな中こんなモンスターピースを生み出せるA-POC、流石にヤバい! ベースはスリムフィットのニットフーディです。 顔を大きく覆うフード部分には局所的な透かし編みを自由自在に配置し、目や口の位置はシースルーメッシュ。 さながらガスマスクみたいなビジュアルイメージ。 ボディにも様々な構造線が編み地の濃淡で見事に描かれており、存在しないアームホールシームまで可視化されています。 トロンプルイユで描く夢幻、それを技術力で無理やり叶えにいってるような。 どう着ようか、なんて考えるのも野暮ったい。 まず着て感動に身を預けて、そこからでいいです。 (着る時は装飾品を全て外してください) Made in - サイズ表記- 肩幅:41 身幅:39 着丈:68 袖丈:65 内タグが無いので組成不明。 ニットウェアなのである程度は伸びますが、不安なく推奨出来るのはメンズのSくらいまで。 Mサイズ基準くらいの方になると、フィット感の好みとか骨格とかによります。
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c90's MISSONI Crazy Pattern Jacquard Knitting Vest
¥17,500
夥しい密度で入り組み合った複雑なグラフィックパターン。 編み物特有の画素数の粗さでドット絵みたいになってるけど、そうじゃなかったとしても全貌を把握し切れないようなバチバチのジャカードニット。 モノトーンに混ぜられるのはスモーキーに燻されたようなイエロー&ブルー。 アースカラーや暖色を多用して構築されることの多い「ミッソーニ・ニッティング」の中でもやや特異な立ち位置。 若々しい、言っちゃえばアシッドな空気感。 ここは好み分かれるのかな。 洒脱な壮年の、余裕あるカラースタイルを作るには定番のカラーリングの方が良いんだけど、逆に現代的なバランスにミッソーニを取り入れる分には都合の良い配色かもしれません。 90年代半ばより前のオールドピース。 生地組成のタグは見当たりませんが、明確にイタリーオリジナルの貴重な個体。 触った感じは多分コットンかな……? 又は、コットンベースにナイロンかレーヨン、もしくはリネンなんかを混ぜてると思います。 強撚糸特有のザラっとドライなテクスチャ。 秋冬はブルゾンの中にピリッと効かせたい(色味もそんなノリ)アイテムですが、この生地感なら暑い時期の羽織ものにも優秀です。 Made in ITALY サイズ表記48 肩幅:40 身幅:46 着丈:62 袖丈:-
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80-e90's PLANTATION in ISSEY MIYAKE Super_Wide Cutting Cardigan
¥39,000
SOLD OUT
大きな袖同士が繋がったようなこの造形…… 構造、伝わりますでしょうか。 言ってしまえばボレロみたいな感じです。 ただ、一般的なボレロと大きく異なるのは前合わせ。 かなり深いダブルブレスト。 ボタンもファスナーも無いフリーフロントですから、この余った分量はみんな だらり垂れ落ち、歩に連れ風に連れ、呑気にドレープしてくれます。 (この時代のPLANTATIONよくやりますよね) シワにならないよう正しく床に置いたら笹の葉みたいな横長楕円。 流石に服には見えません。 これは80年代の頃CLOSEDでも似た発想が見られましたが、横長ブルゾンの「横長感」を極限まで強調した時に辿り着くボディバランスです。 スーパーショート×スーパーワイドの掛算。 エキセントリックなまでのショート丈に、詰め込める限界量のダイナミック・ドレープって寸法。 綺麗に畳んで、はたまた掛軸みたいにくるっと丸めて、バッグに忍ばせましょう。 「冷房よけのカーディガン」ってのは、個人的にとても重要な夏の服です。 この時代のイッセイ・イメージのままドレープ全開で着るのも素敵ですし、メンズは思い切ってカジュアルスタイルにブチ込んだりしてみてください。 色揃えると意外と化けます。 Made in - サイズ表記- 肩幅:- 身幅:53 着丈:41 袖丈:- 裄丈:85
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2000's ARMANI CLZ. Soft Brown High-Gauge KN
¥21,000
SOLD OUT
何っぽくもないニット。 実際はウール(&ナイロン)だけど、全然ウールっぽくも無ければカシミヤっぽくもない、コットンもリネンもアクリルも、さっぱりこのテキスタイルの印象と結び付かない。 ハイゲージだけれど詰め過ぎてない。 折り畳んでもポヨっと返ってくる弾力感。 先生方がお上品にお召しになる薄いニットとは根本的に違う、でも防寒のために着込む温かなセーターとも違う、全くの中間地点。 これと似たボリュームバランスのニットウェアは中々見つからないと思います。 推定20年くらい前の服ですが、今の服みたい。 色は彩度を落としたローテンションのブラウン。 表と裏で若干色が違います。 テキスタイルのことはよく分かりませんが、多分ここがポイントな気がします。 アルマーニの服は分かり易い服も分かりにくい服も両方楽しいし、両方とんでもないクオリティ。 時代に流されないってよりは、どの時系列に立って見ても「時代に合ってるなぁ」と感じる。 流されないのではなく、流れた上で、良い。 多分2030年も2040年も、同じような感想を言うと思う。 Made in ITALY サイズ表記50 肩幅:44 身幅:50 着丈:70 袖丈:65 裄丈:90
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CALVIN KLEIN 205W39NYC Irregular Cutting Knit Top
¥39,000
R.Simonsが手掛けたCALVIN KLEINの再編集。 2017/Fから2019/PFまでの6シーズンでお開きとなってしまった、後にも先にも無い最高の饗宴。 「アメリカらしさ」を極多角的に抽出し、解釈し直し、コラージュ感覚で前衛ファッションに押し上げる仕事。 土壌があまりに悪かった、もとい同氏の創作に不利であったことは結果に明らかであるが、しかしこうした記号性の再編集による仕事、その最高峰を表現するに相応しいレーベルであったとも思う。 このノースリーブのニットトップは、シンプルな一枚の前身頃に不規則(というか無秩序風)なカッティングを織り交ぜたデザイン。 左肩から右腰に掛けて、身体を斜めに横断するタック。 (これは無秩序を装いつつ、その実身体のウエストシェイプを確かに拾っている) そしてそのタック縫製シームに別色のニットバンドを挟み込む、という構造。 これの何処がアメリカっぽいのか。 問うまでも無く、これは星条旗の赤白ストライプ部分である。 実際に掲揚されたそれが風にはためき不規則に絡む一瞬をでも切り取ったのだろうか、アシンメトリーなタック構造はそんな偶発的一瞬の映写とも解釈出来る。 そして「アメリカらしさ」という記号の抽出は具体物だけでなく、“スタイル”にも適用されている。 つまり「アメリカっぽい物」 だけじゃなく「アメリカ人っぽい着方」。 それはニットファブリックを用いていながら袖を切り落とす構造設計そのもの。 「ノースリーブ/タンクトップ好きだよね」の認識。 根底に“男らしさ”への強い賛美があるお国柄、そこも抽出してる。 結果として、「アメリカ人のノースリーブ」じゃなくて「ラフシモンズお得意のノースリーブ・スタイル」という領域にまで昇華してもいる。 そうした記号的な諸要素を、あくまで前衛的にコラージュするデザイン体系。 これは洋服1着単位で見るよりも、スタイリング一式、なんならトータルコレクション全部で見てこそ完全に伝わるはず。 このコラージュ感覚は洋服1着の中のカッティングやスイッチだけでなく、それら完成品を組み合わせるスタイリングにも等しく宿っているから。 このモデルは残念ながらランウェイの記録の中では発見出来なかったけれど、個人的には就任後最初のランウェイ、2017FWか2018SSでの仕事ではないか……?と目測中。 たった6シーズンですからすぐ全体像もご覧いただけるはず。 ご贔屓のランウェイサイトで是非ご覧あれ。 Made in ITALY サイズ表記 S 肩幅:(37) 身幅:42 着丈:63.5
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90's J.C.DE CASTELBAJAC Face Graphic Design KN
¥16,000
僕の大好きな配色で組まれたキャラクターTee。 いや、間違えた、Teeじゃない。 これは半袖ニット。 タグは欠損してるけど恐らくコットン。 夏に軽やかに着たくなる、タイミングバッチリのテキスタイル。 なんか、特にこのキャラクター(スピーディ・ゴンザレスといいます)が好きとかじゃないんですが、やけに縁がありますね。 弊店でも度々ご紹介しています。 メキシコ訛りのなんちゃらネズミ。 すばしっこくて悪戯好きで、アメコミのドタバタに無くちゃならない系のキャラ。 背景と帽子(特大テンガロンハット)は編み変えで表現して、顔の細かいパーツ類は表面で別布を縫い付けて表現。 本当に手の込んだ顔作り。 ドレスアイテムと合わせて欲しい訳じゃないんですけれど、あくまで大人の洒落として、程良く締めるとこ締めてミックスを楽しんでもらえると素敵だなと思います。 Made in ITALY サイズ表記- 肩幅:53 身幅:65 着丈:66 袖丈:24
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90's KENZO (FR) Turquoise-Blue Short Knit Top
¥14,000
美しいターコイズブルーのウールニット。 色味は勿論のこと、ニット特有の上品な空気まで含めて素晴らしい。 そしてそれが、快活で瑞々しいコンパクト・サイズで設計されているギャップ。 平成ギャルへの共感…と言うよりは、全く別のモード畑からのデザイン。 それは例えば、円熟期を迎えたe90'sのMontanaとかR.Gigliとかが牽引したソフト・エレガンスの文脈。 所謂「パーティの終わり」の時期ですね。 FERREが手掛けたDiorもそこに含められると思います。 ハイウエストやワイドシルエットを生かし切るコンパクトトップ。 折角なので同時期のMontanaがデザインしたハイウエストパンツと合わせて、コテコテにしてみました。 でも良い意味で時代感/時代遅れ感が無い。 ミニマル故のエターナリティ。 東南アジアの真夏にウールか……という気持ちが無くはないけれど、しかしこれはウールニットでしか生まれない品格。 背中の小さな明きデザインに使われているボタンも瀟洒な貝ボタン。 このクオリティを保ったまま現代トレンドにも再合致してくれる嬉しいヴィンテージピース。 フランス本国企画のKENZOオリジナル。 Made in FRANCE サイズ表記L 肩幅:32 身幅:42 着丈:43 袖丈:26 これでLサイズです。伸びます。
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2000's K.V.ASSCHE Twisted Rib-Edge Design Knit VE
¥21,000
KVAのツイストネックシリーズ。 あり得ない所を捻るデザイン。 それはポロシャツの台襟だったり、こうしたセーターの襟リブ部分だったり。 この一手のために縫製工程は一気に複雑になります。 特にニットなんて、どうやって編み上げてるのか。 ニットソーじゃないからある程度は機械が編むのだろうけれど、このネックラインだけは本当に想像出来ない。 この一点以外は、まぁまぁ普通というか常識的なんですけどね。 メリノウール100%の上質な触感。 モチっとしていてスベスベ滑らか。 色味も上品でお堅い印象のライトグレー。 真面目なニットベストですよね。 だからこそ首元のツイストが効いてくる。 普通のクリーンなスタイリングで纏めても、丁度良いアヴァンギャルドが胸元で光る。 ネックレスだと五月蝿すぎるところ、洋服の文字通り【ツイスト】ひとつで差し込むウィット。 あと胸ポケットが横開きなのもジワジワくる。 これ可愛いですよね。 KVAの服は細いイメージが先行しますが、とりあえずこの個体は細過ぎる事もなく、ストレッチも十全に効きますから安心してご検討ください。 見たことない内タグ。 かなり初期?詳細不明。 Made in - (Belgium?) サイズ表記XS 肩幅:(38) 身幅:46 着丈:68
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80-e90's DUFFER (EU) Tricolor Switched Yardie Cardigan
¥35,000
SOLD OUT
オールドダファーを代表する傑作の一つ “Yardie Cardigan”シリーズ。 “Yardie”、ジャマイカ人 のカジュアルな呼び方です。(庭師じゃないよ) このシリーズはジャマイカからの移民を多く受け入れたこの国における重要な歴史の1ページであり、Dufferが身を置いていたアンダーグラウンドシーンを映す重要な洋服。 オリジナル以降、様々なタイミングで復刻されるその名作の、オリジナルピース。 (他にもバリエーションは様々) アクリルメインのニットボディとフェイクスエードのスイッチ。 決してハイエンドを旨とした素材ではありませんが、まぁ当時の不景気なUKにおけるアンダーグラウンドシーンからラグジュアリーな服が出てくる方がフェイク。 所々ほつれたり、オリジナルボタンが欠損していたり、決して良いとは言えないコンディションですが、こんなのもオールドの宿命として慈しんでいただけますと幸い。 ちなみに洗濯機で洗えるみたいです。 Made in - (UK?) サイズ表記M 肩幅:52 身幅:52 着丈:66 袖丈:68 1970年代のロンドンにおけるジャマイカ人、みんなDuffer着てない?ってくらい、Dufferの服って“そう”です。 そんな背景はやはり客観的に見ても重要なのでしょう、V&Aにもこのシリーズは収蔵されています。
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L80-e90's KOMODO Worn-Out Chunky Knit Vest
¥62,500
この店が始まった頃から敬愛のもとフックアップしてきた重要なUKレーベル、KOMODO。 その最初期ピースです。 初めて触りました。 ディーラー曰く89年(創設年)の個体らしいですが、リファレンスとしての信用度にやや欠けるので柔らかめの表記にしておきます。 (…しかしあえて断言してくる辺りに信憑性も感じてる) まあこれまで触ってきたオールドピースから逆算すると、最初ってこんな感じだよなぁって感じのビジュアル。 ちっとも洗練されていなくって、禍々しいまでのエネルギーだけは手仕事で詰め込まれてて、火傷するほど熱い服。 あとボロい。 まぁこれは経年につれて、か。 両肩に少し穴があいてたり、背中にリペアがあったり。 無駄に広いアームホールと、異様に広いデコルテ。 ボディの勢いに反して超小さく収まってる腰ポケットが可愛い。 スケッチの勢いそのまんまが服に落とし込まれでもしたのか。 全体的に大きく歪んだシルエット。 これが手仕事による有機的なものか、繰り返される着用/洗濯のループによるものなのか、今では知る由もありません。 言えるのは、こんなの如何にも再現不可能だってこと。 Made in NEPAL サイズ表記L 肩幅:54 身幅:57 着丈:60
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90's KRIZIA UOMO Phoenix Intersia Knitting Cotton Jumper
¥25,000
温いホワイトのコットンニット。 フロントに鎮座してるのは鳳凰です。 ホウオウ!なんかテンション上がっちゃいますね。 中国神話のお勉強どうこうよりも、これはジョウト地方を旅したことがあるか否かで刺さり具合が変わるでしょう。 さてこのニット、鳳凰を主役使いするだけあって流石に滅茶苦茶 気合が入ってるんですよ。 モチーフ部分の色数、見てくださいよ。 顔周りの赤系の糸だけで4色も使われています。 全体では合計10色? しかも一部は質感を変えて、シルクみたいな光沢のある糸が選ばれてますね。 グリーン単色で済みそうなところも、同系色の光沢糸を編み混ぜて解像度をグッと上げている。 そして、これらは全てインターシャニッティングです。 各色(糸)のセクション毎に細かく切り替えるように編んでいく、途方も無く大変な技法。 10色も使ってのインターシャって可能なのか? コンピューターニッティングでもインターシャは一応可能なんですが、その場合は色数制限があるそう。 まぁ多分マシンだと思います。 こんな大変なのを手仕事でやったなら絶対ハンドニットってタグを付けたくなると思うし。 サイズは小さめ。 フィッティングは緩め。 肩幅や身幅、アームホールはルーズだけれど、袖丈&裄丈がそこに比例している訳ではなく、広い横幅はあくまでドロップショルダーの材料想定。 ソリッド過ぎない、文化系っぽい優しい大人の洋服デザイン。 そう、作り手は KRIZIA UOMOです。 (ブランドタグは欠損) この時代のクリツィアのニットはやっぱり頭幾つか抜けてる。 UOMOと銘打ってはいますが、女性にもすごくお薦め。 Made in ITALY サイズ表記M 肩幅:62 身幅:59 着丈:60 袖丈:47 裄丈:78
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80's KANSAI YAMAMOTO Technical Knitting Power-Shoulder Vest
¥35,000
肌の透けるメッシュニットに肩パッド。 あくまで内部構造の一要素、どうにか隠すか、もし表に露見するとなれば丁寧に同生地でくるんで処理するんです。 そうして丁寧に作り込まれた肩パッドって、それだけで何か言いようのない魅力(又は魅力のヒント)があります。 裏返さずとも肩パッドの存在が前に出る、ローゲージで編まれたニットベストです。 作り手は時代の寵児、山本寛斎。 彼らしいエネルギーに満ちた造作の数々は、大人しい色味のニットベストを、忽ち芸術作品に変えてしまう。 ○、△、三日月など、様々なシェイプで、金属光沢の光る意匠糸も混ぜながら編み立てられたモチーフの羅列。 何処となく漂うアステカ文明の香り。 ボタンシステムまで削ぎ落とした前端とアームホールは、金色の意匠糸での縁取り。 強い。 どれだけ面白いカットソーをインナーに挟んでも、これを重ねるだけでスタイルを食ってしまう程にパワフル。 アームホールがそんなに太く無いので選択肢は限られますが、細身のジャケットなんかを果敢に合わせたって面白い。 次のA/Wにはいよいよ本格的に復興するパワーショルダー。 これをS/Sの段階から組み込める贅沢なサマーピースです。 こんなの肩パッドの付いた洋服の中で、最も涼しげじゃないですか。 肩先から少し先までを覆うキャップスリーブでの製図です。 Made in - (JP) サイズ表記 - 肩幅:39 身幅:49 着丈:60 袖丈:- 内タグ無し 量産されたモデルではないのでしょう
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WIM NEELS Deep_Neck Design Linen Mix Wool KN
¥25,000
チャコールグレーのメランジが散った大人っぽい生地肌。 一目でそうと感じるクラシック寄りなニットファブリックです。 お堅いスーツの中で映えるようなやつ。 そんなニットで作る、レディース風味のミニマル・アヴァンギャルド。 作り手はアントワープ第二世代筆頭、ウィムニールス。 ヴァルーズみたいに、お臍まで深く延長したデコルテカット。 これ深いVネックでは無く、普通の丸首の中心に深いスリット(正確にはベント)が入ってる形です。 端処理の編み変えセンスに細かなウィットや美意識を感じますが、まぁ大枠で見るとこの一点です。攻めてるのは。 他はクラシックというか、オーセンティック。 サイジングもコンパクト。 ややゆとりを持たせた身巾から、裾リブ編み変えでキュッと絞られる、もういっそブルックスブラザーズみたいな感じ。 その中での遊び。 故に攻めるディテールひとつの確度って超大切。ミスれない。 ウィムニールスはミスらない。 生真面目な委員長キャラと見せかけて、二度見以降はそれが呼び水だって分かる、天才的なバランス感覚。 冒頭で触れた生地も、なんか普通っぽい書き方しましたけれど、滅茶苦茶良い生地です。 ウールの中に10%混ぜたリネンが凄い仕事してる。 天然素材からこそ生まれ得る野暮ったさをこんなに上手く使うのかって感じ。 深く開いたディープネック無しで普通の型紙で作ってても「お、なんか違うな」って思わせてくるニット。 今回ロケ撮影でも使いました。 見えにくいんですけど、ブルゾンのインナーです。 ウエストをギュッと絞れるタイプのショートブルゾンとの合わせ。 そのブルゾンも、ボタンの1番下だけを留めて上のボタンはフルオープン。 これで生まれるブラウジング&ディープデコルテの取り合わせ、その鮮烈さと美しさ。 それを作る時、こんなニットは100%以上の仕事をしてくれます。 我ながらカッコ良い合わせだ。 Made in ITALY サイズ表記38 肩幅:36 身幅:44 着丈:52 袖丈:- ある程度は伸びますが、基本的にレディース。 細身のメンズも全然いけます。
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A.P.C. (OLD) Flat-Knitting Mao-Collar JKT
¥22,000
袖口をリブ編みに編み変えたり 裾口をリブ編みに編み変えたり そういったお節介を廃した オールフラットニットのスタンドカラージャケット。 ニットの伸縮性に任せて、ストレッチ前提のスキニーフィット。 感覚としてはカーディガンで カーディガンじゃ作れない緊張感がある。 ニットのくせに若干シリアス。 色味もそのムードを加速させてる。 おおよそ20年くらい前、イーストバイウエストが携わってた時代のやや古い個体。 ピンと来る人は来る、今必要なムードのド真ん中だけど、これを20年以上前にやってたのは凄過ぎるかも。 同時代だとジルサンダーやプラダも、このベクトルのデザインが多いけど、その2レーベルだともう少し凝ると思う。 APCに関しては、この素っ気なさこそが身上。 Made in ITALY サイズ表記M 肩幅:37 身幅:46 着丈:67 袖丈:62 性別問わず、細身の方へ。
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e00's THE DUFFER of ST.GEORGE Kid Mohair ×Nylon Shaggy KN
¥39,000
ジャック社が輸入していた2000年代初頭の僅かなレンジ。 キッドモヘヤとナイロンの50/50。 獣毛パートはウールなどを混ぜず、潔いモヘヤオンリー。 そして恐らく着用感と耐久度を向上させるべくミックスされたナイロン。 ここ。 ここが面白いポイントであり、それまでのモヘヤニットとの差別化デザイン。 このケミカルなナイロン繊維が、繊細なモヘヤシャギーの中で異様なヌメりと、意外性に満ちた色光の乱反射を見せるのです。 彩度も明度も落としたシックなネイビーベースの中、極めて細やかに輝くプリズム。 古着屋の店内で見た時も美しいのですが、実際にコーディネートして出掛けた自然光の中でこそ本当にギアを解放するクオリティ。 肌が痒くなっちゃいそうな例えですが、粉末状に砕いたガラス片を散らしたような星屑のシャギー。 2020年代にその人気が再燃させられたシャギーモヘヤ。 元ネタとなるトゥルーヴィンテージは勿論のこと、それらをブラッシュアップしたサンプリング・デザインも多く見られますよね。 オールドレンジのDufferってのは それを20年早くやっていたレーベルです。 この個体だけでなく、全ての古着で。 Made in ENGLAND サイズ表記M 肩幅:44 身幅:53 着丈:64 袖丈:69
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c90's FERRE JEANS Roll_Neck Pink Border Cotton×Silk KN
¥18,000
コットンニットもシルクニットも どちらも春の真打ち。 さらり軽やかなテクスチャの中にキシッと心地よいナチュラルなザラつき。 それらが無くとも春ってのは楽しい季節なのですが、しかしそれらを着て出かけられる春の日は言いようの無い素晴らしさがありますし、 もっと根本的なことを言うと こういう春ニットを用意して 春のその日を待つ時間にこそ、ファッションの大トロはあるのかもしれません。 そんな訳で理想系×理想系のスペシャルピース シルクミックスのコットンニットです。 春めく心を可視化したような可憐なカラーリング。 苺やカシスのリキュールで組まれたプース・カフェスタイルみたい。 均一に繰り返させるボーダー柄ってよりは、各層のカラーコーディネーションを美しく楽しませるミルフィーユパターン。 フロントには引き伸ばし過ぎて読み難くなったFERREのロゴ刺繍。 ネックラインはのんびりロールネック。 凝り性なデザイナーがウキウキで作ったであろう採算度外視のリラクシングニット。 メンズ/レディース問わず、どなた様でも。 Made in ITALY サイズ表記S 肩幅:54 身幅:61 着丈:65 袖丈:57 裄丈:86
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