洋服解読所
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1980-90's GIANFRANCO FERRE Shirt-ish Tailored Airy Soft Leather JKT
¥126,000
ラマッタ社製、最高水準のレザージャケット。 この服の素晴らしい所はクオリティだけじゃない。 その発想感覚そのものが他のどの服とも違う。 「レザージャケット」ってやつには 余程カジュアルな物でない限り、大体「裏地」がありますよね。 革の裏面-つまりスエード面-はザラザラしていて、インナーのシャツやセーターを擦って傷付けてしまう恐れがある。 で、その裏地って大体「総裏仕立て」です。 表地と裏地の裾同士をキッチリ丈合わせして縫合されます。故にどこにも隙間は無い。 このレザージャケットではその「当たり前」を覆しています。 「総裏仕立て」なのに裏地裾を縫い合わせず「ふらし」で始末。 しかも前端までもを「ふらし」で始末。 裾は百歩譲って分かるとして、前端までもふらし始末ってのは? これは裏地前端の一部分だけを関ステッチで表に留めてる格好になります。 故にその隙間からは服の内部を簡単に覗けます。 分かりますか、もう感覚としてはテロテロのナイロンで仕立てられた独立型ライニングがもう1着重なってるような感じ。 で、裏地が変な付き方してるレザー本体の裏面も面白い。 前端の裏面、アロハシャツの見返し始末みたいにゆるっと折り返してボタンホールステッチによって折り返しを留める仕様。 で、その身返し部分の裏面にも綺麗に裏地が縫合されている。 ここが一番ヤバい。 圧倒的な縫製力というか、如何なる手間をも厭わない尋常ならざるアトリエパワーを感じます。 その結果生まれるのは、前端を二重に作るという暴挙。 革同士で前端の身返し始末をしているのに、その完成形を一枚のパーツと捉え直し、もう一回内に折ってる。 こんなのもう暴挙でしょう。 これを可能にする技術、 これを断らないアトリエ、 これを成立させる革質、 これを面白がっていた世界、 全てが素晴らしくキラキラしています。 眩暈するくらい凄い服。 重たいレザーであると同時にシャツみたく軽やかな不可思議ワンダージャケット。 ちなみにオリジナルのフルチェンジボタン仕様。 右前にも左前にも、拝み合わせにも変えられます。 Made in ITALY SBC_Zip サイズ表記- 肩幅:60 身幅:61 着丈:80 袖丈:60 裄丈:91
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1980-90's LAMATTA Boxy&Blousing Body Ex_Soft Leather JKT
¥82,500
レザーウェアの一等星、LAMATTA製のスペシャルピース。 80年代っぽいボクシーなボディバランスにバイカージャケットのエッセンスをミックスするデザイン。 まあ言うは易し。 こんな文字列も今結構見慣れたものですものね。 でもこの個体のミックスセンスはかなり珍しいと思います。 大体もっと盛るんですよね。 ArmaniやKHLを例に取ると分かりやすいでしょう。 アレはアレでとってもカッコ良いし僕も大好き。 時代の良さが詰まっていますよね。 だからこそ、そのタイミングでこのカテゴリに引き算を持ち込んでるこの個体が引き立って見える。 コストカットの言い訳みたいに量産された似非ミニマリズムとは明確に違う、ラグジュアリーをラグジュアリーのまま保って遂行される前進としての引き算。 プレーンな胸元、カーゴポケットなんかも無ければポケットにファスナーすら使わない。 折角のハイネックなのにチンストラップやスロートベルトの一本なんかも無し。 ラマッタが誇る極上の質感を堪能出来る仕様ですね。 バイカージャケットらしいのは肘部分のステッチワークとウエストベルトを待っているベルトループくらい。 元々ベルトがあったのかは不明です。 大体あるパターンなんですが、無いデザインってのも一応存在しますから難しいところ。 そしてこの個体は絶対に絶対にベルトがあった方が良いので相性の良い物を厳選して別売りでご用意しておきました。 → ベルトを締めて生まれるタプンとした柔らかいブラウジングはこのジャケットの大トロです。 完成するのはMA-1みたいな前下がりのラウンドシルエット。 この着方をしてやっと分かるのは、この服は絶対に肩パッドがあった方が良いということ。 ちゃんと入ってます。 ボリューム感もシェイプも全く完璧な物が適切に構築されています。 実物、可能であれば是非お試しください。 ボトムス以外のものに別のベルトを巻くという珍しい感覚も、是非ご体感ください。 Made in ITALY サイズ表記- 肩幅:56 身幅:62 着丈:62 袖丈:55 裄丈:85
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1980-90's GIANFRANCO FERRE Trompe-l'oeil Yoke Cutting Soft Leather JKT
¥58,000
SOLD OUT
これまたLAMATTA社製、スペシャルクオリティのレザージャケット。 ボックスバランスのオーソドックスなボディに、開襟シャツみたいに綺麗に返るラペルカット。 ボディの裾にはブルゾンらしく(又はデニムジャケット風の)ウエストベルト切替。 ここのウエストベルトを起点に上方向への2タックが畳まれています。 ブルゾンとして発生する裾のブラウジングを、先んじてタックで丁寧に設計している、という訳ですね。 イメージの伝わり方はパンツのタックと同じです。 ギャザーを寄せたブラウジングでパフっと発生する柔らかなドレープよりも、タックでピシッ!と入る縦線の方がソリッドでクールなイメージ。 あれをジャケットに応用しています。 で、その応用タックに紛れてシームポケットも製図されています。 身頃に入る細腹切替部分に、目立たないようミニマルに擬態。 これはヴェルサーチとかアルマーニのタックパンツを見ているよう。 ウエストから放射状に広がるタックのリズムにポケットの作成線も紛れ込ませる、あの美学です。 布みたいに扱える、柔らかなレザーでこそ成立するデザインですね。 そしてこのジャケットは肩部分にこそ最大のウィットが隠されています。 ヨークの中、まあ一般的な位置に肩線が入っているんですが、この肩線が途中で終わっちゃうんです。 理屈としては、サイドネックポイントから肩先に向かって、凄く長いダーツが入っているような格好。 オーセンティックでシックなレザージャケット……という体を取りつつも、隠されるディテールアイデアは底抜けにユニークでウィットに富んでいる。 こんな余裕のある遊びをレザーウェアで入れちゃう感覚、本当に贅沢だと思います。 革そのもののクオリティだって、ラマッタの仕事ですから言うに及ばず。 オンラインでも伝わりそうな程ですが、しかし欲を言えば実地で触って、羽織って、その根本的なカッコ良さに感動していただきたい……そんな服です。 Made in ITALY サイズ表記- 肩幅:63 身幅:66 着丈:61 袖丈:62.5 肩部分に少し色褪せあり。
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L90-e00's SO by A.B. SLOBBE Twice_Lines_Switche Design Leather JK
¥49,000
色々紹介してきましたが、レザージャケットは本当なかなか見つからない。 極薄に漉き整えられたブラウンの牛革。 めちゃくちゃ軽くて薄いですが、表面のムードだけは男臭いエイジングの映えるハードレザーって感じ。 こういうヴィンテージっぽい味を求めて古着のレザージャケットを探すよって気持ちは大いに分かります。 このジャケットはその先でのツイストですよね。 そのムードを前提に据えて、古着だと必ず野暮ったくなるシルエットとか素材感をバチっと作り替えるデザイン。 過度にウエストを絞らず、しかしミニマムにコンパクトに設計された綺麗なボディ。 直線定規で作りました!って感じの趣。 (ウエスタンシャツの真逆みたいな服ですね。) そこにジャケットとしての構造線が入り、その構造線のどれもが、2回繰り返されてる。 無意味なリピート。 でもこの無意味なリピートによって、直線定規で作りました!の感は2倍に跳ね上がっています。 「機械的」とさえ言えそうなこのパターンメイキング、これって絶対にモノトーンで作られそうなデザインじゃありませんか? ここでブラウンという色彩選定が活きてくる。 ヴィンテージ感がありつつ、しかしだからこそツイストデザインによって絶対的にデザイナーズと分かる、パワーのあるミニマルです。 このミニマルなツイスト感覚は袖口とか、ウエストアジャスターとか、襟元とか、そうした箇所にてこれでもか!と決定付けられています。 普通ボタンを使う所、これら全て「ホック」に置き換えられています。 切れ味、凄まじい……! SOらしさ前回の尖ったミニマルデザイン。 Made in KOREA サイズ表記50 肩幅:48 身幅:59 着丈:62 袖丈:65
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1987's PERMANENTE ISSEY MIYAKE Flat×Square Crazy Cutting JKT
¥67,500
平面的で、四角くて、上端はフリンジ。 織り機から生地として出てきた時の姿そのまま、みたいな形です。 このレーベルがやるなら、インスピレーション元もきっとそうなのでしょう。説得力が違う。 そんなコンセプトでやるなら、実際本当に「一枚の布」になっちまう訳ですが、そんな時に肩傾斜や肩先の処理をどうするのか?ここには後のA-POC作品に繋がる面白さがあります。 この作品での回答は 「袖とボディの分離」です。分離大好き。 この服、アームホールがあるんですが、実はアームホールで袖とボディが繋がっていないんです。 袖とボディを分離させた後その双方を上端のフリンジから生やす……という思考順序。 そしてその始点(上端フリンジ)での複数枚の増築が可能になってるってのが、本当の一枚布との違いです。 袖の始まりとボディの始まりは、部分的に重なっています。あくまで洋服としての機能性にも基づいて作ろうとしている感じ。 確かにこの方が動き易い。 そこと呼応するように、ボディの前端も少し重ねて態々ダブルブレストにしているんですね。 一枚布からの発想と展開、ボキャブラリの深度が途方も無い。 以前もこのペルマネンテ・ラインよりぶっ飛んだ構造のジャケットをご紹介しましたが、これも同じく構造アイデアからぶっ飛んでます。 わざと晒しみたいな素朴な色味に仕上げた生地は 意図的にシュリンクを作った、プリーツ作品群への布石みたいなデザイン。 で、これ 着ると意外と普通に使える感じなのがまた嬉しい。 こんな尖ったデザインですから“作品感”出ちゃいそうなところ、あくまで普通のジャケット枠。 ナチュラル自然派方向への圧倒的な突き抜けを果たしていた時期の個体ってのも要因かなと感じています。 突き抜けてもナチュラルはナチュラル。 それこそ古着とよく合う。 目立たないので上手く写りませんが、そこそこ汚れて着古されています。 Made in JAPAN サイズ表記M 肩幅:44 身幅:56 着丈:76 袖丈:61
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c90's DEZERT Garment_Dyed Red Anorak PK
¥33,000
オールドのデザート。 規定位置より拡張されて嵌め込まれたデコルテセクション。 着るとカウルネックみたいに緩やかなドレープを描きます。 元ネタであるアルパインスモック類に元々設計される首元の大きなゆとり、それを冗談半分くらいのバランスでファッションに振ったデザイン。 ポケットはおろか、あらゆる装飾やディテールを排したミニマルなフロント。 狙いがあったのでしょうね。 ポケットはサイドシームに隠れるまで端に追いやられています。 ネックラインの見返しと背面のショルダーシームが奇妙なバランスで隣接しているのも面白いポイントです。 大きくデフォルメされた「M」の字みたい。 そしてここで気付く。 ステッチがやたら目立つぞ、と。 ガーメントダイにて綺麗に染められた左綾のコットンドリルに走る糸は、なんとホワイトではなくミントグリーン。 ミントグリーン? 製品染めで? こんなのが素敵ですよね。 ボディのコットンは染まるけど、糸の素材(ポリエステルかな?)は染まらない。 こうしてステッチにカラーコントラストを付ける、なんてのはこの工程構造そのものに宿る面白さですが、それをミントグリーンという洒脱なカラーリングで強調している。 みなみにドローコードもこの色です。 良い服です。 パッと見で「なんか違うな」とは思わせてくれるものの、それを直ぐには教えてくれない。 時間差でゆっくり、しかし確かに腑に落ちる。 こんなの、デザートのお家芸ですよね。 赤い服に持たれがちなステレオタイプを軽やかに脱ぎ捨てるためのナイスデザイン。 Made in JAPAN サイズ表記L 肩幅:55 身幅:64 着丈:70 袖丈:61
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c80's ITALY VINTAGE (C.G.N.) Color Switched Design Marine JKT
¥17,500
SOLD OUT
80年代イタリアの、マリーナ/セーリング 界隈のカジュアルウェア。 弊店でも度々重用している大好きなカテゴリです。 ムーブメントがほんの一瞬であり過ぎてほとんど日の目を見ない、ニッチな歴史の1ページ。 思いっきりレトロなカラーブロックとデカいサイズ設計、そして“海の男”って感じのタフネス。 モノクロで見ればただのワークウェアにも見え得る服。 海洋での視認性向上に準じてこれでもかと派手に組まれる色彩設計。 海のセーターの上からでもストレス無く重ねられるようなオーバーサイズ。(特に腕周り) 同時代のレトロセーターとかスウェットの上から重なるのも良いですけれど、完全に僕の頭は「テーラードジャケットと重ねたい」一色です。 黒とかグレーよりも、色物とかベージュとか、軟派なやつと是非。 Made in - サイズ表記XL 肩幅:(60) 身幅:69 着丈:72
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SANTA MARIA C.V. CASERTA Airy Color Stripes Casual JKT
¥16,000
Santa Maria Capua Vetereは、イタリア共和国カンパニア州カゼルタ県にある、人口約32,000人の基礎自治体。 恐らく、そこで公的機関の制服か何かとして使われていたジャケットです。 年代不明ですが、恐らくまあまあ古いもの。 コットンの、ゆるいテーラードジャケットが欲しかったんです。 「アンコン仕立て」をわざわざ目指して崩すように作られるテーラードジャケットじゃなくて、そもそもがカジュアルなやつ。 欲を言えば、そこまでやっても尚「一応テーラードジャケットです感」のあるやつ。 これは理想形です。 しかも生地もめちゃくちゃ美しい。 ベースは柔らかいホワイト。 そこに ミントグリーン、ソフトベージュ、ミルキーブラウンの3色ストライプが綾目で入るテキスタイル。 なんて軽やかで幻想的なカラーパレット。 何作っても正解になりそうな素敵な生地。 ルーズでオーバーなボディバランス(そもそもサイズ表記がイタリアの56)なんだけど、袖山はちゃんと高い。 オーバーサイズで着た時に肩をツルリと落とすんじゃなく、肩先に山が出来る着方。 ゆるいTeeやニット/スウェットはまだ着たいけれど、何処かで“おめかし”のムードは取り入れたい。 ……そんな気分です。 テーラードジャケットだけど、普通に家で洗えるのも嬉しいポイント。 (背中に線状の汚れ残りあり) Made in - (IT?) サイズ表記56 肩幅: 身幅: 着丈: 袖丈: 採寸忘れちゃったまま梱包しちゃったんで、ポップアップ現地で採寸して追記します。すみません。
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1996S/S Y'S FOR MEN White Cotton Chunky Knit VE
¥23,500
SOLD OUT
めちゃくちゃ身幅の広いニットベスト。 「ヨウジっぽい服」ってのは、サイズバランスとか生地感で伝わると思うんですが、このニットは前者だけが「そう」。 肩幅は普通、身幅でドカンと広げるルーズフィット。 ポケットもデカくてゆるゆる。 まぁこんなニットベストのポケット使うシーンもあんまり無いけど、大事な物は入れない方が良いですよね。 で、生地が全然ヨウジっぽくない。 ふわふわの有機的なコットン100%。 太くて野暮ったい糸のチャンキーニット。 あたたかくも素っ気ない。温度感のあるミニマルって感じのニット。 言われてみれば、この色味自体はヨウジの白シャツでよく見る色かも。 何に重ねても良い感じの雰囲気に仕上がるデザインであるだけに、何と合わせるか迷いますよね。 僕的には……みたいな先入観無しで、果敢に色々合わせてみてください。 ヨウジ以外も色々着るぞ!って方に楽しんで欲しい服です。 Made in JAPAN サイズ表記- 肩幅:(35) 身幅:56 着丈:48
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c1980's PAUL&KLEE Apricot Orange Open_Collar Shirt Blouson
¥16,000
初見のタグです。 80年代の可愛いイタリア古着。 こんな名前ですが、画家のパウル・クレーとは直接関係は無いはず。 あくまで過去の偉人から受けたインスピレーションを、そのまんまレーベル名にしちゃったパターンでしょう。 たまにありますよね。モディリアーニとか。 なんか、こういう名付けまだまだありそうです、心当たりお持ちの方はご教示ください。 胸から上は開襟シャツ。 腰部分はブルゾン。 2つのメンズウェアを記号的にドッキングして綺麗に馴染ませたデザイン。 これとても着易くって良いです。 何か羽織りたいけれど、まだまだ灼熱の盛夏、ライトアウターなんて羽織れない。暑過ぎる。そんな中これなら期待出来そう。 半袖シャツ羽織れるなら、恐らくこれもイケるでしょう。 オーソドックスなブルゾンが作るウエストのリブテーパー、それに伴う風船みたいなブラウジング。 寧ろ、夏向けのこんな軽い生地だからこそブラウジングも大変に軽やか。 良い感じにアイテムの性質同士が噛み合って掛け算になっています。 そして極め付けが、その色味。 それこそクレーの絵画にあるような、幻想的なカラーパレット。 混色を重ねて、狙い澄まして丁寧に作られたミルキーな色調。 この素晴らしさは一着単位じゃなく3色揃ってる状態でこそ伝わりそう。 今回3色集まったので纏めてリリースします。 コーラルピンクは店頭にてSOLD OUT! でもアプリコットもシェーレグリーン(勿論無毒)も、とても良い色です。 悩んだり、思い切って2色確保したりしてください。 Made in ITALY サイズ表記S 肩幅:52 身幅:64 着丈:68 袖丈:27
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c1980's PAUL&KLEE Scheele's Green Open_Collar Shirt Blouson
¥16,000
初見のタグです。 80年代の可愛いイタリア古着。 こんな名前ですが、画家のパウル・クレーとは直接関係は無いはず。 あくまで過去の偉人から受けたインスピレーションを、そのまんまレーベル名にしちゃったパターンでしょう。 たまにありますよね。モディリアーニとか。 なんか、こういう名付けまだまだありそうです、心当たりお持ちの方はご教示ください。 胸から上は開襟シャツ。 腰部分はブルゾン。 2つのメンズウェアを記号的にドッキングして綺麗に馴染ませたデザイン。 これとても着易くって良いです。 何か羽織りたいけれど、まだまだ灼熱の盛夏、ライトアウターなんて羽織れない。暑過ぎる。そんな中これなら期待出来そう。 半袖シャツ羽織れるなら、恐らくこれもイケるでしょう。 オーソドックスなブルゾンが作るウエストのリブテーパー、それに伴う風船みたいなブラウジング。 寧ろ、夏向けのこんな軽い生地だからこそブラウジングも大変に軽やか。 良い感じにアイテムの性質同士が噛み合って掛け算になっています。 そして極め付けが、その色味。 それこそクレーの絵画にあるような、幻想的なカラーパレット。 混色を重ねて、狙い澄まして丁寧に作られたミルキーな色調。 この素晴らしさは一着単位じゃなく3色揃ってる状態でこそ伝わりそう。 今回3色集まったので纏めてリリースします。 コーラルピンクは店頭にてSOLD OUT! でもアプリコットもシェーレグリーン(勿論無毒)も、とても良い色です。 悩んだり、思い切って2色確保したりしてください。 Made in ITALY サイズ表記M 肩幅:53 身幅:66 着丈:71 袖丈:29
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GYPSY LATINO Oriental_Embroidery Design Gilet
¥13,000
SOLD OUT
スペイン語の混じったオリエンタル。 インド刺繍と言えば、みたいな底抜けに豪奢な刺繍が敷き詰められた素晴らしい意匠。 繊細なレーヨンのボディに様々な素材のビーズパーツ、スパングルやベルベット、金糸まで織り交ぜて炸裂する圧倒的なアートワーク。 そしてフロントは何処かしらの貨幣に穴を開けてボタンにしたデザイン。 これを留めるのは太糸のボタンループ。 言っちゃえばここだけ若干ダッフルコートみたいなボリューム感があって面白い。 そして裏地と背中は柔らかなブラックコットン。 背中のシンチバックはかなり幅広くウエスト調整の効く仕様なので、ルーズにもタイトにも楽しめます。 アームホールも結構広くて使い勝手抜群。 つまり、テーラードジャケットの中にもストレス無く仕込めるし、パーカーみたいなカジュアルウェアの上からでも重ねられるという訳。 個人的には後者みたいな、意外性のあるミックススタイルに連れて行っていただきたい。 非西洋的美術の粋を詰め込んだ、パワーのある服です。 是非いろんなミックスで化けさせてください。 Made in - サイズ表記Free 肩幅:(37) 身幅:55 着丈:57
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1980-e90's DIESEL Loose Body Sweat Zip Vest
¥19,000
目付軽めのスウェットベスト。 既存のスウェットシャツから、袖とか、ネックラインとか、裾リブとか、様々なディテールを切り落としたような趣。 ネックラインから前端を通って裾まで、全部一直線に共生地テープでトリミングしたデザイン。 全然ミニマルな印象の無い生地を使ってギリギリまで削ぎ落としたビジュアル。 とても新鮮です。ありそうで無い服。 フロントはオリジナルのチェーンジップ。 これはLAMPO社製。 細かいところまで妥協無し。 で、背中にはポップなグラフィックプリント。 完全にはモードに振り切らない。 簡素っちゃ簡素なんだけど、作り込めば服が新鮮になる訳では無いという例。 こんな手数の少なさもまたミニマリスムに通ずる浪漫があります。 ルーズなボディバランスなので色んな服に重ねてみてください。 シャツは勿論、Teeとかテーラードとか、コートも良いと思います。 単品で新鮮な個体ですからどう合わせてもきっと面白いですよ。 ネックラインの左右にボタンループのようなものがあります。 恐らく何かしらメインアウターがあって、そのライニング的なポジションで存在した個体かと推察します。 Made in ITALY LAMPO_Zip サイズ表記L 肩幅:(44) 身幅:56 着丈:60
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KURT THUNE (FINLAND) Professional Shooting JKT
¥36,000
カート・トゥーン。 1983年創設、フィンランドの射撃装備レーベルです。 採寸を伴う完全オーダー方式でのみ販売されるシューティングジャケット。 これを見た後だと、ハンティングジャケットとかがお遊びに見える。 精々ファッションじゃないか、そんなの。って。 いやまぁ実際ハンティングはレジャーだから四捨五入すればファッションなんですけど。 あまりに本格的。 レザーのライダースと、プロテクター入りのレーシングジャケットが違うように、ハンティングジャケットとシューティングジャケットもまた違うのでしょう。 直立姿勢からしゃがみ撃ち、伏せ撃ち姿勢までの3パターンに対応して、全くそれらだけのために徹底的にシェイプを固定した製図。 いや製図だけじゃない。 製図から素材選びまでの全てが用途に即した、用の美の極北みたいなデザイン。 アシンメトリーなカッティングは序の口。 右と左で生地すら違う。 ポケットの有無もそうだけど、1番面白いのは後ろ肩部分。 何かに使うであろうハーネスが2セット生えてる。 そして左肩には、スナイパーライフルに接続固定するためのスリングを迎えるハーネスベルト。 これが滅茶苦茶カッコ良い。 銃を構えた時の姿勢だけを執拗に追い求めた袖のシェイプは、其々の可動域から違う。 過激な内巻き&前振りは共通しているものの、可動が許される領域がそもそも別。 左手は銃身に添えられるように、右手はトリガーの位置に。 つまり肘部分のカーブの強さも違う。 いやはや、ここまで「右利き用」が極まった服は見たことが無い。 硬化加工されたコットンキャンバスをメインに仕立てられた身頃は直立の“気を付け”の姿勢になれないぐらい硬い。 しかしこのジャケットの強制する体勢になって着てみると不思議、もう全くストレス無し。 もはや矯正器具とも言えそうなジャケット。 信じられないくらいカッコ良いけど、信じたくないくらい難しい。 何とどう合わせるのか。 荷物はどうするのか。 何より、いつ着るのか。 ファッションデザイナーの方くらいしかこんなの買わないだろうと心の何処かで思っていますが、この天秤を壊せる人に刺さりますように。 Made in FINLAND サイズ50 肩幅:45 身幅:50 着丈:70 袖丈:67 全体的にぼちぼち汚れています。 毛羽立ちや、腹部には人工スエードの擦り切れ(小)なども。 が、臭いや加水分解などの深刻な劣化は無し。 あくまでクールなヴィンテージジャケットとしてファッションに使える範疇ではあります。
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1980's M&FG Choral-Pink Wool Gabardine Bomber JKT
¥32,500
SOLD OUT
ジルボー原理主義のきらいがある私ですが、それでも完全にそうなり切らないのは、こういう服が出て来るせい(おかげ)。 80年代の日本製M&FG。 淡いコーラルピンクのウールギャバジンで仕立てられたボマージャケット。 強いピンクじゃなくこのソフトカラーを選ぶ辺り、本当にセンスが良い。 ボディ全体に張り巡らされたジッパーポケット。 これらは全部表地の内側へ隠し込まれています。 つまり表からはファスナー以外見えないけれど、ボディに7ポケット、左袖に2ポケットの合計9ポケットデザイン。 フロントの4つは分かるけど、前身と後身を跨ぐサイドパートにも2つ入れて、背中にも大きいポケットを設計しています。 いよいよ鞄要らなくなりそうですね。 さて、それらが悪目立ちすることなく、しかし静かに存在感を放っているのはポケットそのものの仕様選定の妙。 袋布を裏に隠すけど、その袋布をステッチで表地に縫い留める仕様。 これでポケットは見えないけど、ポケットのアウトラインはステッチで可視化されています。 タクティカルムードに感じるワクワクと、瀟洒な色選び&生地選び、全てを的確に組み合わせたデザイン。 個人的に刺さってるのは、裾リブの範囲設定です。 普通のMA-1よりも、リブが始まる地点が外にズレていますよね。 細かいところですが作り手の眼の光を感じて嬉しくなります。 もはやタグが一切付いていなくても同じ熱量で仕入れてたであろうスペシャル。 しかもコンディションもとても良いです。 Made in - (JP) サイズ表記M 肩幅:51 身幅:62 着丈:56 袖丈:58 裄丈:85
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1980's ANN TJIAN for KENAR Ethnic_Patch_Work Wide Bomber JKT
¥32,500
70年代末から90年代末までの約20年間のみ存在していたアメリカのレーベル、KENAR。 この企画に参加しているANN TJIANは上海人。 このボマージャケットの製造はインドネシア。 アメリカ・上海・インドネシア……なんともインターナショナルな背景を持ちながら、最終的なビジュアルはコスモポリタンと真逆の、土着的で野暮ったいエスニック・パッチワーク。 素朴でありながらも鮮やかで美しい柄デザインのジャワ更紗を沢山パッチワークしたデザイン。 (レーヨンだから生地は多分オリジナル) この形式は、実はインドネシアのオールドピースでは散見されるデザインフォーマットでして、ETRAKが偏愛するKOMODOの最初期のコレクションにも、こんなのが存在するんです。 (それは残念ながら仕入れられませんでしたが……) さてそんな中、そうした土着的なフォーマットに西洋の美意識(モードの記号とでも言いましょう)を捩じ込んだのがこのジャケットです。 それが如実に表れているのがボディバランス。 80'sらしい横長ボディの…… って長過ぎるでしょう、あまりに。 肩幅も身幅も、85cmもある。 着丈53に対して約1.6倍の横幅。 ファッションへの無関心から生まれるルーズシルエットではなく、流行に根差して意図された過激なオーバーフィット。 肩パッドがこの文脈を決定付けてくれます。 この時代にしては薄め/柔らかめ、およそ1.0cm程の肩パッドが入っているんです。 しかも、肩線の途中に。 肩幅が85cmあると申しましたが、肩パッドが設置されている位置は肩幅48cmの位置。 大前提としてのドロップショルダー。 本当に面白いことしてる。 KOMODOとはまた違った角度からのエスニックの昇華。 クールなストリートファッションにインポートするのがKOMODOだとすれば、モードの文脈にブラッシュアップしたのがこのジャケットです。 ちなみにこんな服を作るレーベルではありません。 そもそもがマイナー過ぎて参照も殆ど叶わないとは思いますが、良くも悪くもNYっぽい服が多い印象。 そんな中でバグみたいに生まれた、インドネシアに関係無い人間が作るインドネシアのスペシャル。 強烈に面白い背景があります。 しかし最も大きなポイントは「ジャワ更紗」の美しさ、それらをこんなに多く目に出来る贅沢なパッチワークデザインの妙であると思います。 Made in INDONESIA サイズ表記M 肩幅:85(48) 身幅:85 着丈:53 袖丈:44 裄丈:89
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1980-90's XIPAYA Color_Blocking Switched Anorak
¥25,500
ドイツのアクティブウェアレーベル 【OFF THE LIP】のブランチ(?)ライン、【XIPAYA】。 これはブラジルの先住民族の名前です。 正確にはアマゾンの熱帯雨林、ブラジルとペルーの国境付近に暮らすシパヤ族。 現政権のジェノサイドにより、彼らの居場所は日に日に破壊されています。 この服が作られた頃から警鐘は鳴り続けていて、それは時も国も人種をも超えて、今日の私に届きました。 「ストリートウェアの名前として冠すること」 これだけで後世に残り、“なんかカッコ良い”と感じた誰かが検索するのです。 このボトルレターには、「カッコよく作らなきゃダメ」という大前提があります。 じゃないと誰も興味を持っちゃくれない。 その点、このアノラックのデザイナーは仕事をしたと言えます。 オフホワイトとブラックのボディにアッシュブルーとスモーキーピンクのカラーブロッキング。 モンドリアンを思わせるユニークなスイッチラインは、縫い代を叩き縫うジグザグステッチによって更に強調。 前身の右側にだけ配置されたアシンメトリーポケットは特大。 雑誌こそ入りませんが、両ポケットとジーンズのポケットに振り分ける手回り品は全て収納出来るサイズ感。 閉じるジッパーはオリジナルの極めてユニークなプルトップがデザインされています。 フィラメントみたいな渦巻きワイヤー。 ファスナートップもドローコードも、コードストッパーに至るまで全パーツがユニーク。 オリジナルかまでは断定出来ませんが、一先ず簡単には手に入らない。 被りで着用する完全プルオーバーのアノラックです。 いやフードが無いからアノラックではないのか? でも一旦、暫定的にそう呼ばせてください。相応しい語が見当たらない。 柔らかいフリースのガゼットが組み込まれたハイネックはジッパーで開閉出来るんですが、これがネックラインまでしか開かない。 着脱のためにネックラインを広くしよう、なんて思いやりは無し。 (とりあえず頭は普通に通るサイズのネックラインなので問題は無いのですが、ちょっとヒヤッとします。) 何というか、背負おうとしてる事はあったかいけど、服作りの雰囲気としてはストリートらしい無愛想な空気感ですね。 今何処をどう探してもなかなか出会えない、変則的なルーツを持つ洋服。 ドイツで作られた服なのに名前はブラジル。 このイレギュラー感、色使いに表れている気がします。 Made in - (Germany) サイズ表記M 肩幅:67 身幅:78 着丈:73 袖丈:52 裄丈:87
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c1980's INDONESIA MADE Acid Colors All-Cotton Racing JKT
¥22,000
SOLD OUT
インドネシアのクレイジーピース。 バキバキに尖った色使いと、ケミカルの香りすらしない素朴なコットンオンリーの素材選びのギャップが素晴らしい。 外から持ち込まれる素材を使わず、現地にある物だけでバイカージャケットを目指したような趣があります。 それも、ライダースとかじゃないガチのレーシングウェア。 本格的なプロテクターを入れる構造を参照したような肩周りのデザイン。 肩部分と胸部分のファスナーが作る空間はそれぞれ中で繋がっていて、ヨーク部分全部が一応ポケットと言えなくもない。 それとは別に、綺麗にパイピングされた丸襟も二重に仕立てられており、ネックラインで縫い合わされるのかと思いきや、そこでは縫合せず「ふらし」。 つまり、部分的に身頃が二重になっています。 ここに前述したファスナーによる謎空間も重なってくるので構造はもう滅茶苦茶。 ヨーク部分、薄いコットンとは言え布が3枚重なっている計算になります。 色が示す通り、いやそれ以上のアシッドデザイン。 これはヨーロッパや日本からはなかなか出て来ない。 出て来る想像が全く付かない。 強いて言えば未来の若きロンドンデザイナーが作りそうな服だけれど、でもどうせその人もインドネシアとかの地域出身なんだと思う。 Made in - サイズ表記L 肩幅:55 身幅:57 着丈:65 袖丈:59
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VIKTOR&ROLF Real Layered System White JKTs
¥39,000
SOLD OUT
Viktor&Rolfのメンズラインより、楽しい構造のレイヤードジャケット。 【レイヤード】って技法はこのレーベルが使った重要なアイコニックなデザインコードのひとつ。 超コンセプチュアルに作られるレディースコレクションはさて置き、メンズコレクションでこれくらいトバしたアイデアが炸裂しているピースって多くありませんから殊更魅力的に映ります。 メンズはやっぱりどうしても、多かれ少なかれリアリティに比重が割かれますからね。 これは白シャツ×白ジャケット、なんて生やさしいものじゃない。 “白ジャケット”ד白ジャケット”です。 どっちもアウター。 まさかの複数形。ジャケッツ。 外のジャケットはショート丈。 内のジャケットはセミロング。 内のジャケットはカバーオールくらいの丈感/ポケット配置なんですが、ここの腰に付くポケットに対して外のジャケットの裾がポケットフラップみたいな顔して丁度良く被さるのが面白い。 ちなみにこのジャケットは、「フェイクレイヤードデザイン」ではなく本当の「レイヤードデザイン」。 外のジャケットの裾や袖口にはスナップボタンが配され、それらを溜めたり溜めなかったりして遊ぶのです。 そして試しに一度全部外して、2着のジャケットへと分解してみると面白さの本懐は見えてくる。 どうも、内のジャケットは部分的に極薄のコットンローンで切り替えられている。 これはレイヤードをする上で生地の重なりが邪魔になる箇所や熱の籠り過ぎる箇所の軽量化。 このラインメイクを見るとまた気づく。 これは裏地のライン設計と同じ思考回路で成されている。 裏地もインサイドアウトも使っていないのに、レイヤードというセンテンスを切掛に、服作りにおける【用の美】を見事に表出させるアプローチ。 彼らの作る細縁の眼鏡でも掛けて、インテリやアーティストを気取って着こなしたい。 もうこちら側も振り切ってしまおうと思わせてくれるだけの完成度です。 Made in ITALY サイズ表記48 肩幅:45 身幅:55 着丈:72 袖丈:72
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1989S/S CdG Actionable Cutting W_Breast Sheer JKT
¥35,000
89年の春夏、モノトーン以外にもソフトカラーやパステルカラー、ポップな雰囲気の柄が多用されたコレクションでした。 淡いトーンと深いトーンを果敢に合わせたり、シースルー素材同士を多層的にレイヤリングしたり、可憐でありながら唯一無二の浮遊感を作り上げたシーズン。 こちらはランウェイにも登場した、変則カットのシースルー・テーラード。 腕を真上に真っ直ぐ上げた時に平面になるような袖です。 であると同時に、腕を斜め下に下げた時に平面になるような袖です。 ……?? そう、これは複数パターンの「平面」を1つの袖に無理矢理搭載して立体性の限界を拡張するカッティング。 ギリギリ キュビズムと言えなくもないか。 いや流石に無理か。 スポーツウェアで、鎌底にマチを嵌め込んで運動量を拡張する「ピボットスリーブ」という製図概念があります。 お好きな方多いでしょ。 あれの最大値がこれだと思います。 どれだけ腕を上げようが、頭上でXを作ろうが、シームに負担が掛かる心配なんて皆無。 何処まででも動けます。 で、これのヤバいところは 「袖製図に細腹を巻き込んでるところ」。 製図の捻りは、袖部分だけで完結しないんです。 テーラードジャケットにおける細腹部分(サイドパート)で行うマニュピレーションも、この袖製図で一緒にやってる。 袖と身頃の境界を侵食する、奇妙で鮮烈なカッティングエッジ。 極めて本格的なテーラードジャケットの製図でありながら、ギャルソンらしい既存の枠組みを破壊する痛快なアイデアです。 アイデア先行にならず、テーラードジャケットとしても極めて美しいってところも感激。 そう、こういう根本的な作りの良さはもっと評価されて欲しいポイント。 メンズも細身なら、着れる人がもしかしたらいるかもしれないけれど、大前提としてレディースです。 軽さがありながらもドレッシー。 唯一無二のコンパクトなショートテーラード。 いろんな合わせでお楽しみください。 Made in JAPAN サイズ表記M 肩幅:42 身幅:50 着丈:41 袖丈:60 袖口巾:9.5
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GIANFRANCO FERRE Heavy Embroidery Gold Leather JKT
¥200,000
“最強”のレザージャケット。 金色のラムレザーに金色の刺繍。 なんておめでたいビジュアルでしょうか。 (いつかOPENする時に出そうかな〜と随分眠らせていました) スカジャンさながら重厚で総意に満ちた造作はクリムトの黄金様式ってよりも琳派の趣か。 二種類の金糸で緻密に織りなされた刺繍。 フェレらしい極めて豪奢なビジュアルメイク。 背中には羽。 美しく綯われたロープの先には錨。 そこに絡まり付く蔦状の植物。 何気なく行われているこのミックス感覚にはFERREらしさが強く出ていると思います。 植物モチーフの刺繍はよくある。し、分かる。 そこに「錨」という人工物、人類の営みの象徴みたいなモチーフを混ぜるのがこのデザイナーです。 自然だけじゃなく人間の力強さも描くデザイン。 釜底から下少ししか無いショートレングスのボディに、意外と広い身巾。 ボリューミーなボトムスと合わせてAラインが完成するコンパクトなボディバランス。 色のインパクトの割に慎ましやかに収まる小襟が面白い。 ここの製図はメンズドレスみたいに襟にピタリ沿わせる美意識とは違う。 襟折れ線の時点で首から少し離して、首周りにゆとりを作る製図。 そこまで平たくないけど、ハンガーじゃなくて実際の人間の首に沿わせて初めて皺が消えるという点では、古いフレンチワークの襟に近いかも。 ファスナーは袖口含めて全て金色のriri。 フロントは右前/左前の無い完全なフラットですので性差気にせずお召しいただけます。 しかし言ってもフェレの40。 ドロップショルダーで裄丈着地するサイズバランス、実寸をご確認ください。 Made in ITALY riri_Zips サイズ表記40 肩幅:54 身幅:58 着丈:47 袖丈:52 裄丈:82 プレタポルタが最も絢爛に輝いた時代、その中心にいた作り手の1人。 エキゾチックで豪放、華美で贅沢、このレーベルを飾る言葉は様々ありますが、その本質を言葉に勝り説明するビジュアルがこれです。
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2005A/W TOKITO Goat Leather Bomber JKT
¥45,000
今回TOKITOのフライトジャケットを2着ご紹介します。 「フライトジャケット」という単語の中で「特段軽い個体」とその逆の「特段重たい個体」が並びます。 こちらは後者。 2005A/Wコレクション。 カッコよく着古され、それでも尚疲れた表情を見せない強靭なゴートレザーの仕立て。 ワイド&ショートのボディバランスはそのままに、一般的なフライトジャケットよりもある程度コンパクトに再設計されたサイズ感。 しかし袖は長いまま。 日本のメンズ・ファッション黎明期からずっとヨーロッパの服に触れ続けてきたエキスパートですから、このバランス感覚もお手のものですね。 このレーベルを始める前に手掛けていたハロルズ・ギアでも多用されたパイロット風の前振り製図。 もう戦闘機には乗らないんです。 あくまで街着としてのカッコ良さを抽出し、インナーを削ぎ落とす想定。 シンサレート入りのライニングも頼もしい。 今回一緒にご紹介する最軽量級のフライトジャケットにも付属する、ブーメラン型のスロートラッチ。 これがこのレザージャケットにも付属します。 付けた方がカッコ良いと思います。 付けない時は胸ポケットのボタンに収納(?)しておけます。 「タイト」とは違う「コンパクト」なフィッティング。 「細さ」ってのは2000年代の日本の社会とファッションを強く映写するデザインコードですが、そこに浸かり過ぎていない、あくまでオーセンティシティの元、丁寧に監修されたジャケット。 こういのはずっと着れます。 服の耐久性とかじゃ無く、“ファッションの耐久性”の面で。 Made in KOREA サイズ表記38 肩幅:44 身幅:58 着丈:54 袖丈:67
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2006S/S TOKITO Lightweight Poplins Bomber JKT
¥21,000
TOKITOの服といえば「20歳以下お断り」のタグ。 この服にも付いてます。 こんな事を言えるレーベルがあるのか、と感動した日がある。 え、しかもこれ日本のブランドなん、と。 デザイナーは吉田十紀人 (ときひと)氏。 黄金期のメンズビギからポパイの編集、その後諸レーベルを監督した後1997年に立ち上げられたのがTOKITO。 綺麗でカッコよくって、ハイコストな紳士服を作る人です。 接着芯よりもふらし芯を重視したり、どんな箇所の縫い代も、極力ロックミシンに逃げず美しく折り伏せたり巻いたり。 現代のビジネス至上主義から見るとハイコストに見えるそれらは、一定以上に服を好きになり飛び込む上で最低限備わっていてほしいプロダクトとしてのクオリティ。 完璧主義ってよりも “当たり前”の水準が高いレーベル。 カッコ良いですよね。 そんな所が作る時、こんなライトアウターなんてのは一気に差が生まれてくる。 重い服は、まぁいい。 凝ったウールや美しいレザーなど、素材のエネルギーで誤魔化せたりする時がある。 でも軽い服、ライトアウターなんてのは、誤魔化しが効かない。 作り手の腕と言うか“姿勢”みたいなのが如実に出る。 - と、ここまでにある程度共感してくれる人には気に入ってもらえるジャケットだと思います。 ネックライン1番上まで閉めた上で、コンパクトながらショールカラー風にくるり返るリブ襟。 ハンティングやドライブに意識を向けたような強い前振りが設計された袖構成。 裏返しに着用しても気後れしないほど美しい、妥協の無い縫製仕様。 ちょっぴりエレガントに品良く味付けされたそれが、あくまでフライトジャケットのDNAの上で成り立つこと。 そして首元に光る、ブーメラン型のオリジナル・スロートラッチ。 (これは今回一緒に出すレザージャケットにもあります) 良くも悪くも“軽やか”になるライトアウター枠のジャケット、ここまでちゃんと軽くて、尚且つクールな個体はなかなか無い。 全閉めでちょっと静謐な空気を出すのも良いし、前開けて羽織るだけでもシルエットにメリハリが生まれます。 往年のファンの皆様は勿論、ご存知無い方も是非この機会に。 Made in JAPAN サイズ表記36 肩幅:40 身幅:54 着丈:55 袖丈:67
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1980's BISCOTE Baseball-Shirt Motif Wide Body JKT
¥39,000
SOLD OUT
ずっと探してて、ようやく80'sオリジナルに出会えたレーベル。 80年代のヨーロッパを席巻したネオ・アメカジのムーブメント。 Best CompanyやBall/Closed、Frank Scozzeseらと同じレンジにいた、今や誰も知らないマイナーレーベル。 彼らはあのエッセンスを用いてハイエンド、又は全くの新しさを追い求めたけれど、この時期のBISCOTEはもっとのんびりマイペース。 本当にそのデザイン、及びムーブメントを噛み締めるように、楽しそうな服を作ってた。 ちなみに読み方、未だに分からない。 ビスコッテ?ビスコッティ?ビスコテ?ビスコーテ? 当時のプチ流行に「スペル間違い」ってのがあります。 多分これもそれのはず。 当時のヨーロッパでもあまり人気の無かったベースボールの洋服を堂々と引用し、誇張したサイズ感でサンプリング。 (一言に「ワイド」と言えどレングスを短くすればその「ワイド」は相対的に強調される) そこにヨーロッパならではの(浅い言い方で申し訳ない)洒落の効いた小技を散りばめてブラッシュアップしていく、というデザイン。 いまだに「野球行くん?」といじられる白黒ストライプの生地を、カジュアルブルゾンの黄金様式で歓迎。 イエローとネイビーの強いカラーリングの繋ぎ目には、色気のあるパープルの細巾テープが静かに光る。 ここの補強にパープル! 痺れるバランス感覚。 フロントやポケット開閉はオレンジのベルクロテープ。 いちいちカラーコントラストを付けないと気が済まない、やかましいデザイナーズ・カジュアル。 これが古着として程良く草臥れてるからバランス良いってだけで、これが新品でパキパキなら取扱注意になると思う。 Made in - (FR?) サイズ表記M 肩幅:58 身幅:64 着丈:58 袖丈:60
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