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'08A/W MARTIN MARGIELA 10 Fully Packed Tomato Down JKT
¥81,000
2008年のマルジェラ。 ツルツルにコーティングされた極薄シェルにパンパンに中綿が詰められたジャケット。 トマトみたいなビジュアル。 このジャケットで先ず面白いのは中綿を生地に繋ぎ止めるキルティングステッチの入れ方。 正しく生地を伸ばし切らず、所々に不本意なタックが入っているでしょう。 これは本来なら縫製ミス。 縫い合わせる2つの対象物のどちらかを伸ばして縫ってしまったり、最初から寸法があっていなかったりすると起きる事故。 そしてこういうボリューミーな中綿を縫い止める時も、その膨らみが寸法を狂わせるのでよく起こりますね。 しかしこのミスに内包される「パンパンに詰まってます」感。 これをあえてそのままにすることで何かこう、包み紙みたいなイメージが浮かんできませんか。 カラーフィルムで包まれたキャンディのような。 これは中綿ジャケットの属性を更に増強してくれる。 他のレーベルから出てたら、上の文章の頭に「期せずして、」なんて付けているところです。 服作りの全過程をアイデアソースとするデザイナーですが、それらの解像度が途轍も無い。 正道だけじゃなく、発生する数多のミスもこのデザイナーにとっては豊かなアイデアソースとなるのでしょう。 さてビジュアルからして大変にボリューミーなジャケットですが、その着用感は意外なバランス。 簡単に言うとライダースジャケットみたい。 アームホールはあんまり広くないし、袖山が意外と高いから腕も上げにくい。 リラクシングなスウェットとかセーターを中に挟むと着心地が悪いと思います。 シャツとかドレス方面の軽いセーターとか、同じく2000年代モードで頻出したフォーマルな型紙で組み替えたカジュアルピースとか、そういう服じゃないとピッタリ合わない。 それこそ同じMM10のベーシックな服でこそ合う感じ。 左ポケットの下端に僅かながら解れがありますが、その他特筆する瑕疵のない極美品です。 首周りも袖口も綺麗。 Made in ITALY サイズ表記52 肩幅:48 身幅:57 着丈:88 袖丈:68 中綿はグースダウン80%/フェザー20%。 普通にかなり暖かいのでインナーを着込む必要は無いと思います。
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SHARPEYE by B.SHARPE Dirty Coated Dual_Zip Anorak
¥39,000
先日のポップアップから展開したストリートシーンへのファッションデザイナーの参入。 70年代から80年代にかけて顕著に見られたこの潮流、各国で様々な美学が乱立しましたが、U.K.にて台頭したのがDuffer。 このDufferの創設メンバーの1人であるBarrie Sharpeが展開したオリジナルレーベル、シャープアイ。 ユニークなアノラックをご紹介します。 ハーフオープンのデコルテジップを八の字に二列走らせた構成のプルオーバー。 ハイネックをアシンメトリーに倒したり、内側のボタンフラップに形状保持は任せて片方全部開けてレイヤードのサビにしたり。 面白い事が出来ると思います。 フロントのカンガルーポケットなんて、既存のポケットの上に更に斜めジップの開閉で一部屋建て増してる。 なんとユーモラスな。 こうしたプレイフルがあるうえで、その骨組みはこの時代のUKストリートウェアに求めてるスレた空気と都会的なビジュアルバランス、全てのエレメンツが十全に備わったデザイン。 同じように彩度の落ちたナーバスなストリートウェアなんて、文句無くカッコ良い合い方をしてくれる。 これも袖のハードな内巻きがカッコ良いから、気温が許すうちは是非一枚で。 Made in - riri_zips サイズ表記M 肩幅:49 身幅:63 着丈:70 袖丈:66 内タグ無し
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e00's SUICEYED by B.SHARPE Crotch Pocket Cutting Army JKT
¥32,500
先日のポップアップから展開したストリートシーンへのファッションデザイナーの参入。 70年代から80年代にかけて顕著に見られたこの潮流、各国で様々な美学が乱立しましたが、U.K.にて台頭したのがDuffer。 このDufferの創設メンバーの1人であるBarrie Sharpeが展開したオリジナルレーベルの一つ、SUICEYED。 レーベル名に漢数字がくっ付いてるんですよね。 参拾壱 零壱 六拾 31 01 60 何の数字か、まではリサーチ及ばず。 Dufferは日付けをレタリングに落とし込むデザインを多用していましたから、これも何かがあった日付なんじゃないかと見込んでいますが。 さてこちらはオリーブドラブのミリタリージャケット。 かなり曲がりの強い立体的な内巻き袖のラグランと、ショート&ワイドのボディバランス。 身頃にはフェイクプリーツの4ポケ。 袖口にもポケット。 ここまでポケットフラップも全部同じ形。 フロントにはririの綺麗なダブルジップが走ります。 そしてこのジャケット、ケツが凄い。 背面表側に折り畳まれた、裾と地続きのクロッチパーツ。 なるほど、ミリタリー由来だから前裾とドッキングして股を繋ぐ設計ですね。 と思いきや裏切り。 なんとこれは裾の前後を繋ぐクロッチパーツではなく、その形式をコピーした格納ポケット。 パンクスのバムバッグをジャケットの裾にミニマルにドッキングしたようなデザイン。 漫画くらいのサイズなら入ります。 とても珍しい…というか、デザイナーズでしか見る事は無いでしょう、それもこの人のデザインでしか。 前から見た時のソリッドなイメージと全然違う、遊び心に溢れたミリタリーサンプリング。 生地は雨の多いUKらしいコーティングデザイン。 劣化や異臭のしないグッドコンディションです。 ちなみに、ここに荷物を入れている時は絶対に座ってはいけません。 スマホ入れたのを忘れて硬い椅子に座ろうもんならバキバキです。 ゆめゆめ御注意くださいね。 Made in ENGLAND riri_zip サイズ表記S 身幅:59 着丈:62 裄丈:86
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80's J.C.DE CASTELBAJAC Kitsch-Graphic Separated-Hood Coat
¥55,000
Jean Charles de Castelbajac の80's個体。 この時期のコートは素晴らしいものばかりです。 和服のような平面的な型紙。 肩山に傾斜を付けない垂直な袖付け。 そうした平面性とは対照的な、立体感に満ちたボリューミーなテキスタイルデザイン。 裏地として使ったボアファブリックが表に迫り出すように設計された各所のトリミング。 そしてそれに縁取られるのは、このクリエイターの最もアイコニックなデザインコードである、ユーモラスな手書き風グラフィック。 コクトーとヘリングを融合させたようなミニマルでキッチュなタッチは、洋服に乗っかっている限り、どこでどう見かけたとしてもブランドロゴの代わりを果たす。 故に、ロゴが無くとも常に全身をアピールが埋め尽くしているようなもの。 これを上手く着こなす難しさを思うと、これまでの洋服なんて如何に簡単で、如何に沢山の正解が用意されたものであったか知れない。 圧倒的な可愛さに比例して、なかなかコーディネートの難しい服です。 こういうのがお好きな数寄者諸賢は勿論、今一度正解に迷う青い感覚を思い出したいアダルトへも強くお薦めいたします。 バジャックの得意としたフード周りの遊び、最高。 セーラーカラーにして大きく靡かせても良し。 分厚いテープをリングベルトに通して、大きなフードにしても良し。 自由にお楽しみください。 フロントは一切留め具無しのフリーオープンです。 Made in FRANCE サイズ表記1 肩幅:65 身幅:64 着丈:86 袖丈:50 裄丈:83
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c90's TEDDY SMITH (FR) Low_Tech Street Jacket (NVY)
¥21,000
先日オーバーオールのご紹介でその名を公開したフランスのカジュアルレーベル。 80年代のアメカジ礼賛、その渦中にあったマイナーレーベルの一つです。 インターネットの勃興。 全員が新世紀のテクノロジーを意識せざるをえなかった時代の、洗練されていないローテク・テイスト。 ミリタリー系のスモックをベースに、解像度の低い、ふわっとした近未来感をミックスしたPOPビジュアル。 このバランスは未来には作れない。 時間は不可逆でしょう。 記憶ってのもそう。 知ってしまったら知らない自分へは戻れない。 だから、90年代の人が見た未来にいる我々には、もうこのロービットは本当の意味で再現出来ない。 ロストテクノロジーとはまた別軸の、辿り着けない過去。 この野暮ったいテックエッセンスは 現代から見てこそ やっとヴィンテージ。 今回デッドストックで2着ドロップします。 こっちはネイビーにビビッドイエローのアクセント。 完全同型と思いきや、 オレンジ個体はちょっと袖が短くて、 こっちのネイビー個体はちょっと袖が長い。 お好きな方を。 Made in - サイズ表記M 肩幅:52 身幅:66 着丈:78 袖丈:61 裄丈:88
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JEAN PAUL GAULTIER Inside_Out Cutting Edge Drivers KN
¥36,000
インサイドアウト、とは銘打ちましたけれど 実際の本質というか本懐は実はそこに無くって。 そのインサイドアウトのさせ方、魅せ方が比類無く特殊なんです。 ベースはアッシュホワイトのドライバーズニット。 そこに 「「構造線の分解」を可視化」させるべくインサイドアウトが道具として使われている、という格好。 サイズを縮小するために各所で縫い縮めたのを、全部解放するような見え方。 例えばアームホール。 これは身頃と袖のパーツが繋がっていた所を一段階外したような構造になっているのが伝わりますか。 「内側に縫い代を広く確保したまま縫合していたシーム」が存在していて、それを解いたビジュアル。 「山折り谷折り」の概念を前提に置くと意味が分かりやすいと思います。 クレバーなのはね 美しいシルエットメイクに繋がる部分は、解かずに縫い留めたままにしているところ。 例えばアームホールの釜底。 例えば裾の両サイド。 洋服をマリオネットの如く自由に遊び倒すアイデアの中に、根本的な西洋服飾の美意識が骨組みとして存在している。 見れば見るほど どんだけ深く考えられているんだと驚かされ続ける。 この師にしてあの弟子あり、か。 Made in JAPAN サイズ表記48 肩幅:42 身幅:49 着丈:59 袖丈:67 袖口に軽い汚れあり
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1980's M&FG (EU) Blouson Layered Design Wide-Body Denim JKT
¥45,000
イタリアCFM社製造、ユーロオリジナルのM&FGよりデニムジャケットの入荷。 こういうCFM製のユーロオリジナル、となると 例えばCLOSEDとかBALLとか、サイドパートのアイテムが多いイメージですが、こちらは自分たちの名前を冠したメインライン。 中々世に出てこない骨董品です。 ベースはジルボーの原典とも言える、野暮ったい着古し加工のデニムジャケット。 クラシックなGジャンを土台に据えての、ワイド&ショートのバランス。 そこに中綿キルティングのボマージャケットを挟んだフェイクレイヤードデザイン。 しかし重なってるのは襟周りから前端にかけてのラインのみ。 そこから先は、レイヤードではなくデニムジャケットの裏地というポジショニングで同生地が使われています。 だから袖の裏面とかはレイヤードされてる訳じゃないけどボマージャケットの生地がまだ残ってるって感じ。 このデザイン、ただのフェイクレイヤードじゃない。 レイヤードしたジャケットが、グラデーションでインナーに変化していく過程を可視化してる。 対象物が洋服だったからグロくないけど、ジャンルが違えば相当のマッドサイエンティスト。 死への羽ばたきとか思い付いてたと思う。 普通に合わせるとアメリカンワークとフレンチワークの中間地点みたいなニュアンスになりますが、そこに現代的なボマージャケットが絶対に顔を覗かせる。 この近未来エッセンス、自由なコーディネーションの感覚。 この人達はあくまでファッションとしての未来を描いていたのだと伝わるポイント。 Made in ITALY サイズ表記46 肩幅:56 身幅:59 着丈:53 袖丈:55 裄丈:85 CFM設立者/BALL設立者のA.Ciavattaが発明した【ストーンウォッシュ】加工。 その加工そのものにタグが存在していたとは。
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2000's UMBRO/EVERTON Technical Cutting Track_Top
¥12,500
2000年代のエヴァートンのジャージ。 製作はUMBRO。 PLは好きですが、エヴァートンだから選んだ……と胸を張って言えるほど詳しくありません。 むしろエヴァートンじゃなくても選んでいます。 選んだ理由の9割はカッティングの面白さですから。 アクセントラインの走るアクティブな一枚袖ラグラン、その後ろアームホールが凄い。 鋭角やらカーブやら織り交ぜながら部分的に隠し切らないユニークなメッシュベンチレーションの差し込み方。 スポーツウェアでこそ発生する、俊敏なスピード感を可視化するようなパターンメイク。 そのスポーツへのイメージを、製図の機転をもって増強させるカッコ良い仕事。 そんなセクションデザインも然り、実は袖自体も左右で微妙に仕様が違うんです。 あまりに些細なアシンメトリーは、手元に届いた方にのみ開かれる煌めきということで。 各所ファスナー破損無し、どこも汚れの無い綺麗なコンディションです。 サイドポケットがジップ開閉なのもとても嬉しい。 Made in Vietnam サイズ表記L 身幅:60 着丈:70 裄丈:86
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FINLAND VTG Soft Lamb Leather Flight JKT Vest
¥27,000
こんなの完全に80'sのChevignonでしょ! 僕持ってますよこれ! と思ったけどどうやら違うみたい。 フィンランド製の、名前の分からないレーベル。 多分こっちの方が珍しいのでしょうね。 Vの字を横に引き伸ばしたような、判読出来ないブランドタグが付いてます。 同じロゴがプリントで左胸にも。 ビジュだけでなく、実際のクオリティも黄金期のシェビニオンそのまんま。 恐らくラムであろうモチモチのソフトレザーに、手の込んだマテリアル加工。 アジアで流行ったコピー品とはクオリティが全然違う。 かなり本気ですね。 元となる革色は恐らくブラウンなのでしょうけれど、加工で脱色じみた褪色をされた退廃的ビジュアル。 色味の現在地点はグレーとブラウンとの間、ややグレー寄りの位置。 なるほど、ここまでやるとシェビニオンのオリジナルでは見たことが無い。 今年いよいよ本腰を入れて現代風に再構築している80年代のユーロカジュアル、そこに重ねるアウターとして最高のポジショニング。 ポップで明るい色味とも程よい距離感で馴染んでくれるし、あの地に足付かない浮遊感を殺さずに重ねられるレザーってなかなか無い。 なんて言いながら今回はネパール製のアノラックパーカーなんて合わせてます。 まぁ大体何合わせても楽しいです。 Made in Finland サイズ表記L 肩幅:(49) 身幅:59 着丈:68 加工で随分草臥れて見えますが、実際のダメージなんかは無く、上々のコンディション。 傷が入りがちなリブニット部分も綺麗です。
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80-e90's GIULIANO FUJIWARA Oversized Knit Collar Tailored JKT
¥27,000
95年以前、レーベルとしては初期と括って差し支えないくらい古い時期のジュリアーノ・フジワラ。 と言うか多分80年代個体。 そもそも球数の少ないレーベルですが、これくらい古い物は殆ど御縁がありません。 2001年までの本人期の中でも、一際その個性が濃密に宿っている時代。 そしてそのデザインの、まぁ面白いこと。 ベースはオーバーサイズのボックス型テーラードジャケットです。 同時代のギャルソンオムが標榜したような、四角いシルエット。 肩パッドも割と厚め。 「テーラードジャケットだから」とかじゃない、必然の外側にある装飾的な肩シルエット作り。 先ずはこの肩パッドが作るシルエットを使いこなせるか、が第一関門。 で、そうして作られたThe・80'sって感じのジャケットは、上襟だけがニット素材で置き換えられてる。 これだけ四角形を強調してるくせに 柔らかいイメージにはしたいの?! という裏切り。 (ここで白ライン×3が入ってるのもあざとい…!) 文化人御用達、って感じの趣です。 真っ黒なウールギャバジンでの仕立てですから、ロゴが無くともレーベル名を言い当てられてしまいそうでしょう。 でもその魅力を毀損しないまま、そういった予定調和は打ち崩す、絶妙なバランス感。 「ギャルソン?」と聞かれたら 「ギャルソンじゃないよ」とだけ答えましょう。 Made in JAPAN サイズ表記M 肩幅:52 身幅:56 着丈:75 袖丈:58
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c80's MIKIHOUSE MEN'S Purple Body Classic Varsity JKT
¥11,000
昔のミキハウスのメンズ服。 ぽてっとしたスタジャン。 子供服みたいなデザインのまんま、大人の男性のサイジングに拡大したようなビジュアル。 強いて言えば装飾感覚が控えめか。 背中は一色使いのアーチテキスト、フロントはワッペンを一つドカンと配置。 まぁオーセンティック。 おもちゃ箱みたいにガチャガチャした世界まで行かず、しかしモノトーンまで大人しくもない。 絶妙なパープル。 子供に着せるには地味だけど 大人が着るにはちょっとポップ。 良く言えばニッチであり 容赦無く言えば「誰が着んねん」。 大人っぽい服もフラットに使って、色とか素材とかで真っ向勝負しながら色んな合わせを試してみてください。 ポップで簡単な服に見えるんだけど、いざ着ようと思うと繊細なバランス感覚が要る服だなぁとしみじみ。 Made in JAPAN サイズ表記M 身幅:63 着丈:66 裄丈:83 大きな傷/汚れはありませんが、軽微な汚れはチラホラ。 ヴィンテージジャケットって感覚でよろしくお願いします。
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c80's AGNES B. HOMME Full Leather Tailored Soft Gilet
¥14,000
古いベーオムのレザーベスト。 美しい彫刻が入った5ボタン。 ベストってよりはジレって感じの雛形ですが、背面が裏地じゃなくフルレザーで作られてて、身頃も結構広めに組まれてるので良い感じ。 ある程度コシがあって、でもちゃんとテロっと柔らかいレザー。 コンディションも品質も素晴らしいですし、捻ったレイヤード遊びには最高のイレギュラーピースになると思います。 コロンビアとかノースフェイスとか、 ちょっとゴツめのシェルジャケットの上から重ねるとカッコ良いです。 今回みたいにライダースの上からってのも面白い。 ただウエスタンシャツとかに重ねちゃったりするとあまりにコスプレかも。 やや扱いの難しい じゃじゃ馬です。 Made in FRANCE サイズ表記2 肩幅:(34) 身幅:50 着丈:56
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2000-10's MOLINEL (EU) Technical Cutting Utility Work JKT
¥12,500
フランスの老舗ワークウェアレーベルの現在地点。 近年モノのmolinelです。 アイコニックなフレンチワークの記号なんてもう何も残っていません。 企画はフランスですが、製造もベトナム。 普段の温故知新の文脈ってよりも、新しいエッセンスを接種する狙いでのフックアップです。 確かに、実際労働に向いてるのってこういう服じゃないですか。 胸ポケットにはボタンが付いているべきだし、ポケットなんてデカければデカいほど良い。 腕の可動域だって、製図の如何でこうも広がってくれる。 古き良きフレンチワークの情緒とは全く別の文脈と相成っていますけれど、じゃあこれが情緒に欠ける野暮天かと言うと私はそうは思わない。 工場に馴染むグレーメインの色組み、アクセントに映えるビビッドカラーのセクションスイッチ、沢山の機能的ディテールを強調するカラーステッチの五月雨。 機能と属性を突き詰めた所にあるこれは、ともすればテクノロジカルなプリント基盤の如く様相を垣間見せる。 そしてその根本に存在するのは、ゲームボーイアドバンスやゲームキューブのスケルトンモデルに感じたトキメキ。 ステッチは電子回路。 工場のグレーは基板のグリーン。 かなりのオーバーサイズですが、レディースへもお薦め。 Gジャンやレザージャケットでギャップを作る所、定型崩しの一手に如何でしょう。 Made in Vietnam サイズ表記2XL 身幅:71 着丈:70 裄丈:94
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e00's SUICEYED by B.SHARPE Offset-Front Design Tankers JKT
¥32,500
先日のポップアップから展開したストリートシーンへのファッションデザイナーの参入。 70年代から80年代にかけて顕著に見られたこの潮流、各国で様々な美学が乱立しましたが、U.K.にて台頭したのがDuffer。 このDufferの創設メンバーの1人であるBarrie Sharpeが展開したオリジナルレーベルの一つ、SUICEYEDのタンカース。 最初のオリジナルレーベルであるSHARPEYEは知名度がありますが、こっちは幾分マイナーでしょう。 骨組みはタンカースだけれど、味付けはフライトジャケット寄り。 面白いジャケットです。 左腕にはシガーポケット、両脇腹には計器類のコードを束ねるループタブも付きます。 一見は、デザイナーズカジュアルに頻出するような「既存コードのミックス」系のデザイン。 ミリタリ由来だと尚更良く見ますね。 同氏の古巣であるDufferでも数多く発明されました。 しかしそれだけじゃどうも腑に落ち切らない違和感。 なんか変でしょう、このジャケット。 どうにも気持ち悪い。 多分几帳面な人ほど感じてるはず。 この違和感の正体は【正中線のオフセット】。 フロントのド真ん中を通るべきジップが微妙に左にズレて設計されてる。 ダブルブレストと呼ぶにはあまりに微細な、一摘みのアシンメトリー。 前を開けてラフに羽織ってる時には気付かないけれど、前を閉めてタンカース然とした着こなしをすれば途端に立ち上る悪戯の香り。 あとこれもDuffer時代からの話なんですが、リブパーツの一部に布帛を挟むんですよね。 この服だと[袖口]のそれが1番顕著でしょう。 全然意味無い位置に、ボディと同じ生地の短冊が挟まれてます。 ここだけ伸びません。 別にコレによって縫製工程の効率化に繋がったり、ディテールの堅牢度が上がる訳でもありません。 思うに、これはDufferでの発明の残り香ではないかと。 発明? そう。 袖口の次は首元に視線を移してください。 タンカースジャケット特有のリブニットでのスタンドカラーです。 本来、身頃からこのリブニット部分までぶっ続けでズバッとメタルファスナーが走るのがタンカースジャケット。 しかしこのジャケットは、不安定なニット生地にファスナーを走らせることで生まれるファスナー噛みのリスクを徹底的に排除してる。 ファスナーに接する位置だけを身頃同生地の布帛で切り替えてる。 これでファスナーはグッと噛みにくくなる。 コレ見た時には「確かに!」と膝を打ちました。別に打ってませんけど。 このディテールコード自体は昔のDuffer時代から見られたディテールなんですが、当時ももしかしたらB.Sharpe氏が発明したのかもしれませんね。 こんな感じ。 誰も彼もを誘目する派手なインパクトなんて眼中に無く、ニッチで閉鎖的な、でも分かるヤツらをニヤつかせるミニマルなウィットデザイン。 たまらなく趣味が良いと思います。 裏地は滑りの良いナイロンサテン。 元ネタが寒冷地用のジャケットなので、こちらも中綿入り。 大きな傷や不具合はありませんが、背中にスプラッシュ状の薄汚れがありますから、ここだけご留意ください。 Made in U.K. riri_Zips サイズ表記S 肩幅:50 身幅:62 着丈:62 袖丈:68
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1998's NIKE ACG Turquoise Blue Fleece Vest
¥16,000
完全に色勝ち。 ターコイズブルーのポーラテック。 滅茶苦茶良い色。 滅茶苦茶良い色だけれど、これでフルレングスだと案外飽きが早かったりするから、ベストで丁度良いかも。 ジップ破損無しの生き残り個体。 あんまり書く事無いというか、その魅力に多くの人が気付いている服。 でもそれでも書き残しておかなきゃいけないのは、前端裏の持ち出しデザインについて。 黒のフリースセクションの上から同じく黒で太巾の綾テープを重ねて、フリースの毛足がジップに噛まないようにする配慮。 最高。 これぞデザイン。 Made in - サイズ表記M 肩幅:(50) 身幅:54 着丈:67
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c80's FRENCH VTG Black Soft Leather Active Coat
¥45,000
迫力のあるボディバランスに凛とした立ち襟。 如何にもデザイナーズ然とした佇まい。 推測ですが黄金期のMontanaを擁したIDEAL CUIR社に関係するプロダクトなんじゃないかな。 レーベルタグは付いていないものの、品質タグは全く同じモノが使われています。 Montana追われてる方やETRAK古参の方は御見覚えがありましょう。 それを証明するように、先ずは革が良い。 毛穴の目立つ艶やかなレザー。 このビジュアルは如何にもピッグレザーの趣がありますけれど、触ってみれば一転。 滅茶苦茶に柔らかい。 【フレンチヴィンテージ】って括ると、プレタ隆盛以前の硬いワークウェアのイメージも付いてくるんですが、そことは全くの別軸。 ラグジュアリーの文脈でソフトレザーを使うようになってからのプロダクト。 ピックレザーを下に位置付ける意図はありませんけれど、豚のそれとは全然違う、ラムに近しいテクスチャ。 不安にならない程度の厚みはあって、でもその全てが柔らかくって気持ち良い。 タグを頑張って解読してみれば、他個体のタグでレザーの種類について言及されている欄にLAMBとありますね。 誤読無ければラムレザーです。 シープかと思いましたが、ここまで毛穴を目立たせたラムもあるのですね。 さてそんな素晴らしいレザーで仕立てられた真っ黒なボディには、エゴ強めのディテールデザインが乱立。 だだっ広い身頃に配置された4つのポケット。 両胸には八の字でジップポケット。 両腰にはマチ&スナップボタンで改造された大振りな立体ポケット。 腰の裾ベルトは不必要なまでの太巾。 モンタナみたい。 どこにもテーパーの材料は無いのでブラウジングを目的とはしていないのでしょうけれど、主張の強いディテールです。 背中には形骸化したアクションプリーツ。 引っ張っても拡張する訳ではない。 形骸化とは言いましたけれど、立ち居振る舞いに関わらず恒久的に縦方向へのラインを強調してくれるという点では、これも明確なビジュアルデザインの一要素。 以上の条件群から、80年代のメインストリームであったボクシーなワイドシルエットとは少し方向性を変えた、縦へのラインにも重きを置いたディレクションを感じます。 ブルゾンってよりもハーフコートに近いようなニュアンス。 そしてそれが明確に分かっていると、スタイリングを組む時に楽です。 中に色々重ねるのはまあ自由にしたら良いですが、パンツを選ぶ時のガイドラインになりますね。 同じく縦へのラインを強調したデザインと相性が良い。 シャツ&タイなんかもそう。 時代の気分としては ルーズゞも少し飽きたけれど、かと言ってじゃあ細身のスキニースタイルをやりたい訳でも無い、って所でしょう。 でも中にゆるいセーターは挟みたい。とか。 こうしたムードにピッタリ合致してくれます。 Made in FRANCE サイズ表記36 肩幅:55 身幅:57 着丈:70.5 袖丈:54 裄丈:83 クオリティは最高なのですが、襟部分のジッパーが固くて開かないので少しプライスに反映させています。 外から触った感じ、中にフードとかは入っていなそう。
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80-e90's PAL ZILELI TRICOT Crazy HBT Loose Body Waistcoat
¥14,000
これもエグゼクティブレンジと言えましょう。 でもモードと言うか、ハイファッションの世界にも片足突っ込んでくれていたから、私でも名前は知っている。 1970年にイタリアのヴィンツェンツァにてスタートしたメンズレーベル、パルジレリ。 日本の高度経済成長期末からバブル期にかけて、多くのハイファッション誌で紹介されました。 それのニットライン。 品質が良い、とか、素材に凝っている、とか 魅力は様々ありまして、でもそのどれもがハイファッションの当たり前。 このレーベルの魅力はその“余裕感”。 余裕って言葉にそもそも余裕感ってニュアンスも含まれているように感じますが、敢えて俗っぽく、外から見た時の言葉としてこう書きます。 前へ前へ、先へ先へとガツガツしていない。 最先端でいよう、とか 最高峰でいよう、みたいな、作り手として見え透ける意気込んだ感じが、無い。 他人の目なんて気にもならないから攻めた色合わせも全然するし、実際クオリティが高いから誰も後ろ指なんてささない、そんな感じ。 前提として毎シーズンの服に使うお金が潤沢にある、そんなハイソサエティ。 前置き長過ぎか。 ミルキーアッシュのネイビーと、ホワイトグレーで組まれたランダム調子のヘリンボーン。 洒脱なカラーパレット。面白い生地。 ヘリンボーンのピッチをあえて複雑に崩す遊び。 こんな素敵なセンスはなかなか出会えない。 ウールと見紛うほどに上品な風合いのコットン。 あんまり伸びないけど一応ニットウェア。 恰幅の良い御老公が着ていらしたのでしょう、サイズは横に長いダブダブバランス。 最近はベストが大好きです。 レイヤードの楽しさが跳ね上がるし、ちょっとドレッシーな味付けになるのも気分。 重ねても暑くなり過ぎないし。(西日本では特に重要) こんなサイズバランスですから、ライトアウターの上から重ねちゃうのも面白い。 ショート&ワイドのボディバランスは、同じようなシルエットのショートブルゾンとも完璧なマッチング。 Made in ITALY サイズ表記50 肩幅:(45) 身幅:56 着丈:49
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80-90's EURO BAILO Vivid-2Tone Color Design Active JKT
¥26,000
イタリアの老舗アクティブウェアメーカーのBAILO、そのオリジナルオールド。 本国製の、多分80年代個体。 マスカットグリーン×フューシャという随分尖ったツートン。 一応感覚としてはウインドブレーカーに近しいポジションだと思います。 風をシャットアウトすべく、工夫を凝らしてシームを減らしたカッティング。 ヨークで仕切られた身頃の上半分と袖が地続きの製図。 ヨークスリーブと言ったりします。 今は防風雨を旨とした実用服の他、そこから生まれるドレープを転用したファッションウェアも多いですね。 シームを減らす→身体に沿わない→ルーズフィットになる→その分が垂れて靡く といった構図です。 加えてこのジャケットは身頃のサイドシームも無し。 前身と後身を繋げての丸胴製図。 これもまた理由は前項と同じ。 これら実用目的のカッティングから副産されたドレープという偶発的エッセンス。 このジャケットでも、それは良い方向に化学反応しています。 鍵はポリエステルのソフトシェル。 このふわふわのテキスタイル、ドレープスタイルと最高に相性が良い。 肩周りにシームやシェイプ操作が無いから、そのルーズな袖は肩先でトロリと落ちてくれるし、 裾のドローコードを絞った時も、至って素直に言う事を聞いてくれる。 そして風が入りにくいってことは孕んだ空気が逃げにくいってことでもあるから、ポワッと撓んだ風船みたいなブラウジングも実現する。 アシッドなまでのキレと、超エアリーな優しいシルエット。 なかなか両立しない要素が奇跡的に噛み合った素晴らしい個体。 是非ファッションとして使って欲しい。 レザーとかコーデュロイとかの、アーシーなテクスチャとのギャップも楽しみたいし、淡い色組みで当時のレトロカジュアルも楽しみたい。 サンプルスタイリングではそこんとこ、どっち付かずになってます。 どっち付かず(付けず)もまた楽しいです。 現行アウトドアとは全く異なる、別領域のファンタジー。 Opti_Zip FIOCCHI_Buttons Made in ITALY サイズ表記52 身幅:65 着丈:79 裄丈:90
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c2000's AIGNER (EU) Ex_Soft_Suède Unique Cutting JKT
¥21,000
ドイツのエグゼクティブレンジ、AIGNERのレザージャケット。 底抜けに柔らかい、極上のマテリアル。 金持ち向けのハイエンドって感じの水準です。 メンズも入る人はいるだろうけどレディースの企画。 本国サイズで36だから、イタリアサイズで40。 フロントはジップなので、何方にもお薦め。 ムッシュ・サンローランがハイファッションの世界へ持ち込んだサファリジャケットが土台。 両胸と両腰にポケットがあるヤツね。 このジャケットでは、胸の方のポケットで面白い遊びを入れてます。 元のデザインは狩猟用のジャケットですから、ポケット一つとっても沢山物が入れられるように工夫を凝らします。 プリーツを畳んで容量を増やしたり、端にマチを増やしたり。 サファリジャケット類での胸ポケットは、ポケットの中心にインバーテッドプリーツを畳んで容量を増やすのが一般的ですね。 プリーツの畳み分キャパシティは拡張されるけれど、物が入っていない時はミニマルに見えるという仕組み。 で、AIGNERはこのプリーツに着目した。 この縦方向のプリーツ線にジップを入れ込んで、そのままポケットの入り口に作り替えちゃった。 そして元の胸ポケットは、フラップを残したまま廃止。 てな訳で、側から見たら(ある程度)普通のサファリジャケットだけれど、実際はあり得ない位置にあり得ないポケットが組まれてる、という着地。 あんまり収納力はありませんが、位置的にマフポケットみたいな感覚で使えて良い感じ。 ※腰ポケットは割と深いので、多少の手周り品は入ります。 エグゼクティブレンジならではの超高水準での素材選定と、それに負けない上品な文脈遊び。 テロテロの革質を活かして、付属のベルトでギュッと縛って、美しいギャザードレープをお楽しみください。 Made in GERMANY サイズ表記40 肩幅:46 身幅:56 着丈:76 袖丈:59
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TATA Faux_Shrinking Techniques Layered Leather VE
¥39,000
レザーベストです。 ネックラインと前端でだけ 正しく縫い合わされたレイヤードデザイン。 アームホールと裾はあえて丈を合わせず ランダムにカットアウト。 断ち切り仕様ののラフなイメージに加え、内側の朴訥なコットンクロスの空気感もそこに重なります。 レザーベストでありながら 其れならざる柔らかなムードを纏わせたデザイン。 フロントはスナップボタン。 量販されてる陳腐なやつじゃない。 大きさと重厚感の伴った、安心感と高級感のある資材選定。 ボディは、ルーズなバルキーセーターの上からでもサラッと重ねられるくらいのゆる〜いサイズ感。 でもね これら全部を差し置いてでも 【レザーマテリアルでの加工デザイン】が 飛び切り凄まじい。 最初僕はアイロンを直当てして縮んじゃってるのかなって思ったんです。 おいおい素人がよ〜〜焼肉でもやるんか〜〜って。 前身と後身にそれぞれ、部分的にそこそこ大きなシュリンクが入ってるでしょう。 これはですね キックバックの滅茶苦茶強いパワーメッシュみたいな生地を 思い切り伸ばしながら波形ステッチ群に噛ませることで、局所的なハイシュリンクを人為的に作る……というテクニック。 は?????? 何食ったらこんなアイデアが………??? 全く常人離れした発想。 素晴らし過ぎる。 あまりに。 もとよりトロンプルイユに始まる創意的なメタデザインが得意なレーベルですが、その感覚をレザーウェアに向けるとこんなディテールが生まれてしまうのですね。 前述した波形ステッチも、そもそもミスったアイロンみたいな形状。 本当にそんなミスから生まれたデザインなのかもしれません。 裏地に汚れがチラホラあって完璧なコンディションではないのにある程度攻めた値付けにしているのは、偏にこの傑作ディテールによるところ。 今回(2024-3/9)のポップアップの目玉アイテムとして胸を張ってご紹介出来るスペシャルピース。 Made in JAPAN サイズ表記38 (肩幅:33) 身幅:49 着丈:62
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e00's R.NEWBOLD Asymmetry Cutting Technical JKT
¥16,000
現代視点からのパブリックイメージに反して、初期のRはかなりのお金か情熱、またはその両方が注ぎ込まれています。 遠目で見た時の第一印象は、2000年前後に興ったテクノロジカルな、ある種工場制服っぽいようなミニマルビジュアル。 しかし安易に量産出来そうに思えてしまう「それ」とは明確に違う、凝りに凝ったカッティングワークで仕立てられているのでした。 わざわざ右胸/左胸に分けて撮る必要のあるキレキレのアシンメトリー。 ステッチだけがアシンメトリーなのではありません。 素材使いもアシンメトリーです。 これってかなり深刻。 右身の脇腹に走る変な形のステッチワークに対して、左肩から左上腕上部にかけて走るステッチは何と中綿を挟んでる。 部分的パデッド。 銃を構えるハンターウェアとはまた根本的に違うライン取り。 何を参照しているのか? サッパリ検討の付かない面白い意匠。 胸ポケットも面白い。 ポケット左側にだけ、部分的マチを入れた変則的多角形。 袖口はシャツの調子でカフスを設定しますが、剣ボロではなくジッパーでの開閉。 しかしカフスメイクに際して畳まれる多量のタックは正しくシャツのDNA。 こうした巧みな越境感覚が、本品を陳腐なテックテイストに留め置かない。 ゆめゆめ、ただのポールスミスのセカンドラインと侮る勿れ。 フラットな視点で目を凝らせばこそ出会える、血の滾るような熱いユニークピース。 90年代後半から2002年までの個体。 Made in China サイズ表記 M 肩幅:46 身幅:56 着丈:70 袖丈:60.5
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c90's BROOKS BROTHERS Box_Silhouette Chalk_Stripes Knit Vest
¥11,000
レディースのブルックス。 チャコールのニットボディに、クラシカルなスーツ然としたチョークストライプ。 charcoalとchalk、大好きなエッセンス。 これら紳士の美学とも言えそうな、半ば記号的な要素を躊躇なくレディースレンジへインポート出来るのは、レーベルとしての圧倒的に堅牢な骨組みがあるから。 レディースであれど、ブルックスとしてのイメージ/やるべきデザインは明確という訳。 さて、レディースではありますが、これ見よがしなウエストシェイプも無ければ、ヘムラインの装飾的なカーブもありません。 ボックスボディ、フラットヘムのシンプルなカッティングです。 前の合わせだけがレディース。 用意された女性らしさ、みたいなのが嫌いな皆様にこそ薦めたい一着です。 メンズもサイズ合えばいけるんですが、女性にも是非。 シャツ&カジュアルアウター なんて定型を私は好んで使いますが、そこに挟み込むだけでスタイルに一気に新鮮味が出てくれます。 多分今シーズン、自分でもお店でも多用するでしょう。 色々ご用意してます。 Made in ITALY サイズ表記S / WOMEN 身幅:48 着丈:58 全体的にコンディション良好ですが、1番下のボタンだけ欠損してます。ご注意ください。
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90's PAUL SMITH Knit Switch Back Design Waistcoat
¥12,500
日本扱いのPAUL SMITH、90年代半ば以前のオールド個体。 フロントはパーツ端をリンキングカットで始末した軽めのウールメルトン、後身にはアースカラーでボーダー柄を組んだ柔らかなリブニットを切り替え。 頗る良いデザイン。 後身の裾部分はリブ編みの畝間隔を詰めて、ブルゾンみたいにテーパードさせていますね。 芸が細かい。 カジュアルなスタイリングにコレ一枚噛ませるだけで一気に奥行きが増します。 スタイリングもアウターありきで考えたいところでしたが、でもバックスタイルも見せたいじゃない、こんなの。ね。 メルトンという重たい生地を軽やかに使い熟す手腕、そのユニークな-然し乍ら生地特性を巧みに活かした-端処理選定、バックスタイルでの大胆なプレイフル・センス。 “上品でありながらも豊かな遊びごころ” なんて括ろうと思ったところ、気付きます。 これって正にポールスミスじゃないか。 近年の分かり易く寄り添ってくれるビジュアルもありますが、このブランドのエスプリ部分はこういう個体に色濃く宿っているように感じます。 洒落の分かる大人の服。 ベストなんて正に遊び着。 機能的にはあっても無くてもいい、完全にお洒落のための服です。 無駄な1レイヤード、楽しく重ねていきましょうね。 Made in JAPAN サイズ表記F 身幅:52 着丈:55 メルトン部分の裏面端、伸縮性の無い布帛でキチンとラインを押さえてるのが最高に丁寧で美しい……。
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80's HAI by WACOAL&ISSEY (EARLY) Random Sewing Short Leather JKT
¥36,000
現代日本における【アーカイブ】の最高権威、KCI。 この服飾研究機関を創設したWACOAL社と、それを強く後押ししたデザイナー、イッセイミヤケ。 時を殆ど同じくしてこの両者/両社により設立されたコラボレーションレーベルが、この HAI SPORTING GEAR 。 ファッションだけでなくアパレルに係る人間全員に欠かすことの出来ない圧倒的な知(血)の蓄積、アーカイブという行為の手本であるように体系的且つ重層的に収集/管理されたそれらは、この国がファッションの国として在る理由を大きく占めます。 アンダーウェア専業アパレルとしてスタートしたWACOAL社はアナトミカルという概念のパイオニアと言えると私は思います。 そんなWACOAL社の特性に着目したのでしょうか、あくまで“SPORTING”を前提としたカジュアルウェア。 (が“多い”) 今回はわざわざピックアップしてませんが、先行したISSEY SPORTとややジャンルが被るような服もチラホラ。 このレーベルの中でも、他ライン/他レーベルじゃ代替出来ないキレキレのユニークピースをフックアップしてみました。 このモデルに関しては、アクティブウェアってよりも、最前線でゴリゴリに戦っているイッセイのモード服って感じの香りが強く残っていますね。 最高です。 初期タグのレザージャケット。 ノーカラー/2Bのダブルブレストという珍しい仕様。 1番上、首元だけ留める格好になります。 前提の話になりますが こうした「ノーカラージャケット」ってのは コンサバティブの象徴です。 シャネルが始めた新しい女性像を描く雛型でしたが、そのフォロワーが氾濫したこの時代にもなると既に全然コンサバ。 その雛型を敢えて引用し、これでもかとアヴァンギャルドに作り直す。 全くランダムなパッチワーク構成、 裏地無し、 左右非対称。 西洋の均整のとれた美的感覚を歯牙にも掛けない、完全なるオリジナリティの提示。 無造作に切りっぱなしの革を継ぎ接いだ構成はVIVIENNEのバッファローコートみたいな空気もありますね。 裏地がありませんが、皮革の銀面(滑りの良い方)を裏面に使っているので着心地は大変スムーズ。 使い心地としてはレザーボレロみたいな感覚になるのですが、サイズ感が意外と大きくって、しかもメンズ服なのか左前の合わせ。 裄丈から鑑みると、ドロップショルダーで着て裄丈で合わせる感じのフィッティングで想定されていると思いますが、メンズもサイズ合えば是非。 Made in - サイズ表記M 肩幅:54 身幅:61 着丈:52 袖丈:47 裄丈:74
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