洋服解読所
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1999's NIKE Cobalt_Blue Classic Windbreaker
¥21,000
コバルトブルーのナイロンとロンTみたいな薄手のスムース、この組み合わさりの妙に惹かれています。 この服はただのNikeです。 よくある服です。 この服をただのNike以上の-カルテに置きたい水準の-物に昇華している犯人は、生地と色味がたまたま生み出した突然変異。 どちらから先に書けばいいやら。 では、先ずは、生地から。 このジャケットは張りのあるナイロンシェルと、ロンTみたいな薄手スムースの組み合わさりです。 スムースが裏地ね。 これらの素材それぞれは至って普通のありふれた素材でしょう。 この組み合わさり自体も、それこそNikeなんかのスポーツウェアではよく見かけますよね。 ただ、この両素材がお互いに無い要素を的確に補い合っている事に気が付かされました。 ナイロンシェルの一枚仕立てだと、誰でも想像の付く無愛想なあの質感です。 70-80'sのアメリカ古着に散らばってる、例のシャカシャカ。 ただの裏地として採用したスムースが、ナイロン一枚地には絶対出せない柔らかなニュアンスを足してくれている。 その結果、ナイロンシェル+スムースという「生地の実験デザイン」みたいな着地になっている。 裏地としてスムースを宛てがっているから気付かなかったけど、これを例えば重ねて一枚の生地として使ったら全く新しいニュアンスの生地になるでしょう? これはmid2000'sのC.P.Companyのテーラードジャケットに設計された生地選定に感動したからこそ感じたニュアンスだと思います。 そのCPのジャケットは、コットンナイロンのアウターシェルの中綿としてコットンのネル生地を差し込んでいました。 そのネル生地の膨らみのおかげで、製品染めで仕上げられたジャケットにデザインとして入るパッカリングが強調されていたんです。 それを見て、ああ、中綿として作られた物以外を中綿にしてもいいんだ、と感激したんです。 ※別件で、昔のオーセンティックなテーラードジャケットの仕立てでもネル生地を芯材として用いる発想は存在していますね。 このNikeのジャケットの生地に感じたニュアンスもそんな感じです。 硬い感じのナイロンなんだけど、その奥に柔らかなニュアンスが重なってる違和感。 逆も然りです。 これはロンTみたいなスムースが、ナイロン級の張り感無しでは成し得ない構築的なシルエットを獲得する物語でもあるんです。 スムースで作るウインドブレーカーなんて、きっとヘニャヘニャです。 それを狙うなら良いけど、そこから先の新感覚には進めないでしょう。 その先は表地として使われたナイロンシェルがあるからこそ、そしてそれと組み合わさるからこそ辿り着けるのです。 さあ、そしてカラーリング。 これが決め手になったと思います。 よくあるスポーティなカラーリングでこの生地選びをしていても、私はこの生地の組み合わさりの素晴らしさに気付けなかったのでしょう。 今回のニュートラルなコバルトブルーは、Nikeとか、スポーツウェアとか、そうした所謂ステレオタイプに付き纏う様々な印象を一旦フラットに消音してくれた。 “ミュートカラー”とでも呼んでみます。 その結果、このNikeは等身大以上のNikeになったと思います。 これは作った人が狙った効果ではないと思います。 だから今回に関しては、生地の「組み合わせ」ではなく「組み合わさり」と言っています。 あくまで解釈の域を出ませんし、それで良いのです。 楽しむのは作った人ではなく受け取る人、我々です。 あまり再現性の無いピックアップですが、この服はとても良いです。 Made in Malaysia サイズ表記L 肩幅:56 身幅:67 着丈:80 袖丈:62 右ポケット端にホツレあり、 全体にも所々薄汚れ散ってます。
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c90's WORLD WIDE LOVE! Destroy Damaged Design Tee
¥8,500
WWL!のオールド個体です。 Zipperとか読んでた方なら覚えがありますよね。 青文字系という言葉が定着した頃のステレオタイプな「原宿系」ではなく、音楽をインスピレーションソースに、ちょっとデカダンな服作りをしていた初期の個体。 この服に限らず、なんか日本のファッション全般に関してですが、ある頃から要素や表現の全てに【括弧】が付いて、とってもコマーシャル的になりましたよね。 (文章の話じゃないですよ) どうせY2Kの悪用業者がこのレーベルにも欺瞞に満ちた修辞を沢山くっ付けると思うので僕は特別熱心にアーカイブする気は無いのですが、その中でファッション的に眺めてカッコよかった。そんなTeeです。 音楽に詳しくないのでこのグラフィックが誰なのか分かりませんが、なんとなく言いたいことは伝わります。 なので多分、ネックラインや背中に入ったナチュラルかつド派手なダメージも、全てデザインなのでしょう。 妙な信頼感があります。 グラフィックの下に置かれたオレンジ色のテキストは掠れて読めません。 裾と袖口のステッチは全て天地ミシン。 オーセンティックです。 残酷な話をするとブランドタグ取った方が値段が付きそうな服です。 でも絶対取っちゃ駄目。 ボロい服だからって汚い世界に放り込んでいい訳じゃない。 Made in - サイズ表記3 肩幅:48 身幅:54 着丈:64 袖丈:20
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80-e90's CHLOE (EURO) Cashmere_Touch Wrap SK
¥32,500
80-e90'sのクロエ、フランスオリジナルの個体。 フランスの良い服で見かける、デカいタグが付く規格のやつです。 勿体無いことにそのタグは切られていますが、この生地に触れた瞬間、その理由も少し分かってしまいました。 多分、超が付くほどの特級カシミヤ。 滅茶苦茶ヌメヌメした最高のタッチ。 これ履いてたら腰の後ろで大きなタグがガサゴソ擦れてるの、鬱陶しくなっちゃうのでしょうね。 さて、こうしたストレートな“良い生地”、品格のあるタータンチェック、そしてフリンジエッジ……とくれば、デザインの道筋としてはマフラーがリファレンスにあるだろうとは察しが届くところ。 巻きスカートという構造デザイン的にも、マフラー及びブランケットを腰巻きにしちゃうような、奔放な発想からの転換だと思うのです。 物事の様式に必要以上に囚われず、軽快に慣例を無視出来るような女性像。 そして、そこに恐らくイメージの出発点を同じくするであろう要素が、ウエストのボタンデザイン。 ギャルっぽいラインストーン仕様。 ここが意外っちゃ意外だったんですよね。 究極を極める素材選びと、勇敢なまでにキッチュなディテール選定。 これってステラやフィービーがやりそう……というイメージがあったから。 でも彼女達よりも前の時期の個体でこのディレクションがあったという事実は、ラインストーンという記号の印象、並びにクロエというメゾンに流れるイメージの解像度を、より正確に捉える一助となりました。 ちなみにこのピンクベージュのネームタグのオールド個体(2000以降のものとは別)は、91年/M.SitbonのChloeにおける晩年の個体で確認されています。(Sitbon期の前半では黒文字のまま) 以降、Lagerfeldが二度目の就任を果たした時代も継続してピンクページュが使われていました(いつまでかは不明)ので、その辺りの個体だと思います。 故に多分Sitbon期か二度目のLagerfeld期なんですが、どちらの作品かは不明なまま。 正直どちらも作りそうじゃないですか。 前述したDNAの解像度が上がれば、こういう時にランウェイの同定以外でシーズンがパッと推測出来るそうになるのでしょうね。 Made in FRANCE サイズ表記- ウエスト:64 レングス:58 (フリンジ12含)
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1989s INN PLNTATION in I.M.I.I. 4-Panels Soft Jersey Flared SK
¥22,000
スウェットパンツの感覚で履く「スウェット・スカート」のご提案です。 もっと正確に、自分のニュアンスに忠実に表現するなら、これは「スウェットパンツ・スカート」なのです。 生地はスウェットではなく薄手のウールジャージーです。 重要なのは「スウェット感」ではなく「スウェットパンツ感」。 伝わりますよね。 つまり「だらしなさ」です。 レストランでもスウェットパンツを履く手合いは例外として、ドレッシーなテイストとは真逆の、TPOを選ぶ洋服。 シッカリ感と引き換えに、圧倒的な快適性を獲得した洋服。 アレを敢えてファッションに取り入れ新しいバランスメイクを図る時、その型紙がスカートになるだけで、その新感覚開拓は更に奥地へ辿り着くでしょう。 ・スウェットパンツのラフさ ・スカートの抜け感 この双方を一着で叶えてくれる個体です。 シャツやテーラードジャケットのカッチリ感の中和、近似ニット素材とのアンサンブル・バランス、夏場のTeeスタイルでのリズム変化、活躍するシチュエーションは無数に浮かびます。 今回幾つか用意していた中、こちらは4枚セクションのロング丈個体。 色は使い易いストーン・グレー。 グレーのスウェットパンツと同じ感覚で履ける、最もトライし易い個体でもあります。 こんなの、プランテーションから出ているべき服でありましょう? Made in JAPAN サイズ表記M ウエスト:50-74 レングス:79 蹴回し:268
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1988's PLNTATION in I.M.I.I. Asymmetry Drape Soft-Jersey SK
¥22,000
アシンメトリーに製図された変形スカート。 色味は彩度の落ちたダークネイビー。 平置きにするとその異質な型紙が見えてきます。 右サイドは普通。 左サイドは異様に増幅されたフレアドレープ。 この左サイドだけ丈も少し長い。 よく見ると、この左サイドだけがサイドシーム無しの丸胴仕様ですね。 このように恣意的にアシンメトリーを設計した一枚布を、ウエストギャザーで無理矢理円筒状にした構成。 右サイドのサイドシームにポケットこそありますが、どこを前にしても成立するユニバーサル・デザイン。 ドレープ部分を後ろにしてフィッシュテールにしたって可愛いでしょう。 なんなら前後逆にして左右のポケットとドレープを入れ替えたって構わない。 こうした「着る側の遊び心が入る余白」、こうした部分も極めてイッセイミヤケらしいポイントです。 これも、スウェットパンツの感覚で履く「スウェット・スカート」のとしての提案ですね。 もっと正確に、自分のニュアンスに忠実に表現するなら、これは「スウェットパンツ・スカート」なのです。 生地はスウェットではなく薄手のウールジャージーです。 重要なのは「スウェット感」ではなく「スウェットパンツ感」。 伝わりますよね。 つまり「だらしなさ」です。 レストランでもスウェットパンツを履く手合いは例外として、ドレッシーなテイストとは真逆の、TPOを選ぶ洋服。 シッカリ感と引き換えに、圧倒的な快適性を獲得した洋服。 アレを敢えてファッションに取り入れ新しいバランスメイクを図る時、その型紙がスカートになるだけで、その新感覚開拓は更に奥地へ辿り着くでしょう。 ・スウェットパンツのラフさ ・スカートの抜け感 この双方を一着で叶えてくれる個体です。 シャツやテーラードジャケットのカッチリ感の中和、近似ニット素材とのアンサンブル・バランス、夏場のTeeスタイルでのリズム変化、活躍するシチュエーションは無数に浮かびます。 この個体なんかは、夏場に欲しくなるネイビーショーツみたいな枠。 真夏はポロシャツのカッチリ感を中和したり、春秋はちょっと大きめのアウターと合わせてバランスのギャップを楽しんでみたり。 レディースは、これに変な色のタイツ合わせてネイビーのMA-1とか可愛いと思います。 Made in JAPAN サイズ表記M ウエスト:54-72 レングス:58
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1988's PLNTATION in I.M.I.I. Asymmetry Drape Soft-Jersey SK
¥22,000
アシンメトリーに製図された変形スカート。 色味は普通のグレー。 御影石みたいな、軽くてフラットなグレー。 この個体は同タイミングで出すネイビー個体の色違いです。 型紙がとってもユニーク。 右サイドは普通。 左サイドは異様に増幅されたフレアドレープ。 この左サイドだけ丈も少し長い。 よく見ると、この左サイドだけがサイドシーム無しの丸胴仕様ですね。 このように恣意的にアシンメトリーを設計した一枚布を、ウエストギャザーで無理矢理円筒状にした構成。 右サイドのサイドシームにポケットこそありますが、どこを前にしても成立するユニバーサル・デザイン。 ドレープ部分を後ろにしてフィッシュテールにしたって可愛いでしょう。 なんなら前後逆にして左右のポケットとドレープを入れ替えたって構わない。 こうした「着る側の遊び心が入る余白」、こうした部分も極めてイッセイミヤケらしいポイントです。 これも、スウェットパンツの感覚で履く「スウェット・スカート」のとしての提案です。 もっと正確に、自分のニュアンスに忠実に表現するなら、これは「スウェットパンツ・スカート」なのです。 生地はスウェットではなく薄手のウールジャージーです。 重要なのは「スウェット感」ではなく「スウェットパンツ感」。 伝わりますよね。 つまり「だらしなさ」です。 レストランでもスウェットパンツを履く手合いは例外として、ドレッシーなテイストとは真逆の、TPOを選ぶ洋服。 シッカリ感と引き換えに、圧倒的な快適性を獲得した洋服。 アレを敢えてファッションに取り入れ新しいバランスメイクを図る時、その型紙がスカートになるだけで、その新感覚開拓は更に奥地へ辿り着くでしょう。 ・スウェットパンツのラフさ ・スカートの抜け感 この双方を一着で叶えてくれる個体です。 シャツやテーラードジャケットのカッチリ感の中和、近似ニット素材とのアンサンブル・バランス、夏場のTeeスタイルでのリズム変化、活躍するシチュエーションは無数に浮かびます。 この個体は色味、丈感、スウェット・スカートとしての異質さ、全てが完璧だと思います。 黄色い服と合わせたい。 これは是非ユニセックスで、全ての人に検討して欲しい。 Made in JAPAN サイズ表記M ウエスト:56-74 レングス:56
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UNKNOWN Handwork Full_Beads Fringe Headdress
¥18,000
出自不明、大変な手数で作られたヘッドドレスです。 多分ちょっと古いものです。 全くの勘ですが90-00'sくらい? チャリチャリと長く靡いたビーズフリンジ、レイヤードしても厚みの出ない控えめなボリューム感。 前髪部分は短くて、そこ以外はかなりのロングレングス。 是非、既存のヘッドピースとのレイヤードもお楽しみください。 普通のキャップやビーニーが一気に化けます。 エクステとは違うワクワク。 出会った時は、恐らく材質由来であろう表面加水分解でベトベトしてましたが、綺麗に復活させました。 今は手触りも衛生面も心配なく、綺麗なコンディション。 素材は発色させるパーツを外からクリアレジンで包んだようなビーズパーツです。 これが金属や木材で出来てると、そりゃ可愛いけどシンプルに痛いんですよね。 この個体の素材選定はとても良いです、普通に不快感無く使える優しい素材。 普通に水洗い可能ですので、レイヤードがダルくなる夏場にも安心して扱えます。 ちなみに 誰でも取り入れられるアイテムではないよな、とも思います。一定以上のパッションというか、ちょっと振り切ったマインドが要りますよね。 でも人それぞれ心地良いバランス?みたいなものがありますから、このテンション感を心地良いと思う人は是非トライしてみてください。
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c90's ALAIN MANOUKIAN Layers_Knitting Flared SK
¥12,500
アラン・マヌキャンの黄金期。 70年代から静かに始まったフランス系アルメニア人のキャリアは、80年代後半から90年代にかけて全盛を迎えます。 豊かで淑やかで機知に富んでいる、現代のハイファッションが復興せんとするクオリティを真っ向勝負で作り続けたフレンチレーベル。 日本での知名度はあまりありません。 このレーベルは歴史を動かすゲームチェンジャーではなかったから。 既存のファッションを揺るがしに赴いた日本人デザイナー達と相対した「既存」側の美意識。 ハイファッションにおける「クオリティ」の部分を担った誉れ高きコンサバティブ。 明るいベージュ、均整の取れた美しいニットスカート。 長くもなく短くもない、使い易い丈感。 リブ編みと平編みをセクションで編み変えたフィット&フレアのシルエットメイク。 腰回りがコンパクトにフィットするのでアクセサリーベルトとの相性が良いってのも、今嬉しいポイント。 裏地インナーとして極薄のナイロンジャージーが仕込まれているので肌触りも非常に快適。 カルテのスタイリングでも多用しましたが、中々汎用性が高いです。 Made in FRANCE サイズ表記42 ウエスト:56-65 レングス:50 ブランドタグの一箇所に縫い外れあり
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J.P. GAULTIER FEMME Pop-Up Cable-Knit Design Alpaca KN
¥39,000
「Gaultierと言えば」で思い浮かぶものが沢山あります。 すごい事ですよね。 どれかに絞れないほど其々が薄い、という訳ではなく、どれもが並のレーベルなら充分にアイコンたり得るレベルであり、それが幾つもあるのです……。 そのうちの一つとして挙げて異論は無いでしょう。 マリンボーダーです。 モードの世界で誰が一番ボーダーを使ったか、語らずともご存知のことと思います。 海を象徴するバスクシャツの柄は、GAULTIER氏のファッションの原点。 このセーターでは、フランス西岸のビスケー湾ともう一つ、英国の海洋文化もデザインエッセンスとして取り入れられていますね。 フロントに入ったケーブル模様、これはアイルランド西側アラン諸島に端を発します。 漁師が着るためのフィッシャーマンニット、そこに豊漁や安全の祈願と個人判別のための独自の網柄をあしらう尊き文化。 海を象徴するこのデザインをインスピレーションに、ではその「縄」模様を更に拡張解釈してみよう、と実際に洋服という平面から拡張させたデザイン。 とても複雑な編み方(大雑把でごめんなさいね)によって、フロントのケーブル模様から実際にケーブルが生えています。 ちょうど首に一巻き、ゆるっとストールとして使える程度。 外の文化を引用してるのに、着地点は滅茶苦茶フレンチ・シック。 発想はアヴァンギャルドなのに工程は至極ロジカルであり、着地点はあくまで日常の延長線上にある。 デザインが巧過ぎるんじゃなかろうか。 素材は意外なチョイス、アルパカ100%です。 軽くて弾力があって、カシミヤとは別軸でウットリしちゃう手触り。 これは首に巻きたくもなる……。 Made in CHINA サイズ表記40 肩幅:39 身幅:42 着丈:68 袖丈:63 伸縮性あり
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DRIES VAN NOTEN Cache-Coeur System Navy Hoodie
¥24,000
SOLD OUT
cache-coeur これでカシュクール、と読みます。フランス語です。 カシュは - 隠す/覆い隠す など クールは - 胸/心 など 直訳すると、胸を隠す(服)……となります。 全然、当アイテムの説明として用を成していませんよね。 だって大体のトップスが胸を隠す服ですもの。 逆に胸隠してないトップスなんてある?というのがぶっちゃけの気持ち。 さて実際のところは、今回のフーディのようフロントに深い打ち合わせを重ねて閉じたトップスを指します。 そうそう、それこそダブルブレストのジャケットと近い感覚です。 でもね、ダブルブレストのジャケットと決定的に違うのは、「裾まで真っ直ぐ突っ切る」ってトコロ。 袈裟懸けのような斜めのラインを、裾までストレートに落とし切るのです。 ダブルのジャケットは、途中で(第一ボタンを留めたら)地面と垂直な縦線になるでしょう。 そうじゃないのがカシュクールです。 カシュクールは、キャミソールくらいの最軽量トップスからセーター、ベストやジャケット類まで、様々なアイテムカテゴリに並立し得るカテゴリ概念です。 カシュクールタイプのセーターとか、カシュクールタイプのキャミソールとか、そんな言い方になります。 で、パーカーでカシュクール ってのが極めて異例。 やっと本題。 ノースリーブパーカーの少年性みたいなニュアンスと、カシュクールが持つ強烈な女性性のミックス。 この服をカシュクールとして見た時も、パーカーとして見た時も、それぞれ全く新しいニュアンスを体感出来ます。 このデザインの肝はカンガルーポケットでしょう。 これがある事で「普通のパーカー感」が宿る。 そして「普通のパーカー感」が強まるほど、そこに異分子として混ぜられるカシュクール・システムの存在は異様な光り方をする。 例えばこれが華奢なシルク・クレープで作られてたら全く違う印象になったはず。 (Valentinoとかが作りそうですね) でもこの生地は普通のスウェット生地。 見慣れたカジュアルウェアの雛型を踏んでいるからこそのワクワクする違和感。 既存の「どれ」でもない、多くの他者が決めた枠組みから抜け出す気持ちよさ。 これこそ、デザイナーズを愛する楽しさです。 サイズ的にもデザイン的にも、どんな方にもおすすめ出来る服です。 タイト過ぎると良さが消えてしまいますから、多少のゆとりが生まれそうなら是非トライしてみてください。 Made in Turkey サイズ表記S 肩幅:45 身幅:54 着丈:59
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c80's GIORGIO ARMANI Chalk_Stripe_Woven Unique Collar SH
¥18,000
ニュートラルなグレーの薄手フランネル。 ウールとコットンの半々。 コットンが良い仕事してます。柔らかくて素朴な空気感。 これを一枚バサっと広げて仕立てるシンプルなシャツ。 少しゆとりを持たせたフィッティングと、気の利いたディテールアイデア。 アルマーニはここが素晴らしいですよね。 誰でも手に取りやすいシンプリシティを前提に置いてる。 これ見よがしな「作り込んだ“感”」を前に出さない。 そして、シンプルなだけでは満足しない数寄者をも満足させる「小さくて異質なアイデア」を何処かに忍ばせる。 このシャツの場合は襟先。比較的分かりやすい例ですね。 「襟ってこうも作れたんだよな」って気付かせてくれるデザイン。 ボタンと誠実に向き合うと、ボタンダウンカラーのボタンに対しての襟身のあり方って、寧ろこの方が誠実なんじゃないか?とさえ思います。 この方がボタンに対して真っ直ぐですよね……。 この1ディテールを知ることでツリー状に広がるアイデアがある筈。 表面的な作り込みじゃなく、脳内アイデアの時点で丁寧に練られてる。 だからデコレーションに頼らず、デザインそのものに“話の筋”を通して美しいミニマルを作れる。 古いけど古臭くならない、流石のデザイン強度です。 Made in ITALY サイズ表記- 肩幅:47 身幅:53 着丈:76 袖丈:62 全体的に薄汚れあり ボディに斜行あり 古いので、何卒ご容赦…。
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80-90's MISS DEANNA Oversized Full_Pattern Soft Cotton KN
¥27,500
デフォルメされた動物と高山植物っぽい内容のニッティング・グラフィック。 何の動物なのか、何の花なのか、流石に私には解明付きませんが、この解像度の低さもまた魅力としてどうか御笑納ください。 手仕事の性質が強い“編み物”に感じる情緒がロービットの電子画面でいつか出会ったそれに似ているというのは皮肉なものですけれどね。 フロントに明るいベージュ、サイドパートにダークトーンのメランジ、という譜割り。 ジャケットを羽織った時に見えるツラと、一枚で着た時のツラで大きくギャップがあります。 二面性バンザイ。 余談ですがこのセクション分け、和彫に似てますよね。(和彫/胸割りで検索してみて) 可愛いモチーフ選んでるから薄まってるけど、骨組みには結構アブない香りもします。 編み手は皆様ご存知 MISS DEANNAです。 メインタグが取れているのでデザイナーは不明です。 ただ、十中八九 KRIZIA UOMOだと思います。 動物も自然も大好きですし、メンズにこうしたゆるいフィッティングのニットを着せるのが大好きでしたし。 ネックラインや袖口の太幅リブ編みなんてのもKRIZIA UOMOらしさの一つですが、これは同時代のKENZOやDRIESも共通して好んでいたディテールですね。 DEANNAはKENZOのニットも手掛けていたので、ここは判断材料として100%ではない。 素材はコットンベースにリネンとレーヨンのミックス。 コットン46%リネン27%レーヨン27%です。最高。 この柔らかくも気持ち良い重さが保たれた快い質感、最早数値だけでも伝わるものがありませんか。 後ろ身の柄デザインもまた可愛いですから、脱いで肩にひょいっと掛ける時も大変サマになる。 2wayだなんて言いませんが、意図的にどちらか選ぶというより、適当に掛けた時どっちが表になっても可愛いよねって感じ。 体型の良い方もちゃんとゆるく着られる、春夏に向けた質の良いリラクシング・ニットウェアです。 Made in ITALY サイズ表記L 肩幅:63 身幅:71 着丈:72 袖丈:63 裄丈:96
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2021F/W LOEWE by J.W.ANDERSON Any-Dimensions Line/Panel Design Cardigan
¥72,500
北アイルランドのスター、JW Andersonが積み重ねてきた仕事の一欠片。 2020's という時代をアーカイブするなら、先ず外して語れないのはコロナ時代でしょう。 「デザイナーズヴィンテージ」という意味で「アーカイブ」を使っている子達にこそ読んで欲しい。 今これを読んでいる人は全員当事者ですからよくご存知のことと思います。 明確に世界が変わった瞬間でした。 しかし鬱屈を鬱屈のままとせず、新しい形態のエンターテイメントや新しい価値観が生まれ、社会そのものに期せずして強力な選択圧が働いた時代でしたね。 ファッションはどう変わったのか。 作り手/受け手の数だけ定義がありますから一概に括ることは難しいのですが、アンダーソンのファンタジーは市民権を得たアンサーのひとつです。 LOEWEという世界指折りのハイメゾンを舞台に、飛び切りアヴァンギャルドな実験を繰り広げたクリエイション。 洋服という立体(3D)の中に平面性を強調したスクエアパーツ(2D)をドッキング。 編み柄(2D)で作ったカラーラインは立体のニットコードとしてテキスタイルを飛び出し(3D)自由に揺れ踊っています。 このシーズンは各国の新聞を使って発表されたこともキーセンテンスでしょう。 皆が平面の中でコレクションを見る時代に、これらのディテールデザインは「ページ」と「栞」にしか見えません。 もっと誇張する方法もあったでしょうに、日常服への溶け込ませ方、そのバランス感覚は圧巻です。 アーカイブってのも、言っちゃえば栞を挟む行為ですね。 毎日毎秒のように膨れ上がるファッションの歴史、その中で個人個人が「これは!」と思う箇所に栞を挟むのです。 それは時に着用であり、時に所有であり、時に紹介であり、時に記録であるのです。 災禍によって強く可視化された様々な鬱屈、それが綺麗に曇りなく晴れた人には必要無いのかもしれませんが、彼がコレクションに込めたファッションによるセラピー効果は、人間がAIではなく人間であるうちは、ずっと有効なのではありませんか。 Made in ITALY サイズ表記XS 肩幅:38 身幅:41 着丈:72 袖丈:67
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90-00's MURPHY&NYE Industrial Pale_Blue Utility Design Work PT
¥14,000
SOLD OUT
私も私服で愛用してるレトロなセーリングウェアレーベル。 MURPHY&NYE のワークパンツ。 マーフィー&ナイと読みます。 色味がとても良いですね。 観光地のビーチみたいな、突き抜ける水色。 そんな情緒と同時に、それがシステマチックなディテール構成でワークパンツに組み立てられることで発生するインダストリアルな制服感。 これもまた面白いですよね。 工場って意外とこんな色味の制服採用しがちですものね。 どっちのムードを拾っていただいても良いと思います。 逆に言えば、どっちも行けるってのは滅茶苦茶アドバンテージです。 マリーナムードを拾って夏に美しい色味のカーゴエッセンスを映えさせるのも正解。 インダストリアルムードを拾って冬に重たいアウターに合わせて色味でアクセント付けるのだって正解。 やや軽めのコットンですから、本当広い季節で使えます。 コンディションは概ね良好ですが、右足後ろに軽微な汚れが見られます。 お気になさらない方へ。 Made in - サイズ表記36 ウエスト:88 ワタリ:35 股上:28 股下:82 裾幅:21
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1980's BUSO UOMO Crazy_Cutting Design White JKT
¥45,000
80年代DCの中でも飛び切りマイナーなレーベル「ブソー」のジャケット。 情報は殆どありません、歴史が伝説し切れなかった宝石です。 アシンメトリーフロントと完璧なバランスのハイネック、そして奇天烈なポケットデザイン。 80's Bomber JKTとしてのボディバランス/素材選定、その完成度もさることながら、やっぱりポケットの面白さに目が奪われてしまう。 右身はいい。問題は左身です。 ポケットが縦に長い。 長さ以外は普通(?)の下向きペンタゴン(インバーテッドプリーツ入り)で、上と横腹とで二つ入り口がある。 これは実際のところ、上からの入り口は真ん中くらいで底が縫われていたり、袋布で底が作られていたりするんだろうなと思っていました。 でも違いました。 長いポケットの遠き底まで、ちゃんと全部ポケットでした。 井戸みたい。井戸ポケットと名付けましょうか?この服以外で使うこと殆ど無いと思うけど。 何入れれば良いんでしょうね。 水筒入れても重過ぎてシルエット崩れちゃう。 空になったペットボトルとかでしょうか。ゴミ箱に出会うまでの間の手空けになりますね。 まぁ、その辺の心配は野暮ですか。お好きに何かしら、入れたりしてください。 生地はホワイトのコットンドリル。 経年と共に乾いて/草臥れて、滅茶苦茶格好よくなってます。 襟周り、多少の汚れは残りましたが、古さの割に比較的良好なコンディション。 Made in JAPAN サイズ表記Free 肩幅:58 身幅:70 着丈:63 袖丈:53 裄丈:84
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2000H A.P.C. Mao-Collar Sleeveless Knit JKT
¥27,000
SOLD OUT
2000年の冬。良い時代のAPC。 その変わり種。 ニット仕立てのマオカラージャケット。 そのノースリーブ仕様。 いや珍しい。こんな服無いです。 APCがこんな派手な隙間撃ちをやるなんてのが少し意外です。(派手な隙間撃ちって変な日本語ですね) 禁欲的なエアリーグレー。 チロリアンテイストと、その凹凸を均すようなミニマルな削ぎ落とし。 目の詰まった端正なウールニット。 もう、RIERっぽさを感じずにはいられない。 確かに今欲しいと思わされる服ですが、多分これは個人の気分も時代の気分も無視して、ずっと良い服。 これは西暦2000年という、社会にとって重大な過渡期、そのムードに晒されて尚レーベルのアイデンティティを強く掴んで離さなかったからこそ獲得し得たエターナリティでしょう。 ついでに季節も問わない。(流石に真夏は暑いけど) パーツ端の密な太幅トリミングやボタン選定に至るまで、Jean Touitouの審美眼が最高まで研ぎ澄まされた仕事です。 Made in ITALY サイズ表記1 肩幅:40 身幅:52 着丈:63
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c2010's BIKKEMBERGS Back Graphic Transparent Windbreaker
¥30,000
トランスペアレント・ウェア。 透明な服。 装飾感覚としてそれを手掛けてしまうと味が濃くなり過ぎて扱いにやや困るのですが、こうしてウインドブレーカーとしてそれ(透明服)をやってくれると、ある程度の用途的必然性が根差してくれるので触れやすい。 その上で、我々は勝手に装飾感覚で使うのです。 そこが何というか、ファッションにおける大切な感覚だと思います。 最初から「ファッションですよ!どうぞ!」って感じで出されちゃうとちょっと……って感覚。 なのでこのビッケンバーグは、アントワープで輝いていた『Dirk Bikkembergs』としてではなく、カルチョに傾倒して自分の作ったユニフォームを着せるためサッカーチームまで買収しちゃうイカれたフリークの運動着として紹介したいのです。 背面には椰子の木と端正な若者のポートレート。 畢竟、眩しき若さへのオマージュなのだと思います。 肉体よ若々しくあれ、青年よ潑剌たれ。 そのマインドに乗せるには、色も生地も、既存の全てが重苦しいのだ、と。 Made in CHINA サイズ表記48 肩幅:47 身幅:59 着丈:69 袖丈:67
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2000's COSMIC WONDER JEANS Un_Stitches White Switched JKT
¥25,000
現代美術家 前田征紀氏が主宰するレーベル、Cosmic Wonderより、Gジャンを独自のシステムで作り替えたジャケット。 元ネタのアウトラインのみをなぞり、ポケットフラップの役割を剥奪して切替線へと変換。 そこに準ずるVラインも切り替え構造に変換。 また、その際の各シームにおいて、ステッチは無し。 フロントヨークにすらステッチが入らない。 Gジャンというワークウェアの象徴を引用していながらワークウェアに最も大切なステッチを撤廃。 意味の転換です。 まるでこの世ではないところから、例えばGジャンが誕生しなかった別の並行世界からやってきた人の作る服みたい。 フロントボタンは全て比翼仕立てのスナップボタン。 だからオモテからは見えないはずなんですが、やっぱり金属と布ですからね。少しずつ布に癖が付いてボタンの輪郭が浮き出てきています。 ここはワークウェアに生じる経年の美しさ、そこと材料を同じくしているように感じます。 内タグにも手仕事による加工が入っている旨が。 このタグよりもう一発古い時代のCosmicは更に加工技術を前面に出していましたし、意外とUSED加工に強烈な個性を持つレーベルなんですよ。 今回のジャケットは現在の神秘的なレーベルディレクションとは幾分違う、地に足のついたサンプリング・デザインが多かった時代(過渡期)の作品でありまして、それら両要素を良い意味で両取りしている雰囲気がとても好きです。 Made in JAPAN サイズ表記3 肩幅:40 身幅:45.5 着丈:62 袖丈:59 メンズ規格ですが細いです。 この時代のCosmicは細いのです。 レディースにもお薦めです。
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late80-90's JOSEPH HOMME TRICOT Dry_Touch Linen×Viscose Knit Vest
¥48,000
有機的で高潔なホワイトテクスチャ。 無垢であるホワイトの美しさと、それが経年によって変わりゆくことの情緒、その美しさ。 それら両方を肯定するデザインです。 カリッと乾きゆくリネンと、柔らかさによって快適なクオリティを下支えするヴィスコース。 気を衒うことのない朴訥な編み地やだらしなく垂れるポケットエッジが可愛いですね。 同時期のDriesやKenzoにも通ずる優しさ。 端正である事を是とするなら全然完璧な服ではないんだけれど、それをデザイナーズとして態々目指して作ってるって部分はあまりに異様。 早過ぎると思います。 「気持ち良く着れる服って良いよね」のノリで選んで良い服です。 でも、そのノリで選ぶなら他にも色々良い服はあります。 これじゃなきゃ満足出来ないと思ってからで良いと思います。 あんまり詳しく言語化出来ないんで、これは良かったら実物見にいらしてください。 極論、触らなくてもいいです。画面じゃなくて生の眼で見るだけで違うはず。 Made in ENGLAND サイズ表記1 肩幅:42 身幅:52 着丈:63
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c80's JIMMY TAVERNITI Waist-Gathered White Fleece Top
¥36,000
軽いフリースで作られた簡単なプルオーバー。 スウェットよりも更にイージーに、パパッと被れる服です。 裄丈で丁度袖口を合わせる設計の意図的ドロップショルダーと中途半端なモックネックの組み合わせ。 徹底的にゆるい。 ハイネックが苦手な方でもこれは無理なく楽しめるでしょう。 最近はフリースを上手く取り扱っていきたい気分です。 フロントには弱々しいコントラストでT☆SNOWと印字されています。 なんか、こうして文語で書くとどうも馬鹿みたいですね。 TV☆SHOWみたいな馬鹿っぽさがある。良い意味で。 ウエストのギャザーシステムが良い感じ。 白フリースの単調な雰囲気を巧みに面白くブラッシュアップしてくれています。 TAVERNITIはこういう簡単な服にも丁度良いアイデア捩じ込んできますね……。 ギャザーシステムの裏面は同色コットンの丈夫な綾テープ貼り。 ヤワヤワなツラ構えなんですが、見えないところはピシッとしてるのカッコ良いです。 裾リブが無いデザインなのでギャザー寄せずにストンと落としても良いですし、スウェットっぽく着たい時はドローコードを締めてブラウジングさせましょう。 非常に実用性の高い2Wayデザインです。 Made in ITALY サイズ表記XL 肩幅:66 身幅:66 着丈:71 袖丈:53 裄丈:87
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UNKNOWN Beads×Crochet Knitting Ex_Long Stole
¥12,500
SOLD OUT
ノーブランドのナローストール。 僕はクロスナーのDVNに憧れてこんなのが欲しくなってます。 (実際一つ似たものを自分用にゲットした) 淡いスカイブルーのクロシェニットに、眩く輝くビーズの編み込みです。 煌びやかなビーズアクセサリは纏いたいけれど、一気にビーズをジャラジャラ重ねていくのはまだハードルが……という時、これくらいのバランスのアイテムは最高です。 フリースとかスウェットとかデニムとか、White~Blueのグラデーションの中に異素材としてキラリと差し込んでいただくと素敵ですよ。 フリンジが長いのもキャラに合ってて最高です。 男女問わず、何方でも。 サイズ:206×6
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HUGO BOSS (Y2K) Utility-Design Comfort Tailored JKT
¥39,000
レーヨンを40%混ぜたコットンドリル。 オーガニックだけれどしなやか、カジュアル×テクノロジカルのテキスタイル。 この生地に纏わる印象がそのまま服の印象として完成されています。 「カジュアル×テクノロジカル」、ハイファッションにおけるY2Kエッセンスを最大量(HUGO BOSS社比)配合したディレクション。 ファッションは社会の鏡と言います。 従来の重苦しいハードウェアから脱却して様々なガジェットがポータブル化した時代、その様相をこの上無く忠実に映写した洋服ではありませんか。 フロントは軽快なスナップボタンとファスナーの二重構成。 コンパクトなポータブルガジェット専用に追加された3Dポケットとフラップテープ。 こんなの嬉しいですよね。今じゃ根本的に生まれない用途デザイン。 このポケットは“ポケット本体”の他に、補強パーツが内側に追加されています。 これは所謂“ポケット底面”の追加。 ポケットに入れる予定のガジェットを支え切れるよう、非常に良く練られた設計です。 従来の「テーラードジャケット」及び「裏地」では、新時代のポータブルガジェットを、ポータブル性に基づいて持ち運ぶことが難しいのです。まぁまぁ重いし、テーラードジャケットの仕立ては繊細だから。 それを丁寧に解決する、画期的かつロジカルなディテールメイク。 これぞ「デザイン」という感があります。 さぁ、そのポケットから伸びるフラップテープをウエスト裏面の補強ラインにも転用。 ここで追加されたウエストラインにポケットのベルトを通すことで、3Dポケットにかかる荷重を少しずつでもジャケット全体に分散させようとしています。 思考が行き届いている。 果てはフロントファスナーのテープエッジを隠すための保護テープも同じカラーリングのテープ。 ボリュームが違うから同じ物の転用ではありませんね、わざわざテープ巾にもバリエーションを設けて用意したということです。 果ては……なんて言いましたが、まだ奥があった。 袖口。袖口が本切羽になっていまして、そのボタンが比翼仕立てのスナップボタン。 このボタン端にも前述のカラーテープが配されていますね。 ここに保護は必要無いので完全なるアクセント・アクセサリの感覚でしょう。 テクノロジカルで近未来的なフューチャリズムとBOSSが貫いてきた本格的なテーラリングの邂逅、これらはジャケットのアウトライン、一つもステッチを表に出さない美意識によって表現されます。 新時代への期待感と、旧時代まで受け継がれた美意識、そのどちらも捨てずに混ぜ切った、素晴らしい一着です。 Made in ITALY LAMPO_Zip サイズ表記 52(Gr)/42R(Us) 肩幅:49 身幅:58 着丈:78 袖丈:68 襟後ろに微かな汚れあり
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03A/W IDIOM by HIROSHI FUJIWARA Sportive Modified Aran_Knit Hoodie
¥27,000
藤原ヒロシ氏によるiDiomの初期個体。 漁師のために編まれたアランニットを叩き台に、現代的なアクティブフーディに作り替えたデザイン。 異要素同士の組み合わせで全く新しい効果を開拓する編集型デザイン……こう書くと、現代のメンズウェアの典型とも言えそうですが、やはりこの方の視点は早かった。 ルーツは面白くて魅力的ながらもファッション的には重苦しいアランニット。 これを如何にすれば最大限にソフィスティケート出来るか、その最善手がどんな物か、この人のデザインは最善手のひとつとして挙げて良い筈です。 ハーフジップのニットフーディへの転換。 それも、アームホール底の脇下パートに大きな一枚ガゼットを嵌め込んで。 ニットで出来てるんだからある程度ストレッチも効くだろうに、更に腕の可動域を拡張させるカッティング。 やはり自身もプレイヤーとしてゲレンデウェアと向き合う作り手ですから、何処にどう機能があれば良いのか正確に捉えられているのでしょう。 サイズ感はかなり小さめ。 デザインとして小さくされてるってよりは、若干縮んでるような気がします。裏地との寸法差的に。 アランニットなんだから、最初から縮めて完成させて、販売以降は縮まないようにしといて欲しかったぜ。 ただ、それを差し置いてもやっぱりカッコ良いし、小さめのフーディなんて正に今欲しい服ですから、仕方無い。 Made in - サイズ表記M 身幅:51 着丈:59 裄丈:81
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c90's ERMENEGILDO ZEGNA Nallow-Pitch Cable Knitting Cardigan
¥16,000
ゼニアのヨッティング・ラインより、Vゾーン浅めのカーディガン。 組成不明ですが、多分ウールかな? 厚過ぎず薄過ぎずの、中庸なボリューム感。 この服はポコポコした編み地が可愛いですね。 拡大してよく見ると、かなり細めのピッチで並べられたケーブル編み。 遠目に見るとリブ編みに見紛うくらい。 それこそ、ひっくり返した裏面はリブ編みみたいな表情。 そして、ボタンやボタンホール設置のためにわざわざ前立てを設けていないのがお分かりになりますか。 現代のカーディガンと言えば、なんだかんだ前立てを作って、身頃の輪郭をしっかり示すのが一般的です。 しかしこのデザインはそれを選ばない。 細縄のふわっとしたニュアンスをこそ、最大限前に出す。 圧の無い、ナチュラルで柔らかい空気感。 この服はこの色でこそ作られるべきですよね。 デザインの各工程全てに一貫した筋が通ってる。 ちなみに!この前端の裏面には共生地で編み立てた細巾ニットテープが配置されてて、前立てパーツにおける最低限の実用性はちゃっかり担保してる。 作りが良いってこういう所です。 この時代のゼニアのLなので結構大きめ。 ゆるく着ても安っぽくならない、良い服です。 Made in ITALY サイズ表記L 肩幅:60 身幅:70 着丈:71 袖丈:60
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