洋服解読所
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L90's M. OSTI PRODUCTION Classic_Shape Chesterfield CO
¥55,000
この人のデザインにしては大人しくって このレーベルだからこその変なテキスタイル。 これはOstiのオールドレンジを集めている人に向けた提案でもなければ、現代テックを求める人へでも、オーセンティックなドレスエッセンスを求める人へでもない。 前提、服として強くて、しかし誰っぽくもない、デザイナーズなのか60-70年代のミドルヴィンテージなのかも分からない、ふわふわした匿名性を求める誰かへのスペシャル。 結論から言うと 「化繊でウールフラノを作ろうとした感じ」の生地。 甘撚りのボサっとした糸で変な組成に織られた、見たことの無い生地。 サージかと思えば綾目はジグザグに見えるし、ホップサックみたいな素朴な情緒すら感じる。 質の悪いウールかと思いきや、中身はポリ×レーヨンに3%のエラスタン。 ほんまに?? ストレッチが効く訳でもなく、表面にコーティングも感じない。 恐らく紡糸段階で糸に絡めたりしてるんじゃないかな。 多分全部の捻りが功を奏してるんでしょうか、至って普通の見た目なのに触った瞬間全く新しい感覚を想起させる仕上がりになってます。 これで仕立てるのが超オーセンティックなチェスターコートというのがまた。 つまりはこの生地の特性を浮き彫りにする狙いがあるのでしょうね。 しっかり肩から胸のエリアを硬めのパッドや裄綿などの芯材で構築的に固めて、端正に縫製。 60年代前後のイギリスモノみたいな美しさと、同時代のアメリカモノの野暮ったさが共存するバランス。 静謐と技巧を7:3で混ぜ合わせて作るミニマルなメンズ・オーセンティック。 これは何でしょうか。 そう、これはOstiの目に映っていたY2Kです。 マトリックスの世界観から少し彩度を抜き取って乾燥させたような空気。 多分97年の個体。 97年の発表なのか、97年に作って98年の発表なのかは不明。 Made in ITALY サイズ表記50 肩幅:48 身幅:60 着丈:105 袖丈:66 綺麗なコンディションですが背中心下部(ベントの辺り)に若干の色焼けありです。
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2005A/W C.P. COMPANY Seem_Puckering Design Casual Tailored
¥25,000
プンゲッティになってからのC.P.より、派手にパッカリングしまくったテーラード。 今はやっぱりテーラードジャケット、及び何かしらのドレスエッセンスって気になるんですが、いざ早速ダブルブレストのセットアップに肩パッドを入れて……ってのも些かハードルを感じるんです。聞いてるか?ヴァカレロ、僕も早くそっちに行きたいとは思っているのだけれど。 そんな訳で、少し崩しの入った個体を今年は探しています。照れ隠し、と言っちゃえばそうですね。 そんな眼鏡で見ていくと、この時代のCPは素敵な個体が多くあります。 テキスタイルへの挑戦的なアプローチこそ通ずるものの、Ostiのクリエイションとは結構畑が違うので別物として捉え直していきたいカテゴリ。 さてこのジャケットは、ガッツリ製品染めをして随所のシームでパッカリング遊びをしているデザインですね。 縫代を袖裏と同じ華奢な素材で丁寧にパイピングして、そのパイピング縫代を容赦無く叩き縫い。 折角綺麗にくるんだのに! で、この叩き縫いでシーム増やしてパッカリングの視覚効果を更に増幅させてるんです。 あざといぞ。 で、ここまではプンゲッティ系のジャケットの頻出コードというか、誰でも書くことでしょう。AIでも。 僕の話はここから。 このジャケットは裏無し仕立てなんですが、正確には裏が無い訳ではないのです。 というのも、このジャケットは2枚の表地でコットンフランネル(中綿役)を挟んだ計3枚の布を、恰も1枚のテキスタイルであるかのように取り扱っているのです。 ーー表地(コットン×ナイロン) ーー中綿(コットンフランネル) ーー表地(コットン×ナイロン) このような順番ですね。 極薄シンサレートを挟む感じの生地設計と似てます。 先ず思いますよね。「縫製大変そう〜!」「え、待ってこの3枚を纏めてパイピングってこと?」「それをこんな綺麗に?」「え、手で?手よな?」って。 全部そうです。 そしてその成果物ってのが「パッカリングギャザーの立体感」です。 薄い布一枚をパッカリングさせるのと、中に極薄でも中綿挟んでパッカリングさせるのとでは膨らみ方に明確な差が出ます。 で、そこでポリエステル系のシンサレートとか使っちゃうと不安定だったりするんでしょうかね。ナイロン諸共染める製品染めをやるってなると。 そこで生まれたのが品質管理と絶妙なボリューム感、双方を完璧に叶えるコットンフランネルの中綿使いという天才的なアイデア。 本当にニクいです。その手があったか!の最高例。 エクスクラメーションマークを幾つ付けても足りない。 ただ凄いことやってるんじゃないの。 凄いことやって、それがそれによってのみ辿り着ける強烈な魅力にちゃんと繋がってるから凄いの。 しかもピースやんか。 Made in ITALY サイズ表記50 肩幅:45 身幅:55 着丈:74 袖丈:64
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90's DIRK BIKKEMBERGS Chemical_Shells Solid_Cut Tailored JK
¥24,000
90年代後期のビッケンバーグ。 直線性を強調したウェルトポケットや、角を落とさない前端のカット、この辺りは同時代のアイコンとも言えるユニークポイントですね。 このウェルトポケットを起点にウエストダーツを途中で終わらせ取り込むL字のラインメイクは見た目にもテクニカル。 そのウエストダーツを始め、後ろ肩にも入れられたダーツの始点にはご丁寧にバータックが入るんですが、このバータックが斜め向いてるのも大好きなディテールです。 生地はコットンベースにタクテルとレジンを混ぜたユニークなテキスタイル。 タクテルってのは、とあるナイロンの商標名です。 日本でもキュプラのことをベンベルグ(旭化成の開発したキュプラ)といって商標名で表記したりするでしょう、あの感じ。 このタクテルは普通のナイロンよりも軽くて丈夫、そしてシルクみたいに滑らか、とのことです。 コットンがメインなので味付け程度の効果ですが、新世紀に完成される振り切ったスポーツスタイルへの憧憬も仄かに感じられますね。 ビッケンバーグらしいストイックなシルエットメイクとディテールデザイン、そして新時代に向かうアクティブ/テクニカルな素材使い。 そこにこのカラーリング。 軍人のお父様をもつビッケンバーグにとってこのオリーブドラブという色も特別な意味を持ちましょう。 同時代のビタミンカラーアイテムやスポーツに振り切った新世紀のビッケンバーグも そのイデアを紹介するに足る素晴らしいアイテムですが、このジャケットもその1ページです。 半裏の軽快な仕立て。 近いムードだと、JIL SANDERやOsti退任後のCPでも似たような都会的なテーラードに出会えますね。 その辺りのカジュアルテーラード、今季の主役と見てます。 この個体はその中でも一歩切り込んでソリッドなカットを炸裂させたデザインです。 細身のニットウェアを中に挟んでノータックのソリッドなスラックス、なんて合わせが綺麗かな。 Made in ITALY サイズ表記M 肩幅:43 身幅:53 着丈:76.5 袖丈:64
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1980's ZIP&CO (ITALY) Green×White Lightweight Sailing JKT
¥25,000
同時代のハイカジュアルを席巻していたメジャーレーベルの一つ「ZIP」より、鮮やかなグリーンが目に眩しい軽やかなセーリングジャケット。 これぞイタリアン・レトロカジュアルのド真ん中。 綺麗なアップルグリーンのコットンボディに軽快なホワイトステッチ。 このレンジのアイコンディテールでもある収納式フードは、フードを仕舞い込んでもその膨らみが襟裏のロゴプリントを強調してくれるナイスデザイン。 ポケットデザインもテクニカル。 両腰のフラップはジップで内側に収納可能。 つまり、ジップポケットのパターンとスナップ式フラップポケットのパターンの2waysデザイン。 動作の多い日はジップパターン、可愛くしたい日はフラップパターン、なんて使い分けが出来ます。 そして僕のイチオシポイントはウエストのドローコード。 こういうドローコードって絞った後プラプラ邪魔でしょう。 このコードの先端にはアジャスターに加えてレザータブ(合皮かも?)が付いてて、そこにスナップボタンの受けパーツ。 よく見るとドローコードの入り口付近にそのスナップボタンの片割れが居るではありませんか。 そう、プラプラ邪魔なコードはここにパチっと留め置ける仕様。 ここも大変クレバーで好きなディテールアイデアです。 船上では不要なディテール一つが怪我や事故に繋がります、シビアな環境から生まれた機能美。 そして、これもまたいろんな服と綺麗な噛み合い方をする色です。 わざわざ同レンジのスウェットやシャツを揃えずとも、既にお手持ちのブラックやベージュ、デニムのインディゴなんかの色と良い色彩効果を作ってくれましょう。 真冬使いにはやや薄いコットン、しかも裏無しの軽やかな個体なので真冬の登用には工夫が要るかも。 ボディはかなりルーズなので、色々挟んでアレンジをお楽しみください。 Made in - サイズ表記S 肩幅:56 身幅:65 着丈:75 袖丈:60
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c80's ITALY VINTAGE Turquoise Blue Retro Marina JKT
¥27,000
ターコイズブルーにクリムゾンレッドの完璧な配色。 流石80年代イタリーのレトロカジュアル。 色遊びの気持ち良いところが大体存在する。 「それこっちでやろうとしてたのに」 って話でもある。 同時代のエネルギーピースともバチっと合いますし、この色ってベージュやブラウンなんかのベーシックカラーとも良く合う色でもある。 なので無理に似たようなテイスト揃えなくても可愛いスタイリング作りやすいです。 レーベル名は不明。 33 STORES ってのがレーベル名かな? この時代のマイナーレーベルは普遍的な文字の羅列が多くって説明なのか名前なのか判別がつきません。 LAMPO使ってるものの、Made in ITALY ではなく Styled in ITALYなのでイタリア製造ではないのでしょう。 ちょっと小賢しい。 でも確かに絶対的なスタイルはあるから別に文句は無い。 中にセーターやスウェット挟めるだけのルーズなボディバランス。 華奢に流して落ち感楽しむのも良さそう。 ちなみにフード収納式の大型スタンドカラーですが、これはフード出さなくとも ちゃんとクリムゾンレッド部分が顔出しているのでどんなシチュエーションでも綺麗な配色は完成してくれます。 ここの収納機構も気の利いた仕様が設計されているんですが、それはまぁ実際お手に取っていただいた時にでも…。 Made in - LAMPO Zip サイズ表記L 肩幅:55 身幅:68 着丈:71 袖丈:63
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1980's IL MERCINARIO (IT) Ex Wide-Body Soft SW
¥15,000
引用- ウィスラー山の最初のヨーロッパ名はロンドン山でした。これは、谷間に低地の霧が発生し、その地域に鉱山があったことに由来しています。 観光客が増え、スキーリゾートが開発されるにつれ、山の名前を変えたいと考えるようになりました。そして、笛の音に目を向けました。山を散策していると、高山の高所から笛のような音が聞こえてきました。しかし、その音はどこから聞こえてくるのでしょうか?木々を吹き抜ける風の音でしょうか、それとも地元の住民の音でしょうか? この鳴き声は、高山地帯を生息地とする数少ない哺乳類の一種、ホワイリーマーモットの鳴き声です。彼らはこの甲高い鳴き声で、仲間に危険を知らせます。この独特の鳴き声から、ウィスラーという地名が生まれました。 -The Whistler Insiderより ホイッスルみたいに鳴くマーモットがカナダの山の名前になっちゃったよ〜ってお話。 で、それをイタリアのスウェットでモチーフに使ってるってお話。 作り手は80's イタリーのマイナーカジュアル IL MERCENARIO です。 イタリア語です。 直訳すると 豹/ジャガー。 この名前はイタリア/スペイン/アメリカの3カ国合同で撮影/制作されたマカロニ・ウエスタン(映画のカテゴリの名前ね)からの引用。 傭兵の映画です。 どうです、もうゴッチャゴチャでしょう。 カナダのマーモットのスウェットがイタリアで作られてて、そのレーベルがジャガーで、それがマカロニで、イタリアとスペインとアメリカの合作?傭兵なの? これこれ、この良い意味での軽薄さ。 これがこの時代の魅力です。 あまりに地に足が付いていなさ過ぎる。 どうしようも無くファッション的。 この適当さを象徴するように、裾も袖口もさっぱり締める気ゼロのストレートカット。 ルーツは意味不明で、ビジュアルの可愛さだけが確か。 出鱈目にカラフルな濃霧の中、ファッション感覚だけを頼りにいざ進むのです。 Made in ITALY サイズ表記XL 肩幅:67 身幅:76 着丈:68 袖丈:49 裄丈:85 滅茶苦茶良いサイズでしょう。 ベスカンだとここまで大きい個体がなかなか出てこない。
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c1980's CARHARTT Hip_Open Cutting Easy Jumpsuit
¥27,000
古いカーハートのジャンプスーツ。 ロンTeeとスウェットの中間くらいの生地。 【真っ赤なジャンプスーツ】って難しいですよね、スタイリングに取り入れるのが。 物としては可愛いんですけどね。 カズレーザ○ かよってツッコミはもう聞き飽きていますが、あのフルレッドのスタイリングも強かなブランディングであり、その知性に気付いてくれる人と幸せになれるのであれば、このツッコミの意味や受け取り方も少し変わってくるかな。 さて、だからって別に全身赤を推奨しようとしてる訳ではありません。 多分、全身赤にはならないから。 というのも、これは上からのレイヤードを前提に作られている洋服です。 これはまだヒートテックとか存在しなかった時代、労働着のインナーとして採用された「ユニオンスーツ」。 この上からスウェットとかジャケットとかを重ねる前提の服です。 後述するディテールも、遊び心ではなく全てこの前提に即した用途のデザイン。 故にここから何かしらレイヤードして、このジャンプスーツ内の好きなポイントを部分的に活かしていくのがこの服の使い道だと思います。 いや普通に一枚で着てレーザー撃つのも良いですけどね。 -- ヘンリーネックのデコルテが股部分まで延長されてる。 このビジュアルだけでも新鮮な違和感。 左胸に付いてるロゴが醸し出す“ヘンリーネックTee作るよね感”が良い仕事してる。 カーハートだからヘンリーネックTeeとか幾らでもあるんだけど、だからこそ、その前提が裏切りを強調してくれてます。 これがデザイナーズだと“こう”はならない。 そして図抜けて深い股上。 モードになんて目もくれない、しかし結局極めてモードに映るサルエルシルエット。 そして股部分のモッタリしたボリュームを裾でキュッと受け止める裾リブ。 ここは昔のスキーパンツみたいな過激なシルエット。 この股部分の後ろがこの服の大トロ。 トイレの時のために開閉出来ます。 ここだけ深く、ダブルブレストみたいに打ち合わせが設けられていて、そこをボタン(たった一つ!)で開閉する仕様。 普通に一枚で着てても中身が見えることはありませんが、どうも些か頼りない離れ技ですよね。 これはふざけてるんじゃなく、インナーとしての設計に基づきます。 色々着込んでる1番内側、ここが開いてないとしたら一旦全部脱がなきゃいけないんですよ。 でもここが開いてると、諸々のレイヤードを一切脱がずに便座に座れるんです。 発明です。 ファッションとしてではなく実用性に傅いたデザイン。 ワークウェアの煌めきを喰らえ! 可愛いコートやテーラードジャケットで合わせるのが可愛いでしょうか。 ゆるくて面白い服です、楽しく攻めていきましょう。 Made in USA サイズ表記XL 肩幅:52 身幅:51 袖丈:57 ウエスト:98 ワタリ:30 股上:36 股下:75 裾幅:10(リブ) 総丈:156 軽い汚れちらほら
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1987's PLANTATION in ISSEY MIYAKE Metal Hooks Design Loose Jeans
¥36,000
最近アイスウォッシュのデニムが好きです。 普通501合わせるようなところに、80's ITALYの捻ったユニークピースを代替するのなんて良いなと思います。 このプランテーションを良いと思ったポイントも大体同じような理由。 これがモンタナから出てても、フェレから出てても、ジルボーから出てても、アルマーニから出てても、さして不思議は無いし、きっと同じように飛びついたでしょう。 しかしながら、これを作ったのがプランテーション、延いてはイッセイミヤケ社だと感じさせてくれるポイントがあります。 テキスタイルです。 完全にアイスウォッシュデニムの様相を呈してはいますが、これ正確にはデニムではない。 デニム風のキャンバスです。平織り。 だからデニムを始めとしたサージ全般よりもノッペリ平面的。 綾畝に由来する生地肌の陰影が乏しいんですね。 裏表どっちもフラット。ベタシャンみたいな風合い。 淡い色なのに着古し感の少ないこの雰囲気、とても今っぽいと思います。 もう一個、ディテールデザインの切れ味。 これでしょ。 見た事ない形状のメタルホック。 メタルホックというか、メタルトグルか?縫い目に捩じ込むように嵌め込まれた金属パーツ。 丈夫な生地と丈夫な縫製あってこそですね。 さぁ、しかし付属なんてのは用意出来たらしまいです。 1番ヤバいのはこのポケット構造の作り方。 拝み合わせた2タック、つまりインバーテッドプリーツを先ず畳み、そのプリーツの内側にポケットを隠す。 次に各プリーツの山折り部分にメタルトグルを捩じ込んでプリーツの中にポケットを閉じ籠める。 ヒップシェイプのクセ取りを兼ねつつ、トグルシステムの開閉し易さにも寄与する構造。 ジーンズのコードをある程度踏襲しつつ、スラックスみたいなゆとりを作ってジーンズとは一線を画すシルエットを設計。 冒頭で触れたような80年代に隆盛を誇ったデザイナーズからも面白いユニークデニムは沢山出ていますが、そこに放り込んでも十二分に戦えるキレキレのデザイン。 極め付け、ここまでやってるけど全ての要素が確かに「PLANTATION」に由来する。 ここが本当に凄い。 Made in JAPAN サイズ表記M ウエスト:70 ワタリ:38 股上:28 股下:79 裾幅:16
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90-2000's BYBLOS Funky Monky Design White Leathes Belt
¥15,000
なんか妙なタイトル付けちゃいました、でもこれはファンキーモンキーでしょう?仕方無いと思います。 レイアップみたいな姿勢のグリーンモンキー。 ゴールデンエッグスみたいなカクカクの絵柄。 で、股間に星。 動物なんだから別に隠さなくていいのに。 なんならイラストだから描かなくていいのに。 でもそこを態々「隠す」を選ぶってことは恥ずかしいものとして認識しているということ。 こんな話があります。 「くまのプーさん」、ご存知ですよね。 プーさんって上だけ服着てるでしょう。 服着るってことは身体を隠す意識があるということ、だのに下は履いていない。半裸は半裸でも下裸。 これが倫理(?)的に不適切として子供の遊び場での掲載を禁止されたことがあるんです。(ポーランド) このサルもそうです。 隠しは入ってるものの、意思を持って全裸を選んでる。 そんな訳でファンキーモンキーです。 哀れなオナガザルよ……。 何も皮肉は入っていません。 イタリアの古豪Byblosによるファニーピース。 折角サルなんだからBapeのデニムとか合わせるのも可愛いのでしょうか。 Made in ITALY サイズ表記44 ウエスト:76-86 ベルト巾:3.9 レングス:99
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c80's J.C.de CASTELBAJAC Modified Leopard Oversized Knit Stole
¥19,000
絶妙なドヤ顔でこっち見てる豹。 その顔でこっち見んな。 と思いきや、この豹はスカーフの端をぐるりと囲み、対角線で尻尾をこちらに擡げているじゃありませんか。 そうかお前は、狂乱の時代の犠牲になって、無惨にも絨毯に変えられてしまったのか……。 こっち見んなとか言ってごめんよ。 そんな時代もありましたね。 そしてこのジャカードニットストールは実際のところ全部ウール、またはそれに類する素材で作られているため悲観する必要はそんなにありません。 可哀想な豹はいなかった。そうだね? え、ジャカードニットでジャガーデザイン……?ジャガードってこと? さて絨毯の真ん中には筆記体で何やらごちゃっと書かれていますね。 これは Jean Charles de Castelbajac と読みます。 ジャン・シャルル・ド・カステルバジャック です。 リピラフタミー。 カステルバジャックの本名。 そしてこの字体は80年代以前のタグでのみ見られたオールドサイン。 90年代の筆記体とはまた少し違うんですよ。 分かる人にだけ分かる、コアな服好きのためのロゴアイテム。 ジャカードニットの裏面もまた地味なダークブラウンの豹柄になってて可愛いですね。 裏表ヒラヒラと靡かせながら、このサイズ感を活かして楽しみたい一枚。 フードみたいに頭に巻いたり、ショールみたいに羽織ったり、ミニテーブルに敷いてみたり。 あとは見えてほしくない段ボールに被せてみたり。 サイズ 125×125
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c90's LEATHER TECHNICS (U.K.) Cut_Out Graphic Design Leather Bomber
¥42,500
UKのレザーウェアレーベルの作るボマージャケット。 全体にバランス良く強いシボの寄ったボディ。 ここまで激しい革肌だと鱗と見紛うレベル。 さてそんなハードな印象に反してクオリティは程良く柔らか。 前オーナーが良い感じに着古して馴染ませてくれたのもあると思う。 LamattaやRuffoみたいなイタリアン・ラグジュアリーほどトロトロではなく、しかしハーレーに一緒に乗ってくれるほどハードボイルドでもない、カジュアルとヘビーデューティの天秤。 その上で、サイズ感がとっても良い。 フライトジャケットより若干コンパクト。 表記がXSなんですが、XSってほど小さい訳ではない。 さて、このジャケットはシルエットと素材感が織り成す全体のムードバランスが素晴らしいけど、肝心な背中のグラフィックも素晴らしい。 ローライダー風味の、横柄なカービジュアル。 これ刺繍で入ってると思いきや、全部「切り絵」です。 グラフィック&テキストを線画にして切り取り、そこに別色のレザーパーツを嵌め込む造作。 ニットで言うインターシャみたいなことをレザークラフトでやってる。 凝った仕事! アウトロー未満/ハイファッション未満。 ヤンキーでもブルジョワでもない。 既存の「レザージャケット」に付き纏うコードから解き放たれた上で自由にクオリティを突き詰められたデザイン。 モノとして素晴らしいうえ、色んな角度のカッコ良いコーディネートも目に浮かぶ、良いジャケットです。 Made in ENGLAND サイズ表記XS 肩幅:56 身幅:63 着丈:62 袖丈:56.5 このレーベルはV&Aにもバリエーションが収蔵されています。 このレーベルだからアーカイブした……ってよりは同時代のUKストリートシーンを(比較的)分かりやすく観測する個体としてのピックアップだと思います。 しかしそれらパンキッシュな装飾が後付けであったとしても、既に型紙の段階からかなり幅広いレザージャケットを作っていたことが窺い知れますね。
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c80's EURO VINTAGE Yellow Switched Suede Leather JKT
¥45,000
ヨーロッパ製、名も無き(レーベル名見当たらない)レザージャケット。 今や弾けた絶世の好景気が物語る通り、現代ではなかなか手の届かないレベルの素材を集成して仕立てられた1着。 最早レーベル名も要らないくらい、トロリ柔らかな革質が全てを語ってくれましょう。 淡いイエローと軽やかなライトベージュの切替ボディは、まるで穏やかな日の海のよう、ゆるく不規則なカーブでの線取り。 フリーハンドか? また、フロントは第一ボタンを設けずに最初からオープンカラーのみを想定した潔い製図。 そんな意匠を存分に活かすべく、ムートンボアの付け襟が綺麗な状態で残っています。 淡いトーンのリズムの中、綺麗に全体を引き締めるブラウンのムートン。 ここまで絵に描いていたなら、「第一ボタンを閉じればフルボタンに……」なんて往生際の悪いデザインもしませんよね。 冬でも陽気に朗らかに、楽しそうな顔して(実際楽しくても/そうでなくてもね)お洒落する人のための服。 いくらこの時代とは言え、こんな素敵な配色で……となれば、クオリティに目を瞑って探したって如何にも出会えない。 そんな中での奇跡的な白眉。 イタリアン・レトロカジュアルのスウェットも、こんなレザージャケット合わせなら最高に楽しいでしょうね。 綺麗に残った裏地のキルティング仕様もとってもユニークです。 ここは着用者様のお楽しみ。 全箇所が見どころ。 Made in - サイズ表記50 肩幅:58 身幅:60 着丈:78 袖丈:59
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80's BARBAS (Org.) Ex_Soft Shrink Leather Flat_Hem Blouson
¥50,000
SOLD OUT
およそ80年代頃のBarbasより、凄まじいクオリティのレザーで仕立てられたカジュアルジャケット。 これは日本企業に買われる前、アルマーニ社に先んじて洒脱なイタリアンモードをデザインしていたオリジナル・レンジ。 このレーベルは70年代前半は、コンサル時代のジョルジオがデザイン提供をしていました。 78年以降(75年以降とも)では、弊店でも縁ある限りご紹介している日本人デザイナー、GIULIANO FUJIWARAの藤原嘉章 氏がデザインを担当。 これは彼の前職であるVAN社を退社した後から、ご本人のシグネチャーレーベルを立ち上げるまでの約10年間のこと。 何年までが氏の創作か、までは断定が出来ないのですが、この情報だけが日本でなかなか伝説されていなくって。ようやく辿り着きました。 本品は、Giorgioのデザインだと言われてもFujiwaraによるデザインだと言われても、どちらにも納得出来る仕上がり。 徹底的に柔らかく鞣されたシボ革を使ってのミニマルなブルゾン。 ヨーク切替を挟まず一枚革で裁断されたボディは、襟と袖口でフライトジャケット風にリブニットを使っているものの、ボディの裾はリブ無しのミニマムな仕様。 ここの仕様を統一せずに分けているのがニクい。 袖リブの強烈なキックバックは、極上クオリティのレザーをまるで布のように振舞わせる。 対して、裾でリブを使わずに小綺麗にストンと落とす仕様は全体のビジュアルイメージを一気に洗練させる。 この裾部分がリブじゃないだけで一気にデザイナーズ感が強烈に香ります。 それも、派手なシルエットメイクの勢いに頼らない、上品に修練された風格となって。 ボマージャケットにして、トロリと落としてドレープ……! って方向性とは違うよ、というのがお察しいただけますか。 それを決定付けるのが、薄めながらも確かに構築された肩パッド。 テーラードジャケットほどの緊張感を持たせる訳ではありませんが、ボマーみたいなカジュアル100%のシルエットメイクも指向していない。 ジャケットとブルゾンの狭間、両アイテムの美点を巧みに抽出して折衷された、オールドレンジに在るまじき完成度を誇る一作です。 シャツ&タイのスタイリングに羽織るブルゾン、アレってギャップがあり過ぎると、良くも悪くも嘘臭くなりますよね。 あんなスタイリングにこそ目掛けてデザインされたジャケットなのではないか、と私は感じています。 良い仕事。 メンズ服における良い仕事って、こんなのです。 Made in ITALY サイズ表記44 肩幅:52 身幅:57 着丈:71 袖丈:60
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80-90's GRANVALTA (IT) Fur Lining Technical-Cut Mouton JKT
¥46,000
イタリアのレザーメーカーによる無冠の創作。 推定40歳は超えていましょう、好景気とはこうだと黙して語る圧巻のクオリティ。 表地のスウェードの柔らかさは、そのまま裏地のファーセクションの柔らかさと直結。 これだけのクオリティを裏に隠しておける余裕とは、如何程のものでしょうか。 それは、そうだな、品質表示タグをレザーで作るレベル……、それも、カットとプリントでレザーベルトのトロンプルイユを交えて、って部分で少しは垣間見えましょう。 多くの市民権を得て久しいB-3というフライトジャケットがありますよね。 ポジションとしてはあの感覚で着ていただけるメインアウターです。 軽快なショート丈、ルーズなボディバランス、そして頼もしい高さのある立ち襟をベルトで縛れる仕様。 こんなボリューミーでありながらもドルマン調子の袖設計が生むドレープは一切のぎこちなさを伴わない。 トロリ優美に、マシュマロのよう柔らかく撓む。 何方にも瞬きせずに御推奨出来るクオリティですが、例のアレに飽きていれば尚更輝かしく映るはずです。 Made in ITALY サイズ表記48 身幅(裾幅):51 着丈:64 裄丈:86 *ドルマンのため身巾位置が定まらず、一番細い裾位置での身幅を計っています。 -- このデザインで、後発の後追いでなく、しかもメンズプロダクト、というのは言うまでもなく稀少です。 着用モデル:168cm
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c90's AGNES B. White Piping Design Cotton KN
¥27,000
アニエスベーの真っ黒コットンニット。 ここらしいベーシックなボディバランスでのタートルネック。 締め付け過ぎないタートルネックと、タートルネックだからって身巾を細くし過ぎないバランス感覚。 とても使いやすいニットです。 ニットの質感も程良いですよね。 前提としてチクチクしないタッチで、コットンならではの絶妙な枯れ感。 コットンの何が良いって、黒が柔らかくなるんですよね。 不本意にハイファッションになってしまうことが無い。 パリの街に馴染む、良いチョイス。 アニエスの場合、もうそれだけで充分。 でもこの個体は、というか、カルテでわざわざ選ぶなら、この素晴らしいクオリティになります。 (気安い日常服はうちの仕事ではないのです) インサイドアウトの縫代を白いコットンテープでパイピングして構造線を強烈に可視化したデザイン。 ミニマルながら強烈なビジュアルインパクト。 脱構築の系譜と、根本に流れるフレンチ・シックの取り合わせ。 このセンスはマルタン・マルジェラのそれ。 こんな素晴らしい個体が今回、メインラインとHommeラインで各一着ずつご用意出来ました。 大切なパートナーとお揃いで、なんて野暮なお薦めの仕方は小恥ずかしくて躊躇ってしまいますが、どうぞ皆様のお好きなように……。 Hommeの方はホワイトテープの先を切り揃えず未処理の垂れ流し。ここも非常に可愛い。 恐らくメインラインの方の個体も同じデザインで、誰かが後から切ったのかなと推測しています。 ホワイトテープ部分に少し汚れの残る部分もあります、ご留意ください。 [HOMME] Made in FRANCE サイズ表記2 肩幅:47 身幅:53 着丈:58 袖丈:60 [FEMME] Made in FRANCE サイズ表記3 肩幅:45 身幅:48 着丈:49 袖丈:61
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1990's PAUL SMITH (ENGLAND) Fancy Tweed Fringe_Hem Jumper
¥35,000
古いポールスミスにて展開されていたYネックジャンパー。 これは90年代のUK個体。 一見ニットウェアに見えましょうけれど、その実これはツイード。 それも、朴訥も質素も彼方へ置き去りにした、創意に満ち満ちたスーパーファンシーツイード。 ツイードと一言で纏めるには余りにもカオティックに暴れた造作。 糸の太さはランダム、経糸のピッチもまたランダム。 それこそ毛糸みたいなふわふわの糸も使われてて、それとギュッと詰まった糸のミックスなんかは禍々しいまでの迫力を得ています。 これはツイードってより裂織りって言葉の方がイメージ付きやすいような。 さて組成の内容は Wool47%-Silk40%-Nylon13% という感じ。 ウールが基盤になっていますが結構シルクを多用してるのが目に付きますね。 多分経糸で多用されているちょい細の糸がそれでしょうか。 オートクチュールやスカーフで使われるサテンとは全然違う、粗野で力強いシルク。 多分ノイルシルクとかそっち系を使っているのでしょう。 既存の「高級感キラキラ」みたいなそれとは全く違った温もりのあるテクスチャ。 このしなやかな経糸でふわふわの緯糸をギシッと締め上げている感じ。 そしてツイードの端をこんな風にフレイドヘムにしてしまう仕上げなんて、服好きの夢じゃありませんか。 (ニューシャネルでマチューが炸裂させていましたね) よりにもよってこんなにも贅沢に手の込んだツイードでやってくるんだからポールスミス万歳。万歳参照。参照してください。 ツイードへのこうした強気なアプローチってのは、-アイコン的に使ってきたシャネルは例外として、-英国の伝統への造詣と、それを軽やかにツイストしていくポールスミスにこそ相応しい手法ではないでしょうか。 こんな見た目ですがシルクのおかげか、そもそもウールの質が良いのか、全然チクチクしない柔らかな生地です。 ニットじゃない代わりに伸縮性はあまり無いので着用時はご注意ください。 Made in ENGLAND サイズ表記M 肩幅:51 身幅:61 着丈:72 袖丈:62 裄丈:90
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e90's PAUL SMITH (JP) Fringe Design Ex_Short Body Jumper
¥35,000
mid90's以前のポールスミス、これは日本ライセンスレンジの個体です。 本国オリジナルでも展開されていたYネックシリーズのバリエーションピース。 先ず申し置きます。これは日本企画ではあるものの、もう片方のスペシャルツイードと同じ価格をつけています。 シャツのタイドアップスタイルと全く新しくも麗しいマッチングを見せるYネックの設計、度を超えて過激なショート×ワイドのボディバランス、そしてド派手なフリンジデザイン。 もうどこを見たって満点オーバー。 例えばボディバランスなんて、63cmの身幅に対して着丈が51cmしか無い。 リメイク使ってでも無理やり実現させる人がいるくらいには気持ち良いバランス。 勿論全箇所無傷のオリジナル個体です。 ボディとなるニットの風合いも良い。 ブラックから半拍ズラしたような、ダークグレーからダークブラウン周辺のローコントラスト・グラデーション。 そしてそれが豊かに映えるナチュラルなコットン100%という組成選定。 そしてその糸を全部使ったロングフリンジ、そのポジショニングまで攻めっ気抜群。 モッサモサです。 これポールスミスって分かる人いないでしょう。 こんな飛ばしたデザイン-しかし一切ハイプに落ちることの無いナチュラルテイストのままで-がオールド・ポールスミスから出てくること自体とっても嬉しいことですし、 ファッションの楽しさみたいな部分を強烈に想起させられました。 弊店ありがたいことに“そういう服”との出会いが少なくありません。 “そういうアウター”で冬の予定をデコレーションしたらば、次はこうしたゴキゲンなミドルレイヤー。 90'sのナチュラルテイストに、普通のコットンニット感覚で普通〜にプラスしてください。 Made in JAPAN サイズ表記L 肩幅:57 身幅:63 着丈:51 袖丈:54 裄丈:85
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FARIDEH (U.K.) Super-Soft Leather Jumper
¥32,500
90年代前後のUK古着。 これまたサッパリ知らないレーベルです。 なんでこのクオリティで作ってたレーベルが無名なのか? すっかり訝しんでしまうだけの素晴らしい一着。 これボディが全てリアルレザーで作られています。 恐らくラムでしょう、薄くてトロトロに柔らかなレザーで仕立てられた大迫力のドルマンスリーブバランス。 肩先に一切角度を付けない直線的な肩線。 これが80sマダムレンジになると、変に肩先に丸みを付けてナチュラルなドレープを邪魔してくるでしょう。 アレ結局あんまり好きじゃない。こういう柔らかい服では特に。 ちなみにドルマン振った大仰なパターンなんですが実はしっかりアームホールは設計されていて、シビアに定義するならドルマンスリーブとはまた違うのです。 さてイッセイミヤケみたいなスーパードレープの次は手首と裾のキュッと締まるテーパードリブ。 ここでキッチリとテーパードを回収するからこそ豊かなドレープも柔らかな弧を描いてくれるというもの。 こんな柔らかなレザーでもストレッチ性に富んでいる訳ではありませんから、タートルネック部分はリブニット。 しかしこの ともすれば妥協みたいに映る切り替え選定も、大型Vネックの切り替えをデザインすることで一転してクールなビジュアルとして完成。 圧巻の革質とキレキレのデザインセンス。 Ruffoが誰かしら招聘してデザインさせたようなクオリティでしょう? 首元のリブニットに若干の小傷がありますが本品の価値を毀損する程度ではありません。 一応ご留意ください。 Made in ENGLAND サイズ表記M 肩幅:55 身幅:72 着丈:66 袖丈:62
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1996A/W STONE ISLAND Shiny-Line Switched Chunky Knit Polo
¥42,500
96年の秋冬、つまりは95年に発表された個体なのでギリギリ本人が携わっているかな、という範囲。 羽襟の先っちょにボタンとボタンホールを設けたニットポロ。 ここを留めて折返す、即席タートルネックみたいな着方が可愛い。 あと普通のチャンキーニットくらいのボリュームがあるのにニットポロ、という仕様選定も可愛い。 普通ニットポロってシャツの代わりみたいなポジショニングになるけれど、これは明確にセーター。 この中にシャツを挟んだって良いし代わりに、この上からテーラードジャケットみたいな細身の服は重ねられない。 つまり一枚、またはルーズボディのブルゾンとの合わせに特化したセーター。 海みたいな綺麗な青にアクセントとして光るのは、極めて淡いトーンのミントグリーンのボーダー。 マリンっぽい雰囲気。 ここのボーダーの糸だけボディの糸よりふわっと毛羽立ってて神秘的な感じ。 そしてこの淡いミントグリーンの中に隠すように特大ウインドローズの刺繍。 左腕にワッペンってのが小恥ずかしい、しかしワッペン無しを安く買ったと思われるのもなんかまた癪だな、なんてのが我々の裸の心ではないでしょうか。 その辺、この仕様は丁度良い。 保護色っぽくなって絶妙に隠れてますからね。 僕はOstiもHarveyも好きですが、OstiのSIは絶対的な野暮ったさが根底に通っていて好きです。 テクニカルだけど服としては田舎くさい。 白のルーズパンツにノースリーブのブルゾンとか合わせて、もったりゆったりお召しください。 Made in ITALY サイズ表記L 肩幅:59 身幅:59 着丈:77 袖丈:59
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21-1 (EURO) Hip-Switched Design Knit JKT
¥18,000
21-1。数字だけのレーベル名。 何の情報も持ち合わせていない、無名のユーロ・オールド。 いや、内タグが無いからユーロって確証も無いのですけれど、伝われているLAMPO風のジッパーはユーロ圏のそれ。 90'sストリートウェア風に味付けされたルーズなボディバランスのドライバーズニット。 リブ編みだけどちゃんとルーズなのが良い。 素材はウール、またはアクリルを混ぜたウール。 軽くてしなやか、チクチクしないウールニットです。 (アクリル100%よりはズッシリ重たい) 赤糸のオーバーロックを巧みに使いこなしたビジュアルデザイン。 ジップアップのハイネックとは別に赤糸でVネックが騙し絵的にレイヤードされていたり、フロントポケットのアウトラインは赤糸のオーバーロックで縁取られていたり。 そして前後差を付けたヘムライン、後ろには色も編み地も変えた切り替えを入れてロゴプリントをドカン! TWO 21-1 ですって。だから知らないんだって。 配色的にもフォント的にもスポーツユニフォームの美意識は感じますけどね。バスケ系かな。 で、多分折りたたんで長く保管されていた弊害でロゴプリント同士の薄い色移りがあります。 ご注意/ご了承ください。 シックだけど程良くヤンチャ。定番から何周か捻られたレアなストリートウェアって感じの趣。 御自分だけのバランスを作りやすい服かなと思います。 Made in - サイズ表記- 肩幅:69 身幅:69 着丈:76 袖丈:52 裄丈:88
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c90's SPITFIRE (EURO) Full Acid-Pattern KN
¥19,000
イタリア製のスピットファイアの総柄ニット。 アメリカのスケートギアレーベルとは同姓同名の別物。 アレも元々は戦闘機のニックネームですから、いろんな場所で引用されています。 ちなみにイタリアの方のスピットファイアはその昔Olmes Carrettiがデザインしていたりするんですが、何せ こういうイタリア製の時点で世に残っている球数が少な過ぎてサッパリ前例は無し。 首元のレーベルタグは割と新しそうな感じもしますが、内タグはしっかり古い形式。 ウール50%とアクリル50%のしっかり重みのあるテキスタイル。 さぁ、そしてこのアクリルのおかげでここまで発色が良いのでしょう、この服の魅力の95%を占める可愛い柄デザイン。 トランプの4マークからレーベルイニシャルのS、ラーメン丼みたいな雷紋風紋様に謎の動物の顔(?)まで、とにかく大量の編み柄で構成された贅沢なボーダーパターン。 ちなみに裏面を捲ると色が反転した同パターンが広がっています。 これは袋ジャカードって編み方。 ボディバランスはかなり平面的。 シェイプなんて勿論無し。 横幅と縦幅がほぼ同じくらいで、肩先に殆ど角度を付けない低い袖山設計。(Tシャツみたいな感じ) このSPITFIREもそうですが、「ニットウェア」というカテゴリの発展に伴って、若いストリート感覚が入って来た時代の勢いを示す貴重なピースです。 裾に絞りを入れない自由なフィッティング設計も、その空気の構成要因。 スウェット感覚でカジュアルに是非です。 Made in ITALY サイズ表記L 肩幅:64 身幅:58 着丈:71 袖丈:57 裄丈:90
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1999A/W EMPORIO ARMANI Thin_ Puffer Techno Tailoered JKT
¥45,000
世紀末のテクニカル・テクノロジカル。 EMPORIO名義でのアンサーはこんな感じ。 精悍なコンクリートグレーのウールサキソニー、と見せかけて素材はポリエステル。 裏地もポリエステル。 そして極薄の中綿。 中綿! ここが非常にユニーク。 如何にポッテリさせず、時代のミニマリズムを捉えられるかのデザイン。 いや寧ろ、「中綿ジャケット」という記号をアルマーニらしいソフトスーツの味付けでミニマルに仕上げ切ったデザインとも言えましょう。 ARMANIらしいボクシーなボディバランス、丸っこいショルダーライン。 このスタンドカラーもアルマーニらしさの一つか。 フロントはスナップボタンで、左前のボタン付け位置にはボタンの円形を縁取る丁寧なステッチワーク。 (これがまた地味に凄い) 両腰のポケットはコンシールファスナー仕様。 閉じてるとただのシームにしか見えない。 もう少しソリッドに振り切るとジルサンダーっぽさが出てくるのでしょうけれど、生地に宿っている情緒と絞り過ぎないボディバランスがアルマーニとしての色味を完全なものにしています。 着こなしの正解はランウェイにそのまま残されていますが、その正解を自分達で豊かに増やしていけるのもファッションの楽しさ。 色んな古着と合わせたり、現代の最新のデザイナーズと合わせたり……。 名作を自分だけのパーソナル・スペシャルにする楽しさも伝えていけたらと思います。 今季の本命テーラードジャケット、こんなのの事を言っています。 Made in ITALY サイズ表記50 肩幅:48 身幅:56 着丈:78 袖丈:62
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80-90's PRADA Exotic Leather Gloves / Size:8
¥55,000
一般的に殆ど市場に流通しない 一定ラインより更に古いPRADAのオールド個体。 メンズファッションに参入する前のPRADAです。 Miucciaが指揮を取るようになってからは、メゾンであると同時にデザイナーズレーベルとしての顔を持ち合わせるようになりましたが、このメゾンは元々皮革製品メーカー。 泣く子も黙るハイエンドからユニークなエキゾチックレザーまで、他の錚々たる作り手を抑え、イタリア王室御用達の地位を獲得していました。 世界大戦に伴って、一度その威光は落ち込みますけれど、Miuccia女史の参加により、今では誰もがその名を知る最高のメゾンへと発展したのです。 この革手袋は、そうした《デザイナーズ化》以前の、レザーメーカー時代の矜持をありありと見せつけるプロダクト。 不揃いな鱗目が見せるワイルドな野趣。 それらが丹念に鞣されて生まれる怪しい光沢。 同国に乱立したハイクオリティなレザーメーカーと比べて尚際立つこの迫力。 メンズラインが無い時代ですが、サイズ表記は8。 人によっては、メンズでも充分に楽しめる貴重なサイズです。 Made in ITALY
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c9O's KRIZIA UOMO Wool×Camel W_Face Tailored CO
¥80,000
先日ニットウェアにて幾つか例をとって紹介したKRIZIA UOMOのクリエイション。 その白眉というか、洋服屋としての本気を感じるピースがこれ。 これはニットウェアみたいに幾つも出せません。 ウール×キャメルの柔らかなフラノを用いたリバー仕立てのコート。 2枚のファブリックを極めてミニマルに中縫いで張り合わせ、その縫製のみで全てを構築する狂気的な仕立て方法。 見れば見るほど、誰が出来んねんという気持ちが湧き上がりますが、ハイファッションの世界ではしばしば見かけることのある仕様です。 ただここで言うハイファッションというのは、なんと言うか、ガチのそれ。 僕も服がとても好きですが、古着屋をやっているうちはプロパーで買えるような日は来ないのでは無いでしょうか。いや頑張りたいところです。 さてUOMOラインならではのオーバーサイズ設計、KRIZIAならではの尖りすぎない余裕と貫禄のある優しいムード、この掛け合わせが本当に素晴らしい。 リバー仕立てをこの上なく活かし切るデザインが成された個体だと思います。 ヒラリ裾が翻った時の見え方、中にKRIZIAのニットを挟んでも破綻しないフィッティングバランス、一切奇を衒わずとも一目で伝わる情熱と偏執。 どこをどう切り取っても美しい、柔らかくも彫刻的な迫力のある一着です。 恐れ入りますがご試着の際は必ずお手周りのアクセサリーをお外しくださいませ。 Made in ITALY サイズ表記50 肩幅:49 身幅:57 着丈:122 袖丈:66
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