


















JIPIJAPA One_Part Constructed Cutting Duffle CO
¥90,000 税込
残り1点
JIPIJAPA、JはHの発音で、【ヒピハパ】と読みます。
日本をハポンと呼ぶのと同じ。
スペイン語ですが、日本のレーベルです。
未だ現役、加賀清一デザイナーの作るウィット、その深さと面白さは並大抵の水準に無い。
このコートは、全パーツに分割無しの【一枚生地】で設計されています。
フードから袖、
袖から身頃、
身頃からポケット、
その全てが地続き。
地続きにした上で、身頃セクションと袖セクションを分離させてる。
分離させてからそれらを重ねるようにフェイクレイヤード。
故に、このコートは袖の無いベストみたいなボディに、スーパーショートのボレロ的袖パーツがくっ付いてる感じ。
紛れも無く
ぶっ飛んでる。
製図マニアの琴線をジャカジャカに弾き飛ばす究極のパターンマジック。
イタリアにも、この一枚生地での総合設計を《Dead-End》と称して打ち出したアルチザン・レーベルがありますね。
JIPIJAPAの作るそれは極めてアルチザン的な-つまり職人的な-追求の果てにあるものですが、現代に形骸化した“アルチザン・レーベル”的なシリアスな空気を一切放棄している。
可愛さにも似た「洒落」が根底に流れているのが明確な差異。
一枚布由来の必然的なボクシーシルエット。
ここを起点に、“キメ過ぎない”手仕事の質感を残すエッセンスチョイス。
要所要所を留めるステッチ、それらは全てステッチで事足りるのに、態々紐を結んでステッチの役割を重ねたり-
-そしてそこから韻を踏むように、紐を使うからこそ成り立つようなダッフルコートのトグル&ロープの雛型を引用してみたり-
-では、ダッフルコートならフードも付くだろうと、前述の紐留ディテールが映えるようなセパレートフードを持ってきたり-ああ、このチョイスも勿論、一枚布での地続き製図が活きるようにという意味合いが兼ねられている。
加賀デザイナーは縫製仕様書までご自分で書かれるが、そこには洋服の平面展開図も添えられているそう。
取り分けこのコートに関して、とかでなく、恐らくほとんど全てに。
平面展開図って分かりますかね。
サイコロを展開すると、一辺だけが長い十字架みたいな形になるでしょう、あれです。
洋服でそれをやるとなると中々手間ですが、それが常習化しているとあれば、こんな奇想天外も生まれて来ましょう。
このスペシャルアイテムにこそ特段の情熱が……と言うより、当たり前に出来ることのレベルを只管上げ続けての自然な着地という趣。
型紙だけでなく、アイテムに宿る記号性までも展開して設計の前段階でドッキングしてデザインしてしまうのだから、感服する他ない。
生地はガサっと野暮ったいグレーのウール生地。
これは一般的なフランネルやメルトンってよりも、もう幾分粗野で未洗練な質感。
原毛の太さや長さが均等に慣らされていない、ワイルドな感じ。
安っぽいってよりは、あえて野趣を生み出そうとする総意的なテキスタイル・デザイン。
そこにロープワークを彩るレザーパーツやトグルのアクセント。
勿論このコートは構造設計こそが超奇天烈に面白いのだけれど、そんなの知らずに第一印象だけでも好きになれるであろうビジュアル完成度。
構造的に裏地は無し。
重い生地を一枚でドロっと着る感じ。
そんな訳で、案外長い期間楽しめます。
着ずに見ているだけでもあまりに楽しいですよ。
ヤバい衣服に打ちのめされたい数寄者諸賢へ。
Made in JAPAN
サイズ表記 1
身幅:57
着丈:74
裄丈:87
いやはや言語化の難しい服。
全部は説明し切れていません。
ここから先は次のオーナーだけのお楽しみ。
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