洋服解読所










1980's ANN TJIAN for KENAR Ethnic_Patch_Work Wide Bomber JKT
¥32,500 税込
残り1点
70年代末から90年代末までの約20年間のみ存在していたアメリカのレーベル、KENAR。
この企画に参加しているANN TJIANは上海人。
このボマージャケットの製造はインドネシア。
アメリカ・上海・インドネシア……なんともインターナショナルな背景を持ちながら、最終的なビジュアルはコスモポリタンと真逆の、土着的で野暮ったいエスニック・パッチワーク。
素朴でありながらも鮮やかで美しい柄デザインのジャワ更紗を沢山パッチワークしたデザイン。
(レーヨンだから生地は多分オリジナル)
この形式は、実はインドネシアのオールドピースでは散見されるデザインフォーマットでして、ETRAKが偏愛するKOMODOの最初期のコレクションにも、こんなのが存在するんです。
(それは残念ながら仕入れられませんでしたが……)
さてそんな中、そうした土着的なフォーマットに西洋の美意識(モードの記号とでも言いましょう)を捩じ込んだのがこのジャケットです。
それが如実に表れているのがボディバランス。
80'sらしい横長ボディの……
って長過ぎるでしょう、あまりに。
肩幅も身幅も、85cmもある。
着丈53に対して約1.6倍の横幅。
ファッションへの無関心から生まれるルーズシルエットではなく、流行に根差して意図された過激なオーバーフィット。
肩パッドがこの文脈を決定付けてくれます。
この時代にしては薄め/柔らかめ、およそ1.0cm程の肩パッドが入っているんです。
しかも、肩線の途中に。
肩幅が85cmあると申しましたが、肩パッドが設置されている位置は肩幅48cmの位置。
大前提としてのドロップショルダー。
本当に面白いことしてる。
KOMODOとはまた違った角度からのエスニックの昇華。
クールなストリートファッションにインポートするのがKOMODOだとすれば、モードの文脈にブラッシュアップしたのがこのジャケットです。
ちなみにこんな服を作るレーベルではありません。
そもそもがマイナー過ぎて参照も殆ど叶わないとは思いますが、良くも悪くもNYっぽい服が多い印象。
そんな中でバグみたいに生まれた、インドネシアに関係無い人間が作るインドネシアのスペシャル。
強烈に面白い背景があります。
しかし最も大きなポイントは「ジャワ更紗」の美しさ、それらをこんなに多く目に出来る贅沢なパッチワークデザインの妙であると思います。
Made in INDONESIA
サイズ表記M
肩幅:85(48)
身幅:85
着丈:53
袖丈:44
裄丈:89
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レビュー
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