洋服解読所



















KURT THUNE (FINLAND) Professional Shooting JKT
¥36,000 税込
残り1点
カート・トゥーン。
1983年創設、フィンランドの射撃装備レーベルです。
採寸を伴う完全オーダー方式でのみ販売されるシューティングジャケット。
これを見た後だと、ハンティングジャケットとかがお遊びに見える。
精々ファッションじゃないか、そんなの。って。
いやまぁ実際ハンティングはレジャーだから四捨五入すればファッションなんですけど。
あまりに本格的。
レザーのライダースと、プロテクター入りのレーシングジャケットが違うように、ハンティングジャケットとシューティングジャケットもまた違うのでしょう。
直立姿勢からしゃがみ撃ち、伏せ撃ち姿勢までの3パターンに対応して、全くそれらだけのために徹底的にシェイプを固定した製図。
いや製図だけじゃない。
製図から素材選びまでの全てが用途に即した、用の美の極北みたいなデザイン。
アシンメトリーなカッティングは序の口。
右と左で生地すら違う。
ポケットの有無もそうだけど、1番面白いのは後ろ肩部分。
何かに使うであろうハーネスが2セット生えてる。
そして左肩には、スナイパーライフルに接続固定するためのスリングを迎えるハーネスベルト。
これが滅茶苦茶カッコ良い。
銃を構えた時の姿勢だけを執拗に追い求めた袖のシェイプは、其々の可動域から違う。
過激な内巻き&前振りは共通しているものの、可動が許される領域がそもそも別。
左手は銃身に添えられるように、右手はトリガーの位置に。
つまり肘部分のカーブの強さも違う。
いやはや、ここまで「右利き用」が極まった服は見たことが無い。
硬化加工されたコットンキャンバスをメインに仕立てられた身頃は直立の“気を付け”の姿勢になれないぐらい硬い。
しかしこのジャケットの強制する体勢になって着てみると不思議、もう全くストレス無し。
もはや矯正器具とも言えそうなジャケット。
信じられないくらいカッコ良いけど、信じたくないくらい難しい。
何とどう合わせるのか。
荷物はどうするのか。
何より、いつ着るのか。
ファッションデザイナーの方くらいしかこんなの買わないだろうと心の何処かで思っていますが、この天秤を壊せる人に刺さりますように。
Made in FINLAND
サイズ50
肩幅:45
身幅:50
着丈:70
袖丈:67
全体的にぼちぼち汚れています。
毛羽立ちや、腹部には人工スエードの擦り切れ(小)なども。
が、臭いや加水分解などの深刻な劣化は無し。
あくまでクールなヴィンテージジャケットとしてファッションに使える範疇ではあります。
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¥36,000 税込