洋服解読所
c80's FICCE RAZZA Emerald_Green Melange Linen CO
¥99,000 税込
残り1点
エメラルド・メランジのリネンコート。
凄い生地ですね。
光やら水やら風やら、何か美しい光景があったとして、それをインスピレーションソースとしたような、そんなレベルの情緒ではない。
もう、この生地自体が“光景”です。
光のような/風のような生地がある、ではなくその逆、この生地のように美しい光景が、何処かにある(かもしれない)、みたいな水準。
この布一枚を身体に巻き付けて着ていたとしても無二の美しさがありますところ、コートになった姿は更に美しい。
生地が良過ぎると生地から先のデザインが生地に負けてしまうリスク(なんて贅沢な……)がありますが、このコートのデザインはこのクオリティの生地でこそ釣り合う。
大きく分量を取ったダスターコートをベースに、類い稀なるディテールデザインが炸裂しています。
先ず目に付くのは腰ポケットをボディから吊り下げるような独創的なポケットシステム。
カーブの向きは普通のハの字の逆。
胴体の外側から内にカーブして落ちて来る曲線。
何を見て何を感じてたらこのカットラインを思い付くのか。
しかも、このポケット吊り下げで発生するギャザーは作り手側で予め用意されています。
ボタンホール付近のフラップを外すと露見するのは、入るはずのドレープを予見して入れられたステッチギャザー。
後身サイドウエストのベルトタブでも同じディテールが隠されています。ニクいね。
そしてこのコート、ベースになっている服がダスターコート以外にもう1着ある気がします。
それは「ジャンプスーツ」。
フロントの前端ライン、変な形じゃないですか?
ウエスト辺りで一回終わろうとして、もう一回前端ラインに戻ってきたような……。
これはパンツのボタンフライの部分的サンプリングだと思います。
ここだけスラックスの打合せみたいに内ボタンも追加されていたり、パンツのフロントを思わせるディテールを巧みに混ぜ込んでいます。
直接的なカット&ペーストではなく、間接的な暗喩。
選ぶ要素がどれもクール極まりないし、それを取り合わせて編集するセンスも尋常ならざる水準にある。
正直、このコートにこのタグ?と思うくらいには、レーベルのイメージを覆されました。
とことん技法に凝り尽くしたようなド派手なアシッドニット、アレが最早コマーシャルピースだったんじゃないか。
その影で、こんな弩級の婉麗を。
どなたでも、お好きなように、お召しください。
ドカンと風のまま靡かせても
全て閉めて造形を堪能しても
どの道感動が尽きません。
Made in JAPAN
サイズ表記M
肩幅:61
身幅:72
着丈:126
袖丈:57
裄丈:89
・前裾端に軽微な汚れあり
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レビュー
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