洋服解読所









c80's FICCE RAZZA Cross_Hem Belted High_Neck Riders
¥32,500 税込
残り1点
ダブルブレストのレザーライダースジャケット。
人が先ず初めに憧れるファッションアイコン。
「人が」?主語がデカ過ぎるけど我慢して聞いてください。
だってダブルより先にシングルの革ジャンに憧れた中学生いないでしょ。
憧れだけで突っ走って、どうにかこうにか、合皮でも何でも、ダブルのレザー、あるいはそれ風のライダースジャケットに辿り着いて、洋服におけるアシンメトリーの魔力に取り憑かれるところまでがファッションのイントロ。
何も知らない頃に聴いてた音楽、歳をとってから聴きかえすと思いの外良かったりするでしょう(じゃあ今何かを知ってるのかというとそうじゃないんだけど)、アレがこれです。
FICCEが作る80年代、又は90年代初頭くらいのライダースジャケット。
ラインはRAZZA。
凝りに凝ったニットでの独創的なクリエイションがお家芸となったFICCEの中で、そのニットを使わずに展開されたアザーレンジ。
先日ご紹介したリネンのダスターコートもRAZZAです。
アイコンとしてのダブルブレスト・ライダースジャケットの特徴を抽出し、更にラディカルに加速させての再構築です。
yの字に組み立てられる特徴的なフロントを全部閉め切ってから生まれるスタンドカラーのクールネス、先ずここを最大限強調。
通常のジャケットよりも数段高く設計された襟はフルクローズ時の横顔をこの上なくソリッドに縁取ってくれます。
次に背面ウエスト。
ここにはヨーク切替無しの贅沢な一枚革に左右各3本、計6本のシェイプダーツ。
縦方向へのライン強調だけに留まらない、逆三角形シルエットへの偏執がありありと表れた背中。
さてこの複数ダーツ達が目指すシルエットのゴールというのは、ジャケット裾に配されたベルト機構によって完結します。
グルカパンツ宛ら、左右のベルトをクロスオーバーさせるシンメトリーベルトデザイン。
既存のライダースジャケットの場合、フロントのジップ機構に巻き込まれないよう、サイドウエスト付近にちょこんと乗せるのが普通です。
しかしFICCEはビビらない。
FICCEは高い工賃にビビらない。
ファスナー機構との衝突も厭わず、果敢に機構同士をレイヤードしてしまいます。
この攻めっ気も80年代特有だし、これを相互干渉無く、しかもある程度ガッシリしたレザーウェアで、見事に縫い上げる工場の腕もまたこの時代の煌めきでしょう。
これらが作り上げるのは、ニットウェアでの狂瀾なんてどこ吹く風-モンタナやミュグレーに余裕で比肩し得る、構築的で大胆な、そして何よりエネルギッシュな、オリジナルのシルエット・ロジック。
的確なバランス感覚で設計された肩パッドは、必要以上に肩を強調するでもなく、しかし明確に、時代が見据えたカッコ良さを未来(現代を含む)に繋いでくれています。
実寸ピッタリよりも、数センチゆとりをもっての着用を強く推奨いたします。
力強くも押し付けがましくない、美しい逆三角形が完成します。
裏地の裾切替付近に少し擦り切れあります。
目立ちませんがご注意ください。
Made in JAPAN
サイズ表記M
肩幅:57
身幅:61
着丈:60
袖丈:56
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レビュー
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