洋服解読所
c90's MURPHY&NYE Rubber-Coated-Hip Design Active JKT
¥35,000 税込
残り1点
80年代イタリアにおける覇権コンテンツの一つ、セーリングジャケット。
海のジャケットです。
ビーチじゃなくって湾岸。
船に乗って風を操り帆を手繰り、ロープと潮水に塗れるエクストリームスポーツの煌めき。
このカテゴリを語る上で(語らないけど)外せないのがこのレーベル【MURPHY&NYE】です。
元々はアメリカのレーベルです。
しかし極めてユニークな遍歴があります。
公式サイトより引用します。
-1960年代、マーフィー・アンド・ナイはアメリカで最も重要なセーリング会社の一つであり、1975年にはイタリアにヨーロッパ支店を開設しました。この支店は大成功を収め、1980年にはM&Nヨーロッパがアメリカの親会社からブランドを買収しました。-
支社が親会社を買収。
凄いですね、そんなことが起こり得るんですね。
大谷翔平選手のニュースを聞く時と同じ感想。
あ、可能なんだ……って。
しかしそれも納得してしまうクオリティが80年代のM&Nにはありました。
並ぶ者の無い水準で巧みに構成されたカラーパレットは当時のイタリアンカジュアルにおけるパブリック・イメージそのもの。
そして同時に、リアルなアクティブウェアとして極めてオーセンティックであるという点がこのレーベルのユニーク。
生地や付属資材のクオリティがガチ。
その他の軟派なサンプリング・デザインとは一線を画す迫力。
みんな遊びでやってるのにアイツだけガチじゃね?の空気がファッションでは武器になります。
この個体は80年代の熱りが若干冷めてきたかな?くらいの、推定90年代前半~半ばの個体。
ユーロ圏の製造かと思われますが明記無し。
(イタリアから何処か別の国に移した時期にこういう無表記はたまにあります。)
円やかなイエローのボディに、鮮烈な赤でロゴプリント。
このプリント位置もまた素晴らしいでしょう。
フードの前端。
ストリートウェアとも違うんだけど、他に例えようも無い新鮮なアクティブ・エッセンス。
このバランスを作れている服ってなかなか無いと思います。
フードを下ろした時に正位地で読めるってのも、ファッション性への歩み寄りを感じますね。
そしてヒップ位置のラバーコーティング。
後ろ裾一面にベタっと分厚いのが入ります。
ほんとここだけ分厚いですよ。タイヤみたい。言い過ぎか。
このヒップラバーの仕様ってのはセーリングウェア由来なのでしょうか。実際のところ不明ですが、着席時の実効にフォーカスを当てた珍しいデザインセンス。
この質感の面白さを強調するかのように、ウエストアジャスターを伸ばしてきてるのもまた良い。
ここのコントラストとテキストプリントとで一気に目が行きますからね。
ルーツを大切にしつつ、ストリートウェア感も仄かに出てきて、しかしその上でオーセンティックなクオリティはキープしていた時代の白眉。
ここまで読んだ上でもう一回色を見て欲しい。
この服にこの色選ぶセンス、本当に素敵でしょう。
Made in -
サイズ表記M
肩幅:-
身幅:66
着丈:77
裄丈:89
スタイリングは、中に同時代イタリア製のグレーのシャツを挟んだパターンと、80年代のイッセイミヤケのシャツを挟んだパターンと、2つ撮ってます。
こういうのとイッセイミヤケ合わせて欲しい。
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