洋服解読所
c80's MURPHY&NYE Asymmetry-Breast Round-Collar Sailing JKT
¥35,000 税込
残り1点
80年代イタリアにおける覇権コンテンツの一つ、セーリングジャケット。
海のジャケットです。
ビーチじゃなくって湾岸。
船に乗って風を操り帆を手繰り、ロープと潮水に塗れるエクストリームスポーツの煌めき。
このカテゴリを語る上で(語らないけど)外せないのがこのレーベル【MURPHY&NYE】です。
元々はアメリカのレーベルです。
しかし極めてユニークな遍歴があります。
公式サイトより引用します。
-1960年代、マーフィー・アンド・ナイはアメリカで最も重要なセーリング会社の一つであり、1975年にはイタリアにヨーロッパ支店を開設しました。この支店は大成功を収め、1980年にはM&Nヨーロッパがアメリカの親会社からブランドを買収しました。-
支社が親会社を買収。
凄いですね、そんなことが起こり得るんですね。
大谷翔平選手のニュースを聞く時と同じ感想。
あ、可能なんだ……って。
しかしそれも納得してしまうクオリティが80年代のM&Nにはありました。
並ぶ者の無い水準で巧みに構成されたカラーパレットは当時のイタリアンカジュアルにおけるパブリック・イメージそのもの。
そして同時に、リアルなアクティブウェアとして極めてオーセンティックであるという点がこのレーベルのユニーク。
生地や付属資材のクオリティがガチ。
その他の軟派なサンプリング・デザインとは一線を画す迫力。
みんな遊びでやってるのにアイツだけガチじゃね?の空気がファッションでは武器になります。
この赤い個体は黄金期ド真ん中のエネルギッシュピース。
この時代のM&Nのクオリティによってヨーロッパ支社は前述の偉業を成したのです。
機能的なアシンメトリーポケットが目に楽しい。
・すぐ手に取りたい物用
・絶対落としてはいけない物用
・手を突っ込む用
・小さな物用
用途に基づいて様々、合理的に配置されています。
さて、ショールカラーをめちゃくちゃ高い位置で深く打ち合わせる事で成り立つアシンメトリーな丸襟。
このボリューミーなチャンキーボディでそれをやるバランスが良い。
海の男の服って感じのラギッドネスと仄かな円やかさ。
順当に着古されて草臥れた雰囲気、この空気感と赤の掛け合わさりも良いですね。狙った感ゼロ。
これでブラウンとかモスグリーンとかだと、なんかこう、ちょっと養殖感(それは奇しくも“ファッション感”とも言う)あるじゃないですか。
そんな訳で、ファッションなんて気にしませんって顔でガバッと羽織ってこそカッコ良い類の服です。
こんなのがファッションとして最高にカッコ良いんだから本当に難儀。
襟にフードを仕舞える仕様です。
この襟は襟の外からフードを生やすんじゃなくて、襟の内側からフードを生やす構成。
これも とても良い。
フードの仕様/不使用問わず、自由に襟のポジションを決められる。
そして襟の内側からフードを生やす場合の弱点、それはファスナーが首に当たって冷たいヨ!ってやつなんですけれど、それも丁寧に対策されていますね。
ちゃんとファスナーを隠すように製図されています。
そしてフードに通されたドローコードはアウターの襟端から出て来て、オリジナルの可愛いメタルパーツでフィッティング。
この辺も凝ってる。素晴らしい。
野暮ったいビジュアルの中に細やかな気遣い。
「天然の古着」の情緒を最大限に宿しつつ、あくまで丁寧にデザインされたスペシャルピース。
Made in ITALY
サイズ表記M
肩幅:-
身幅:67
着丈:72
裄丈:89
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レビュー
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