1990's ROMEO GIGLI Bijoux Buttons Velvet JKT

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博物館でしか見覚えが無いような
貴族階級の屋敷に埃のひとつ無く佇んでるあのオブジェ　ええと　なんだったか　
そう　インペリアルエッグだ
(正しくはインペリアル・イースター・エッグだそう)

あんな風に正確に加工された細かなガラス/金属の細工を幾何学的に配置したデザイン、これがジャケットのボタンに使われているのです。

ボタンっつっても平面的なそれじゃありません。
それこそ本当にインペリアルエッグの頭を水平に切り出したような半球形状。
ドーム型とも言えるのでしょうか。

それがたった一つあるだけで胸が充分にときめくような代物、それが沢山付いてる。
何せ5Bジャケットですからね。
Vゾーンを極端に狭く設計した、清楚に-あわや朴訥にさえ-見える珍しい雛形。
ここまで攻めた型紙で組むのなら、与える印象はスタンドカラー・テーラードジャケットのそれと殆ど大差無いのではありませんか。

しかもこれ、袖口にも同寸のものがキラリ輝いているんですよ。
もうカフスリンクスもブレスレットも御不要。
いや、敢えてレイヤードして瀟洒を極めるのも乙なものでしょう。

さあ、そんなジュエリー顔負けのボタンを乗せる舞台に選ばれたのは、いよいよやはりと言うべきか、艶かしいベルベット。
青と緑の中間点、僕はエメラルドブルーと喩えます。
宝石のような細工釦を受け止めるにあたってこれ以上の適任も無い。
こうした素敵な色を作れる力、それも僕は「語彙力」のひとつだと思います。

エキゾチックなまでの非日常感、そして色気と品格の両立。
色気という概念を微塵たりとも下品に扱わないのがロメオ・ジリのレディースデザインです。

(例えばこの味付けで大襟、重心低め、1B仕様のタイトなフィット、みたいに作ると途端に下卑でしょう。)

90年代、日本のモンテローザ・ライセンス個体。
印象の悪い言葉ですが、実際のところは比率に偏りのある玉石混交という感じです。
弊店はこのレーベルであればモンテローザ個体もしばしば取り扱います。

滅茶苦茶“良い”からです。
レーベルのDNAを極めて濃密に宿している。
しかも「ベルベット」で「テーラード」ですよ、どれだけ縫製が難しいか。
それをここまで美しく縫い上げたプロダクトを誰が貶められるのか。

それが自宅のワードローブに鎮座する幸福に誰が抗えるというのか。

Made in JAPAN
サイズ表記9AT

肩幅:42.5
身幅:53
着丈:76
袖丈:60