洋服解読所
c1990's LAMATTA Beaver_Fur Switched Mid_Length Leather CO
¥70,000 税込
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皮革衣類の最高峰のひとつラマッタの仕事。
大人のレザーコート。
「大人のレザーコート」って言葉は
「大人になりたい人のレザーコート」と似てるけど違う。
僕はいつまでも大人になれた実感が足りないからどうにも説得力に欠けてしまうんじゃないかと不安が拭えないのだけれど、多分「視点」が違うんです。
大人から見た「自分たち」と
子供から見た「大人たち」は違う。
前者だからこそのリアリティもあるし
後者だからこそのキラキラした憧れもある。
でも始点は同じだと思うんです。
「カッコよくなりたい」って気持ち。
安さとか防寒とか取り扱い易さの観点で見ると、もっと優秀なアウターがこの世に幾らでもあります。良い世の中ですよね。
そんな中で、心のトキメキのままに最高のものに手を伸ばす人もいて、その尊き欲求に相応しい物もある。良い世の中ですよね。
そう、例えばそれはトロトロのラムレザーで仕立てられていたりして。
トロトロに溶けたチョコのように深く柔らかなブラウンで。
細くもなければ太くも無い、短くも長くもない、そこに恣意的な偏りを置かないニュートラルで。
裏地には丈夫で滑らかなキュプラ×アセテートが用いられていて。
裏地は着脱可能で、おや、そこには贅沢な毛皮が。
しかもそれは特別柔らかくふわふわなビーバー/ヌートリアの毛皮だったりして。
そうそう、ビーバーなど水辺の動物の毛皮というのは冷たい水に体温を奪われぬよう極めて密集した「綿毛」が生えています。
身体保護のためにある硬めの「刺毛」との2層構造。
こうした洋服に使われるのは前者、ずば抜けた柔らかさを誇る「内側の綿毛」のみ。
ついでに、着脱式の襟もこの毛皮で仕立てられていますね。
この襟の着脱システムの作り込み一つ取っても作り手の配慮の量が段違い。
配慮、つまり優しさです。
より良くしよう とか より幸せにしよう とか。
デザインって優しさです。
ライナーの優しさも凄いですよ。
本体の裏胸ポケットにアクセスしやすいように同位置にスラッシュを作るんですがそこを丁寧にレザートリム。
その造作もとっても豪奢。
片方から見れば静かな玉縁、もう片方から見れば玉縁布をそのまま繋げて作られたゴシック調子の装飾。
これら何処にも革のエッジを出さない完璧な仕事。
ごく小さなディテールでこれです。
ディテールは時として全体像より雄弁に作り手の心を語ります。
著名なデザイナーを採用せずチームとして運営されるファクトリーレーベル(一時期Ferreが居たそうですが)だからこそのニュートラルと、偏った世界観が無いからこそ丁寧に作り込まれるディテールワーク。
大人を知らないヤンガンが憧れで着るのではない、大人になって出会ったときに「まだ私が心踊るものがあったのか!」と思わせてくれるレザーコート。
言いたいこと、伝わっていると嬉しいのですが。
Made in ITALY
サイズ表記52
肩幅:52
身幅:62
着丈:85
袖丈:61
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