洋服解読所
1999's NIKE Cobalt_Blue Classic Windbreaker
¥21,000
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コバルトブルーのナイロンとロンTみたいな薄手のスムース、この組み合わさりの妙に惹かれています。
この服はただのNikeです。
よくある服です。
この服をただのNike以上の-カルテに置きたい水準の-物に昇華している犯人は、生地と色味がたまたま生み出した突然変異。
どちらから先に書けばいいやら。
では、先ずは、生地から。
このジャケットは張りのあるナイロンシェルと、ロンTみたいな薄手スムースの組み合わさりです。
スムースが裏地ね。
これらの素材それぞれは至って普通のありふれた素材でしょう。
この組み合わさり自体も、それこそNikeなんかのスポーツウェアではよく見かけますよね。
ただ、この両素材がお互いに無い要素を的確に補い合っている事に気が付かされました。
ナイロンシェルの一枚仕立てだと、誰でも想像の付く無愛想なあの質感です。
70-80'sのアメリカ古着に散らばってる、例のシャカシャカ。
ただの裏地として採用したスムースが、ナイロン一枚地には絶対出せない柔らかなニュアンスを足してくれている。
その結果、ナイロンシェル+スムースという「生地の実験デザイン」みたいな着地になっている。
裏地としてスムースを宛てがっているから気付かなかったけど、これを例えば重ねて一枚の生地として使ったら全く新しいニュアンスの生地になるでしょう?
これはmid2000'sのC.P.Companyのテーラードジャケットに設計された生地選定に感動したからこそ感じたニュアンスだと思います。
そのCPのジャケットは、コットンナイロンのアウターシェルの中綿としてコットンのネル生地を差し込んでいました。
そのネル生地の膨らみのおかげで、製品染めで仕上げられたジャケットにデザインとして入るパッカリングが強調されていたんです。
それを見て、ああ、中綿として作られた物以外を中綿にしてもいいんだ、と感激したんです。
※別件で、昔のオーセンティックなテーラードジャケットの仕立てでもネル生地を芯材として用いる発想は存在していますね。
このNikeのジャケットの生地に感じたニュアンスもそんな感じです。
硬い感じのナイロンなんだけど、その奥に柔らかなニュアンスが重なってる違和感。
逆も然りです。
これはロンTみたいなスムースが、ナイロン級の張り感無しでは成し得ない構築的なシルエットを獲得する物語でもあるんです。
スムースで作るウインドブレーカーなんて、きっとヘニャヘニャです。
それを狙うなら良いけど、そこから先の新感覚には進めないでしょう。
その先は表地として使われたナイロンシェルがあるからこそ、そしてそれと組み合わさるからこそ辿り着けるのです。
さあ、そしてカラーリング。
これが決め手になったと思います。
よくあるスポーティなカラーリングでこの生地選びをしていても、私はこの生地の組み合わさりの素晴らしさに気付けなかったのでしょう。
今回のニュートラルなコバルトブルーは、Nikeとか、スポーツウェアとか、そうした所謂ステレオタイプに付き纏う様々な印象を一旦フラットに消音してくれた。
“ミュートカラー”とでも呼んでみます。
その結果、このNikeは等身大以上のNikeになったと思います。
これは作った人が狙った効果ではないと思います。
だから今回に関しては、生地の「組み合わせ」ではなく「組み合わさり」と言っています。
あくまで解釈の域を出ませんし、それで良いのです。
楽しむのは作った人ではなく受け取る人、我々です。
あまり再現性の無いピックアップですが、この服はとても良いです。
Made in Malaysia
サイズ表記L
肩幅:56
身幅:67
着丈:80
袖丈:62
右ポケット端にホツレあり、
全体にも所々薄汚れ散ってます。
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レビュー
(336)
