洋服解読所

1/14

2000's WIM NEELS Hazy Mint Green Trompe-l'oeil SK

¥19,000

残り1点

International shipping available

クラシックな雛型のトラペーズ・スカート。

今でこそ当たり前になったこの形は、50年代の終わり、Diorを手掛けた若き日のサンローランから始まり、クレージュやクワントにパスされていった、プレタポルテ黎明のバトン。


そこにウィムニールスは意地悪なアイロニーを差し込む。

ポケットを作り、それを閉じる。

一度ジーンズ調の型紙でポケットを見せておいて、ポケット入り口でパーツを終わらせたり、ヒップポケットにおいてはヒップヨークでポケットを縫い殺したり。

-
ファッションがハイソサエティの物だった時代、荷物は全て荷物持ちに持たせていた時代、確かにポケットはシルエットメイクの邪魔者でした。
ポケットなんて物はなるべく付けたくなかった。

しかしプレタポルテが発生し、ファッションが/モードが、市民に開かれるにつれ、人々は自分の荷物を自分で持つようになり(正確にはそうでない人にもハイファッションが広がり)、「ポケット」は今日のよう、日常服に当たり前に縫い付けられるようになりました。
-

西洋服飾史の外側に生きてきた我々には少しピンと来ない感覚かもしれません。
(もしかしたらヨーロッパに生まれ育った若者でも もう無い感覚かもね)
※ここに鞄を売りたがる金の亡者達のマッチポンプも絡んでくるから問題はややこしいのです


ウィムニールスは、そんな西洋史を踏襲したアイロニーをトロンプルイユに宿しました。

結局のところポケットの用途を切り捨てるのですから、主題としてはルネサンスでしょうか。
こんな時代もあったんだ、もはや人道的ではないかもしれないけれど、アレはアレで美しかったんだよ、みたいなね。


さて、ウィムニールスの真骨頂は、こうした意地悪で 何処かもの寂しい態度にもあるのですが、「舞台装置としてのディテールデザイン」無しには語れない。


前述したように、このスカートは一度ポケットを付けようとするのです。

その際に選ぶポケットデザインが「ジーンズ」のものであった事が特筆点なのです。
バッグウエストの癖取りも、ウエストダーツではなくヒップヨーク(ジーンズの記号)を使っているでしょう。

わざとらしく中心を両断するセンターシーム、そしてそこに入るワークウェア由来のダブルステッチとパッカリング。

これら全てがジーンズの記号。


ヨーロッパでミニ丈のトラペーズ・スカートが世を開いた同時期、アメリカでは『乱暴者』、『理由なき反抗』が上映され、ジーンズは若者のファッションとして瞬く間に市民に開かれたのです。

ファッションの解放、それを同じ時代の異なる視点を用いて再現したのがこのスカートのデザイン。



ハイファッション/デザイナーズブランド の服には背景があります。
その背景とやらには、「作った人間の視点や解釈」が多分に含まれます。
この面白さにこそ私は、AI(及びAI化した人間)に作れない面白さを感じるのです。


Made in JAPAN
サイズ表記36

ウエスト:72
ヒップ:92
レングス:58

バッグポケットに小さな白変色あり。
裏面からも見えるので恐らくブリーチ液が飛んだのでしょう。
しかも着用していた本人の飛ばしたものではないでしょうね、誰かが飛ばして、不幸にもこの人に付いてしまったのでしょう。

服が本来の仕事をした瞬間です。

International shipping available
  • レビュー

    (344)

¥19,000

最近チェックした商品
    同じカテゴリの商品
      セール中の商品
        その他の商品