洋服解読所
1993A/W COMME des GARCONS Knit Switched Sleeve Tailored JKT
¥999,999($6,335.14)
COMING SOON
2026年10月19日 00:00 から販売
※販売期間・内容は予告なく変更になる場合があります。
メインラインの93年秋冬コレクション。
袖を途中からニットに切り替えたデザインのテーラードジャケット。
メインボディは当時のギャルソンらしいボックスシルエットですが、袖の切替デザインで部分的に柔らかな空気をミックスしています。
90年代に流行したモードな洋服です。
……なんて、紋切り型の説明でも用は成すのかもしれませんが、それはウチの仕事ではありません。
問題はニット切替の【位置】です。
人体の筋肉図を参照すると(いや普通に人間の身体を思い出すだけで良いのですが)、腕にも肉付きの抑揚 つまり“くびれ”が存在することに気付きます。
今回のニット切替は、本来のテーラードショルダーから柔らかなニットスリーブに切り替わる位置にて明確なボリュームダウンが設計されています。
ニットの方がハリが無いですからね。
このボリュームダウンで生まれる“凹み”こそが、【三角筋】の肩峰部でのくびれをトレースしているのです。
人体の腕を真横から眺めた時の丁度ド真ん中、山の頂上みたいな隆起位置ですね。
ここにボリュームを集める製図というのは、古典から今日に至るまで意外と使われていません。
ただ、一つだけ有名な先例があります。
Martin Margielaが1989年に発表したJKTにて用いられたシガレットショルダーです。
袖山のコンベックスとは別に、三角筋の頂上を目指して袖山アーチの前後からダーツを畳んだ製図。
これは【腕】というパーツが如何にドラマチックであるかを、当時のモードフリークたちに強烈に示しました。
(後年の我々にも示し続けていますね)
そこで示された美意識と根源を一にしているのかは不明ですが、順序としてはその美意識の展開ボギャブラリといった立ち位置。
ただ、ギャルソンのこれは紙面上での製図技術だけではなく、素材の特性まで味方につけた多面的なアプローチです。
テーラードジャケットってのは「人体を規定する服」でもありますよね。
でもそこに、筋肉が持つ肉体的な情緒を仄めかすキラーディテール。
…この時点で既に概念次元でのインサイドアウトが実行されているのがお分かりでしょうか。
アウターであるテーラードジャケットに、インナーであるセーターのドッキング。
このセンテンスを1つの道具として用いて、被服が人体を覆い隠す/曝け出す そのシステムにおける矛盾可能点を指摘する。
そんな感じです、着た時の袖周りのドキドキを文字起こしするならば。
実物は文字より更に雄弁に語ります。
可能な方はぜひ現地にて。
Made in JAPAN
サイズ表記M
肩幅:44
身幅:54
着丈:76
袖丈:68
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レビュー
(352)
