洋服解読所



















JOE CASELY-HAYFORD Crazy Duffle Coat
¥196,000 税込
残り1点
彼が生きていたら今年で65歳。
2019年に62歳という若さでこの世を去った、ジョー・ケイスリーヘイフォードの作品です。
精緻で複雑で堅牢な、オーセンティックテーラードを学び、革新的なアイデアでそれをブラッシュアップする。
文字に起こすとアレキサンダーマックイーンのデザインについて書いているようですが、それをマックイーンよりも先に手掛け、先に成功を収めた、誰もが認める天才デザイナー。
-あなたのインスピレーション源は?
-ロンドンの狂気と正気。そして未来。様々な文化の破片がぶつかって生まれる爆発に興味があるんです。
生前のi-Dからのインタビューからの抜粋です。
ロンドンの狂気と正気。
凄い言葉。それを本当にハッキリと感じていた人間からでないと出てこない言葉選びでしょう。
彼のデザインの隣に添える文としてこの上無くしっくり馴染む。
最近カルテで取り上げる「クール・ブリタニア」、そのパイオニア。
あ、そうそう、服を説明しないと。
甘撚り糸でボリューミーに作られたソフトメルトンを特異なカッティングで仕立てた、ダッフルコート(と言って良いのか?)。
何にも染まっていないリジッドウールのアイボリーが優しい雰囲気ですが、その無垢なあどけなさとは裏腹にそのデザインはぶっ飛んでます。
先ずはなんと言っても背中でしょう。
縫い代を表に出し、その生地端を、これは…
何をしたんだ?
焼いたのか?
耳がこんな風になってるメルトンも見た事無いから耳使いでもなさそうだし、
何せ特殊な処理で縮れたように仕上げられています。
硬くなったり、その縮れが瓦解してくるような様子も無く、非常に安定しています。
製法までは謎です、すみません。
そしてアームホール無しの、身頃&袖一繋ぎ仕立て。
肘の辺りで切り替えが入り、まるでとても長いカフスをあしらったようなビジュアルに。
さてフロントのトグルボタン。
これが付いて更にこの生地なので、まぁダッフルコート、と一応は呼んでいるのですが、その仕様が一般的なダッフルとは全然違う。
これ、フロントが拝み合せになってるんですよね。
背中でのシームの裏返しを、ここでも意識しているのかなと…。
ちなみに、トグル付け位置と、ボタンホール位置には補強のために同色の綾テープが裏打ちされています。
簡単に説明がつくのはこんなところでしょうか。
この方の作る服は本当に素晴らしい物が多いのですが、その中でも自信を持って傑作だとご紹介出来る1着。
Made in ENGLAND
サイズ表記S
身幅:54
着丈:110
裄丈:87
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¥196,000 税込