ROMEO GIGLI (1988-1989's) Unfit-Fit Wide Knit

アンフィット-フィット　なんてのは完全に私の造語なのですが、その名の通りフィットしないフィッティングのことです。

当時からロメオジリが多用した非常にアイコニックなシルエットデザインの1つ。

どうでしょう、平置きニットのこの写真でもその異様性は十分に伝わることと思います。

ヴィンテージ・ジリは探し進めれば探し進めるほどその尋常ならざる“間”と“色”の使い方の巧さに面食らってしまいます。

インドや中国、流浪の果てにはNYの“STUDIO54”(これは是非映画「ホルストン」を観て！)にまで通うようになったロメオジリ。
その圧倒的に広い彼の世界を映したコレクションは異国情緒を持ち込んだエスニックの香りを残しつつ、圧倒的にエフォートレスでした。
ルーツだけを見るとジャンフランコフェレ と通ずるような要素性がありますが、色味こそ似通えどその仕上がりは全くの別もの。

フェレのスタイルが重厚で豪奢であるのに対してジリのそれは本当に軽やか。
身体と布の新しい距離感を構築しているものの、ヨウジヤマモトのそれとは色と温度がまた違うし、そのムードの柔らかさはアルマーニをも凌ぐものであるし、何より本当に洗練されていて神秘的。

そういったブランドです。でした。

このニットも、前述した魅力のソースにどっぷりと漬け込まれた１着です。
レーヨンの混合を感じるほどにつるっとした強撚ウールでの仕立て。
首と袖口だけがぴたりとフィットして、それ以外は布が自由に、尚且つ美しく遊びます。
このニットのような極端な後ろ下がりシルエットも、ジリのデザインの特徴のひとつ。
着方にもよりますが、お臍が見えるか見えないかくらいのバランス。

臍見えと書くと、どうもセクシーな雰囲気がチラつくのかと思いきや、怖いくらいにそれが無い。

ヘルシー、というよりもこれまた最早神秘的なまでの空気がそれを包んでくれているので非常に洗練された仕上がりに。

さて、当店で出品している
1995-1996'sのバックギャザーテーラード共々、非常に希少なピースです。
是非お好きな方にご検討いただければと。

Made in ITALY
by ZAMASPORT

サイズ表記38

身幅:61
着丈:54
裄丈:71

1つなぎのラグランスリーブのため
肩幅は無し