CLAUDE MONTANA Huge-Collar Crazy Coat

何とこの服、
襟が部分的にとは言え
身頃と繋がっていないのだ。

後ろ襟ぐりが、バッサリ切り離されている。
(こんな書き方だと誤解を招く可能性が僅かにあるけど、縫製は勿論完璧。そういう仕様。)

こんな尋常ならざる大襟であれどお構い無しに、根本的な構造部分を後方伸身宙返り4回ひねりで華麗に着地する。
この手腕はもう流石モンタナ様としか言いようが無いんだけれど、こういう凄まじいレベルでの造形への造詣って今でも殆ど類を見ない。

だってビジネスとしてやる以上、こんな誰にでも着られる訳じゃない攻めたデザインはリスクが大きい。

それでもそれを貫き通して、
“着づらさ”　に勝る　“カッコ良さ”
を生み出して成立させていたこの人は、なるほどやっぱり凄い。




さて、この服は

ウエストと両手首にベルトが付いた、
(異様な)大襟のラグランコート。

生地はこっくりとしたキャメルブラウンで、カシミヤが混ざったウールフラノ。
端正で大人しい クラッシーな服に使ってもきっと映える、とても良い生地。


ボディにはサイドスリットが入る。
これ、スリットというよりはベンツ。
テーラードのバックサイドに入るようなサイドベンツが、フロントサイドに来ているような形。

そしてフロントポケットはそのベンツに隠れている。


1番肝要な大襟。
ここのカッティングシステムに付いては
あまりに高度なので説明が難しい。
というか、恥ずかしながら私個人の理解が実物を見ても尚、追いついていない。

ただ切り込みを入れるのではなく、
襟腰に当たる分量も足し加えてデフォルメされているのだと思う。
そしてその卓越したカットによって、このクレイジーシステムは一切破綻せず、どう立てても、どう寝かせても綺麗に襟が座る。

いやもう脱帽も脱帽。凄いや。


サイズ表記9

身幅:56
着丈:81
裄丈:72 (SNPから)