洋服解読所



















LANVIN 2007 by ALBER ELBAZ Over Hooded Neck OP Dress
¥27,000 税込
SOLD OUT
2001年から2015年までの15年間。
15年間ですよ。
1人の人間が生まれて、中学校を卒業するまでの期間とほぼ同じ長さ。
そんな一時代をLANVINと共にした
伝説のファッションデザイナー、
アルベール・エルバス。
優美で淑やか。
そして何より 軽やか。
そんなLANVINのフィロソフィーと
エルバス氏のデザインはこれ以上に無い程の完璧な噛み合い方をしていました。
ご本人のふくよかな体型とそのデザインとはやはり関係があるようで、自分に無いものをこそ美学として投影し、それが作品に現れているそう。
今回は2着、エルバス氏本人が手掛けたファーストラインよりドレスをご紹介いたします。
(このページでは片方だけですが)
どちらも、創作過程のあらゆる位置で彼らしい機転が効いた素晴らしいデザインです。
さて
こちらは2007年のスプリングコレクションより。
ドレーピーな首元が特徴的。
ブラックシルクサテンで仕立てられた
ワンピースドレス。
そのまま被れば顔面一帯をゆうに覆い尽くす大きなフーデッドカラー。
そして、加えてフード部分以外のフロントも、カウルネックのように大きく展開操作されたパターンメイク。
ただのオーバーハイネックと違うのは、この大きな襟の後ろ中心のシームに、きちんとフードの形を生み出すべく頭に沿った丸いカットが入っているところ。
つまり、「これくらい大きなネックならパーカーみたいに被っても可愛いですよね」みたいな受取手側の思い付きとかではなく、はじめからフードのよう被っての着用も想定/示唆されているということ。
フードそのものを短絡的にストリート要素、とするのは些か早計ですが、それでもスポーティかつカジュアルな“軽さ”が加わる絶妙なディテールデザインです。
あとはそもそもの丈感もそう。
快活な膝上丈。
そして両の腰にはジップポケットが付きます。
(写真の4枚目)見えますかね。
このポケットそのものが持つカジュアル性も、このシックなブラックサテンと混ぜれば絶妙なバランスを生みますし、このポケットを開閉するジップもきちんと意味があります。
このウエストポケットと袖口につくジップはriri社のM4、小柄ながらもしっかりと重みのあるラグジュアリーなジップなのですが、この金具の重みがドレーピングの鍵です。
フロントのカウルネックが生む
縦長「U字」のドレープライン。
これを裾の重みで引っ張り強調している訳ですね。
袖口のジップもそう。
この服の場合、手首でクッションさせても、手を全部覆っても可愛いのですが、クッションを選んだ場合このジップが仕事をします。
ジップの重みによって
袖のドレープが手首に集中するんです。
漫画など、フィクションとして描かれる大袈裟なドレープ感に近いですね。
これにより着用時のプロポーションは
更に美しく研ぎ澄まされます。
ベースとして使った生地が
ブラックのシルクサテンであるだけに、
その厳かな空気とバランスを取るように随所にエルバスらしい創意/美学が散りばめられています。
この1着なんかはエルバスらしい
もとい
エルバスのランバンらしい、特色の濃い1着として差し支えないのではないでしょうか。
Made in FRANCE
サイズ表記42
身幅:55
着丈:88
裄丈:80
同シーズンの純正オリジナルハンガー付属。
滑りやすいこの服のため、ベルベット調の生地で包まれた良いハンガーです。
最後の写真は同シーズンのランウェイなのですが、首元の仕様は少し違うかも。
ドレープを全て後ろにやっている可能性もありますが、首元以外のボディのデザインが同じです。
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¥27,000 税込
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