1980s ISSEY MIYAKE Super Oversized Cutting Musasabi JKT

SOLD OUT

この人がいなければ現代ファッションは、とりわけ日本のそれは幾分違うかたちをとっていたでしょう。

この国の誇る作り手、イッセイミヤケの衣服です。

あまりに大きいんで、平置きの写真がなかなか撮れなかったのですが、これは人間に着せてこそ、いや着せないと始まらないので、それで良かったのだと思います。



ムササビです。
極限まで言葉を削ぎ落として形容するならば。

四肢の間の飛膜を、最早畳まず、そのウールギャバジンの流れを巧みなパターンワークで途方も無い完成度に仕上げたデザイン。

アームホールなんてものは無いに等しく、そう形容して差し支えないほどに大きく取られた大分量のウールギャバジンは袖口カフスにて、一気にギャザリング。
100年前のフランスにて羊飼いが着たスモックのような、度を越したギャザー分量です。

また、この身頃と袖の関係は非常に複雑で微妙なカットラインのもと組まれており、ただイカコートのように平面的にライン取りをしたのではないのです。

平面、一枚の布を出発点にはしているものの、そのルーツがあってこそ成し得る立体展開と、加えて洋服畑の立体裁断を駆使した新しい型紙体系。

きちんと腕/袖が存在し、あくまでそれまでの洋の服の中のフォーマットは感じ取れるのですが、そこから先がこのデザイナーの不気味な程の底知れなさ。

どうしてこうも、見たことがないのに懐かしく、
懐かしいのに新しいものが生まれるのか。

この衣服を一度見た後であれば頭の中でパターンとして展開、把握出来るでしょう。

でもこれを0から組む感性……本当に恐ろしい、畏敬を否応無く抱かせる、見れば見るほど言葉がぺしゃり、潰れてゆく1着。



Made in JAPAN
サイズ表記9

着丈:117
裄丈:84