洋服解読所


















TRICOT CdG Velvet-Gingham-Check Crazy Sarrouel PT
¥16,000 税込
SOLD OUT
尋常じゃない程に股上を大きく取ったサルエルカット。
しかしサルエルパンツに付随するオリエンタルなエッセンスは一欠片も無し。
完全に無彩色なカッティングです。
無彩色どころかとんでもないことしてるんですけれど、これ写真で伝わるんでしょうか。
キャロル・クリスチャン・ポエルの服に
【デッドエンド】と呼ばれるカッティングが存在します。
その服を構成する全ての型紙が完全に一つなぎになった狂気的なカッティングエッジ。
前後も左右も、袖も見頃も襟も全部です。
布の限界幅も考慮した上で途轍も無いレベルの理詰めと立体裁断を経て構成されるパターンマジックなんですが、
それにやや近いことをしてます。
左右はやっぱり分かれていますが、前後は脇線無しの一つなぎ。
その上で無茶苦茶に複雑なダーツの連打。
脇線の代わりをするロングダーツや、ヒップラインのクセ取り、仕舞いにはヒップダーツ終わりを縫い切らず拡げてタックに改造。
なんてことを……。
はい、そんな訳でこのパンツ、ヒップがちょっと尖ります……。
洋服が育んできた美意識やセオリーなんて枝っきれの様に踏み潰していく、清々しい渾沌。
面白いビジュアルになりますよ。
この変態的カッティングエッジに気付いたのはパンツを裏返した時です。
このベルベット、陽に当てると中のギンガムチェックが透けるので、どうなってるんだ?と観察しましたところ、シームだと思っていた殆どのラインがロングダーツであることが分かりました。
ベルベットだとシーム見えづらいのでね。
このパンツを書く時、パターンワークとファブリックデザインの何方から書けば良いのか贅沢にも悩みました。
どちらも非常にユニークで面白過ぎるので。
さあこの生地も滅茶苦茶凝ってます。
裏返した時にギンガムチェックだと言いましたが、コレって別に裏地じゃないんです。
裏地は無いんです。
つまり、ギャルソン定番のギンガムチェックから直接ベルベットパイルが生えてるんです。やば〜。
前述したヒップダーツの端っこを筆頭に、ちらほらとベルベットの抜けが認められるのですが、そこを観察してみるとやっぱりギンガムチェックとベルベットの間に何も無い!
常々言うように私は生地に関しては特に明るくないのでどういうプロセスを経て作られているのかキチンとご紹介が叶わないのですが、しかしこれが素晴らしい意匠であることは明白。
自社オリジナルなんでしょうか……
分かりませんが、¥4000/mくらいしそうですね。
そんなパワーに満ちたファブリックですから、カッティングもそれに応えるようにパワフル。
このレーベルに根差す反骨精神はもうどうしたって表出します。
見れば見るほど。
AD2014
サイズ表記L
ウエスト:76
ワタリ:34
股上:67
股下:27
裾幅:32
総丈:84
ギャルソンではこの他にも展開されているカッティングですが、兎に角、変です。
サルエルをストレッチ無しの素材で組むとこんな感じなのか、という着用感。
裾幅の広くないロングスカートみたいな感じです。
大股で走ったりは出来なそう。
スカート感覚での登用に備えて総丈も記載しておきます。
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¥16,000 税込
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