洋服解読所




















EMPORIO ARMANI French_Work_Taste Goat Leather JKT
¥84,500 税込
SOLD OUT
このレザージャケット本当に面白い。
そこらのレザージャケットとは全くの別物。
それはクオリティの良し悪しじゃなくって、デザインベクトルの独創性の話。
平たい襟。
綺麗な前振り袖。
後ろ下がりの肩線。
そして撫で肩&鳩胸を作る型紙。
この撫で肩&鳩胸メイクは前ボタンを2つ以上閉めれば発動するんですが、例えば1番上のみを閉めたり、前開けにしたりすると撫で肩&鳩胸の為に用意されたゆとりが全部裾に逃げて、身頃前端を外に捌けさせる。
そう、フレンチワークからの型紙引用です。
型紙だけでここまでアイコニックな洋服も、思えばそう多くありませんね。
さぁアルマーニ、それをライトグレーのゴートレザーでサンプリングしました。
カッコ良過ぎるでしょう。
裏地と襟はブラックフランネル。
※裏地にネルと言いましたが、滑りが必要な箇所はきちんと化繊で切り替えられています。
ビジュアルがすっごくカッコ良い。
それで良いじゃん。サイコー。
じゃなくって、もう少し掘りたいよ って人に興味を持っていただけるようやってきたのが弊店ですから、もう少し魅力を掘り下げていきましょう。
じゃなきゃ未来に繋がんないんです。
さあ
先ず特筆したいのはこのレザーはゴートレザー。
カウハイドくらい、結構しっかりと形が出るタイプのレザーです。
珍しいでしょ。
弊店が取り扱うのって柔らかいラムレザーばっかりですから。
でもこのゴートレザーというチョイスはこの洋服と根本的な部分で深く噛み合っているんですよ。
前述したフレンチワークの型紙が鍵です。
元来はフロントを正しく閉めて撫で肩と鳩胸を作るための型紙ですから、これくらい強度のある素材を使わないとその形が出ないんですよ。
古いフレンチワークお持ちの方で、
「全閉めするとネックラインが首に沿わない/少し浮く」
と言う方は少なくないのではないですか。
これは肩傾斜、ひいては理想体型の不一致 から来るものです。
この型紙は肩から首への滑らかな線の繋がりを理想として描いた設計ですから、一旦ネックラインで襟を落ち着けて……ってならないんです。
余程撫で肩じゃないと。
先ず美学としてそのラインメイクがあったことを前提に置いて、ではフロントを開けるとどうなるのか。
肩先で着ていたところ、その荷重分散は肩線全体に分散出来るようになり、肩から首へしっかりフィットするようになりますね。
そしてそこで浮いていた分量は前端に逃げるという理屈。
写真1枚目と2枚目の対比はそういうことです。
さぁそれら踏まえた上でこの素材チョイスはどう見えてきますでしょう。
フレンチワークが描いた元来の理想型への賛美がより鮮明に映り、これがサンプリングであると同時にオマージュでもあることも見えてきます。
コンテクストを使いこなした、流石アルマーニと言う感じのハイエンドなデザインですが、あくまでこれは手段。
目的は鮮烈で示唆的な新しいビジュアルです。
しかしそこに辿り着くまでのデザイナーの仕事の中身、クオリティってのは揺らぐことの無いその服の純然たる「価値」ですし、それを理解せずに買うにはハイブランドの服は高過ぎるでしょう。
Made in ITALY
サイズ表記46
肩幅:46
身幅:52
着丈:73
袖丈:64
サイズバランスまでフレンチワークみたい。
ジャストフィットで是非。
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¥84,500 税込
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