c90's BALL Various Pockets Design Oversized Cargo JKT

SOLD OUT

かつてマリテ&フランソワジルボー(以下M&FG)が世に放ったスーパーカジュアルの系譜。

その1ページがこちらの“BALL”ブランドです。

MIL○○○IMES、C○O○ED、11○○2、70年代から様々なレーベルを展開していたM&FGですが、こちらのBALLもその一つ。

まだ正直、どのレーベルにどういう特徴/コンセプトがあって……みたいな解説が出来るほど情報が集まっていません。
共通して言えるのはM&FG特有の独創的なカッティングエッジは他の追随を絶対に許さない領域にまで、研ぎ澄まされ尽くしていたということ。

アナトミカルでユーモラスで、兎に角挑戦的なカッティングの数々。

90年代後半になると何というか、綺麗にパッケージングされちゃってある種別のレーベルに感じてしまうのですが、それ以前の濃密なクリエイションは今でも、いや今になって更にコアなファンを増やし続けています。


なんて言って、
今回出すのはおおよそ90年代くらいの日本ライセンス品。

ライセンス品なのに、今集めてるオリジナルBALLの一群の中でも際立って、分かりやすく独創的。

80年代にデザイナーズカジュアルが爆発させたワイドシルエットのボディバランスに、最早ランダム設計かと思い違うほど斬新なポケット配置。


恐らくこの配置/設計の鍵となるのはカジュアルブルゾンにおける【アクションプリーツ】と【ハンティングポケット】なるディテール。

これらは
背面におけるアームホールの可動域を拡げるためのディテールと、
獲物を合理的に持ち運ぶための背面両サイドに配されるポケットですね。

そしてこのブルゾンでは、背面でそれらをドッキング。
アクションプリーツのラインを取りながら、深く深く拡張した袋布を配置して実質ポケットとして機能させるというデザイン。

それをフロントにも転用。

アクションプリーツの顔をしたディープポケットが走ったラインを手掛かりに様々なポケットを派生させ、フロントをポケットで左右非対称に埋め尽くしたクレイジーカッティング。


これこれこれ！！！
ジルボーにやってほしかったのってこれです！！

キャサリンハムネットの名作にもあるランダムでバリエーションに富んだポケット構成。
そこに並ぶとも劣らないカッティングの熱量。

そしてそのどれもが独創的で、これだけ情報が氾濫した現代で見ても尚新しい。

本当はユーロオリジナルじゃないの？って疑ってしまう作風ですが、どうやらライセンスワーク。

こう言っちゃ失礼ですが、それでもやはり、これは奇跡的な一着であると思います。


焼け煤けたスモーキーテラコッタに薄緑のスプラッシュが入った、言っちゃえば難有りの個体ですが、恐らくファーストオーナーはこのポケット群を本当に実用的に使ったのでしょう。

こうした染料/塗料の飛びはその服が本当にリアルユースされたことの、そしてその服のディテールの完成度の何よりの証左でありますから。


そうした小さくて大きな歴史ごと、がばっと羽織ってお楽しみください。


サイズ表記L

肩幅:(38)
身幅:73
着丈:72
袖丈:(64)