洋服解読所



















JI MIN LEE Asymmetry Gimick Design Silk_Broad Cargo PT
¥15,000 税込
SOLD OUT
韓国の女性デザイナー、ジミンリー。
ここの服面白いですよ。
エロティシズム、セクシュアリティ、そして人間の裸体への関心をキーワードに紡がれるクリエイション。
女性→男性への視線がこのレーベルにおけるキーセンテンスになります。
男性性を内包する要素、例えば構築的なテーラリングや軍服に込められた合理性、それらを物理とイメージの両面から切り裂いて、その裂け目から覗き見たビジョン。
そんな訳でこちらのレディース規格のカーゴパンツにも マスキュリンエッセンスの独特なインポートと荒々しい折衷が染み込んでいます。
さあベースはまさにメンズウェアのど真ん中。
随分削ぎ落とされてはいますがアーミーパンツ。
このカテゴリではアイコンと呼んで差し支えないであろう膝位置の大振りなカーゴポケットは無し。
膝の立体的なタック構築も無し。
ヒップポケットは右サイドのみ。
しかしその右サイドのみのヒップポケット位置には本来膝位置に存在したであろう3D構成のカーゴポケットが。
しかもポケット横腹から伸びるストラップまで再現されています。
止血帯だとか、ポケットに入れた荷物を縛り付ける用だとか、諸説ありますけれど、ヒップポケットにこのディテールを引用したところで使い道はゼロです。
どうにも結べない。
つまり、もう既に実用性なんてこの服の論点に無いのです。
その目線は既に「性」への新しいアプローチにこそ向けられているので。
そうして実用由来のディテールは装飾のワンコードに捻じ曲げられ、利便と合理で固められた男性服は徐々に解体されていきます。
ウエストに散りばめられたランダムカットのステッチパッチもその一つかな。
ベルトループの追加でも無く、何かを引っ掛けられるトンネルがある訳でもない。
これも実用性ゼロの非合理ディテール。
これは想像ですけれど、インスピレーションソースとなったパンツに入っていたリペア痕でしょうか。
だとすればこれもロジックの破壊です。
リペアの持つ本来の“補修”という意味合いを無視し、ビジュアルの目新しさ、言葉になり得ない特有のリズム、そういったものを装飾的にインポートしたディテール。
そうして作られたミニマルなコラージュワークはシルクブロードというファブリックチョイスで完成します。
カーゴパンツに選ばれることのない素材、シルク。
それの平織り。
やってる事をメンズコードの改造であることを強調すべく、色調は元ネタ通り、オリーブドラブをチョイス。
シルエットは僅かにテーパーの効いたセミストレート。
股上はやや浅めで、股下は長めのデザイナーズレーベルっぽいセクシーなサイズバランス。
ボディバランスの設計で纏わされる最後のワンレイヤー、エロティシズム。
構築と脱構築をコラージュ的に、しかし削ぎ落としながら組み立てたデザイン。
非常にカッコ良いです。
サイズ合えばメンズも是非。
Made in ITALY
サイズ表記38
ウエスト:75
ワタリ:31
股上:23
股下:74
裾幅:21.5
左脚中程にごく小さな薄い汚れあり
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¥15,000 税込
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