GIANFRANCO FERRE Sheer-Silk Switched Tailored Long Coat

80年代、絢爛を極めた時代のミラノにて、
その中でもさらに強力な輝きを
(物理的にも)放っていたスーパーレーベル。


ジャンフランコフェレ。


このレーベルが誇る構築的なテーラリングが希釈無く炸裂したテーラードコート。

非常にメンズ服的な、
ソリッドで端正なカッティングです。
ウィメンズウェアとは思えない程のラインの力強さ。

フロントはボタンレスで、左右のラペル折れ線がアシンメトリーになっています。

ここ非常に解釈が難しくって、単なるプレスミスなのか意図した非対称なのかが本当に分かりません。

トルソーでは上前の重さと摩擦で普通に左右対称になっていますが前を開けると左右非対称に戻ります。




テーラードアイテムとしての
ファブリックタフネスは最低限。
ソフトなレーヨンアセテートでの仕立て。

そのソフトボディに太い糸をローピッチで織り込みピンストライプを作った生地デザイン。


そしてそのストライプに沿うように透け感の強いシルクオーガンジーを差し込んだパネル切替構成。

左前身頃と右後身頃に
それぞれ部分的シースルーが配置されています。

マスキュリンとフェミニン、
各要素の斬新な混ぜ方。

ちなみにここのシルクオーガンジー(コットン9%混成)は勿論のこと、裏地も繊細なシルクですから、非常にデリケートな一着です。



設計も本当に大変だったと思います。

シースルー部分のオーガンジーとシフォンを間違えただけでも、
又はボディのレーヨンアセテートをもう少しガッシリした素材にしただけでも、

途端に均衡が崩れるような緊張感のある、素材同士のアクロバットな組体操。

この点はパタンナーが本当に凄いです。


圧倒的なビジュアルパワーと引き換えに、洗練された丁寧な所作/ライフスタイルが求められる洋服です。
ファッションにおけるノブレス･オブリージュ。


Made in ITALY
サイズ表記38

肩幅:39
身幅:46
着丈:98
袖丈:62