洋服解読所



















1990's LOWRIDER Dry Purple Heavy Cotton Pique Oversized Chore JKT
¥45,000 税込
残り1点
1980年代に渡英し、英国で初の日本人DJとなった人物。94年にはイギリスのマルコム・マクラーレンを文脈とするダンスミュージック&ストリートカルチャーシーンを紹介するショップを裏原宿にオープン。
Judy BlameやMalcolm McLaren、Hussein Chalayanなど、後世でクールブリタニアとして崇められるスター達を日本に輸入。
これが【LOWRIDER】を立ち上げた
DJ Marbo氏の略歴。
88年の【セカンド・サマーオブラブ】をオンタイムで実体験した彼(とDJ Harvey氏)らの作るオリジナルレーベル。
必然、アンダーグラウンドなミュージックシーンをクリエイションソースとしたクールな洋服が展開されましたが、今回のようなアーリーピースは後年のピースとは濃度が違う。
UKメイドのオリジナルレンジ。
ダスティパープルの厚いコットンピケで仕立てられたフーデッドチョアジャケットです。
これまた重たいビジュアル。
ガーメントダイによるムラ感のある仕上がりが非常に情緒的。
しかしこの情緒、春はあけぼの……なんてお上品なものじゃない。
マインド的にもフィジカル的にもアンダーグラウンド、世紀末の地下深くで溜め込まれた陰鬱とした膨大なエネルギー、そこをこそ写し取ったもの。
結果的にそのエネルギー達は、今のファッションシーンを牽引する最前線クリエイターとして大活躍している訳ですから、このレーベルの先見の明は言わずもがな。
根元に大きめのタックが畳まれたフードのカッティングも面白い。
実際被っても視界を著しく邪魔することのない浅いフード設計ですね。
防寒じゃない。
カッコつけるためのフード。
今回一緒に出すチョアジャケットにも共通するのですが、大振りな3Dポケットは2部屋が重ねられた二重構造。
それが生地の草臥れでぐしゃっと撓む様も良いリズムを作ってくれています。
実際なんでも入るから便利ですしね。
付属のウエストベルトやエポレットは切り落とされ、恐らくフードのドローコードも抜かれてますね。
本当に邪魔だったんでしょう。
「たかが洋服だし自分の好きなようにするよ」って声が聞こえてくる、ぶっきらぼうなリメイク。
ウエストベルトが無くなったことでボディは更に開放されていますが、ここにも服飾史での一大ムーブメントであるウエスト解放が。
エポレットが切られていることから、ショルダーバッグやボディバッグを背負ってたんでしょう。
レコードでも詰め込んでたんじゃないですか。
そうした重量になるとエポレットは本当に煩わしくなりますからね。
そんな訳で、スタイリングでも大きめのボディバッグを持たせてます。
完品を良しとするのは大前提なのですが、こうした着用者のライフスタイルや価値観、営みそのものが反映されたピースもまたファッションの美しさのひとつ。
マイナスポイントとされる欠損のひとつひとつをフラットな気持ちで見つめ直すことで見えてくる風景もあるのかなと思います。
Made in ENGLAND
サイズ表記M
肩幅:52
身幅:60
着丈:75
袖丈:59
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