VERONIQUE BRANQUINHO Semi-Flare Tailored Slick Slacks

SOLD OUT

卒コレがまるっと盗まれちゃった人。


ブリュッセルのアートスクールで絵画を学んだのち、アントワープ王立芸術学院にてファッションを専攻。


来歴だけ見ればアントワープ6の後輩に当たる訳ですから、先人達のようにインパクトに満ちたコンセプチュアルなブランドなのかなと構えちゃうところ。

しかし全然そんなことない。
(悪い意味じゃないですよ。)



ダークでフェミニンでいて美しい女性像。
世界観自体は濃密でありながら、最終着地ではあくまでリアルクローズの範疇を越えない。
(勿論例外もある)


枠を破壊するエネルギーと言うよりは
その枠の中でのクオリティを追求する方向にエネルギーが圧縮されたような服が多いように思います。


今回のスラックスなんて正にそう。


チョークストライプの中肉ウールで仕立てられたテーラードスラックス。
正統な紳士服の文脈に基いたアイテムフォーマットです。

これが滅茶苦茶美しく、女性らしく(というよりヴェロニク・ブランキーノらしく)ブラッシュアップされている。


腰からヒップにかけてのフィットは徹底的に無駄を削ぎ、かなりコンパクトに。
それこそエディ・スリマンのパンツみたいなフィッティング。
そしてそこからの綺麗なセミフレア。

ヒッピーの香りを全く感じない、
冷酷なまでのエレガンス。
派手なシェイプを入れず、シェイプの始点を高く取ることで成立する完璧なシルエット。
それを形状記憶式の裾補強テープが完成させます。


シビアなサイズ感は現代ではあまり歓迎されないのかもしれませんが、ジャストフィットした時のラインの圧倒的なプロポーションは他の追随を許しません。



そして
そのエレガンスを更に打ち固めていくのが各所ディテールの作り込み。


紳士服顔負けの手の込んだ裏面構成は勿論の事、
左右のスラントポケットとウエストベルトは通常の縫い端から更に一枚エッジが追加レイヤードされています。
ミニマルながら存在感を絶妙に増強する
独特のユニークディテール。



そしてサイドポケットにもう一癖、隠れています。


それが
ポケット内部からヒップポケットに続く横一閃。

ヴェロニクのスラックスでしばしば見られるアイコニックなカッティング。

従来の型紙システムじゃ届かない細部の微調整。

スラックスというアイテムでは従来ウエストから下方に向けて伸びていたヒップダーツを横方向に組み替え、ヒップポケットの持つラインと混同させるという革新的なユニークアイデア。


ミニマルなビジュアルの中に妥協無い情熱。


ぱっと見のビジュアルはノームコアに見えるかも知れませんが意味合いは真逆です。

このデザインはノームコアではないし
これを選び着用する行為も、ノームコアではない。




サイズ表記34

ウエスト:70
ワタリ:26.5
股上:24
股下:76
裾幅:22.5

内タグはヒップポケット内部にありますが、ヒップポケットの仕付糸が解かれていないミントコンディションの個体であるため、生産国と確実な素材表記は不明です。

多分ベルギー製でウール100。