洋服解読所















80-90's MONSIEUR NICOLE Inside_Out Tailored Stripe SH
¥11,000 税込
SOLD OUT
カッティングの時代の終焉を告げる90年代のメタデザイン系譜。
ルーツの反転、
用途のシャットアウト、
アンフィニッシュ、
失敗や作りかけ、又は製作過程を映写することで洋服そのものの内側に視線を向けさせる“アトリエテイスト”。
色々ありますね。
CdGやMMMが大きく推し進めたセンセーションですが、その波紋はこんなレーベルにまでも届いています。
今回ご紹介するのは
白地にグレーのストライプが入った
ボックスフィットのオープンカラーシャツ。
こう書くと、至って普通ですね。
「ボックスフィットのオープンカラーシャツ」
なんて、天邪鬼な皆様は目にするだけで蕁麻疹が出るんじゃないですか。
2020年代の小綺麗なメンズカジュアルを席巻したフォーマットですからね。
しかし、確りとユニークでアイデアの効いた個体を持ってきましたよ。
冒頭で触れた諸要素、そのうちの一つを巧みに取り入れたハイカジュアル……という位置付けです。
そう、「インサイドアウト」。
縫い代を外に出したりする簡単なもんじゃない。
先ずストライプ柄に上手く隠されているのが
「前端見返し」のインサイドアウト。
通常服の裏面/内側に隠される“仕立て”の一過程な訳ですが、これを表に出してきています。
故に前端部分は裏面から見た方がつるっと綺麗に見えますね。
この見返しはストレートステッチで前見頃に縫い留められることも多いのですが、この個体では等間隔のカンヌキステッチで最低限の縫い留め。
“反転見返し”に気付く余地を与えてくれていますね。
そしてこのシャツに使われている生地、その箇所毎にストライプのピッチが微妙に違っています。
素晴らしい。
各パーツでの遊びが柄に埋もれ切ってしまわないためのウィット。
更に裾にも非常に小さく遊び心が。
見えますか、極細巾の平織テープ。
これも本来服の裏面にあるはずのディテールです。
このシャツなんて正にそうなんですが、裾をラウンドさせた時の裾処理を綺麗に仕上げるため、3つ折り&ステッチに替わって選択されることの多い裾処理ですね。
いやしかし……、インサイドアウトを強調するならもっと太い幅のテープ使っても良さそうなところ、あくまでさり気無く、小粋に着地させてくれている。
よく見てやっと、又はこうして説明があってやっと、その遊び心に気付ける絶妙な主張バランス。
パッと見ではシンプルに見えるのでしょうけれど、非常に面白いですよ。
大味なパワー系デザインに胸焼けしたら是非こうしたチェイサーを挟みましょうね。
コットンにキュプラを混ぜた気持ち良い肌触り。
ポリでもナイロンでもなくキュプラを混ぜるというのが個人的には大好き。
コットンのドライなテクスチャを保ちつつも柔らかでヌメっと上品な表情。
「ボックスフィットのオープンカラーシャツ」に当てがう生地としてこの上無い大正解の一つ。
やっぱ古いニコルは良い服多いです。
言わずもがな縫製綺麗ですし。
Made in JAPAN
サイズ表記 M
肩幅:54
身幅:62
着丈:79
袖丈:59
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¥11,000 税込
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