80-90's HENRI LLOYD Hidden Pocket Design Active Vest

私のような庶民からは縁遠い世界で栄えた
セーリングカルチャー。


そして、それを彩るセーリングウェア。





その覇権とも言える英国レーベル、

HENRI LLOYD / ヘンリー･ロイド

の　オールドピースです。





“世界初のヨットでの無寄港世界一周を
成し遂げたセイラーが着ていたウェア”

なんて触れ込みに出会いました。






ヨットで世界一周？？？


しかも無寄港？？？


ちょっと意味が分かりませんよね。
現代でも出来る気が全くしませんよ。

(しかも信じ難いことに’69年の話)





で、そんな超人達の世界
選ぶウェアは最早【装備】です。
ありとあらゆるシチュエーションに対応出来るハイエンドなマリンウェアが必要。

そうした中で抜きん出たのがこのレーベル。

ファブリックにおけるコーティング技術や
シームへの止水テープシステム等、
画期的な技術革新を推し進めた歴史を持ちます。







さあこのベストはと言うと…？



生地面でのケミカル要素はほぼほぼ無し。

使われているのは、オックスとキャンバスの中間くらいの丈夫なコットンファブリック。

見返しにさり気無く配されたバーガンディに若干ケミカルウォッシュの気配もしますが、まあコーティングとかは無いですね。



この点、先ず使い易さに繋がりそう。




そして秀逸な構造デザインがサビでしょう。


身頃の半分近くを覆おうかというサイズの大振りなフロントポケット。

ポケット自体に入ったインバーテッドプリーツは飾りじゃなく実効性のあるリアルディテール。




そして前身頃の前端に隠れた半月ポケット。

隠れてるくせに、これがなかなか大きい。
お財布くらいなら入りそう。




………………




ヴィンテージ好きな御仁ならもうウズウズされていることかと思いますが


いやこれ

ハンティングベストやないかい！




海は？
ヨットは？
セーリングは……？






という事で

これは

世界的なマリンウェアレーベルが作った
ハンティングベスト

となります。


結構人気があったようで
色んなカラーバリエーションが存在します。
勿論どれも中々レアですが。




で、この狩猟服由来のディテール、完全なマリンウェアであるセーリングコートにも転用されているんです。

真逆の環境でのアクティビティでありながらも、【収納力】って需要は共通している訳ですね。



現代でのメタを充てるなら
［手ぶら派諸兄へのカーゴピース］です。


Made in ITALY
サイズ表記L

身幅:60
着丈:64

良いですよね、半月ポケット。
少なくとも1920年代からあるみたい。