洋服解読所

















80-90's MARLBORO CLASSICS Technical Pockets Ex_Oversize Casual PT
¥19,000 税込
残り1点
あのマルボロが展開し、はるか昔(70年代)に分化して独立したファッションブランド。
名前はコロコロ変わってますが、
87年以降はこの名前。
【Marlboro Classics】
現代だと煙草のマルボロとあんまりに他人ヅラしてるもんだから、冒頭の一行の裏を取るためにかなり時間を取られましたよ。
これも
「ヨーロッパに吹いたアメリカの風」
の文脈です。
亜種ですけど。
ミリタリー方面のアメカジってよりは、西部開拓時代のウエスタンのカルチャーへの憧憬を形にしたレーベル。
(当初はアメリカ本国で作ってたんですが、最初の社名変更の段階でユーロ製造に移っちゃって、そこからマルボロクラシックスに至るまで、イタリー生産が基本となりました。)
誰も注視こそしないものの、
なかなか奇妙なルートを辿るレーベルです。
そんな訳で、服としては至極真っ当なユーロカジュアルの骨組み。
アメリカでアメリカの服を売るより
ヨーロッパでアメリカのエッセンスを混ぜた服を売ることを選んだ、みたいな感じでしょうか。
カチッとしてないくせに長い前置きでした。
サッサと商品紹介を、なんなら結論からいきます。
[滅茶苦茶デカいカジュアルパンツ]です。
・ウエスト90オーバー
・ワタリ巾40オーバー
の豪放なサイズ設計。
だぶだぶ。
生地はミッドナイトネイビーの
コットンギャバジン。
滅茶苦茶にカッコ良い。
この生地ならではの滑らかなテクスチャと、アタリの映えるドライタッチ。
この生地でこのオーバーサイズ、
良いに決まってる。
……いや、決まってはない。
ここから先の作り込みこそが服の命。
見ていきます。
フロントカットは深〜い1タックで勝負。
往復8cmも畳んでる……。
で、
このパンツのキモはポケット。
(肝とキモいを掛けてます)
写真枠3枚掛けて撮ってますが、
伝わりますでしょうか。
言葉で上手く説明出来ない
ユニークなカッティングなんです。
ポケット下端に垂直気味に重ねられた機能性ゼロのレイヤードパーツ。
十二単なんかに見られる夥しい左右の重なり、その1パートをポケットエッジでやってる。
こんな大味なアイテムにこんな繊細で小粋なウィットを……
いや
そもそも大味なアイテムではないのか?
歴とした、本場のエスプリに野放図なイメージを被せているだけなのか?
さてウエスト処理もまた良い。
フロントウエストにはウエストベルトがパーツとしてちゃんとある。
でもバックウエストはウエストベルトが分割されていない。
内ウエストの後ろ半分は見返し処理。
カジュアルとフォーマルの間を狙ったアイテムでたまに見られる仕立て選定ですね。
先程の見立てはどうやら正しそう。
これは野放図に組まれたオーバーサイズボトムに見えて、それに負けないクオリティの機転が効いた、正真正銘の“ハイ”カジュアル。
そのシルエットは欲しい。
けれどクオリティに妥協したくない。
そんな、何千回も見たジレンマへの特需。
Made in ITALY
サイズ表記54
ウエスト:92
ワタリ:41
股上:33
股下:84
裾幅:22
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