洋服解読所



















c70-80's SAMAS (EU) Crotch Hold Design Alpen Smock
¥24,000 税込
残り1点
例えば「スポーツウェア」。
ファッションウェアとして出発して“いない”洋服群のひとつ。
人々の装いがコンフォートされて久しい昨今、そうしたルーツを持つレーベルは案外少なくありません。
イタリア北部、スイスに国境を接するヴァルテッリーナで半世紀以上前にスタートしたアクティブウェアレーベル、
SAMAS
そのヴィンテージレンジが届きました。
同時代のゲレンデシーンを象徴するエッセンスのひとつに、パキパキの原色ナイロンで仕立てたスキー用のパフジャケットがあります。
このSAMAS社からもそうしたアイテムはリリースされていました。
が、
この個体はそうした文脈とはまた別軸。
ノルウェーなんかに多く見られる形のアルペンスモックをトレースした非常に珍しいボディフォーマットです。
ネックラインのカッティングなんかが非常に特徴的ですね。
ただ、プルオーバーのアノラックではなくフロントを開いてダブルジップ仕様に。
ゴツいririが光ります。
首元の変則的なスナップボタン配置も奇天烈で面白い。
(これ何処かでソースを見かけたんですが、何だったかな……)
そしてスモック由来のボクシーなボディバランスも絶妙にモディファイし、(当時視点で)ファッショナブルなカッティングに。
なので絶賛回帰中の80-90年代風ルーズフィットとは根っこが少し違います。
どこか70年代風の袖付け。
この設計はこのジャケットにおける
“生地選定” と隠れたシナジーがあります。
結構ガサっとした野暮ったい厚手のコットンクロス。
使用感やフェードの映えるこの生地は、ルーズフィットにした時の優美なドレープなんかとは
ちょっぴり相性が悪い。
形が強めに出るので。
そんな訳で、
最初からある程度人体に基いた設計で組むことで、ゴワ付きのストレスを大幅に解消している……という感じです。
そうしてローテクながらもアナトミカルに組み上げたこのジャケットを完成させるのが、裏面バックサイドに格納された
“クロッチホルダー”。
登山なのかアルペンスポーツなのか。
用途は不明ですが、その何れにも有効に作用する大胆なディテールデザイン。
こうした、“現代洋装から削り落とされた珍ディテール”ってのはやっぱりテンションが上がります。
馴染みが無いが故に必然的にフラットに見られて、フラットに見られるが故に興味深く映る。
本来の用途でも勿論使っていただきたいですし、ビーバーテールの亜種として、ダランと垂らしてもきっとキュート。
フェードしたラギッドな生地感、
レッドという攻めた配色、
そこに変化球ディテールデザイン。
誰でも簡単に……
という感じのアイテムではないかもですが、確実に刺激とニュービジュアルをくれる服です。
僕は製品染めの赤いリーバイスと合わせて攻めのカマイユ……なんてのを推します。
勿論クロッチホルダーも巻いて。
Made in ITALY
サイズ表記48
肩幅:50
身幅:57
着丈:70
袖丈:60.5
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レビュー
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