c90's GIANFRANCO FERRE Oversized_Buttons Design Black Fire_Warden Coat

SOLD OUT

ああ建築の世界出身の方のデザインは何故こうも…………


このデザイナーの作品をご紹介する時、私はそういった旨のセンテンスを混ぜがちです。



でも多分その「建築出身」って文脈はこの人を構成する数多の要素、そのごく一部でしかないのではないかと、最近思います。



ナイロンを30%混ぜたブラックコットン。

生地はキャンバスかな？
ガシッとした質感をイメージしがちな平織りの生地ですが、30%入ったナイロンが素晴らしい仕事をしていますよ。

コートとして最低限の生地ボリュームを前提に、ナイロンオンリーかと思うほどの流麗な質感。


そんな素晴らしいファブリックで仕立てられたオーバーサイズ設計のコート。

大振りな襟からはみ出てくるのは
これまた大振りな太巾チンストラップ。

そのボリュームを拾うように、
身頃の前立ても太巾での仕立て。

極め付けはフロントボタンのチョイス。
めちゃくちゃ大きい。
マルジェラのドールシリーズに通ずる面白い違和感。


そんなボタンシステムを隠す大きな前立ての裏側にはこのコートのデザインルーツを垣間見ることが出来ました。

それは
第一ボタンと第二ボタンの間。


金属製のロゴプレート。

【FERRE】を中心に
EMERGENCY
FIRE WARDEN

ファイアワーデン

ファイアーマンとは違うの？
というご疑問には20枚目の画像を回答に代えさせていただきます。


右前→左前→右前→といった具合に
二重に重ねられた重厚なフロントや
調整のし易さに重点を置いた袖口のアジャスターベルトも、このアイテムルーツに即したベクトルを感じますね。


ガチガチのファイアマンコートではなく
微妙にズラしたニッチな雛形チョイス。
私こういうの大好きです。

(でもフェレがファイアマンコートを作ったら、あの重厚な金具をどうアレンジするのか……ってのも、とても気になります。)



“ファッション以外の物事からヒントを抽出してハイファッションへ昇華する卓越したセンス”

という文脈こそがこのデザイナーの真髄のように感じます。

そしてこのコートはそれを如実に表す作品のひとつです。




Made in ITALY
サイズ表記52

肩幅:51
身幅:65
着丈:89
袖丈:59.5