洋服解読所















2007S/S UNDERCOVER Rose Embroidery Design Solid Tailored JKT
¥32,000 税込
SOLD OUT
背中から右肩にかけて
大きな刺繍の入ったテーラードジャケット。
右肩の蝶、とはいきませんが
品良く艶やかな糸で重蜜に刺繍された黒薔薇。
荊が穿った血だけが赤い。
仄暗くロマンティックなモチーフチョイスとポップにモディファイされた絵柄のギャップがこのレーベルの当時の空気を如実に映していますね。
ダークファンタジーから
ダークロマンスに舵を取り
オーセンティックな「洋服」の領海に侵入したタイミングという印象。
だってそのテーラリングは
こんなに美しいんだもの。
キンと張り詰めた緊張感のある仕立て。
最近はデザイナーズブランドであれど、ミシンの糸調子すら合わせられない所が少なくありませんが、それを嘆くのはこうした最高の仕事が存在するから。
身体を覆い隠しているのにそのダイナミクスを暗に誇張する流麗なラインメイク。
袖の内巻き/前振りのバランスも言うに非ず。
袖口ワンボタンの本切羽仕様もそのオーセンティシティ/アティテュードを示すハイライト。
ピークドラペルでシングルブレスト。
この仕様選定も非常に繊細なバランス。
ドラマチックで
それでいて
そこはかと無くナイーブ。
さあその裏側にはブレストストラップ。
古いダブルブレストのテーラードによく見られる、クラシックなディテールですね。
これをシングルブレストのジャケットに使うってのが凄い。
と言うのも、
これってダブルブレストの前合わせで内側に隠れた方のボタンを形状保持のために迎えに行くストラップなんです。
だからダブルブレストじゃないと成立しないんです。
シングルブレストで迎えに行っても、そこには本来留めるためのボタンホールが既にあるんですもの。
じゃあどうするのか/どうなってるのか。
「成立させない」がアンサーです。
既存のボタンシステムから華麗に脱獄する、
全く新しい構造がデザインされています。
「このジャケットの前端にはボタンホールが無い。」
右前見返しに隠れたストラップループにストラップを通して着用するジャケット。
必然、前端同士は完全に留まっている訳ではないので自然と靡いて絶妙に肌蹴ます。
必然、ストラップループにストラップを通さず着用すれば、その肌蹴具合は更に加速します。
そうして露になる理外のストラップシステム。
さあ、どう着るのも其々に新しいカッコ良さが思い描けそうですね。
背中にグラフィックを入れて終わりじゃない。
こうした本格的な
-それでいて独創性を妥協しない-洋服が大好きです。
肩がピタリと合った時のカッコ良さは
真顔を保てないくらい凄いですよ。
Made in JAPAN
サイズ表記4
肩幅:41.5
身幅:50
着丈:69
袖丈:69.5
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¥32,000 税込
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