洋服解読所

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2011S/S EMPORIO ARMANI Slit_Elbow Cutting W_Breast Silver Leather Riders

¥56,000 税込

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世紀末のヘルムートラングを想起させるシルバーのリアルレザー。


ダブルブレストのライダースをベースに、上襟だけを取り払った奇抜なフォーマット。

あえて文字に起こすなら
“ラペルはあるのにカラーは無い”
みたいな話です。


【ダブルブレストライダース】
ってのはどうしてもイカつい服です。

でもメンズウェアに於いて避けては通れない絶対的なマスターピースの一つでもあります。

そうした、言っちゃえば最早クラシックでさえある堅固な洋服を柔和にソフィスティケートしていくのがアルマーニの仕事。


このジャケットは2011S/Sの作品。

そこから約30年前に起こしたアンコン革命の続き。


アルマーニが革命したのはスーツではなく
スーツを通して男性像を革命したのです。

その後の時代の移ろいはご周知のところかと存じますが、その革命は過去完了系ではありません。

今年で御年90歳の同氏がいなくなった後も、その強固なDNAが途絶えるまでずっと続くのです。


ディテールに富んだジャケットですが
このジャケットにおいては、ディテールよりもその存在意義にこそ焦点を当てた方が意味が伝わるかと思いまして

前置きがまたこうも長くなりました次第です。



ディテールはサッパリといきます。

前述したように上襟を排した……と書きましたが、実は一部残っております。

【半月台襟】です。

テーラードジャケットの襟を仕立てる際に多く用いられる、隠れた切り替えパーツ。

襟における“首への吸い付き”を左右する、非常に重要なディテール。
ここだけ残すことで、ノーカラー仕様の物足りなさを絶妙に解消。

そしてこの台襟ってのは、半月仕様か否かに関わらずしっかり形を出すためにやや強めに芯材デザインを行います。

現代では接着芯が普及しましたが、それ以前の古い紳士服では等間隔のステッチワークがこの台襟パーツを埋めていました。
(芯材を裏から手まつりで縫い付ける上等なテーラリングは一旦例外)

そうしたメンズウェアの根本的なルーツをあえて表出するように引用するのも、ソフィスティケートした後のイメージ補強の一環。

ここら辺のバランスワーク、その完璧な匙加減はもう感嘆する他ありません。



あと、肘も面白いです。

曲げた時に伸びる外側にスリットを入れて腕の稼動性を大きく広げています。

※バイカージャケットということで、肘セクションには補強ステッチが平行に並ぶんですが、その横線に混ぜ込むように横方向スリットを入れてるってのがまたニクいです。


さてそのスリットの隙間からは裏地がチラリと見えるんですが、なんとコレが裏地じゃない。

これは裏地に似せたスレキ。
裏地は別でちゃんとあるという……。

なんと丁寧な仕事か。
あくまで裏地の裏側-ひいては洋服の裏側-は見せないということですね。



内ポケットも見返し際に隠すシームポケット仕様で両胸に入ってますね、面白い。


完璧主義者がエゴを貫き尽くして服を作ると、こういうコダワリの塊みたいな妥協ゼロのパワーピースが出来上がる訳ですね。


いやはや多分私が気付いていない凄い仕事がまだまだ隠れているのでしょう。

凄い服です。

これぞ春のお楽しみ!という感じの
ラムレザーライダース。
中には軽くシャツでも挟んで。

サイズ合う方は是非。


Made in ITALY
RACCAGNI_Zips
サイズ表記48

肩幅:46
身幅:51
着丈:59
袖丈:68

背中に1-2ミリの小さな汚れあり。
(傷ではありませんでした)
フロント見返しにシール跡のようなものがあります。

どれも目立ちませんが一応ご留意ください。

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