洋服解読所



















c50's CRESCO Box_Body Gabardine Casual JKT
¥39,000 税込
SOLD OUT
アメリカ服における
数あるマスターピースの一つ。
ソフトギャバジンで仕立てられたワーカージャケット。
このカテゴリの中では比較的よく見かけるレーベルでしょうか、CRESCOです。
どんな素材が使われていようと、この形はギャバジャケと通称されますね。
組成表記が入ってる個体なんて見たことありませんから、確かめようもありません。
この個体は恐らくレーヨンメイン、入ってるとすればウールです。
極細に撚った繊維での急斜文。
アッシュベージュのギャバジンと、
細か〜いピッチの千鳥格子のミックス。
裏地は地厚で頼もしさがありながらもテロテロで優美なサテン地。
良い組み合わせ。
この優美なギャバジンを活かし切る袖山のシームデザインが素晴らしい。
ナポリ仕立てか?
って感じの情緖溢れる繊細なギャザー。
(ギャザーそのものを意図した訳じゃないそれをギャザーと呼ぶのは微妙ですが)
さてこの個体を見ていく上で次に注目していきたいのが
「ステッチ」です。
ステッチってのは
入ってれば入ってるほど丈夫ですよね。
これは多分誰でも分かる文脈。
だからこそ、
ステッチは省けば省くほどドレッシーなんです。
この個体はこの“ステッチの排除”がかなり顕著に見られます。
こう書くと「縫製が簡単になる」みたいな印象を持たれるかもしれませんが全然そんなことはありません。
縫い代をもたつかせずアイロンやら何やら駆使して
【綺麗に】収めていくのは普通に大変です。
あとはステッチで抑えた方がボロが出にくいです。
その点で見るとこのジャケットは結構チャレンジングだと思います。
シームにステッチを重ねてる部位は、
・前後のヨーク端
・背面縦シーム両隣コバステッチ
・袖口カフス切り替え線端
…くらいかな。
ポケットにも入れてないし、
ウエストベルトにすら入れてない。
凄いな。
そして
この手の美意識が最も強く宿るのが
【襟裏】ですね。
裏襟の端に細かなコバステッチが入ってます。
でもこのステッチは表には出てないでしょう。
これ、襟の内部の「縫い代」を少しでもコンパクトに抑えようとする、最も細かくて最も尊い仕事です。
縫い代、邪魔ですからね。
ミシンの根本的なシステム上、襟の先端までは入れられないんですけど、ミシンの先端が入るギリギリまで縫い代を殺しにいくんです。
襟裏見てこの裏コバ入ってる服は
ある程度以上の愛を持って作られた服なんじゃないかなと思います。
あとはポケットフラップとかカフスとかでやる人もいるかも。
同業者ウケとかは置いといて、少しでも着用者(お客様)を素敵に飾ってあげようって心の底から本気で思ってる作り手ですからね。
戦後のこの国の栄華を静かに映した
最高の一着です。
そうそう、ペラペラのジャーキーみたいになってますが、ファスナートップのレザーパーツも一応残ってます。
裾リブには幾つかの小穴と、意味無いくらい下手なリペアがちらほら。
目立つのはそれくらいでしょうか。
別に古着において
状態が綺麗=コンディションが良い
が必ず成立するとは思いませんが、それでもこれだけ状態良く残ってるのは結構嬉しいですね。
CONMAR_Zip
サイズ表記38
肩幅:48
身幅:56
着丈:60
袖丈:60
-
レビュー
(314)
-
送料・配送方法について
-
お支払い方法について
¥39,000 税込
SOLD OUT