洋服解読所




















c70's FRENCH VTG [CAPITAL] Nallow W_Breasted Cutting Edge Tailored JKT
¥45,000 税込
SOLD OUT
多分70s前後。
多分フランス周り。
ふわっとしててすみません。
まあ十中八九ピエールカルダンの影響下でしょう。
と半ば断言出来てしまいそうな、構築的な肩周りと大振りなラペルデザイン。
皆大好きフィッシュマウス。
こう来るとフロントの打ち合わせを深く取って貫禄に満ちたダブルブレストに………
ってなりそうなところ、
埒外の極狭ダブルブレスト。
しかもどっちを前にしても成立するフルボタンホール仕様。
何だこれは???
デザイナーズレーベルの仕事でしょうこんなの。
しかも袖口はシャツカフスみたいなキザなデザインを無理やり引用。
本切羽だとか、明き見せだとか、もう論点はそんな所に無い。
見てて疲れる。
こんな楽しい服はなかなか出会えません。
まだまだ。
パッチポケットの仕様もニクい。
前身と後身を大きく跨ぐ大振りなパッチポケットなんですが、これまた随分凝ったマチ付け構成が組まれてる…………。
一切の簡略化を諦めたサファリジャケットみたいな出で立ち。
と 来れば
ベンツは?
ベンツはどんなデザインをしてるんだ。
………
………まさかのインバーテッドプリーツで畳み込み。
正気の沙汰じゃない。
トレンチコートかよ…………。
面白いディテールをキメラ的に混ぜ込んだ結果、全く新しい美意識が錬成されてしまっています。
いよいよデザイナーズなんじゃないのか?
違うんだな、これが。
上襟の裏端はヒゲを残したクラシックな仕立て。
ラペルの裏側には、毛芯を縫い留める八刺しによるまつり縫いの極小ステッチ。
夥しい量です。
ウールカルゼの畝に紛れて見え難いですが、各エッジ部分には丁寧な星止めステッチも入ってる。
裏側の胸ポケット群も判断材料です。
ここの両玉縁ポケットの口布が滅茶苦茶細い。
今では殆どお目にかかれませんが、古いテーラードジャケットでも、相当のクオリティでないと見られない仕様ですね。
そして極め付けは
パッチポケットの中。
身頃に入ったダーツの終わり端を更に隠すように入るライニングテープの叩き縫い。
ポケット内の荷物がダーツエッジを傷付ける可能性を万に一つでも排除した徹底的な心遣い。
これが入る一因となっているのが身頃構成。
このジャケット、ボディシェイプもちょっと面白いことしてるんですよね。
パーツ分割自体は一般的な3面体なんですが、細腹にさえウエストダーツ入れてるんですよ。
シルエットに滅茶苦茶細かい。
故に、このパッチポケットの中には2本分のウエストダーツ終着点が隠れてるってワケ。
前述したライニングテープはそれを一手に保護するって目的も兼ねてるんですね。
世界一過保護な1Way-2Jobの例。
どうでしょう。
これはデザイナーズである前に、
純然たる【テーラーメイド】でしょう。
それも検索エンジンじゃ辿り着けない
特上のヴィンテージテーラーメイド。
流石にこんなのもう見つけてこれないと思います。
それにしても
こんなモンスタービジュアル、
どんな人が作ったの???
サイズ表記-
肩幅:42
身幅:48
着丈:79
袖丈:66
追加。
このジャケットは胸にボリュームを持たせて仕立てられているので、
平面で置いた時はボタンを全閉めするとちょっと胸部分が浮くんです。
故に第一ボタンだけを止めて他を開けると、両裾はナチュラルに外に逃げていきます。
なので平置き写真で綺麗なのは2枚目。
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