80-e90's HAI by WACOAL&ISSEY Earth-Stitched Design Sky Blue JKT

SOLD OUT

現代日本における【アーカイブ】の最高権威であるKCI。


この機関を創設したWACOAL社と、それを強く後押ししたデザイナー、イッセイミヤケ。


時を殆ど同じくしてこの両者/両社により設立されたコラボレーションレーベルが、この

HAI SPORTING GEAR 。


ファッションだけでなくアパレルに係る人間全員に欠かすことの出来ない圧倒的な知(血)の蓄積、アーカイブという行為の手本であるように体系的且つ重層的に収集/管理されたそれらは、この国がファッションの国として在る理由を大きく占めます。


アンダーウェア専業アパレルとしてスタートしたWACOAL社はアナトミカルという概念のパイオニアと言えると私は思います。

そんなWACOAL社の特性に着目したのでしょうか、あくまで“SPORTING”を前提としたカジュアルウェア。


今回はわざわざピックアップしてませんが、ISSEY SPORTとややジャンルが被るような服もチラホラ。


このレーベルの中でも、他ライン/他レーベルじゃ代替出来ないキレキレのユニークピースをフックアップしてみました。






レーヨン100%のソフトシェルで仕立てたルーズボディのスポーツジャケット。

その柔らかなムードを追いかけるような、優しいスカイブルーのカラーチョイス。

イタリアンレトロの映える色です。
相性が良過ぎて、色々と合わせてしまいました……。




でもサビはもっと面白いんですよ。

このジャケット最大のファニーポイントはポケットの意匠。

丸いポケット全面に、地球儀のステッチ。

しかも各大陸のアウトラインに加え、緯線経線が几帳面にステッチされているでしょう。
この線があることで、このビジュアルのイメージは「地球」から「地球儀」へとブラッシュアップされています。
(実際どっちが上とか無いけど、本当に凝ってる。)


そしてこのポケットのデザインにて各ステッチを更に引き立てるための隠し味がひとつ。



それは中綿。

大陸を丁寧に描写するラインを、その中綿にステッチを入れることによって生まれる「凹凸」によって強調するアイデア。


ファッションが急激に世界中に広まりつつあったこの時代を的確に映すディテールセンスであると同時に、両社の製造技術の高さを克明に示す仕事でもあります。


陽気に、ファニーな顔してエグい水準の仕事をサラリ。

こんなスタンスがたまらなくカッコ良いじゃないですか。




また、ポケットの中綿と韻を踏むように前後のヨークにも同じく薄い中綿が挟まれています。

レーヨンオンリーの華奢なジャケットを、さり気無く補強してくれる屋台骨のような配置。

肩先の滑らかな落ち感を邪魔せず、しかしジャケットをジャケット然と成立させるという、巧みなバランス感覚ですね。




さあ、ビジュアルもデザインも大変に素晴らしい一着なのですが“どんな人達が作ったのか”、背景を知って着るとこの価値は更に膨らむでしょう。


ユニセックスで是非。


Made in -
サイズ表記M

肩幅:58
身幅:68
着丈:74
袖丈:56