洋服解読所











1989 PLANTATION in ISSEY MIYAKE Hard Stitches Pattern Collarless JKT
¥36,000 税込
SOLD OUT
デニム縫製みたいに太い糸で
夥しい密度のステッチ。
そのステッチで総柄組み。
刺繍ではなく、「ステッチ」です。
布をミシンで縫う時のなみ縫いステッチ。
これを規則正しく、密度のメリハリを付けつつ、点描技法の感覚でひたすら打ち込んで総柄に。
ランダムじみた難解な抽象パターンですが、引いて見てみると定期的なリピートがありますね。
勿論これを全部人間の手でやっている訳が無いとは思いますが、凄まじいインパクト。
ちなみに極薄シンサレートが中に挟まれてて、ここまでのステッチが生地のぷっくりした膨らみを強調しています。
それがこうも膨大な量のステッチで叩かれる訳ですから、生地そのものの張りもなかなかのもの。
………なんか、生地だけみるとMAHARISHI感凄いですね。
しかしカッティングは強烈なイッセイミヤケ節。
Vに重ねた前合わせを裾に掛けてテーパーさせるセミダブルブレスト。
そのシルエットを反映するように、ゆとりのある腕周りからウエストに掛けてキュッとテーパーが掛かります。
ジャケットでありながらもウエスト周りの強いシェイプ、そしてフロントのライン配置、何処かフェンシングジャケットにも似た情緒を感じます。
そして腕周りのカッティングが面白い。
生地巾一杯で取ったような一枚身頃からぶっ続けで製図されたドルマンスリーブがベース。
(肘で切り替えが入る)
その上で脇下ガゼット。
もとよりT字に近いシルエットであったところ、更に上方に可動域修正が入ります。
これで吊り革も怖くない。
こうしたカッティングにより腕周りには大きなゆとりが生まれます。
イッセイらしい部分ですね。
しかしウエストに掛けて次第にゆとりは収束し、なんならウエストボタンで更にキュッと絞るようなシルエットに。
するとどうなるか。
夥しい量のステッチで張りを得た生地は、ヘビーアウター宛らの“腕周りドレープ”を獲得します。
平面を立体人体に着せ付けた時の美しい腕周りドレープ、これを腕周りで遊ばせたまま固定するのがウエストへのハードテーパーと言うわけ。
これは言わば、裾リブを用いないブラウジング。
そしてビジュアルインパクトだけでなく、“そこ”へのシナジーまでもデザインし切ったテキスタイルデザインであるという訳。
贅沢なステッチワークが炸裂したエネルギッシュな生地を可能な限り邪魔せず、しかしドレープにおける《動》と《静》を巧みに折衷した最高のデザイン。
これはオーバーサイズで着ることで真価が発揮される服。
腕周りゆるくて入るから……と言って不用意にメンズに御推奨してはいけない服。
(もちろんメンズでも華奢な方なら最高です)
Made in JAPAN
サイズ表記M
身幅:46
着丈:60
裄丈:81
身幅はウエストの1番狭い個所での計測
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¥36,000 税込
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