c80's NINO CERRUTI (EURO) Decorative Cutting Loose_Body Leather JKT

私はこう見えて結構レザージャケットが好きです。


水に濡れたら1発アウトだし
重い鞄は肩に掛けられないし
布帛に比べてケアの手間も掛かるけど

それら合切以上の魔力を宿した物が少なくないでしょう。



ETRAKでも縁のある限りストックしている通りです。




これもそのひとつです。


布帛のスペシャリスト筆頭、イタリアはチェルッティのレザージャケット。


【生地】で世界最高の作り手、と言えば間違い無く５本の指に入るのではありませんか。

レザーのイメージの無いこのレーベルがレザーをやるならこの水準、というのが明確に示されています。




こっくり芳醇で深い色味のオリーブブラウン。
形容し難い色味ですが、深緑と焦茶の間。

この艶かしい色味が綺麗に映える、極めて丁寧に鞣された薄手のレザー。

内タグが何もありませんが多分カーフレザーです。


ラムほど柔らか過ぎない、メンズウェアとしての精悍さを仄かに残したテクスチャ。



さぁ、そんなハイクオリティをまるで布帛みたいに自由自在に扱って仕立てられるのは入り組んだ構造のショートジャケット。



先ずは襟が面白い。

羽襟と地続き一枚で製図されたスロートタブ。

全部留めてもカッコ良いし
こうしてラペルとして折り返していても洒脱なアクセントになりましょう。


“フラワーホール” なんてディテールが存在しますが、洋服の形のまま洋服に華を添えるならこんなディテールがそれだと思います。




普通のシングルブレストよりも少し深く取られた打合せ。
ちょっとダブルっぽくも見えますね。
セミシングル・ブレストとでも呼んでみましょうか。



身頃の構造線に托言けて設計された大判のポケットフラップ。
この第一ポケットには深いタック。
兵士のカーゴパンツみたいな機能美。



そしてそれとは別に、手を突っ込む用のサイドポケットもあります。

やっぱりこうしたワイド&ショートの形にはこの位置のポケットが必ずあって欲しいところ。

立ち姿が一気にサマになります。




こんな横長のボディバランスだから、抱き皺も結構出てますね。
これによって同一素材内にも少しテクスチャ・コントラストが生まれています。

抱き皺の発生し得る部分の革は少し柔らかい。



この素材の奥行きが教えてくれるのは、着込んだ先の経年進化、その美しさと楽しさです。

着こんでいけばこんな美しいテロテロレザーになるよ、という耳打ち。




着た時のカッコ良さとは別に
脱いだ時の美しさまでも夢見させてくれる洋服です。

これで最初から肩パッド無しの現代的なソフィスティケートってのが決定打。


最高の1着。


Made in - (EURO)
サイズ表記L

肩幅:57
身幅:66
着丈:61
袖丈:63

全体的に良いコンディションなんですが
カフス裏面に少しレザークラックあり