c90's NORDICA 2-Tone Colors Fake-Layered Puffe JK

システマチックって言葉がとても似合うパファージャケット。


ユーロっぽい、洒脱で柔らかい色味のユニークなツートンボディ。



このツートンカラーってのは、ベストのフェイクレイヤード・トロンプルイユによる切替。



そこから派生して、背面にはボディに縫い留めない“ふらし”のヨーク。

「ベストの裾っぽさ」も意識してるのでしょう。



こうしたヨークはスポーツウェアにて散見されるディテールですね。

そして、それらは大抵ヨークの内側が透湿性に富んだメッシュ生地になってたりする。




さて、このジャケットの作り手はどうするのでしょうね？



だってこれ、ポリエステルの中綿を詰めたパファージャケットである訳じゃないですか。

保温や防寒を旨とした洋服。

このヨークラインでズバッとメッシュ切り替えになんてしようものなら何のための中綿か分かりません。
頑張って温めたのに、全部筒抜け。


しかもその中綿が無い位置だけ、バランス悪く凹んでしまうのではありませんか。

なるほどそれでは良くない。



アンサーは
【超局地的な透湿用メッシュ配置】です。

スポーツテイストのジャケット類のアームホール周りに金具やらステッチやらでベンチレーションホールが設けられているでしょう。


アレをメッシュ切り替えで再現。

しかもアームホールの下部ではなく上部、袖山の位置に。


このアイデアは好奇心のままにジャケットを丸ごとひっくり返さないと見つけられない。


背面ヨークの
【↓AIRFLOW SYSTEM↓】
の文字を間に受けて、「おや、この内側に何か仕掛けがあるのかな？」って吸い込まれなきゃ知れない。

「なんだ、メッシュ切り替えの類は見当たらないな……。」
の先、本当に何も無いのか？の訝しみ。



本当に絶妙なバランスでフィックスした仕事だと思います。

胴体の保温性は損なわなず、尚且つパフ・シルエットに影響せず、しかし腕周りに過剰に発生する熱や湿度だけは適度に逃す設計。

そしてヨーク裾に配置されたスナップボタンの開閉によってもその多寡を決められる。


パファージャケットにベストをフェイクレイヤードするアイデアを基軸に、考え抜かれたクレバーなアイデアデザイン。

こういうのが大好きでアクティブウェアを掘っている。




ちなみにフード部分のレイヤードもフェイク。
ネックラインから色違いのフードを２枚生やしてる構造。

それらはスナップボタンで結合させたり分離させたり出来ます。

個人的には分離させて、フードレイヤードしてる風を装ってみたい。


御丁寧に内側のフードだけ前端に別個のボタン開閉機構が設計されていますからね。

内側はボタン、外側はゴツくて頼もしいririジップ。



シェルに経年相応、多少の汚れは散見されますが、大きな傷や不具合の無いコンディション。



イタリア北部の老舗アウトドア・レーベル
《NORDICA》より。


しっかり日本法人も設立しての盤石としたビジネス展開。
その中で輸入されたイタリア製のオリジナルピース。



Made in ITALY
riri_Zip
サイズ表記L

肩幅:62
身幅:68
着丈:63
袖丈:53
裄丈:85

シェルに少し汚れ